白馬伝説との対面

 多度草競馬の観戦を終え,そのまま帰ってもよかったのではありますが,草競馬が予想より早く終わったため,下野代の隣駅,多度から歩いて20分のところにある多度大社に行ってみることにしました。
 下野代で見たバス案内によれば,多度から多度大社にはそこそこバスが出ているのではないか……と期待したのでありますが,残念ながら時間に合わず。いっそタクシーも考えたのですが(多度駅にはタクシーが待機しております),とりあえず行きは歩くことにしました。結論として,それなりに町歩きは楽しかったのですが(結構風情のあるまちなみだったと思う),やはり風雨はきつく,鞄が悲惨なことになりました。まあ,最低限守るべきものはスーパーのビニール袋に入れてたのでなんとかなったけど。
 で,多度川の橋を渡ると,早くも「多度神社」の社号標。多度神社と多度大社が同一であるのかどうか,実は今に至るまでよく分かってなかったりしますが,多分同一なのでしょう。

 それから少し歩くと,まず右手に鳥居が見えました。せっかくなので寄ってみます。
 が,進んでもお社が見えてきません。これはかつて臼杵で引っかかった鳥居トラップの再来か,というわけで,途中切りのいいところで引き返しました。特に何かを見落としたつもりでもないんですが……。

多度神社 鳥居トラップ こんな道を歩く ちょっと左手に開けたスペース
ここに何もなかったのでここで引き返しました
それにしても,いかにもかつて何かあったっぽい台座だ
真ん中を調べたら隠し階段か宝箱でもありそうですね
愛宕神社がどこかにあるはず
昭和44年の新しい鳥居ですし

 続いて,しばらくすると,お地蔵様と薬師如来の幟が立ち並ぶ場所に。その手前に「観音地蔵」と書かれた道標があり,現地ではこの地蔵と薬師のことだと思っておりましたが,今よくよく見ると,右に矢印が出てて,「三本杉 かん音地ぞう 約17丁」と書かれてますね。1丁は約109m。ということは,17丁は約1700m(端数の計算を放棄した)。これ,まっすぐ行くと多度の観音がありますし,距離的にもそんなところかな,という気もするのですが,上の矢印は右を向いてるように見えるんだよな−。ちょっとよく分からないけれど,興味深いです。

 それはさておき,地蔵堂には綺麗な解説看板がついておりました。
 そして,初っぱなから明かされる「由来を証する史料がない」という衝撃の事実。正直でいいですね。そして,薬師如来像についても,由来不明。神社統合のあおりを受けて安置場所が変わり,最終的には地元の方々が神社と仏様を分けた,ということになるんでしょう。いずれにしても,平成の世の中で,このお地蔵様と薬師様は地元の皆様から篤く信仰されているようでありました。


道標 幟が多数 解説
多度町なのか桑名市なのか
それとも個人なのか,
誰が書いたかは不明
(裏に書いてあるかも)
お堂 盗難予防のため窓から入れる
これ,よく見るシステムですが
考えてみたら小銭前提ですよね
内部

 また,GoogleMap氏によると,向かいには通谷寺という名前のお寺があるようです。向かいにちょっとしたお堂っぽい建物があるにはあるのですが,これがお寺ってことでいいのかしらん?

向かいのお堂 よく見えないけど
お不動様か?

 さらにしばらく歩くと,なにやら面白いオブジェが展示されている建物が登場。見世物なのかどうかよく分かりませんでしたが,ちょっと写真を撮らせていただきました。ちい散歩だったら地井さんが話をしに行くのではないかと思いますが,風雨で疲れているNPの散歩は特にイベントを起こさず素通りであります(中の部屋のテレビがついてたのでびびって先を急いでしまった,というのもある)。

突然現れるひな人形 交通安全と3億円
関連やいかに
火鉢にかくれた宇宙 ピノキオちっくで楽しげ 火の用心やAIDS STOPなど
メッセージ性にあふれます

 で,続いて現れるのは法雲寺。
 普通の檀家寺かと思ったら,無縁仏なのかなんなのか,綺麗に山積みになったお墓らしきものがあったり,法雲寺の額が名古屋市長の書だったりと,予想外に面白いお寺でした(ところで,Wikipediaで杉戸清氏の記事を見ても,多度とのつながりが分からん)。

