Clear Ascot!!〜約15年ぶりのアスコット〜


 アスコット競馬場は,エプソム競馬場と並び,イギリスを代表する競馬場として知られております。
 前回NPがイギリスを訪れたのが2001年。まだ海外競馬についても詳しく知らないし,そもそもイギリスはおろか海外についてもよく分かっておりませんでした。そもそも,当時はネット上の情報もまだまだ多くなく,紙の本の情報も限定的。大学2年(当時)の自分にとって,海外旅行するという行動も含め,何もかもが手探りでした。
 今回は違います。

 そもそも,自分の住所地はイギリス。イギリスの街を1人で歩くことになんのおそれもありません。イギリスの電車事情も分かっております。そして,このインターネット全盛の時代に,アスコットの情報など満ちあふれております。

 というわけで,SouthamptonからAscotに向かいます。Readingで乗換。リーディングでなくレディングです。これももう慣れたものです。Readingではこの隅っこのホーム発着になります。これも慣れたものです。ちなみに,「慣れた」「慣れた」と書きまくると,「どうせ慣れたが故に失敗したというオチだろ」と思われるかもしれませんが,今回そんなオチはないのであります。えっへん。強いて言うなら,競馬に負け慣れているというくらいなのであります(これが一番いけないという説もある)。

Reading駅Ascot行き電車のホーム Ascot駅 Racecourseへの矢印あり


 Ascot駅からAscot競馬場までは,専用通路で一本道です。イギリスのアスコットでさえも競馬客は一般客から隔離されるのか!と思ったりもしますが,アスコットであるが故に人数も多く,車を気にせずにだらだら歩けるのでこれはこれでいいことだと思います。イギリスの競馬客って酔っ払い多いしな。
 この専用通路は2001年にも歩いたような遠い記憶があります。アスコットへの道!わくわくしますね!
 ちなみに,この日は朝早く(といっても11時すぎ)乗り込んでますので,まだまだ人はまばらです。イギリスの冬は暗くなるのが早いんだからちょっとは早い時間にレース始めたらいいのに,と思ったりもしますが,早めたら早めたでブックメーカーの売上に影響がでるのでしょう。

ここを進みます 進みます Welcome to Ascot さらに進みます

 10分弱歩くと,競馬場前の通りに出ました。いよいよ,アスコット競馬場!!!
 前回行ったときは流れに任せて乗り込んでいたので,競馬場の道路寄りのスタンドがレンガ造だなんて意識はまったくありませんでした。改装で変わった可能性もゼロではない。でも,あらためて過去の写真を見直したら,やっぱりレンガ造でした。人間の記憶はかくも情けないもの也。というか,むしろ建物にあまり変化がないのですな。地震のない国はこれだからうらやましい。

競馬場外観
一般人の入口は真ん中の門ではなく,左の建物(チケットブース)の先です

 さて,今日はまだ早い時間に着いたので,競馬場内に直行するのではなく,ニューマイルコースのスタート方向を見に行くことにします。暇人の特権です。
 ロイヤルアスコットのゴールドCなんかはニューマイルコースからのスタートですが,スタート地点付近を見に行く人ってどれくらいいるんだろうか。イギリスのことだから適度に盛り上がってる気がするな。当日行けばよかったな。

外から馬場が見える ここは入口ではありません ニューマイルコースの下を道路がくぐっております
ここから先へはすすめない感じです 霧の中
まっすぐ伸びる
ニューマイル

 さて,場外探索を終えたので,場内に入ります。
 10年以上ぶりのアスコット。以前のことはまったく記憶にありませんが,改装を経て,かつては遠くにあったパドックが巨大スタンド裏にど〜んと鎮座しておりました。このスタンド裏の1段下がった大きなパドックという姿,個人的に思い起こすのはソウルの競馬場です。まあ府中も似たようなものだけど。


入場券 入口 RaceCard売り場 パドック スタンド 開催日の案内
本日のレープロ 場内案内 Ascot案内 今日のスポンサー 入口脇のライオン 場内案内の看板
レープロの説明と大きな違いはない


 さてさて。この日の目的その1は,バックヤードツアーです。ホームページの片隅にひっそりと載っていて,果たして本当に実施されるのか不安になるレベルです。日本だったら,こんなツアー開門前から並んで開門ダッシュしてゲットするレベルだと思うんですが(帯広なんかは開門と同時にいかないととれないし,JRAなんかはもっと争奪戦厳しいですよね),ここはもうゆったりたっぷりの〜んびり,の世界です。
 最終的に参加者は20人〜30人くらいだったでしょうか。もちろん,基本は早い者勝ちですが,負けはいません。希望者全員参加です。
 なお,このバックヤードツアーには半年後のシャーガーCの日にも参加しました。障害G1開催日・シャーガーCという相応に大規模なイベントレース日ともに普通に参加できたので,早起き(といってもたかがしれている)できる方には大いにお勧め致します。シャーガーCの観戦記をいつ書けるか分からないのでここで書いておきますが,シャーガーCのときは今回以上に参加者が少なく,ウイナーズサークルのPodiumで記念撮影したり(これはこの日もできたのだけど,1人だったからやめておいた),検量室の体重計に乗せて貰ったりと,いい記念になります。

