黒船賞始末記

 遅くなりましたが、2003年黒船賞観戦記でございます
 が、ほとんど個人的な与太話であります。本当は日記に書くべき内容ですが、一応前日版を作っちった以上終了後版も作らなきゃな、ってことで…


 2003年2月21日。いつもどおり日本にいながらにして時差ボケしてる僕は遅い目覚め。
 そして出陣。
 まずは最寄駅の近くの郵便局へ。が…キャッシュコーナーが閉まっている!…そう、この日は春分の日だったのです。これだから毎日が休日の学生は困ったものです。が、祝日だからってキャッシュコーナーまで閉めるなよ…。一応都内なんだからさあ(そういえば昨夏の北海道遠征時にも日曜にキャッシュコーナーが閉まってて困ったことがあったなあ)

 黒船賞に向けて、僕が1週間くらい悩んでいたのが、「いくら買うか」ということでした。99%外れる馬券なので、大金突っ込むのもあれだよなあ、と思いつつも、今後東京にいながらにしてコクオーの馬券を買う機会など、少なくとも翌年の黒船賞までやってくるとは思えない…(D-netには入ってません)

 で、一応前日段階で買う金額については固めていたのですが、ここにきてまさかの事態が発生して、その決意が揺らぎます。ああ、これだから貧乏人は困ったものです。

 仕方が無いので、大江戸線新宿西口駅にあるキャッシュコーナー(さすが都会、祝日でもやってる)で貯金をおろします。そして、山手線へ。
 ここでふと疑問が生じます。大井場外の日って大井町からバスは出てるのか!?
 大井の場外発売には一回しか行ったことが無く、そのときは自転車というお馬鹿な手段を使ったため、全く分かりません。昼間開催時には品川へのバスがなくなるくらいなんだから、場外時には大井町からのバスがなくなってもおかしくないのでは!?
 BTにメールで問い合わせるも、BTもそういつもいつも暇ではないので返事はこず。
 とりあえず品川で降りて、迷った結果京急立会川に行くことが決定。みみっちく電車賃をケチって黒船賞に間に合わなかったらしゃれにならん!(まあバスが無かったらタクシー使おう、とは思ってたけど)
 ということで、京急に乗り換え。Suicaで切符買えるんですね。これは便利。が、3人くらい前の方がもたついていたため、各駅停車の電車が出てしまいました。ちょっとあせります。が、どうやら立会川には急行も停まるようで一安心。
 で、このとき気付いたのですが、物心ついてから、京浜急行に乗るのはおそらく初めて(立会川から大井に行ったことはなし)。感動の初体験でありました。

 立会川到着。駅前に郵便局のキャッシュコーナーがありました。なんだ、わざわざ新宿で行く必要なかったのね。
 立会川はボラちゃん騒動もどこへやら、静かでありました。駅の下のコンビニで競馬場への道を確認し、いざ大井競馬場へ!

以下本題

 ということで道にも迷わず大井到着。
 まずは新聞(日刊)購入。黒船賞を確認。
 ナムラコクオーの印は(無無△△無△)。

 日刊のコメント
  結果はともかく12歳のナムラコクオー出走には拍手を送りたい。中央ではNHK杯など重賞4勝で、常に脚部不安と戦ってきた。ここへ出走権をかけての前走2着、大きな期待は酷だが最後の花道か
 うまやのはなし
  田中守師
   カイ食いも良く最近では一番いい状態です。すんなりいい位置が取れるといいね。前走くらいは走ると思うので地元での最先着を狙いたい。
 調教メモ
  時計はないが長め入念。前走時も今回と同じ調整過程で、息はできてる

