鹿を追って馬(鹿追草ばん馬その2)

 さて,お昼休みはうきうきウォッチング。というわけで,お昼休みには各種イベントがおこなわれます。まさしくこの日は地域の一大お祭りデーなのであります。

 まずおこなわれるのは,よさこい演舞。いまいち「よさこい」の意義が分かってませんが,そういうときに救いの手をWikipediaさんに求めると助けてくれるからありがたい。ふむふむ,よさこいそれ自体は高知のものなのだけれど,なぜか札幌でYOSAKOIソーランをやったら大ヒットしたと。これヒットさせた人,大天才に近いんじゃなかろうか。どうしてよさこいとソーランをくっつけようと思ったのだろうか。あと,YOSAKOIのWikipediaに各地のよさこい祭り一覧が載っててもう猫も杓子も状態なことがよく分かるんですが,我らが日野市がさくっと抜け落ちておりまして,とりあえず観光協会の皆様におかれましてはシコシコWikipediaを編集していただけたらと思います。

 とまあ,よさこいのなんたるかが全く分かっていないNPは,それと同等以上にソーラン節についても知識が欠如しております。原因は小学3・4年生のときにこのテのことをやってないこと。うちの小学校の運動会では小学1・2年は簡単なダンス(1年でカメハメハダンス的なよく分からんことをやったのを覚えている),3・4年で伝統芸能的な踊り,5・6年で昨今話題の組体操をやることになっております。なお,運動神経というものが根本から欠如しているNPは,小6のときに2人の背中の上に乗るやつ(名前知らん)で上から落ちまして,人生で初めて「息ができない」感覚を味わったことを今でも覚えております。組体操では当然ピラミッドの一番下でしたが,たしか3段か4段くらいだったはず。いや〜,今だったら学校に余計な迷惑かけてた可能性があるな。くわばらくわばら。
 自分語りはさておき,この日ここでおこなわれていたのが純粋よさこいなのかよさこいソーランなのか,それともまた違う何かなのかはよく分かりません。まあ,皆さんが元気に楽しんでおられたようなのでなによりです。

 続いては子供たちによるかけっこ的レース。とにかく参加して走れ走れ。皆さんが元気に楽しんでおられたようなのでなによりです。
 あわせて,ポニーの騎乗デモンストレーション。これ,どういう趣旨でおこなわれていたのかメモ取り損ねたのでよく分からない(覚えていない)。おそらくはライディングファームの方が実演されていたのだろうと思いますが。

 そして,麦かんロール転がし大会。
 最初から気になっていた,コース脇に設置されているドラえもんやらジバニャン(←ATOK2014が変換してくれなかった。これっていつのアニメだっけ)やらを使い,とにかく転がしていくレースです。平地ではなく,ばん馬コースを使うため,障害を越えなければならないのがミソですね。
 東京の田舎者にはそもそもこの「麦かんロール」というものが見慣れなさすぎて困ってしまうわけですが,そもそも「麦かん(麦稈)」,読めますか。ええ,ものの見事に最初は「むぎかん」と読みましたよ。教養なさ過ぎですね。鹿追で競馬やってるんだから馬っ鹿んだ,ってことくらい推測しなさいってか。
 とまあ,アラフォーになると(そういえばこの日アラフォーになったんだった)発言の低俗さに磨きがかかるわけですが,この麦稈,Wikipedia記事が無くて困ってしまうんですが,ここによると,どうも牛の寝わらになるようです。馬の寝わらにも使うのでは無いかという疑問に答えるべく探ってみましたが,パッと答えは見つかりませんでした。
 なお,上記記事にもありますが,麦稈ロールと牧草ロールはまったく違うもののようでして,この辺は知ったかぶると大恥かきそうですね。先日お世話になった東北牧場様のブログで紹介されているものは牧草ロールです。
 また,この麦稈ロール転がし大会はどうも前年,2014年からスタートしたもののようです。なんと,思ったより歴史が浅かった。この草ばん馬を続けるために,皆の関心を集める目的で考えられたのかもしれない。というわけで,道の駅うりまくのブログにこの日の模様がアップされておりました。(。麦稈ロール転がし大会は3です)前年の様子はブログをたどっていただくとして,ほかにも2014年の記事発見。2014年時点では動物絵だけだったぽいですね。しかもスタッフ手作りデザイン!ドラえもんとジバニャンの絵があまりに上手すぎるので歴史と伝統ある絵描きさんがいるのかと思った。
 てなわけで,なにより絵が上手くて愛嬌があって気になっていたので麦稈それ自体に興味がわきすぎて長々とかいてしまいました。なお,興味はそこで止まってるので結果は知りません。でも,麦稈ロールに絵があるからこそここまで(自分的に)興味が湧いたので,麦稈ロールに絵を描くことを思いついた人はあっぱれです。まあ結論として,皆さんが元気に楽しんでおられたようなのでなによりです。

