宮崎旅行記2013その8−2(綾競馬編2)

 さて,6レースはポニーレース。そして昼休みへと入っていきます。


 これは現地に着くまで自分も理解してなかったのですが,綾競馬というのは綾町にある馬事公苑を使って行われています。この馬事公苑は現役の馬事公苑であり,当然普段から馬の育成・調教・馴致等が行われるとともに,騎乗者も訓練を重ねております。
 そして,馬事公苑であるからゆえ,場内(苑内)には馴致用の様々な設備があったり,しっかりした馬房があったり,さらには観戦用の立派なスタンドがあります。「草競馬」と名付けられてはおりますが,旧宮崎競馬場と同等レベルの設備がありますし,1周1100mといったら三条競馬場クラスです。1年に1回しか草競馬やらなくて勿体ないとしか思えません。春秋の年2回開催じゃ利益でないのかなあ。それとも農閑期(畜閑期?)のタイミングの問題なのかな(あとでいろいろみたところ,ふるさと案内所で「草競馬は、穀物収穫後の楽しみとして開催されてきました。」とあるので,農業との関係のようです)。
 馬場が広いので,特に向正面側は人があまりおりません(ただ,それでもカメラ愛好家の方々は多数見えられております)。尤も,ホーム側には人が多く,スタンドもほぼ満杯。そしてみなさん,スタンドにシートをひいたりして思い思いのスタイルで年1回のお祭りを楽しんでおられました。

ホームストレートの1コーナー寄り 1コーナー付近
コーナーもそこまできつくない
内馬場の花がきれいです
洗い場 馬房 スタンドから6レースを眺める 土手から観戦
スタンドの様子 馬場整備車両
記憶する限り業者さんの
紹介はなかったような
馬場 内馬場からスタンドを見る この日は使われず 優勝旗
向正面の道 3コーナーあたり 4コーナーあたり


 その他,来場者サービスとしては,恒例の乗馬体験もあります。
 さらに,ミニチュアホースプリンちゃんとのふれあいコーナーも。いやぁ,こういう場所に来ることのできるお子様方はうらやましい限りです。
 また,この日のサービス,というわけではないようですが,ウサギ小屋がありました。ウサギというとどうしてもBT宅を思い出してしまいます。
 ちなみに,やけに花時計が目立ちます。馬事公苑の案内板なんかが劣化しているのに比べると,この花時計が極めてしっかりしているのがみてとれます。おそらく相応の観光予算が突っ込まれているのではないかと思うのであります。そして,この花時計の針にぶら下がったりしないよう注意を促す放送が流れておりました。


プリンちゃんは大活躍

 そして,お昼休み。昼休みはミニチュアホースのプリンちゃんによる障害飛越。さらにプリンちゃんとかけっこ。そして,綾馬事公苑所属の福永氏による障害飛越。
 普段競技としての障害馬術には縁が無いので(東京馬事公苑に見に行きたいのですが),最後の福永騎手による試技披露には興味津々でありました。

 それにしても,プリンちゃん。昨日宮崎育成牧場にいなかったのは,今日に備えて休んでたんだろうな。下手したら今日からこっちにきてた可能性もありますね。7歳牝馬とのことであります。結構な年です。サラブレッドと同じ考え方でいいのかよく分からんのですが,サラブレッドの7歳だといい年だよなあ。

 ここで使われているバーの飛越を見ると,どうしてもファミリージョッキーを思い出してしまいます。いやぁ,懐かしいなあ。
 それはともかく,プリンちゃんは背も低く,簡単にバーを跳んでるように見えますが,これはかなり大変なんだろうな。
 そして,飛越を終えてさらにかけっこが待っているという,プリンちゃんは大忙しです。そのあとふれあいコーナーにもいたし。このプリンちゃんはどういう経緯で宮崎育成牧場に所属することになったのかな。というか,ミニチュアホースってどういう牧場がどういう目的で生産しているのだろうか。
 ちなみに,プリンちゃんとかけっこ,は外から見ている限り特にプリンちゃんと走る意義がないように見えました。プリンちゃんに勝ったからなにかある,というわけでもなさそうだったし。でもまあ,子どもにとってみたらたんなるかけっこよりもこっちの方が楽しめるんだろうな。なお,実は「プリンちゃんの手綱を持ったおじさんとかけっこ」なのではないかという説もあります。

