黒潮に輝く黒王〜ナムラコクオー7年ぶりの勝利〜


 2010年10月吉日,ナムラコクオーが暮らす高知県の土佐黒潮牧場にて,親睦会と,イベントレースが開催されることとなっておりました。
 直前参加で関係各位に多大なる迷惑を掛けつつ,コクオーに会いに行ったのでありました。

 初めて踏み込む関係者の渦の中,場長様や関係者の方々に挨拶を済ませ(会員になる前に過去に一回訪問したことがあることについては面倒なので一切触れず),ふと見れば,コクオーが前日運動中でありました。
運動♪ ちょっと止まって
逆回り 運動後の水浴び
お疲れ様でした
馬房 ひたすら食べる

 とにかく,元気そうで何よりです。
 なお,NPはこういう場に入ると元来の人見知り+元来の人間観察趣味が爆発するので,かなり不審人物状態だったのではないかと思います。どうも関係者の方がにおかれましては失礼いたしました。

 こんなNPを温かく迎え入れてくれる馬たちは,以前来たときから,ちょっとメンバーが変わっておりました。
 新しく入る馬もいれば,天国で第3の馬生を歩み出す馬もいるわけです。別れがないと出会いもない,あたりまえのサイクルなのであります。
 が,相変わらずのガイモンを見るとホッとするのが事実なのでありました。

 そんなこんなで,この日は国民宿舎土佐に宿泊。移動はレンタカーであります。このへんは書けないことがあるので書きません。
国民宿舎土佐 良い眺め! えっへん

 国民宿舎に泊まるのは,音戸ロッジ以来であります。あのあと,音戸ロッジも閉鎖されてしまったんですよね。いやはや,時代の流れは速い。
 ここの売りはなんといっても展望露天風呂。また,近くに,朝青龍の名前の由来となった青龍寺もあるというお遍路さん御用達の国民宿舎であります。
 露天風呂は風呂に入ってもちゃんと景色が見える,ほんまもんの展望露天風呂でした。いや〜,風呂って気持ちいいですね。

 夜の親睦会では,久しぶりにコクオーのシンザン記念が見られて満足満足。いつ見ても一体何が起こったのか分からないうちに7馬身差開いてる感じがたまりません。ついでに,ボンネビルレコードの帝王賞も見られて(本筋とは関係ないところで)満足してました。
 しかしまあ,これを準備された幹事様には本当に頭が下がります。普段場所しか決めずに全てその場の流れに委ねる幹事業しかしてないNPはちょびっと反省したのでした。


 さて翌日。この日もいい天気。一昨日までの雨で湿った馬場もかわいて,良いコンディションであります。

 そんなわけで,ヘタレNPは牧場からちょっと離れた神社さんの下に駐車させていただきました。まずはお参り。(まさかそんなNPを待っていただいてるとは知らずに,お待たせして大変申し訳ありませんでした……)

鳴滝八幡宮
階段がひたすら伸びていたらどうしよう……と,宇佐八幡宮の痛い思い出が蘇ったのですが,あっさりと上に到達しました。
全馬の健康と自分の健康をお祈り。
本筋とは全く関係ないですが,須崎には「お馬神社」という神社があるらしいです。どうも縁結びの神様で,「お馬」というのは動物の馬ではなく人名。そんなわけで,馬とか競走とか戦いとかとは全く関係ないようです。
神社 拝殿


 そんなわけで,牧場到着。まずは裏手のレガシーとにらめっこして,コクオーのところに向かいます。
 コクオーの放牧地はそこそこの広さ。せっかくゆっくり気持ちよく放牧されていたところに,よく分からない霊長類(しかもオス)がやってきて,ストーカーのように追いかけていたのでした。ごめんなさい。
 とりあえずパチパチとった写真を載せます。コメントなどいらない。糞尿大好き人間としては,小便中のコクオーも写真に納めたかったのですが,カメラをしまって油断してるときにやられてしまったのでした。