 そして、オッズプリンターへ。
 単勝9倍台。ノムラリューオーよりも人気!さすがです。

 馬体重は+3kg。そして、調教欄では光る「中間軽め」の文字。
 …ああ、多分今日も大丈夫だろうなあ、と思いました(いや、本当に何様、って感じですが)。

 さて、このままゴンドラ席へ。そして馬券購入。
 単勝1万、複勝1千、そして万が一のために(笑)さらに単勝1百。そしてゲイリーコンドル複勝1百(←単勝ではなく複勝にして微妙に当てに行ってるあたりがどうしようもない。ゲイリーコンドルとのいきさつは省略)

 大井は買い間違うとそれで終わってしまうので入念にチェックして、購入。馬券に「ナムラコクオー」の文字。ああ、感無量。本当にコクオーが出てるんだなあ、と改めて実感。
 そして、初めてコクオーの馬券を手にした(本当にどーしよーもないファンで申し訳ないです)ことへの嬉しさも。

 そして、10分おきにオッズを印刷。といっても大井に着いたのはレース20分前なので計3枚。
 当初9倍台だったコクオーのオッズは10分前には11倍台、2分前には16倍台、結果的には24.4倍になりました。
 …と、「○倍台」というあいまいな言葉を使っていることからも察していただけるかと思いますが、せっかく印刷した3枚のオッズ、無くしました(号泣)。ああ、馬鹿馬鹿馬鹿。

 本馬場入場。ああ、コクオーだ…それ以外何も考えられず。
 レース。
 とにかく無事にレースを終えてほしい、という気持ちはありつつも、やはりやるからにはいいレースを見せてほしいという気持ちも当然あります。う〜ん、複雑。
 「ナムラって昔関西にいた馬だよなあ」という横のオヤジさんのつぶやき。
 本当に、10年近く前に栗東にいた馬が今ここにいるんだよなあ。

 そしてゲートが開きます。
 !!ゲイリーコンドルが致命的な出遅れ。が〜ん。

 一方のコクオー。相変わらず口向きが悪いというか舌使いが悪いというか、なんか乗りづらそうな感じで先行。
 ノボジャックの2番手!!
 おおっ!!
 ノボジャック、ナムラコクオー、マッケンリーダー、ノボトゥルーの4頭が先団。そして残りはその他大勢。そんな感じでレースは進んでいきます。
 ああ、コクオーがマジで勝負に出ている!
 これぞコクオーのレース!とても勝てるような脚の状態だとは思えないのに、それでもなお真っ向勝負。
 夢のようでした。本当に。
 そして、実際ちょっと夢を見ました。

 が、現実はやはりそんなに甘くなく、ノボジャックとノボトゥルーの2頭にはついていけず。そして、カメラも当然前2頭を追います。ノボ2頭、どちらに勝ってほしいかと問われれば当然ジャックと答えるわけで、4角でノボトゥルーがノボジャックに並びかけたときはもうどうなるかと思いましたが、ジャックが再びトゥルーを引き離してくれて一安心。
 そして、再び注目は3着以下へ。
 直線に向いたときはマッケンリーダーのちょっと後ろくらいだったコクオー、果たして何番手!?
 あれ!?
 直線向いたときには3頭の一番内にいたので、勝手に馬場の最内を通っていると思い込んでいたために、ゴールでは最内の馬にしか注目していなかったのです。…コクオーがいない!?ゴール板を通過して馬が流れていく画面でもコクオーは見当たらず、ちょっとドキッとしてしまいました。
 が、まあ競走中止馬がでたら実況でも言うはず。ましてナムラコクオー。実況の方も下手したら競走中止することを計算に入れてる可能性もあります。
 で、リプレイ。コクオーは、馬場の真中をついていました。な〜んだ。ちょっと一安心。

 ああ、それにしても素晴らしいレースでした。
 出走するだけでもすごいことなのに、本当にノボ2頭に真っ向勝負を挑んで、勝ちに行ってくれるとは…
 コクオー、そして中越騎手はもちろん、陣営の方々には感謝感激です。
 …この展開、状態不良の馬が強豪2頭に真っ向勝負を挑む展開、やけに見覚えあるなあ、と思っていたんですが、そうです。95年の阪神大賞典のノーザンポラリスとかぶってたのです(この話を始めると本当に止まらなくなるのでこれ以上は書きませんが)。
 つくづく僕はいい馬にめぐり合えてるなあ、と思う次第でありました。

