[ 年度末 ]
当地ではまだ3月31日です。
んなわけでして,イースターが終わりました。いまいちイースターがなんなのか,いやもちろんキリストが死んで復活して,という流れは,腐ってもカソリック小学校に2年半在籍したから多少は知ってるんだけれど,それが現代のクリスチャンにとってどうなってるのか,何をしなければならないのかがよく分からない。イースター本番の金曜日は例のうら若きチャイニーズと共にバルセロナにいたんですが,どうも当日は肉を食べたらいかんらしい。2年半カソリックの小学校にいてそんなルール全く知らなかった。しかも,ギリシャでは,というのは正教会ではという意味なのかなんなのかはよく分からないのだが,イースター前1ヶ月だかなんだかは肉を食べてはいけないらしい。どうも魚はOKという噂もある。両生類はOkなのだろうか。

とまあ,謎が多いです。久々にイースターエッグなるものを見たしな。あと,知らなかったのがホットクロスバンズ。ぱっと見馬名に見えますが,パンの名前です。これ,本来はイースターに食べるパンらしいんですが(貧しい人がイースターの際にだけちょっと贅沢して味付きのパンを食べることができた。現在はイースターに限らず売られているとまたまた登場するRichardさんが言ってた),あちこちに売られております。が,アメリカで見た記憶が無い。多分目にしていて意識してなかったんだろうけれど(なにせ小学生がスーパー←白馬で言ったような場所ねに行って袋詰めのパンのコーナーなんぞに関心を示すはずがない),いやはや食文化というものは奥が深い。

で,日曜にはインドネシア人に連れられて,教会でSaintsの前マネージャーが話すと言うから行ってみた。まあイースターの教会イベントなのでどれほど話が教会的になるかは行ってからのお楽しみだとは思ってましたが,どっちかというと司会者がそっちに頑張って誘導してる感じでした。個人的には,終わってから会った人に自分がアメリカンアクセントであることを指摘されたことがちょっと嬉しかった。なんせこっちにきてそのことを指摘されたのはこれが初めてだったのです。
月曜(一昨昨日)は例のビザ取れなかったインド人と,当地に来て初めて日本食的なものを食べたことは日記に書いたな。
で,昨日(水曜)はワイン好き韓国人主催でワインテイスティング的な飲み会。本来ならおいらの出る幕はどこにもないのですが,例のなんとかちゃれんじのグループでの開催となったために出ないわけにはいかない。まあ一人しらふでふらついておりました。いやあ,ワインについてうんちくを語れる弁護士さんってかっこいいですよね。嫌みでなく。馬体についてうんちくを語る弁護士さんっていったい何者なんですかね。いやまあ馬体について語れるほどの相馬眼ないですけど。
2016/04/01(Fri)
[ くらしこ ]
なんかインドネシア人に誘われてパブでクラシコ観戦というよく分からないイベント。基本海外サッカーはこういうことでもないと観戦しないので誘っていただけるのは非常にありがたいですね。
それにしても,約1週間前に自分が見に行った場所が超満員になってるっていうのはなかなかに凄いことです。
2016/04/05(Tue)
[ 現実逃避 ]
エッセイが書けないので(ならHP更新するなという話だが,これも現実逃避である)いろいろネットを見ていました。
とりあえず,アイリッシュダービーに行き本気で観光するならこうなるよな,という日程を立て,かつ,無料キャンセル可能なホステルを押さえてしまった。しめて7泊8日,3競馬場に5日(+もちろんナショナルスタッドも)行く旅であります。はてさてそこまでがんばるべきなのか。ダービーはともかく,PrettyPollyステークスに1日割く必要はあるのか。この判断は議論を呼びそうですね。
あと,イギリスGPとウィンブルドンが重なるのはどうも去年もそうだったっぽいんですが,どうしたもんだか。今年から車椅子シングルもウィンブルドンに入るんだよな。まあ,どうせ決勝は見られないので,ロンドンに滞在→ウィンブルドン&シルバーストーンという流れはありかなと。問題は,イギリスGP明けの火曜と水曜にシルバーストーンでテストの日程が組まれていることで,テストを見に行ける機会なんてこれもほとんどなさそうだよな,とすると一体これはどうすればいいのか。
そして,もう一つ忘れかかってたけど忘れちゃいけないのが,もう一回ニューマーケットに行くこと。今回はちゃんとツアーを使ってもうちょっと色々見たいんだった。
とまあ,こんな具合にまったくエッセイがはかどらんのですよ。しかもグランドナショナルも迫ってきてこっちの意味でも落ち着かない。