法雲寺参道 鐘楼 先祖代々の墓 無縁仏? 本堂

 さて,そんなこんなで,ようやく多度大社が近づき,大きな鳥居が見えてきます。その前に現れたのはなんと猿!
 突然現れたのでびっくりしてしまいました。猿に出会ったときは確かびびった姿を見せたら負けなんだよな,と思いつつ,カメラを向けていると猿は逃げていきました。よかったよかった。しかし,こんな街中(本当に街なのか,はさておき)に猿が現れるとは。けが人とか怪我猿とかでてないんだろうか。
 気を取り直して,右手に赤い鳥居。稲荷神社ですね。稲荷神社は普通の稲荷神社でしたが,帰ろうとするとまたもいました,猿。さっきの猿と同一猿なのかどうか,霊長類でもヒト科に属するNPには判別できないのでありますが(写真を見返す限り,別猿な気がする),いずれにしても攻撃されなくてよかった−。

屋根の上の猿 稲荷神社鳥居 由緒 稲荷神社 振り返れば猿がいる

 そして,まだまだあります。続いて現れるのは観音堂。こっちもいい加減風雨で体力を消耗していて,早く多度大社に到達したい気持ちが強いのですが,ここまで来たら全部見て行かなきゃ歩いた意味がありません。

観音堂へ 教育委員会の開設
仏像の研究は進んでいるのでしょうか
お堂を見上げる 梵鐘
右手 左手 猿が入るから戸を開けるなとのこと
縁起いただくの忘れたことに今気付いた
観音堂の中

 風雨をしのげる観音堂の中でしばしゆっくりさせていただいたのち(もちろんちゃんとお経あげてお参りもしてますよ),いよいよ本丸多度大社です。
 実は帰って調べるまで上げ馬神事のことなんかも全く知らなかったので,まさかこんな凄い構えの神社が登場するとは予想してませんでした。いやこれまたびっくりの,凄い階段。そして,その横には楼閣。なにかと思ったら,どうも上げ馬神事を見るための櫓のようです。特等席ですね。
 この上げ馬神事,刑事沙汰になったこともあったりして存続が危ぶまれているようです。確かに,Youtubeで見る限り,競馬のムチ連発なんかの比にならないくらい勇猛果敢な競技が行われております。いやこれ,馬は骨折せんのかいな。どんな種類の馬を使ってるのか知りませんが。また,解説を見ると,織田信長の兵火にかかって30余年中断期間があったようです。こんなところで信長の名前が出てくるとは。長島からはそこそこ内陸に入ってますが,伊賀も近いですし,信長はこのあたりに結構強く当たってたんだろうな。信長の歴史のなかで,三重県攻めって結構マイナーな部分ですが,かなり苦労していたことがうかがえるので,しっかり勉強したら面白いんだろうな。

鳥居 多度大社へ! 末社鉾立社 階段
左が馬が駆け上がるスペース
よくこんな急坂を上がるな 右には奉納された酒樽 上げ馬神事について

 さて,階段をのぼります。おお,境内が広い。
 そして,とりあえず近場の摂社から攻め落とすことにします。で,まずは左。なんか安っぽい顔出しパネルがあるな……と思って近づくと,おやしろの中からなにやらがたがた音がします。てっきり神主さんがなにかしているのかと思ったら……びっくり。馬です,馬。白い馬。白馬です。ありゃまこりゃま。こんなところに馬がいる。
 事前に勉強していけば多度大社の錦山号といえば東海地方では名の通った馬であることが分かるのですが(なんせ名古屋競馬でたびたびレース名になってるわけで),事前勉強なく乗り込んだので,こんなところでご神馬に会えるとは驚きなのでした。神社に本物の馬に会うのって,金比羅山以来かもな。
 この馬はどうもサラブレッドのようで,父ヘクタープロテクタ,母ダムグリス。ヘクター産駒ですか。良血じゃないですか。なんとなく,こういう神社には日本的な馬(野間馬みたいな)にいてほしいと思う反面,知った血統(といってもヘクターを知ってるってレベルだけど)の馬に会えると嬉しくなります。微妙な乙女心なのであります。
 ちなみに,現役時の名前はエイシンオンワード。エイシンなのかオンワードなのかはっきりしてほしいですね。内藤厩舎所属で,重賞にも出走歴のある立派な馬です。未勝利で2着を連発するかなりのイマイチくんだったようですが。
 ここでは,100円を払って錦山ににんじん3切れをあげることが出来ます。あげるといっても,手のひらにのせて食べさせるのではなく,あくまで錦山の目の前にあるスペースににんじんを投げ込むだけですが。それでも,錦山は観光客対応を心得ており,投げ込まれたにんじんに首を伸ばしてぱくついてくれるのでした。いやはや,馬ににんじんあげるのなんて一体いついらいだろうか。
 また,錦山の前には100円で絵が売られておりました。これ,雨で濡れて印が滲んでたんだよなあ。買ったけど。正方形でクリアファイルにおさまらないから2つ折りにしちゃったけど。
 それにしても,お上品かつ綺麗な馬です。錦山に会えただけでも,風雨の中ここまで来た甲斐があったというものです。いやあ,めでたい。もちろん,雨が降ってなかったらもう少し写真をぶれずに撮れたんだろうけど……。


