後閑AS制覇記念上州城めぐりその2
名胡桃城

 名胡桃城に到着です。
 この名胡桃城,一般的知名度ではたいしたことのない城だとは思いますが,マニア的知名度はかなり上位に位置する城なのではないかと思います。なお,NPがこの城をちゃんと認知したのは真田太平記を見てからでした。北条征討のきっかけになった城がどこか,なんて特に考えてなかったんだよな。吉川英治や山岡荘八の本だと秀吉の北条征討ってどういう描かれ方してたっけか。
 ところで,この1+3文字の固有名詞ってなんか語感よくないですか?とりあえず「なぐるみ」って発音は気持ちいいと思うのでした。

 名胡桃城はNHKドラマで大活躍した城だけに,しっかり整備されております。もちろん,そのときに整備されたのかどうかは知りませんけど。
 駐車場(旧般若郭)も大きく,城跡に入る前に簡単な案内所があって,ここにジオラマがあったりもします。水上町が気合いを入れているのかもしれません。

駐車場から案内所に向かう途中,
立派な堀が見えます。いやぁ,素晴らしい
ジオラマ 縄張り図 案内

 さて,案内所を出て城域に入っていきます。まずは武田的丸馬出の跡のようですが,これは既に埋められて平坦になってます。ので,しっかりとした遺構は三の郭から。

 いやぁ,まず馬出から三の郭に入るにあたって(虎口は潰れてますが),左右の堀切が凄い。美しいですね。当時からここまで草が生えていたのかどうかは分かりませんが,これぞ「堀」という感じの堀です。左右で堀の雰囲気というか堀の造りが異なっているのは復元の都合上なのか,もともとこうだったのか…。

馬出から三の郭方向 向かって左手方向の空堀
木や草で深さが分からなくなってるけれど,結構深そう
向かって右手の空堀
左手と異なり,絶壁感があります。下は平坦ですね
右手の堀を上から見下ろす

 それにしても,それぞれの郭がここまでしっかりと堀で囲われてかたちになっているのは凄いですね。水上町が気合いを入れて発掘復元したんじゃないかと思います。入場無料のこの城趾でどこまで投下資金を回収できてるのか不安になりますが……。
 二の丸堀は案外浅いです。というか,下が平坦だから浅く見えてるんだろうな。深さは2〜3mってところでしょうか。でも,やはりこういうしっかりとした堀が残っているのは素晴らしい!

広々とした三の郭 三の郭にある墓所
誰のお墓なのかは不明
二の丸方向 左手の堀 二の丸堀にかかる土橋 右手の堀

 そして,食い違い虎口跡を抜けて二の郭に入ります。なお,ここの展示などを見ていると,「二の丸」「二の郭」の両表記を使っているようです。歴史学会?では表記についてどういうルールを作ってるんでしょうか。多分文献か絵図にあったらそれを使うんだろうけど。
 あと,何が気持ちいいって,広々とした芝生が気持ちいいんですよね。もちろん昔はそれぞれの郭にいろいろな建築物があったり壁があったりして「広々感」は皆無だったんでしょうけれど。函館四稜郭もこんな雰囲気でしたが,これだけすかっとした空気と天気の下で,緑が本当に気持ちいいです。

とってつけたような六文銭看板 広々した二の郭 二の郭の向かって左手方向の堀(般若郭との間の堀)
とにかく深い
三の郭方向を振り返る

 いよいよ本郭に入っていきます。二の郭と本郭の間の堀もやはり素晴らしい。ここの土橋はいったん降りてさらに登る構造です。当時からこういう土橋だったのかな?でも,現代においていったん下ってから登る中山バンケット構造だからこそ,この堀の深さを体感・実感できるというものです。

降りて登る 土橋から見て右手
深くてわけがわからないが,結構な絶壁っぽく見えます

 そして,本郭へ。
 さすが本郭だけあって?様々な記念碑が建っております。

本郭到達 堀切を振り返る 名胡桃城趾碑と六文銭の旗 石碑

 そして,ある意味ここからが本番。本郭の先にも郭があります。ささ郭と袖郭。「ささ郭」ってのはどういう由来で名付けられたのかな?形だろうか。
 おそらくの郭とその先の物見櫓が城の機能上極めて大事だったと思われます。なんせ,沼田方面ににらみをきかせるのがこの城の役割の1つだったでしょうから。
 てことで,さらに先に進んでいきます。当然本丸の先の曲輪との間にも堀がしっかりと残っています。いやぁ,素晴らしい。

ささ郭へ 左側堀 右側の堀 ささ郭土囲
そして先へ進む ささ郭からの眺め 小さな社 その先には袖郭 さらに先にも道は続く 先に見えるは物見櫓台
ここまでは行けないな

沼田方向

小川城方向
袖郭・ささ郭方向を見上げる 左手方向 下に赤い車がとまってます
てことはそこに向かって断崖があるんだな
ささ郭からの眺め
方向的に沼田城までは見えないとしても,
沼田城から大軍の移動があったら早いうちに察知は可能
名残惜しみながら戻ります 多分毒キノコ それにしても,いい眺めです ささ郭から本郭を見る あらためて左右を見下ろす
本郭に戻ってきました 旗が開く瞬間を待ったけど
これが限界でした…
二の郭の腰郭 最後にもう一度城を振り返る

 そんなわけで,堀がしっかりと残っていて,縄張りがわかりやすかったので(しかもパンフレットも縄張りをしっかり書いてくれてたので)とても見学しやすいお城でした。あと,中途半端に鈴木主水のお涙頂戴的雰囲気になってないのもいいですね。こういう簡素だけど基礎をしっかり押さえた歴史遺構展示って大事です。
 いやぁ,それにしても,ささ郭に行くと,本当に眺めがよくて,まさに物見のために重要な場所であったことがよく分かりました。

 てことで,名胡桃城からは見えなかった沼田に向かいます。


上毛高原沼田城

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