ペナン旅行記その7

クー・コンシー

 さて,今来た道をもどり,続いてはクー・コンシー。

  
キャノン通り。カメラメーカーとは関係ないはず

 なんとなくペナンの寺院の規模に慣れてきてはいるので,ここもそんなもんだろう,という認識で,狭い門をくぐっていきます。門というか,住宅の通路というべきか。奥に向かっていくと,警備員。そして,右手に受付。なんと,ここへきて10RMという有料制の寺院です。これまで全部無料だったから,ちょっと新鮮。10RMってことは,日本円にして300円程度。日本の普通のお寺と変わりません。現地の物価を考えたら結構な値段だよな。まあ,宗教施設というよりも観光施設なんでしょうね。

 ところで,今になって(これを書きながら)解説板を見たところ,1867年の"PenangRiot"において,ここから大砲が火を噴いていたらしいです。CanonStreetの名前の由来はこれだな。で,この1867年のPenang Riotsとはなんぞや,というのが気になります。で,とりあえずこういうときに頼るのがWikipediaさんなのですが,1867年について,「中国人は古参の福建語を話す一団と新参の広東語を話す集団にわかれてコミュニティを形成し、1867年の大暴動の火種になってしまう。」という記載はあるものの,肝心の大暴動がなんなのか全く分かりません。てことで,英語ページも参照すると,どうも9日間にわたって暴動が起きていたようです。あ,ここに,CanonStreetの名前の由来がありますね。クー・コンシーから発射された大砲の弾でできた穴があったようです。
 ちゃんと勉強してから行ったらもっと楽しめたんだろうに。歴史を知らないと旅行は楽しめないな。

入口 解説 1867年になにが こんな建物が並ぶ 入場券売場 入場券の代わりに,シール
これを見えるところに貼る
当然いらなくなるので
みんなゴミ箱に貼って帰ります

 さて,中に入ると,目の前に大きな寺院がそびえ立っております。
 そして,ここはこれまでの寺院よりも観光客が多いな。さすが観光寺院。

 まず周辺を見て行くと,例によって獅子。そして,後ろを振り向くと,舞台。宝福社にもありました。台湾の道教寺院には特にStageがあった記憶が無いので,こういう構造はこのあたりの特色なのかもな。

中へ 獅子。向かって右は明らかに雄のシンボルつきなんですが,向かって左はなんとも分かりづらい 口の中のボールを
触ってはいけない
てか,これ,どうやって
作ってるんだろうか
舞台


 そして,建物には美しい装飾。鬼瓦?に船の形の装飾があります。台湾ではこういうのを見た記憶が無い。これは凄いな……。潮州会館の鬼瓦もそうでしたが,凄いこだわりを持って作られてるんでしょうな。一族の家業とかとも関係あったりするのだろうか。

 あと,面白かったのが,建物の前に立っている,ターバンを巻いて銃を持っている人の像。なんだこれ。いままでこんなの見たことが無い。宗教的にこれでいいのか。
(今にして思えば,1867年暴動に関係がありそうだな。クー一族と一緒に戦ったインド系住民がいたんではなかろうか。うむ,妄想が膨らむ。)

正面から ほんとに豪勢です。ここまでのは見たことが無い あいかわらずこのプラカードの
役割がよく分からない
いや,漢字を見れば
意味は分かるんだけれどね
正面から
ターバン姿が完全にミスマッチ
キンキラキンにさりげなく なんかエロそう なんか哀しそう 横から見た図 広場を見下ろす

 いやぁ,それにしても,素晴らしい彫刻であります。こういう寺院を作る職人(中国版宮大工というべきなのだろうか)も移民時に連れてきてるんですかね。てことで,入る前のもろもろの彫刻。
 おそらく,一つ一つの彫刻に,中国の故事やら先人の教えやら,場合によっては先祖の偉業自慢やらが彫り込まれてるんだろうと推測するところなんですが,残念ながらそれを理解する知識を持ち合わせておりません。常々頭に浮かぶのは,柱の彫刻とか,最後の方で失敗したらどうするんだろうか,という下世話な心配事であります。






 さて,中へ。中央の大広間は,正面に礼拝所。左右にこれまた見事な彫刻。正面には,一応神像(仏像?)のようなものがありますが,目立ちません。周囲はいろいろ煌びやかなのに,像それ自体は結構落ち着いた雰囲気。
 台湾でも思ったんですが,中国系の方々にとっての「神像・仏像」ってどういうものなんでしょうね。なんか日本とは感覚が違うような気がします。




香炉に神の名前
三官大帝って聞いたことあるな

観音様がいますな

 さて,中央の大部屋を奥に抜けると,裏には立派な絵が。この絵には解説がありました。ありがたい。まあ,今読み返してもよく分からんのですが。


 続いて,左右の部屋に入っていきます。まずは福徳祠。全く関係ないんですが,「祠」の偏が「示」でなく「ネ」の漢字って,日本では常用漢字になってないようですが,この示偏の偏を「示」にするか「ネ」にするかって,誰がどういう経緯で決めたんでしょうか。
 そして,詒穀堂。
 双方とも,出てくる名前がひたすらKHOOさんです。そりゃクーコンシーなんだからクーさんばっかなのは当たり前なんですが。クー一族の中でもどこに名前を入れるかってのはいろいろな決まりがあるんでしょうね。


ひたすらKHOOさんが並びます

こっちもひたすら
KHOOさんが続きます

 さて,これで終わらないのがクーコンシー。そりゃ10RMも払ってるんです。これで終わったら宝福社やヤップコンシーに怒られます。
 てことで,1階部分は博物館(文物館)になっています。いまいち何をアピールしたいのかちょっと分からない博物館。そろそろ暑さで疲れが出てきているので,のんびり英語を読む気力が失われつつあるのです。
 さらに,1階部分左側には,在りし日のクー一族の生活だと思われる(解説読んでない)展示もありました。


 そんなわけで,さらばクーコンシー。上の写真の通り,ゴミ箱に10RMのシールを貼っておさらばします。服に貼られたシールを剥がし忘れるとかっこわるいですね。

 で,いい時間になったので,チュリア通りを西に歩き,適宜食事。チュリア通りを西に歩いて行くと,セブンイレブンがあったり,中華系の安宿街があったりしました。ここに,自分が当初宿泊を検討していたゲストハウスも。結果的に,自分が泊まったところはジェティに近かったからよかったと思います。

 で,昼食。昨夜に続き,チキンライスを注文。適当にチキンライスと言ったら,スチームの奴が出てきました。
 ここの店はホテル(というか中華系ゲストハウス。SkyHotel)の1階にあるので,英語表記の注意書きも(注意書きだけ英語表記にして,メニューは漢字だけってのもなかなか凄い話だ)。それによると,外からの飲食物の持込みは禁止。これは当然か。でも,屋台だと手持ちの水のペットボトルとかで水を飲むのに抵抗感ないもんな。さらに,飲み物を何も注文しない場合は0.40RMとのこと。今までは,聞かれるままに全部の店で飲み物注文してましたが,ほかの店もこんな感じに実質お通し代・席料みたいな感じの料金設定なのかな。もしかしたら観光客とジモティーで分けてる可能性もあるのかもな。


 まあ,いずれにしてもおいしくいただきました。オレンジジュース2RMと,チキンライス5.5RM。シンプルだけでおいしいですね,チキンライス。ただ,さっぱりしてるので日本ではあまり流行らないのかもなあ。


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