 で,お待ちかねの,当地所属の福永拓也氏による障害飛越の試技。基本的にオリンピック以外の場面で馬術を見ることがないので,福永氏とその愛馬(そういえば馬名の紹介を聞き逃した)の技量がどういうレベルなのかはさっぱり分かりません(福永氏が日本トップレベルなのはこれまでの受賞歴から明らかですが)。しかしまあ,ずいぶんとこともなげに軽々と飛んでいくものです。まあこういう場所なので雰囲気はぬるいですが,オリンピック本番とかだと異様な静けさのなかでやっていて,もう凄いプレッシャーなんだろうな。
 なお,写真は単発の障害飛越のものしかありませんが,連続ジャンプも1回披露しておりました。1回だけだったってことは,こっちの方が馬の体力を消耗するんだろうな。


内馬場

近くから障害を見る

こういう乗せ方

 そんなわけで楽しいお昼休みは終わり,午後のレースが始まります。午後はまずポニーレースから。ポニーは全レース決勝扱い,つまり予選がありません。どの馬をどうやって各レースに割り振っているのかは不明です。
 ポニーレースは600m。つまり,向正面からスタートして半周で終わります。スタートが極めて重要となります。ここのポニーも非常にしっかりと調教されており,とくにアクシデント無く走ります。今思えば串木野のアクシデント率はちょっと高すぎるのではないかという気もしますね。ただ,これは馬場が広すぎて柵がないためなのかもしれません。

普段は引き馬体験等ができるコースですが,
この日は次のレースに出る馬の準備場所になっております。
本馬場入場

 第8レースもポニーレース。スタートの具体的な仕組みを見たかったので,発走地点に出向いてみました。
 せっかく出向いたのに特にメモもとっていなかったので,数ヶ月経過した今写真を見ながら書くと,どうも白旗で発走準備,赤い旗を振り下ろして発走,という感じのようですね。ようですね,としか書けないのが悲しい限りです。何をしに行ったんでしょうか。まあ,別にここで走るわけではないから厳密なルールを知る必要はないんだけど。
 とりあえず,草競馬らしく基本的には自由なスタートであり,自由なスタートであるからこそスタートでいかにタイミングを合わせるか,いかにいい位置からスタートするかが大事になります。まあ,見てる側からすると全馬無理せずにスタートして,事故無く終わるのが一番であります。


 さて,ポニーレースも終わって軽種の賞典競争が始まります。常々思うんですが,予選で1着→決勝ビリよりも予選で低着順→決勝1位の方がいろいろもらえたりしてる気がしてなりません。まあお祭りごとなのでけちくさい話は脇に置きます。
 第9レース綾城賞。勝ったのはオウダイクン。どうも綾城賞3連覇らしいです。これを3連覇ってことは予選も3年連続負けてるってことになるんじゃないかと思うんですが,どうなんでしょう?競艇でいうところの賞金王シリーズ3連覇に近いのかな。ただ,本戦できちんと勝ちきるのはやっぱり大変なことであり,3連覇が偉業であることは衆目の一致するところでないかと思います。あ,あと,○連覇っていう記録がしっかり残っているのなら,新聞に書いておいてくれると嬉しいですが……どこまできちんとデータとってるのかな。


 上にも書きましたが,ここは馬事公苑です。
 ここでは,本馬場入場に際してBGMが流れること,その際馬名のみならず所属と騎手の紹介もしっかりあります。そして,本馬場入場に際して誘導馬が出走馬を先導することですのです。これはびっくり。もはや完全に普通の競馬興業と変わりません。馬事公苑だからこそできることでしょうね。ほんと,素晴らしいです。できれば誘導馬もレープロで紹介してくれるとよかったんですが……。それにしても,こういう場所で真っ白な馬は目立ちますね。なお,このブログによると,この馬の名前はフェイフェイ。いろいろ検索した結果,両親の名前は不明ですが,1992年5月24日生まれのセン馬のようです