神馬殿 錦山 観光客対応中 血統 にんじん 名古屋競馬で
レース開催
御神馬 綺麗な馬です 再度遠目に
ぶれました
白馬伝説について

 それから,駆け足で摂社にお参り。右手にコンクリ参集殿があり,その正面にあるのは……神楽社。本丸はまだまだ上でした。ううむ,奥が深い神社だ。上まで鞄を持って上がるかちょっと迷いましたが,ここまできたらやけっぱち。持って上がりました。

新宮社 雨宮八幡社 手水 神楽社

 広々とした境内からうって変わり,ここから上は木々の中を歩き,横に川が流れる(雨が降ってなかったら川のせせらぎが聞こえて…とか書けたのだろうけど),何とも言えない雰囲気であります。ここにも摂社が続きます。

筆塚 鳥居 ここにも神馬殿
こっちの馬は作り物
白馬伝説 皇子社 招魂社御由緒
美御前社 神門 神明社

 そして,神門をくぐり抜けると,いよいよ見えてきました。
 ここにいたってようやく,最後に現われるのが本宮多度神社と別宮一目連神社の2社であるということを知ったのでした。ところで,多度神社というのは狭い意味の神社でここの神社を指して,「多度大社」というと,この広い敷地全体を指すのかな?
 山奥のなんともいえない雰囲気の中で参拝……といきたかったのですが,雨と疲労でグダグダだったのでありました。でも,晴れた日の朝なんかにここに来たら,さぞかし荘厳厳粛ないい雰囲気なんだろうと思います。

多度神社 一目連神社 両社の様子 左手には川 多度神社 一目連神社
帰りの参拝客に
摂社を忘れないように
案内する案内板が
川の様子 うまくいく絵馬
面白い絵馬ですね
願事書くの大変だろうけど
参集殿の中にあった茶釜

 最後に,参集殿でしばし休憩。
 参集殿は七五三モードでありました。ここまで朝から何も食べてなかったので,ここの喫茶店で何か食べようかとも思いましたが,早く帰ることを優先させてしまいました。

パンダとコアラの中の人がお疲れモード 入選句 とにかく風船は1人1個だけとアピール
このあたりのこどもはそんなにがめついのか

 最後に,もう一度錦山号に挨拶に行くと,神馬殿から奥まった馬房に居場所がうつっておりました。最初に本丸を攻めてたら会えてなかったかもしれないのか。危なかった。

奥の馬房にいる錦山 左手には簡単な放牧地

 帰りもバスの時間が合わず,タクシーを呼ぶのも面倒だったので歩いて帰ることにしました。多度大社前のお土産屋さんにきいたところ,ここのお土産はお豆さん,とのことで豆を買い,昼飯としてとらや饅頭を購入。
 帰りは下りなので,20分もかからなかったのではないかな。

多度駅 とらや饅頭 上馬くん

 そんなわけで,雨にやられた旅ではありましたが,多度草競馬に加えて多度大社でも馬を見られたので,総合的には大満足な旅でありました。
 今回は事前勉強ゼロで突撃しましたが,事前勉強ゼロならゼロで,いきなりの出会いの衝撃度が強いから楽しいですね。

多度草競馬

旅行記