というかですね,パナマ問題はいいんだけれど,去年学費払ったときから円ポンドレートが30円くらい違うのはなんとかならんのでしょうかね。このレートがまた旅行意欲をかき立てるのでありますが。
2016/04/06(Wed)
[ グレープ ]
リバポなう。
晩飯を求めてふらふらしてたらドルトムント戦が始まるところで、コーラ片手に観戦中なうです。
心情的にはカガーワのいるドルトムントですが、当地でそんなことできるはずもなく、おとなしくセインツに負けたチームを応援しております。カガーワがベンチで助かりますな。
でも、ふと右を見たらドルトムントのマフラーしてる人がいた。立ち入り禁止にならないんだな。うちの近くでは前回のリバポ戦のときはリバポサポ排除してたが。
2016/04/08(Fri)
[ 絵員とリー ]
グランドナショナル開催一日目(自分にとって)終了。コースウォークで泣きそうになってしまった。まさかここに来られる日がくるとは。
イギリスとは思えないほどこんでましたが、まあ頑張れば何とかなる。明日も同程度かは知らんけど。
馬券は21/26でやや負け。
2016/04/09(Sat)
[ グランドナショナル ]
終わった。ふるえが止まらん

次の目的地(次走は月曜Kelso)へ向けて電車なう。
落ち着いた。しかし、虚脱感すごすぎて桜花賞にしてもKelsoにしても身が入らん。

まあ、浅田次郎が凱旋門賞を見に行くまでに28年かかったことを思えば、22年くらいでここに到達できたのはかなり上出来ではある。直木賞を制覇していた浅田次郎と500万下(年収)のおいらとを比較するべきなのかはしらんけど。
まあ、まじめに働いてたら見に行けるような時期に開催されてないわけで、浅田次郎の言葉を借りるなら競馬だけやってなくてよかった、となるのだが、他方で仕事だけやってなくてよかった、とも言えるのではなかろうか。
2016/04/10(Sun)
[ ハドリアヌス ]
昨日はハドリアヌスの罠にはまって足が泥にはまるはバスは逃すわでなかなかひどい目に遭いました。
で、現在Kelsoからツイードバンクへのバスの中なうです。なうと書く場合には現在はいらんのか。
Kelsoというと、有名なアメリカ馬を思い浮かべるのだろうと思いますが、残念ながらスコットランドです。どこですかね、一体。競馬がなかったら200%行きませんね。
そんな場所ですが、ここは馬が近い。本当に近い。すごいです。おすすめです。勧められても行くのがかなり大変なのが玉に瑕ですが。
馬券も3レース当たってプラス。
いやほんと、ここお勧めです。こんな場所があったとは。
2016/04/12(Tue)
[ きのこたけのこ ]
グラスゴーなう。ナッカムーラーがいたことで知られる街です。スコットランド最大の都市はエジンバラでなくここなんですね。ここはなんとなく町の雰囲気がよろしくない。まあサッカーなどという底辺労働者の遊びが流行るのも納得です。スコティッシュカップのチケは早々とあきらめ、どこで試合を見るか思案中です。

んで、熊本で大地震とか。阪神もそうだったけど、直下型って恐ろしいですね。まあ知り合いが数名いる町だし行った回数はそこそこな街でもある(なのに競輪場未踏)ので、心配ではあります。混乱無く復興しますように。いずれ競輪場にお金落としに、あ、競輪場からお金をもらいに行きますので覚悟しておけ。
2016/04/15(Fri)
[ オラシオン ]
サナシオンってどういう意味なんでしょうか。
中山GJは買わずに昨日はAyrのScottishGrandNational。裸のおじさんが走ってたんですが、なんなんすかね?
Ayrはなんつーか、かゆいところに全く手が届いてない、観戦するにはイマイチな競馬場。前の2つ、チェルトナム入れると前の三つが良すぎたというのもあるのだろうけど。
馬券はレープロ分だけ勝利。
2016/04/17(Sun)
[ マジェスティバイオ ]
ネタが2つあってどっちを書こうか迷ったがまずはこっちから。