 そんなわけで10レース綾川賞。自分のメモには「スマイルキング ソラシド タガノゴンゾウ」という名前だけが並んでおり,これは本馬場入場時にメモしたのか,上位から順番に書き写したのか,自分の記憶には全くありません。う〜ん,困ったもんだ。

 
スタート失敗

再スタート

いい笑顔

 そんなわけで,宴もたけなわ。
 ほかの草競馬だと,このくらいのレースになると相当数人が帰ってしまってたのですが,ここ綾競馬は人が減りません。遊び場が充実していて子どもがあまり飽きないというのが大きいのかな。あるいは,近所から来てる人が多いのが大きいのかな。いずれにしても,「遅めのレースになったらスタンドがあくだろうからそこで座ってのんびり観戦」というNPの目論見は大きく外れ,座る場所がなくあちこちふらふらしていたのでした。
 第11レースは菊花賞。裏では信州の菊花賞,望月草競馬も行われているかと思いますが,ここでも菊花賞が行われます。やっぱり菊花賞って名前がいいですね。
 勝ったのはガッツ。圧勝でした。あっぱれ!


向正面スタートです

圧勝

大荷物抱えて大変そうです

 そして,いよいよ最終は綾ダービー。実況の方が何回か間違えて「日本ダービー」と言いかけておられましたが,実際問題今年の日本ダービーはここで決めていただいてもNP的には問題ございません。
 せっかくなのでビデオモードで撮ったんですが,馬場が広すぎて,しかもお客さんも大勢いるので,ほとんど馬はうつらず。なぜ僕は撮影開始前にそれに気付かないのでしょうか。

 そういう自分のポカはさておき,見事綾ダービーを制したのは,トクシゲイチゴウ,鞍上長谷川さん。おめでとうございました!!


決定
 
ウイニングラン

 そんなわけで,最終レースも終わり,全レースの結果が出たので景品交換所は大混雑。人が減らなかった理由はこれかな。

 てなわけで,歩いてバス停に戻ります。この道を歩くのは3回目なので,最短距離で役場まで到達できてるんじゃないかと密かに自負しております。
 そして,日向夏のソフトクリームで疲れを癒して(競馬場でも売られてたんですが,日向夏ソフトは売り切れたのです),バスに乗って宮崎市内に戻ったのでした。競馬客っぽい人でバスに乗ってた人はおそらく10人前後だろうなあ。やはり車社会ですね。ところで,日向夏って東京ではあまり耳にしない品種なんですが,こっちでは多くの日向夏関係の商品が売られておりました。どれもほどよい甘さでおいしかったです。


路線図

JAS!!

 若干時間があまったので,近くにあった宮崎八幡神社に寄ってみました。名前から古めかしい神社を想定していたら,普通に新しい立派な社殿が建っておりました。庚申塔や水神の石碑だけが昔から残ってる感じなのかな。


 そして,宮崎空港へ。まだまだ時間があったので,展望デッキにあがってみました。そしてその後,冷汁とチキン南蛮が一緒になった観光客向けの食事をとって宮崎観光終了。
 宮崎空港では,手荷物検査を突破した先のエアーサイドの空間を全て搭乗待合室と呼んでいるようで,「室」というと小部屋を想像してしまう自分には違和感ありありでした。


 そんなわけで,宮崎旅行は無事終了。
 綾競馬延期で城めぐりができなかったのは残念でしたが,その分綾町をゆっくり見られたのでよかったということにしておきたいと思います。
 それにしても,あちこち草競馬をまわってますが,どこも独自色を出しつつどことなく共通性があるのが興味深いです。闘牛みたいに全国レベルの連絡組織は作らないのかなあ。

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