開始前の待機中 太鼓からスタート 演技中
子供たちのレース 騎乗デモンストレーション
競馬見慣れてると併せ馬って当たり前のことだと思えますけど,
実際にやるとなるとかなり難しいでしょうね
気になっていた麦稈ロール 位置について スタート
麦稈ロールを立てるのも
簡単ではない
まっすぐ走るのも
簡単ではない
1レースはピカチュウチームの勝ち 麦稈ロールはこうやって運ぶ
牛さんチームをドラえもんチームが逆転 最後にみんなで

 とまあ,そんな具合にお昼休み終了。午後になって競馬再開です。午後はまるまる思いっきり競馬。なお,このころ最終レースの登録馬の募集がおこなわれておりました。

 まずはポニーから。出走頭数の多いレースだとコーナーが迫力あってよいですね。重量馬が重いそりを曳くばんえい競馬とは違った迫力です。それにしても,コーナーまわりを見ると,ばん馬も繋駕も基本的には変わらない競技なのがよく分かります。負担重量軽めにした周回コースのばんえい競馬がおこなわれなかった理由はどこにあるのだろうか。あるいは,繋駕競走で負担重量を重くするという発想は生まれなかったのだろうか。直線コースのトロットとかはどこかにありそうではあるな。
 あと,これだけ馬が密集すると,砂煙がすごくて騎手はかなり大変なんじゃなかろうか。あと,馬って砂煙で砂を吸い込んだらその砂をどうやって体外に出してるんでしょう?全部う○こになって出てくるのだろうか。それとも人間の見てないところで密かに鼻くそほじってるのだろうか。てか,馬に鼻くそはあるのだろうか。

ポニー2歳決勝
ポニーE級決勝。最初は騎手は座ってる人もおりますが,障害では立ち上がります。どっちの姿勢の方が馬に負担がかからないのだろうか

 ちょっと飛んで22レース。F1馬駈歩決勝。何が困るって,ATOKが駈歩を変換してくれません。徳島は競馬場がないからって意地を張らないでください。それはさておき,F1馬がなんなのか素人に分からないのが困りますね。まあそれはそれとして,落馬(ちょっと記憶が定かではないので,もしかしたら別の裸馬の侵入だったかもしれない)があったものの,大事には至らずよかったよかった。

本馬場入場 たすきの受け渡し 輪乗り スタート ゴール前を通過 1周め

裸馬が…

追ってくる裸馬
 
普通に止まりました。仲よさそうな2頭です

 そして,またポニー。


 と,ここで来賓のご到着です。なんと,国会議員の中川郁子氏です。過去,地方議会議員が草競馬で挨拶するのは見たことがありますが,国会議員となると初めてです。改めてこの地域でのこの大会の重要性を感じると共に,こういう場所にきちんと顔を出しておくことで票を押さえねばならない議員さんの苦労も分かりますし,逆にこのあたりの議員にとって牧場関係者の票というのが極めて大きな意味を持つのでしょう。夫の故中川氏も一回落ちてたし,田舎での自民党とはいえそこまで選挙に強くないのかもしれない。
 で,この日は本当は最初から来る予定だったらしいのですが,漁船がロシアに拿捕されるという事件(第十邦晃丸。船員の皆さんは無事解放されたようです)が起きたために到着が遅れたとのことです。東京にいるとこういう場所に国会議員がくるというのも慣れないですし,「漁船拿捕」というニュースも遠い世界に思えます。
 そして……メインレースの農林水産省賞典は,中川議員の力添えもあって授与されていることが判明。なるほど,納得です。

来賓挨拶

 今度は場所を移動して,U字の底の部分へ。このあたりは観客数が少ない。まあ,せっかくのお祭りピクニックなのに落ち着きと節操なくふらふらする奴なんてろくな奴じゃありませんな。

U字の底からの眺め

 もちろん,最大の目的はこの角度から繋駕速歩を見ることです。なお,出走馬は同じ。ずーっと3頭で戦いが繰り広げられております。


 同じ場所から,こんどはばん馬。ポニーC級決勝。ポニー戦が多いのがここの特徴ですね。


 さて。時は流れて,いよいよポニーA級決勝。よく分からんのですが,このレースが分割されて片方が6頭立て,もう片方が4頭立てから1頭取り消して3頭立てになっておりました。どういう基準で馬を振り分けたのかちょっとよく分からん。面倒なので,写真は分割B(3頭立ての方)だけ。優勝はフリコマ。2着ドウナンタロウ,3着ハナコ。