 で,ツアーはパドック裏のゲートに集合で,そこから全体的な説明,さらにぐるっと歩いてパドックに入って,そこから検量室。そして,スタンドに入って上の金持ちゾーンへ,という流れです。
 貧乏チケット(といってもGrandstand27ポンド(当時のレートだと5000円弱)なのだが)しか持っていない人間が上層階に上がろうと思ったら,このツアーに入るしかないのであります。
 ちなみに,シャーガーCの日のツアーはまた違ったルートをたどった記憶があるので,このあたりは日や担当者によって変わる可能性があります。

Sovereign's Gate パドック側からスタンド側を見回す ちょっと角度を変えて
パドックの中にいるのはYeats Seven races, seven rides, seven winners
フランキーデットーリ像であります
遠目にSovereign's Gate 奥のスペース
むかしはこっちの方にパドックがあったはず
パドックのスタンド側にきました パドックに入ります パドックの路面 中からスタンドを見上げる パドック内 1着馬はここ! JCでおなじみ,
LONGINESの時計
Podium こんな感じで記念撮影可能 スタンドに入り,上に来ました。
地震のない代わりに雨が多い国らしく,光を盛大に取り入れる構造になっております
吹き抜けが気持ちいいですが,裏返すと吹き抜けにしても問題ないくらいの数の客しかいないんでしょうな
金持ちシートからの眺め 本日の馬場状態 先ほど訪れたニューマイルコースの方向 アスコットに来る女王は
このあたりの建物で
いったん待機するらしい
色のついたベンチに座ると
恋が実るとかなんとか,
高貴なAscotとは思えない
軟派な話をしてました
3階(Level 3なので実質4階)におりました 貴賓室
3階からの眺め Queen Anneの絵 さらばPremier Enclosure

 というわけで,バックヤードツアー終了。居座ればPremierEnclosureに居続けることもできたっぽいですが,上に居座ってもいいことはなさそうだったので外に出ることにしました。
 で,もうしばらく場内探索を続けることにします。

 若干写真の撮影順が前後しますが,とりあえず外をまわってみます。
 バックヤードツアーの説明を聞き間違っていなければ,アスコットはスタンドを50年おきに改装しているとのことです。地震がないくせに,贅沢なことをしております。
 で,スタンドをつくりかえるのはいいとして,前回行ったときからはパドックの場所からして変わるという大改装がおこなわれたわけで,ここまでの変更は何年に1回やってるのでしょうかね。そういえば,ちょうどこれを書いているとき(2019年7月)に,京都競馬場が大改装にはいるとのニュースに接しました。京都はアスコットではなくドンカスターとの提携ですが,果たしてどんな変貌を遂げるのでしょうか。

 てなわけで,スタンド裏手からとりあえずコース方向(スタンド方向)を向いて右手側,みんなが飲んだくれるスペースへ向かいます。

パドックの眺め スタンド 奥を見る この円形舞台は記憶にあります
ここで楽団が演奏しておりました
大井のブラスバンドも
これに近いものがありますね
Welcome to Ascot Mother & Baby Room
アスコットにも女性子供ルームみたいな部屋が
あるんですな
ほかの競馬場では見なかった記憶

 で,パドックに戻ります。

 ところで。パドックに銅像があるYeats。解説板にあったとおり,この馬はロイヤルアスコットのゴールドカップを4連覇した名馬です。ロイヤルアスコットにおけるゴールドカップの重要性は,「イギリスでは長距離レースが廃れてセントレジャーにメンバーが集まらない」云々の説明を聞いて育った人間として,ちょっとよく分からないというのが実情。
 Yeatsについては,日本人的にはNHKマイル2着でエプソムカップを勝ったツクバシンフォニーの半弟である,という説明の方が分かりやすいかもしれません。ツクバシンフォニーはデインヒルで,こっちはサドラー。父がサドラーになると,アスコットの重い芝で4000mのG1を4連覇するようになるのか,とびっくりさせられます。
 Yeatsについては,日本語英語のみ,Wikipedia記事があります。日本語の記事があるのはツクバシンフォニーの功績かな?種牡馬としてはクールモアスタッドからNational Hunt用のスタッドに移ったようで,現時点(2019年7月)では産駒のShattered LoveとAugusta KateがNoviceのG1を勝っているようです。
 で,ついでにぼーっとネットサーフィンしていたら,このYeatsが生まれた牧場(Barronstown Stud)は,ジェネラス,ファインモーションやウインドインハーヘアを生みだした牧場でもあるようです。また,前年のドンカスターセントレジャーを制したSimpleVerseもこの牧場の生まれ。なんとも凄い牧場ですな…。また,ファインモーションがちゃんとTrackRecordに載ってるんですね。
 いずれにしても,アスコットのゴールドカップを4連覇したYeatsの偉業は,こうしてパドックの銅像とともに永遠に語り継がれていくのであります。