書いたか書かなかったか忘れましたが,先日友人と当地に来て初めて日本食(但しJapanese & Orientalというよく分からんくくり)の店に行きました。この店はSaintsの試合中宣伝を出してるレベルの店なのでおそらく儲かっている上に広告費分料金に上乗せされてるだろうから自分だけでは200%行かないのですが,とりあえず外人に日本を紹介する活動の一環として希望されたら行かざるを得ない。
まあそれはそれでよいとして,その店にはメインコースにベジタリアンメニューが2つあり(当該友人はベジタリアン。インド人って多分宗教的背景からかベジタリアン多いっすね。日本の店ってベジタリアン不対応な店多いけど,観光地はなんとかしたほうがいいと思うんだよな。カンボジアとかフィリピンでもしっかりしてたし),1つが焼きそば,1つが天丼でした。エビのない天丼なんて蛯沢のいない小嶋太厩舎のような気がしますが,とりあえずそれはいいとして,ここでおこなわれる作業は天丼を英語で説明することです。
天丼の語源は,自分が知る限り天ぷら+丼です。違ってたら知らんけど,こちらの目的には誤った日本知識を外人に流布することもあるので,まあそれはそれでよい。
さて。ここで知ったこと。天ぷらはtenpuraではなく,tempuraです。nではなくmなんですね。そして,それゆえ天丼はten-donではなく,tem-donになります。
しかしながら,日本の誇る天丼チェーン店てんやは天丼をtendonとして売ってます(でも天ぷらはtempura)。どっちが正しいのか,これ微妙に国際問題ですね。外務省と農水省とその他関係各省はいち早く共通見解を出すべきかと。日本食の認証云々してる場合ではない。
とまあごたくはいいとして,現地で検索しては英語の説明を見せてたんですが,そこで知ったこと。"tendon"は英語で腱のことです。屈腱炎でおなじみの腱です。

さて。そこからどこに話が飛ぶかというと,自分語りです。いや上の話も自分語りなのだが。
最近腱鞘炎です。いやはや,屈腱炎ですといいたいところなのですが,死にたくないので腱鞘炎と言っておきます。
放っておけば治るかなと思って1ヶ月ほど放置した結果まったくよくなる気配がないので,医者に行きました。インフル?で登録に失敗したので,今度はおとなしく大学の医療施設で登録しました。最初からこうすりゃよかった……。
登録申し込み後24時間で予約可能になり,予約から2日後にアポ。なるほど,これが俗に言う「医者と会う頃には風邪が治ってる」って奴だな。まあ残念ながら3日で治るくらいなら1ヶ月の間に軽快しておる。
で,いそいそとでかけたところ,登場したのはnurse。もちろん,若い巨乳のお姉さんが出てくるはずもなく,おばさんです。で,いろいろ話をしました。で,このnurseは途中抜け出して医者の指示を仰ぎに行ったりします。なんか宅建業者か過払事務所かといった感じですね。
で,この病気でっせという説明を受け,ネット検索した記事を印刷してもらいました。これは全てタダです。もっとも,FarEastからやってきた黄猿は入国前に保険のために多額のカネを納めております。
で,あわせて薬も処方されました。これもNurseのおばちゃんがやります。一応処方箋の下に"Dr"の名前があるので席を外した際に指示を受けてたのだろうとは思います。おお,まさに過払事務所。これを近くのPharmacyに持って行く方式です。
で,処方されたのが飲み薬のNaproxen500mgTabletというやつです。飲み薬を使うんですな。湿布か何かもらうのかと思ってた。なお,薬は有料です。値段忘れた。

とまあ,腱鞘炎のさなかに天丼の説明をしていたところ,tendonとtemdonという思わぬつながりがあって,世の中なにが起こるか分からないなあというお話でした。
つうか,自分の手首が3時間30分の試験に耐えられるか現時点で分からんので,地味にびびりまくっております。はてさて。