 そして,最終は農林水産大臣賞典ばん馬重量決勝です。出走は5頭。ニューカツタロウ,ホクショウバンク,スターイーグル,ギンガオーザン,アアモンドヤマト負担重量はよく分からなかったんですが,あとで成績表を見てみたらとりあえずばん馬A級は600キロ,B級は500キロで午前中のレースを走っておりまして,このレースではA級の2頭,ホクショウバンクとギンガオーザンに「ハンデ20キロ」という書き込みがなされておりました。とりあえず,このあたりの重量を曳いていたのではなかろうかと。東北と比べると重量は軽いですね。
 ちなみに。アアモンドヤマトスターイーグルは前日の帯広からの連戦です。そして,優勝したのはアアモンドヤマト。連戦仲間ではあるけれど,前日最終+この日の午前を走ったアアモンドヤマトと,前日のんびり温泉に入ってこの日も車で乗り込んでふらふらしているNPとでは当然比較にならんわけであります。いやはや,元気で何より。というか,ほんま凄いっすわ。ほんと,おめでとうございます。
 なお,ばんえい競馬で農林水産大臣賞典競走になっているのはばんえい記念と帯広記念の2レースでありまして,いうまでもなくいずれもG1です。つまり,アアモンドヤマトはG1クラスの賞を手にしたわけですね。


 そんなわけで,アアモンドヤマト号,関係者の皆様,おめでとうございます!!

表彰式 最終の成績

 おおよそこれが終わったのが15時ころでした。
 最後に,優勝したアアモンドヤマトが手前まで来てくれまして,記念撮影することができます。また,お祭りの終わりにふさわしく,餅巻きもおこなわれました。さすがお米の本場北海道だけあって,それなりの量の餅がばらまかれており,後ろでやる気なく見ていたNPも1個ゲットできました。

本日の全成績
     
アアモンドヤマト

 とまあ,こんな感じに楽しいお祭りは終わりました。駐車場に止めてないので車を出すのに苦労はいらなかったのですが,適宜時間を潰しつつソフトクリーム食べたりしてました。
 いやあ,それにしても,繋駕競走を見られるからというだけの動機で乗り込んでみたんですが,面白いコース形態でこれだけ多くの競走がおこなわれてるんだから,本当に素晴らしい。現役馬が草競馬に出てくるという意味では,イギリスのPoint to Pointに近い(←行ったことないからよく分からんけど)気もしますね。昼の麦稈ロール転がしも興味深かった。何より「麦稈」の存在を知ることができた(読み方も)ので,一つ賢くなりました。

餅巻き ソフトクリーム 最後に発見した
麦稈ロール
転がし大会の案内
宴のあと

 さて。お祭り会場を後にして帯広市内に戻ります。帯広市内に向かう道はほかに車がいません。あれ,帯広市内から観戦に来てる人は少ないのか,それとも終わったあと時間潰したからもうみんないなくなったのか,それともカーナビが示している道は地元の人が通らない道なのか。
 とまあ,そんなことを思いながら少し走ったところで,函館記念の存在を思い出しました。おおっと。最終が15時ころに終わったことからも明らかなとおり,時間的にぎりぎりです。とりあえずあわてて停められそうな場所に車を止めて,ラジオをオン!したところ,プペペポピーっとファンファーレが流れてきました。間に合わず。

 まあ,今日は馬券の日ではない。草ばん馬を見に来た日なのであります。

 で,帰りがけに帯廣神社に寄ってみました。ここの絵馬はばん馬デザインです。但し,神馬はばん馬ではありませんでした。ばん馬は外来種だから神馬に向かないんだろうな。ここは明治43年創建とのことなので,かなり新しい神社ですね。まあ道東方面にまで安定して人が住めるようになったのはこのあたりの時代なんじゃなかろうか。屯田兵の歴史とかよく分からんけど。

鳥居 由緒 神馬 神門
拝殿 絵馬 十勝護国神社

 で,レンタカーを返して,釧路へ向かいます。車窓から見える海が,まさに荒い北海道の海という自分のイメージ通りの海でした。本当に北海道の海がほかに比べて荒いのかどうかはさっぱり分かってません。

復元レール 荒い海 水のペットボトルと一緒に取ると
なんかいい絵になるかと思ったけど
結局なんにもならなかった失敗写真

 そんなわけで,釧路にて,馬からはなれて一般の観光客っぽいことをしてみんとす。

鹿追草ばん馬その1釧路その1


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