 さて、配当。
 …ひどいもんです。まあノボ2頭で決まってるんだから仕方ないんですが。
 大井のオヤジは悪口雑言。3連単での万馬券、10万馬券に慣れきっているオヤジに、最高310円で満足しろ、って言うほうが無理です。「結局儲かったのは馬主と競馬場だけだよ」というオヤジの言葉が印象的でありました。
 ちなみに、確定前に近くのオヤジにオッズを見せた記憶があるので、この時点ではまだ確実に3枚のオッズは手元にありました。ああ、どこで無くしたんだ。

 おそらく、普段ならば僕も同じようにこんな低配当のレースに文句を言いまくっていたと思いますが、残念ながらコクオーが素晴らしい走りを見せてくれた後なので、静かにリプレイを見ておりました。3角までのレースは本当に素晴らしいものでした。
 繰り返しになりますが、ナムラコクオー、中越騎手、田中調教師、その他、コクオーに携わった皆様には本当に感謝感謝です。こんあすばらしいレースを見ることができて、本当に大満足です。

 …しかし、この翌週、同じく交流レースでもっと酷い結果が出たんですよね〜。いやはや。

 ついでに、このレースの短評(競馬ブック、中島出版・川島氏)
  パドックに横断幕2枚。それに応えるだけの仕上がりにはあったし、いつも通り堂々と周回を重ねていた。マッケンリーダーと並んで勝ち馬の直後を追走。前半は見せ場があった。勝負どころで2着馬にアッサリと抜き去られてしまったとはいえ、全国発売のレースで古豪健在ぶりはアピールできたのでは。ここに出走できただけでも胸を打つものがあったのは確かだ。

第6回黒船賞
ダ1400(右) 晴・良
単210、複100、110、150、枠複150、馬複160、枠単310


馬名 所属

騎手 調教師
















4 ノボジャック JRA 牡 6 58.0 蛯名正 森秀行 480 2 1:27:5   37.5 2 2.1 18164 10108
12 ノボトゥルー JRA 牡 7 58.0 武 豊 森秀行 451 -5 1:27:9 37.8 1 1.6 24941 7426
10 タッチダウンパス 兵 庫 牡 6 55.0 岩田康 西村守 505 11 1:29:4 38.8 6 32.6 1162 2643
1 ノムラリューオー JRA 牡 4 56.0 田中勝 増澤末 506 -4 1:29:9 2 1/2 38.2 3 12.3 3091 2824
11 ジョイフライト 高 知 牡 6 55.0 中西達 雑賀秀 495 1 1:29:9 クビ 38.3 10 374.1 101 154
7 マッケンリーダー 高 知 牡10 55.0 明神繁 雑賀秀 506 1 1:30:0 クビ 39.8 7 77.0 491 1172
9 エイシンドーサン 高 知 牡 9 55.0 コ留康 竹内利 458 -2 1:30:4 38.1 8 273.8 138 163
3 ゲイリーコンドル 岩 手 牡 8 55.0 村上忍 佐藤雅 531 -3 1:30:4 クビ 38.5 5 30.3 1247 1720
2 ナムラコクオー 高 知 牡12 57.0 中越豊 田中守 520 3 1:30:6 3/4 40.2 4 24.4 1552 1380
10 6 ウォーターダグ 高 知 牡 8 55.0 西川敏 大関吉 473 5 1:30:7 1/2 38.7 9 299.9 126 231
11 5 カコイサンデー 高 知 牡 9 55.0 花本正 大関吉 470 -2 1:30:9 38.2 12 466.5 81 174
12 8 スマコバフレンド 高 知 牡 6 55.0 堅田雅 大関吉 525 -4 1:31:3 38.5 10 374.1 101 146

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