スタンド
遠目には,イオンの駐車場に見えなくもない
BandStand
この芝生ゾーンはBandstandLawnと呼ばれているようです
下をくぐります
RoyalAscotのときは
ここで雨宿りしました
くぐり抜けると,パドックがやってきます Yeats パドック越しのスタンド

 さらに奥に進みます。旧パドックコーナー。とりあえず,ぐる〜っと見回してみます
 椅子があるあたりは,Grundy & Bustino Lawnと呼ぶようです。この2頭は,例によって日本語と英語のWikipedia記事が作成されております(グランディ:日本語英語,バスティノ:日本語英語)。例によって,他言語はありません。英語は当然として,なにゆえそれ以外は日本語しかないのか。日本人競馬好きすぎだろ。
 で,この2頭がセットなのは,両馬が対決したキングジョージが世紀の一戦と呼ばれる名勝負だったからです。日本でいうなれば,府中にホウヨウボーイ&モンテプリンス,中山にトウショウボーイ&テンポイントという感じで名前をつけることになりますね。こうなると,冠号が入った名前は間延びしてちょっと語呂が悪い。でも,「ボーイ&プリンススタンド」とか「TTGスタンド」とかならいい気もしますね。少なくとも,ナッキーモールとかフジビュースタンドとかよりはいいのではなかろうか。


 で,階段をのぼって上にでます。
 そこから,再度こっちを見下ろしてみます。
 工事後,土がむき出しになっている状況を残しておく,というのはなかなかです。芝の養生に時間がかかっているのか,ここになにか別のものを設置する予定があるのか……。


なにか密談している

 で,スタンドに向かいます。
 障害の展示は,障害レースがおこなわれている日だけです。ほかの日には何処でどうなっているのかは知りません。日本だったら府中の競馬博物館や中山の内馬場に色々常設されてますね。

タバコキオスク。ちゃんとRacingPostが売られている Frankel像
女王がたてたらしい
障害が展示されていました。左がハードルで右がチェイス ハードル チェイス

 んで,スタンド内。
 この日はG1とはいえ,そんなに混んではおりません。

 ところで,彫像が展示されているBrown Jack。この馬も,Yeats同様英語と日本語のWikipedia記事があります。というか,英語日本語しかありません。英語の記事があるのは,同馬の偉大さからみて当然として,なにゆえ日本語があるのか。そして,なにゆえ日本語しかないのか。日本人競馬好きすぎだろ。
  いずれにしても,このBrown JackはクイーンアレクサンドラS6連覇を含むロイヤルアスコットで7勝という,歴史的な大偉業を達成した名馬であります。これだけの馬なのだから,Ascotで展示されていても当然ですね。

 場内ではイベントがおこなわれておりました。このあたりは日本と変わりません。この日のパフォーマンスはSwing Vixenさん。ちゃんとしたホームページを発見できず。2019年に←のリンク先を見ると,60分を409ポンドとなっております。4回公演で,1回30分程度だとすると,1日に800ポンド,この当時で15万円くらいか……。

 さて,場内のBarには,これまでの様々な名馬の名前がついています。新しいスタンドだからでしょうかNijinskyやDancing Braveの名前はあるものの,比較的最近の馬の名前をつけられた店が多いです。まあ,今日本の競馬場内にこういう店を開くとして,クリフジとかをつけるよりもオルフェーヴルとつけた方がいいでしょうからね。それにしても,ここに並ぶ名前として,Choisirが入るんだな。この馬のことはよく知らなかったけど(そして,さすがにこの馬の日本語Wikipediaは無い),同年のRoyal Ascot開催を2勝って,意味が分からんな。

