安曇野草競馬〜長野4場全踏破!〜

 長野県では,年4回,4カ所で草競馬が行われております。順に,大町,高ボッチ,安曇野,望月。これまで,望月,大町,高ボッチには訪れたことがあるので,今回の安曇野で4カ所踏破ということになります。いやぁ,めでたい。長野県知事あたりからなんかもらえないですかね。
 で,望月は「信州の菊花賞」と呼ばれています。とすると,安曇野はなんと呼べばよいのか。時期を重視して「信州の神戸新聞杯」とか呼んでもありがたみ全くないよなあ。それならいっそ「信州の信濃毎日新聞杯」とでもすべきかな。いやいや信濃毎日新聞杯が信州なのはあたりまえか。しかも,後援に名前を出してるのは中日新聞か。「信州の中日新聞杯」だともはやなにをやってるのかわけ分からなくなるしなあ。

 さて。ごたくはさておき,大通りから脇道に入り,一路会場である牧運動場を目指します。地図上の雰囲気だと。河原にある運動場っぽかったので,なめてかかっていたところ……そこには上り坂が待ち構えておりました。元気な健康優良児であればまあ多少の上りなんて気にかけないのでしょうけれど,こちとら中年メタボです。死にそう。しかも,横を車が走っていくので,おちおち蛇行運転もできません。道中,昨日見栄を張って電動自転車にしなかったことをどれだけ後悔したことか。しかも,見栄を張ったことを後悔しつつ,相変わらず見栄を張って自転車から降りて大人しく押して歩くという選択肢を拒否してるから馬鹿っぷりが際立ちます。救いようがないですね。
 まあ,ゴール(競馬開催地)前に上り坂があるのは競馬の常であり,少しは中山の坂を登る馬の気持ちが分かったからよしとします。

 そんなわけで,牧運動場に到着しました。本気で息絶え絶え。死ぬかと思った。

運動場への分岐 帰りがけに坂を下りながら撮った写真
写真だと坂なのが分かりづらいから嫌だ
「穂高町」が消されてます
合併の名残ですね
あと,犬は禁止とのことです
場内案内

 自転車を停めるスペースは入口にあります。車社会とはいえ,NP以外にも自転車は数台。でも,レンタサイクルは置かれていなかったので,自転車でここにきた観光客は少ないものと推測されます。

 で,入口付近には無造作にレープロが置かれておりました。ありがたく1部拝借。
 時間的に間に合わなかった分もあるようですが,それでもしっかりプログラムを用意するあたり,実行委員会のやる気が伝わります。これでなぜ観光協会の案内ページが不便なのかが謎だ。

こんな感じにおかれてます レープロ 実施要項 出走予定馬 予選出走馬 決勝レース出走馬
ここは馬名表示があって
助かります

 さて,到着時は第8レース。予選も佳境,といった時間帯です。聞こえてくる名前はマツカゼサダル,ホワイトソックス,ササニシキ。そして9レースのポニー戦をはさんで,10レースにはキタイセとキララ。ホワイトソックスとかキタイセとか,ほんとよく見かけます。最近草競馬の旅行記を書くたびに書いてる気がしますが,本当にここ数年,いちばんナマで見てる馬は草競馬に出走してる馬なんじゃないかと思う次第。

 そして,そんな草競馬が行われるここ牧運動場の馬場。ここは,真ん中のサッカー場のまわりを,ぐる〜っとダートの馬場が一周しております。通常であれば陸上競技のコースがある部分が,競馬用の馬場になっている,という構造ですね。それゆえ,馬場は平坦です。同じ高原競馬でも,高ボッチとは雰囲気が異なります。
 見たところ,馬場はかなり狭いように見えます。いなべくらいじゃないでしょうか?あと,1周何メートルか紹介がなかったんですが,見たところ400〜500mくらいじゃないかと思います(サッカー場のまわりをまわってることを考えても)。

素晴らしい芝生の中のコース
山の上のコースなので,南方向は開けております
メインスタンド トロフィー コーナーはややきつい
馬が階段で怪我をしないように
畳がはめ込まれています
本馬場入場はここから ボロがボロボロ 馬運車と馬の待機場 来賓挨拶

 そんなわけで,例によってレースごとにあっちへふらふらこっちへふらふらしつつ,適宜買い食いしておりました。
 ここは長野4場の中では,望月の次に店の数が多い印象。ただ,高ボッチの方が行政側にやる気があるためか,地元物産売場は早々に売り切れて店じまいしておりました。

入ってすぐの場所にある地元のお店 屋台はこんな感じ
ケータリングカーもきてます 豚串 焼きそば

 さて,昼休みには,来賓挨拶のほか,恒例のポニー乗馬体験が行われていたほか,裏手にある砂場には動物とのふれあいコーナーもありました。自分は丁度いい日陰を発見したので,途中から寝てました。芝生の上で寝るのは阪神以来かと思われます。気持ちいいですね。それにしても,着実におっさんへの階段をのぼっている自分がたまに嫌になります。