放牧から戻るコクオー
 そんなわけで,時間はあっという間に過ぎていき,今後のレースの説明。
 レースも新聞が用意されているという凄い準備ぶり。幹事様には本当に本当に頭が下がります。
 ちなみに,この日は南部杯開催日でありまして,NPは朝来るまで一人コンビニに向かってスポーツ新聞を買い込んでいたのでした(スポーツ新聞がないあたりさすが国民宿舎)。南部杯はエスポワールからオーロ・グランシュヴァリエ・テスタマッサに馬単(余計なことをせずに相手のワイド買っておけば……)。

 そして,楽しいお昼ご飯♪
 お日様のもと,大勢でブルーシートの上に座って弁当を食べる,というのは,白馬の夏の大井ぐだぐだ野外飲みと比べて,いたって健全かつ朗らかなものであります。同じ競馬関係とは思えないですな。



その後,レースを控えたコクオー。
コクオーの昼ご飯 横にいるラジョウモン コクオー


 さて,そんなわけで準メインの黒潮王冠(GIV)。出走は3頭。
エイシンガイモン
ナムラコクオー
カンファーベスト

 前年はカンファーベストが圧勝したとのことで,今回コクオーはプロの方を背に,逆転を期します。というわけで,馬装!

エイシンガイモン
出陣 馬装中
出陣!! 乗って 運動!
身体もあたたまって・・・
カンファーベスト


 そんなこんなで,エイシンガイモンまさかの発走除外(人馬ともに無事で何より)。2頭立てに。俄然コクオーへの期待が高まります。
 ファンファーレが鳴ってスタート!
コクオーが先行 追うカンファー 差は縮まらず
といった具合に,コクオーがポンと勢いよく先行してリードを保って進んでいたところ……カンファーベストがまさかの競走中止。
というわけで,コクオーが文字通り完全に一人旅に。
一人旅♪
ゴール!!

 そんなわけで,コクオーは最後まで足並み乱れず,(文字通り)独走でゴール!!
 レコードを更新する快走(快歩)でありました。
 いやですね,これ,極めて大事なことでして,コクオーは黒潮牧場に来て以来,イベントレースでの勝利歴がありませんでした。つまり,2003年8月30日高知10R黒石海援隊士高知競馬来場記念特別でシャンハイリーダに6馬身差をつけて圧勝して以来,約7年ぶりのナムラコクオーの勝利だったのであります。
 実質1頭立てだったとか,イベントレースにすぎないとか,そんなのはどうでもよいのです。7年ぶりの勝利!!そして,NPが初めて生で見るナムラコクオーの勝利でありました。
 場所が場所なので口に出したりはしませんでしたが,個人的には本当に嬉しかったのです。この場に立ち会えたこと,コクオーががんばったこと,コクオーを多くの方々がここに導いたこと,いろいろなことが頭をよぎって,ちょっと本気で感動してました。
 とにかく,おめでとう!!ありがとう!!お疲れ様!!

お疲れ様
馬装を解いて,水浴び
勝ったことを分かっているのかいないのか……


そして,メインレース,黒潮記念。出走は以下の4頭。
ラガーチャンピオン
イブキラジョウモン
リバーセキトバ
シゲルダンプウ

 このレースも,イブキラジョウモン発走除外で3頭立てに。人馬の無事が最優先であります。
気合の入るダンプウ ラジョウモン ダンプウ出陣 ラガー
ラジョウモン…元気すぎました スタート ダンプウの圧勝ムードに…
マルゼンスキーを彷彿とさせるおいでおいでで接戦になりつつも,ダンプウ貫禄の圧勝!!

 というわけで,メインレースはシゲルダンプウが貫禄の圧勝。本当に,マルゼンスキーもビックリなレースぶりでした。
 そして,ダンプウと厩務員さんの別れに涙。

おまけでレガシー。


 そんなわけで,楽しい時間は過ぎていき,牧場にサヨナラしなければならなくなりました。
 直前に参加連絡するという大迷惑ぶりでありましたが,牧場の皆様も歓迎していただき(馬に歓迎されていたかは謎だ……),本当に楽しい,そして,嬉しい時間を過ごすことができました。
 全馬,全犬,全猫,そして牧場にかかわる皆様が健康に過ごされて,また再会できますように。

安らかに ゴール板 ゼッケン

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