本日のメイン Royal Procession Sculpture
なんか単なるRoyal Ascotにおける女王の来場シーン,というわけではない意味が込められてるみたいです
Brown Jack 場内イベント スタンド内のATM
DancingBrave Choisir Nijinsky Sherger
Dubai Millennium 広く光が入るスタンド Royal Ascotの絵
Introduction to the Green Coats 女王の勝負服です ここにもFrankel
この勝負服の紹介ではなく,Frankelの紹介なのです

 と,ここで1レースのパドックが始まったんですが,話の都合上レースは次のページにまとめます。
 で,再度旧パドックコーナーへ。

 ここにはMotivatorの馬像があります。例によって,Wikipediaには英語日本語の記事しかありません。日本人競馬好きすぎだろ。
 モチヴェーターは,モンジュー産駒で,デビューから4連勝でダービーを制覇した馬です。日本人的には,オルフェーヴルでおなじみのトレヴの父ですね。
 なぜここに馬像があるのかはよく分かりません。そもそもAscotで走ったことないし,工事の関係で扱い悪いし。……とか書いていて,あらためて自分が撮った説明を読んでいると,馬主がRoyal Ascot Racing Clubなんですな。

 ところで,モンジューは我々アラフォー(2019年現在)にはエルコンドルパサーとスペシャルウィークの所為でなじみ深い馬です。上記モチヴェーターの父ですね。フランスの馬なのは名前からも予想がつきます(と書きつつ,エルコンドルパサーはスペイン圏無関係の馬なのだが)。てことで,Wikipediaには英語日本語のほかに,フランス語の記事があります。それでもフランス語しかないんだな。日本人競馬好きすぎだろ。てか,ドイツ人とかはイギリス・アイルランド競馬に興味無いんか。
 で,その向かいにあるBarの名前の由来となっているのがブリガディアジェラード。恥ずかしながら,この馬のことは全く知りませんでした。戦績を見ると,一発でこの馬の凄さが分かります。デビューから15連勝,18戦17勝2着1回。ミルリーフやディクタスに勝っていて,連勝を止めたのがロベルト,と,日本でなじみのある馬がわんさか出てきます。そして,この馬のWikipedia記事は,安定の日本語英語に加え,フランス語,そして中国語!中国本土というよりも,おそらく香港でつくられた記事なのではないかと思いますが,いずれにしても,ここにきてようやく違う言語に巡り会いました。それだけ,この馬の人気が分かります。それにしても,度々話題になる香港馬名ですが,「格烈准將」ってのはこれまたかっこいいですな。



なんか説明を読んでもよく分からんのですが,Working classが
女王陛下と王子に面会する場面のようです
Motivator像
壊さないように気を遣ってるのは分かるが
フェンスが邪魔で正面から近づけない
説明 Motivator Lawn


かつてはここにRoyal Stableが
あり,Queenがここで自分の馬を
見ていたようです
スタンドをくぐって本馬場入場 ここを抜けて行くわけですね 抜けた先 飾られていた絵
モンジュー ブリガディアジェラード マンホール

 時間が前後するのを気にせずに,旧パドックエリアをもうちょっと探索。とりあえず,ここにPreParadeRingがあります。
 さらにその先の馬装コーナーまでいくと,人がいなくなります。つまり,この場に1人いるNPは完全な不審者です。迷子になった哀れな子羊状態であります。

PreParadeRing
このあたりからスタンドを振り返る 馬装所まわり 奥の建物
何に使われてるのか不明
このあたりからスタンドを見る
ひとけが全くない
奥のゲート。使われているのかは不明 1929とあります
案外新しいのか
ここから再度振り返る
やはり人はいない

 最後に,コースまわり。冬の障害戦なので,スタンドの外に出て観戦する人の数は多くはありません。
 まあそれはいいんですが,こと障害戦に関しては,外をまわる平地のコースが邪魔で,障害が遠い!まあ,日本の府中や中山でスタンドまわりからみてもこれくらいの遠さはあるんですが,でもねえ。
 アスコットは,既に見たように貧乏人は上層階に上がれないので,スタンドの上の方から障害を見ることができません。なんというか,はっきり言っちゃうと,競馬観戦という観点からはかなりイマイチです。まあ,「ちゃんとレース見たいなら金を出せ」と言われればそれまでなんですが,日本と比べたらそもそも入場料が馬鹿みたいに高いわけでして,貧乏人としてはやはりなんというか,困ってしまうのであります。

芝生ゾーンから,奥の方を見る スタンド 真ん中がいわゆる天覧席なのでしょうか? スタンド Winning Post 芝生上での中継は禁止
ちょっと遠くまで来てみました ここから先はピクニックローンです
Lawnをローンとしてしまうと,金貸しみたいですね
スタンド〜芝生ゾーン〜コース方向

 というわけで,若干順番前後しますが,レースへ。


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