ついで話がありまして,別の人から,日本のウイスキーを紹介しろと言われております。響だか山崎だか両方だかが国際的な賞をとってるとかとってないとかいう話です。そういえばJRAに山崎って騎手いましたよね。
で,別に紹介するのは全然構わんし,そのために自腹でなにか買うのも全然問題ないのですが(いや,安い買い物ではないので財布的に問題あるのだが),困ったことにこちとら下戸でありまして,JRAの山崎と南関の山崎の違いは説明できても,ウイスキー○年とか言われてもさっぱり意味が分からないのです。12年デビューの山崎(JRA)と03年デビューの山崎(南関)の違いなら説明できるんだけれど。
というわけで,酒の話題と言えばおじいちゃんなのでおじいちゃんにメールしようかとも思ったんですが,「そういえばI氏の結婚式が6月だったからその直前にでも合わせて質問するか」と思ってメールしなかったのです(今もなおしてない)。したところ,そのI氏の結婚式の写真が顔本に登場するという大惨事。完全に時期を勘違いしていたのでした。時季に遅れた電報を送っても仕方ないのでメッセージだけにしておりますが,まあそれはいいとして,教訓としましては,やはり質問は早いうちにしておけ,ということになりますでしょうか。ですが,まだメールしてないのでありました。

なお,ここに登場する外国人は全てインド人です(枝豆の皮ごと食ったのはBで酒飲みは船員2名)。インド人の底抜けの明るさは素晴らしい。放っておいたら勝手に話しまくってくれるので英語がダメでも助かる。イントネーションはアメリカとかなり異なるのでちょっときついけど。
で,グラスゴーのホステルで話した奴もインド人の船員でした。正直驚いた。日本にいると船員といえばフィリピンや中国なイメージなんですが,インド人も結構多いようです。
2016/04/18(Mon)
[ 荒尾 ]
東北の震災後,最初に行った競馬場は荒尾でした。

さて,2つめ。まだ時期尚早な感もありますが,試験勉強したくないので。なお,言うまでもないですが思いつきで書いてますので誤りは多いかと思います。さらにいうと,こんな感じで日本には腐るほど法律がありまして,「Bって法律全部知ってるんでしょ」的なことを言われると「無理にもほどがある」という回答になるのでございます。

日本という国では賭博や賭場開帳は犯罪とされているところ,競馬法という法律によって競馬によるギャンブルが認められております。これは有名なお話。
さて,その競馬法,中央競馬会や一部自治体に競馬の開催権を与えております。としたところ,地味にこんなルールがあります。
第1条の2第2項
次の各号のいずれかに該当する市町村(特別区を含む。以下同じ。)で、その財政上の特別の必要を考慮して総務大臣が農林水産大臣と協議して指定するもの(以下「指定市町村」という。)は、その指定のあつた日から、その特別の必要がやむ時期としてその指定に付した期限が到来する日までの間に限り、この法律により、競馬を行うことができる。
一  著しく災害を受けた市町村
二  その区域内に地方競馬場が存在する市町村

「つ」ぐらい小文字にしろとかまあいろいろ文句をいいたくなるところではありますが,とりあえず災害を受けた市町村は一時的に競馬を開催できるというお話です。地味ながらこんなルールがあるんですな。荒尾って今まだ施設残ってるんでしょうか。

そして,競馬の収益については,地方競馬に関しては同じく競馬法にルールがあります。
「(収益の使途)
第二十三条の九  都道府県は、その行う競馬の収益をもつて、畜産の振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行うのに必要な経費の財源に充てるよう努めるものとする。」

畜産振興はいいとして,どうして医療の普及が特別に認められてるのかよく分からんというのはさておくとして,ここにも「災害の復旧のための施策」というのが登場します。

他方,天下のJRA様におかれましては,日本中央競馬会法という別の法律があります。もう嫌ですね。簡単にまとめてほしいものです。
この法律では,有名な10%の国庫納付金についてのルールは書かれているもののそれ以外の収益の使途に関するルールはありません。まあつまり国,というか農水省様の利権として10%を使って貰えばそれで役割を果たしてることになるんではなかろうかと。
なお,JRA様存在意義は1条で「競馬の健全な発展を図つて馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与する」とされております。そして,あわせて業務として競馬がらみ以外に
「一  畜産の経営又は技術の指導の事業、肉用牛の生産の合理化のための事業その他の畜産の振興に資するための事業
二  農村地域における良好な生活環境を確保するための施設の整備その他の営農環境の確保を図るための事業又は農林畜水産業に関する研究開発に係る事業であつて畜産の振興に資すると認められるもの」
をおこなうことができるとされております(19条4項)。
つまり,災害云々は一言も出てこないのであります。地方競馬との違いですね。