乗馬体験 動物への餌やり 記念撮影もできます ふれあいコーナーのある砂場
南側からコースを見る。北方向には山々が連なります

 午後の決勝レースが始まります。
 レースは,まず実況席から「スタート地点に集まって下さい」というアナウンスがかかり,すると本馬場入場曲が流れます。ですがまあ,別に綾競馬のように並んで入場するわけではなく,基本的に長野の他場や三重と同様に,適宜気の向くままに入場する方式であります。
 そして,スタートは例によってみんなで呼吸を合わせて白旗を振るかたち。また,スタートのファンファーレや太鼓などはなく,静かにスタートします。そして,最終レースになると鐘がなります。鐘は競輪チックな高い金属音ではなく,普通の鐘です。
 実況も,特に各馬の応援をしたりすることなく,いたってオーソドックスに,出走馬の紹介をしながらレース状況をおっていくというスタイルです。あたりまえの話なんですが,草競馬は年に1回しか行われないわけで,必然的に実況も年1回です。そんななかで競馬の実況するなんてほんと大変です。いやはや,前の日とかちゃんと寝られてるんでしょうか。

 そんなわけで,決勝1レースはポニー丙。そして,2レースはサラ。キタイセが圧勝しました。予選はいったいなんだったんでしょうか。そして,3レースは農耕馬。トキワ号が優勝でした。

1レースのポニー 2レース本馬場入場
山をバックに,凛々しい姿
2レース
2レース 3レース
3レース

 決勝4レースは中間種で,5レースポニー。6レースは速歩。速歩戦はハンデがついておりました。おそらく脚の状態による措置だと思います。いまいち部外者にはこのあたりのルール設定が分からないです。


4レース 5レース
1頭足を引っかけて柵が倒れ,立て直し 6レース。速歩戦

 そして,6レース終わったところで馬場整備。馬場整備の会社の紹介アナウンスは特にありませんでした。まさしく無償奉仕状態ですな。もちろん,あとで市からなにか謝礼が出てる可能性もありますが。

 7レースは競走馬乙。勝ったのは最後に逆転したホワイトソックス。見知った馬が勝つと嬉しいですね。
 8レースはポニー甲。このポニー競走はポニーの頂上決定戦だけあってみな入れ込んでいて,スタートが思いっきりばらつき,カンパイ再スタートとなりました。再スタートの決定権は基本的にスターターが持っているようです。で,笛を吹いて最集合を伝え,再スタートと相成りました。

馬場整備。トラクターの車体にも会社名がないなあ 7レース本馬場入場 優勝カップを掲げる古川騎手
ごちゃつくスタート そしてフライング もどってこーい もどってきた 再度ごちゃつくスタート
ばらつきましたが
無事スタート!
大外で馬を操るのは大変だろうな
で,無事レースが行われました

 そして,第9レースは中間種甲。
 中間種決勝も,落馬あり,ムチ落としありと,決勝の中の決勝にふさわしく白熱したレースとなりましたが,無事けが人もなかった様子。優勝はグラッパでした。


 そして,馬場整備を挟んでいよいよ決勝戦。第10レース。ここまでくると観客も減っていて,1日の終わりを感じます。
 レースは途中まで団子でしたが,最後は古川騎手鞍上のコシヒカリが抜け出して優勝。なんか,改めて見てみるとやはり古川騎手が上手いんだろうなあと思わされる結果となったのでした。あと,あらためて写真を見ると,コシヒカリの首使いが凄いな。

馬場整備中 10レース
10レース 優勝おめでとう!

 そんなわけで,無事大きな事故もなく安曇野観光草競馬は終了しました。
 このまま穂高駅に戻ってもいいのですが,まだ時間があるので,北アルプス牧場のソフトクリームを買いに行きます。ここでソフトクリームを食べたかったがために,暑い中競馬場でソフトクリームをガマンしたのです。
 北アルプス牧場の売店は混雑しておりましたが,無事ソフトクリームと職場へのお土産を購入できて満足です。なんというか,競馬をやってると「牧場=馬」のイメージで固まってしまいますが,こうやってソフトクリームを食べるのが世間的に「正しい牧場の満喫の仕方」なのでしょうね。

直売店 北アルプス牧場
見たところ馬はいません
ソフトクリーム 頑張って宣伝してます
道祖神や大黒天
大黒天の石碑にはどういう歴史的経緯があるんだろう?
穂高駅 穂高人形飾り物について

 そんなわけで,無事長野の4競馬場を踏破できました。安曇野はもともと観光地なだけにあまり草競馬をプッシュする必要性がないんだろうと推察しますが,せっかくこれだけの素晴らしい競馬場を持っていて,いいレースが行われてるんだから,もうちょっとしっかり宣伝してもいいと思うな−。


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