ところで,新しい法律は,こんな感じに法律のトップ(1条)に法律の目的が書かれることになっております。競馬法は古い法律なのでこれがありません。
で,残りのギャンブルをみていくとしますと……
モーターボート競走法(競艇)
→ モーターボートその他の船舶、船舶用機関及び船舶用品の改良及び輸出の振興並びにこれらの製造に関する事業及び海難防止に関する事業その他の海事に関する事業の振興に寄与することにより海に囲まれた我が国の発展に資し、あわせて観光に関する事業及び体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に資するとともに、地方財政の改善を図る
自転車競技法(競輪)
→ 自転車その他の機械の改良及び輸出の振興、機械工業の合理化並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に寄与するとともに、地方財政の健全化を図る
小型自動車競走法(オート)
→ 小型自動車その他の機械の改良及び輸出の振興、機械工業の合理化並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に寄与するとともに、地方財政の健全化を図る

例によって「日本語として読みづらいにもほどがある」「専門家も本当に読めてるのか」と言いたくなる文章が並んでおりますが(なお,専門家も法律なんて読めませんって普通),基本的にこの目的規定というのは,中目的+大目的でできあがっております。大目的というのは3つに共通する「地方財政の健全化を図る」です。JRA様は国の管轄であり,お国の財政なんざJRAごときに構って貰いたくないので(というか10%上納することしかできないから構うことができない)目的規定の書きぶりが違います。で,競艇競輪オートの目的は,この「地方財政の健全化を図る」ことにあるわけで,地方財政の健全化を図れないのであれば目的に反していて存在できなくなるのであります。だからこそ赤字になったら廃止されるわけですな。もちろん,赤字にならなくても廃止されることがあったりしていろいろ面倒なんですが。

目的規定ってのは意外と面白いものでして,有名どころだと
刑事訴訟法
→ 刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。
大目的は刑罰法令の適正迅速な適用でありまして,世のPさんが人権保障は中目的(あるいは手段)にすぎんのじゃ,と言ったりしております。さらにいえば事案の真相を明らかにすることも真の目的じゃあありゃしないのであります。

医師法
→ 医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保する
薬剤師法
→ 調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保する
というわけで,医師と薬剤師の目的は共通であることが分かります。また,法律ができた時代によって「掌る」と「つかさどる」が漢字だったりひらがなだったりすることも分かりますね。

いろいろ話題の著作権法
→ 著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与する
文化の発展が大目的でありまして,著作権者の権利保護は中目的・手段にすぎないんですな
特許法
→ 発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与する
著作権が文化なら特許は産業の発展になります。著作権法の場合は特に創作活動が奨励されていないのに対し,特許法の場合は発明が奨励されているのも興味深いですね。
オリンピックエンブレムで話題になった商標法
→ 商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護する
これは大目的が産業発達+需要者の利益保護という2つになっておりますです。需要者とかいうよく分からん日本語を使う法律家のセンスのなさがたまらんですね。商標がくっついたものを買う客のことでございます。

話を戻します。
競艇競輪オートは地方競馬同様収益金の使い道も法律に書かれております。
競艇
→ 社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、体育の振興その他住民の福祉の増進を図るための施策を行うのに必要な経費の財源に充てる
競輪
→ 自転車その他の機械の改良及び機械工業の合理化並びに社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、体育の振興その他住民の福祉の増進を図るための施策を行うのに必要な経費の財源に充てる
オート
→ 小型自動車その他の機械の改良及び機械工業の合理化並びに社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、体育の振興その他住民の福祉の増進を図るための施策を行うのに必要な経費の財源に充てる

競輪とオートは目的も収益の使途も共通しております。経産省傘下だからですかね。
競艇は目的には「船舶、船舶用機関及び船舶用品の改良及び輸出の振興並びにこれらの製造に関する事業及び海難防止に関する事業その他の海事に関する事業の振興に寄与」とか「観光に関する事業」とか入ってるくせに,ここではそれがすっぽり落ちてます。そのあたりは笹川財団に丸投げということになろうかと。社会福祉と住民の福祉の違いも気になりますが,これこそ多分社会保障に関する本を読めば説明があるはず。死んでも読まないと思うけど。

で,気付くのが競艇競輪オートには「災害復旧」がないことです。まあ「その他住民の福祉の増進を図るための施策」に入るという解釈になってるんでしょうが,とりあえず明言されてないのであります。
ただ,災害復旧のために新たに指定はできないので,例えば戸田で年1回やってて黒い服着たガキどもが応援に駆り出されている某ボートレース(戸田競艇とは別物)を急遽指定して丁半博打を開帳することはできないのであります。
合わせて気付くのが,地方競馬には「その他住民の福祉の増進を図るための施策」というような「とりあえずなんか言い訳をつければなんにでも使える」的な条項はありません。これもまた興味深いところです。

というわけで,久々に日本の法律をみてみたというお話でした。なお繰り返しますが真面目に何かを書こうと思ったら法律ができた背景とか国会でなにがあったかとか所轄官庁の説明とかを読まないといけないので,そんな暇などどこにもございません。
2016/04/19(Tue)
[ アービとレーション ]
試験前なのに全く試験勉強せずにふらふらと。ロンドンとか言う大都市の弁護士さんに誘われて仲裁の末席に座らせていただきました。緊張と興奮とホステルが狭かったのとで実質1時間しか寝てない中で英語でおこなわれる仲裁に出るという,想定外甚だしい事態となったのですが,なんとか大惨事は起こさずにすみました。小惨事が起きてたのではないかという点に関しては,特にコメントできません。とりあえず「夏に居座りたいだけ居座っていい」というコメントを頂戴したのでよしとします。
2016/04/22(Fri)
[ マイラーズC ]
買い逃したとか恥ずかしくて言えない。

それはさておき,日曜日はアルゼンチン人(とかいいつつオランダのパスポートも持ってるらしいですが,いったいどうなっておるのか)の誕生日ということで乗り込みました。ここで問題です。16:30〜17時以降なら来ていいよ,といわれた場合,日本人ならば何時に行くでしょうか。いろいろ検討した結果,17:40ころに乗り込み,見事一番乗りを果たしました。まあ,「日本人は時間に正確である」という誤った固定観念を植え付けることを行動原理の一つにしてるので別にいいのですが,いまいち正解が分からんのも困る。
で,宴は1:30〜2:00ころに終わったんですが,インド人が酔っ払って突然倒れて頭を打ちました。まあ今のところ後日談が聞こえてこないので大事には至ってないと思われるんですが,こいつら酒に強いだけにいざなにかあるといきなり倒れるんだな。なかなかに恐ろしい。松浦亜弥の物まねの人,前田さんだっけ,が亡くなったのがこの前だったかあとだったか忘れましたが,この件もあったのでいろいろ怖いなと思った次第です。でもまあ,酒を飲まずに午前1時過ぎまで外人のテンションにつきあうのも体力がいります。

ところで。この学校では毎週水曜日に各業界(といっても全部海ですが)から外部講師を呼んで話を聞けるんですが,最終回は某検定協会のインハウスでした。どこぞの島国とは異なり,この島国とその向かいにある大陸(どこぞの島国の向かいにある大陸と同じ大陸ではあるのだが無視)ではインハウスが多いのはよく知られた話で,講師も「ほとんどの人がインハウスになると思うけど」的なノリで話しておりました。まあそれはよいとして,インハウスのメリットとして,「いろいろな仕事ができる」というのが挙げられていたのが非常に興味深い。どこぞの島国だと市井のBこそ「なんでもできる人」という認識を持たれてるのではなかろうかと思うので,まさにこのあたりにB(バリスタではない)に対する期待やBの仕事内容の違いが現れているのではなかろうかと思う次第です。てか,インハウスよりも特定の仕事に詳しくないとやっていけないってのはかなりハイレベルだよな。
2016/04/29(Fri)