マチカネバックヤド〜帯広競馬バックヤードツアー

 と,いうわけで。お待ち兼ねのバックヤードツアーの時間がやって参りました。
 流れとしては,装鞍所の見学〜バスに乗って厩舎を見学〜スタンドの上から1レース見学,という感じになります。途中バスを使う関係で,バスに乗れる人数がバックヤードツアーに参加できる人数の上限となっているわけですね。納得です。

リッキーはここにいた

 と,いうわけで,まずは装鞍所です。1レースの出走馬が出て行くのを見て,安全を確認して装鞍所の入口に向かいます。
 装鞍所から出てくる馬たちは,厩務員さんに手綱を引かれている馬もいれば,騎手が騎乗している馬もいるというフリーダムな感じです。サラブレッドだと騎手が騎乗したら馬が興奮する,という印象なんですが,ばん馬は騎手のことなんて意に介さないのかもしれません。

ここから馬が出てきます アースタロウ アコガレ キタノタカラブネ トモエマツヒメ

 一通り馬が出終わったところで,装鞍所の入口へ。広々としたスペースで,左右に装鞍用のスペースがあります。
 装鞍所の集合時間は発走50分前。
 奥に馬の検査用スペースがあり,そこで出走表記載の馬が実際に出走するのかどうかを確認しているようです。実馬照合,というらしい。競走馬にはチップが埋め込まれているはずなんですが(ばん馬でもやってるのかは知らない),ここでは毛色・月白・つむじの場所,の3点から登録馬と実馬が同じかどうかを確認しているようです。この3点で確認できるんですね。
 あと,遠くから見ると体重計っぽいのが見えるので,同時に検量しているのではないかと思います。あんな感じに検量していたら,おそらく馬装は概算でマイナス○キロしてるんだろうし,1キロ2キロの誤差は簡単に出るだろうな。
 あと,写真を見て思うに,もしかしたら装鞍所入場口では馬体重だけ計って,実馬照合は装鞍所でやってるのかもしれないな。

 その他,ここでばん馬についての一般的な説明もおこなわれました。ばん馬は基本的に4歳・5歳くらいまでに成長する。いわゆる道産子とは別の品種で,明治時代にフランス・ベルギーから輸入されたもの(ということは,それまでは国産品種で農耕してたってことだな。というか,これらの外来品種は国産馬に比べてどっちが農耕に向いてるのだろうか)。飼い葉はおおよそ40キロ,60メガカロリーとのこと。でかすぎて想像がつかない。

装鞍所 真ん中には鞍や馬具 ここから馬が入る
チェック中 馬が入る さらに何かを検査しております

 さて,ここで移動します。バスに乗って,厩舎村を見学。当然,バスは満員です。

 バスからまず見えるのが,大量に置かれたそり。これらは練習用のそりで,重さはレース用のものの半分程度とか。そりがずらーっと並ぶ姿は壮観です。


 そりコーナーを抜けると,厩舎村。屋根はカクカクとしております。聞かなかったけど,もしかしたら雪の関係でこんな形になってるのかもしれない。サラブレッドの厩舎村でこういうのはあまり見ない気がするけれど,どうでしょうか。
 たくさんの馬が馬房の外に繋がれております。今日出走する馬なのか,それとも午前中に調教を終えて水浴びしたりしている馬なのか,よくわからないな。
 この厩舎村には約600頭がいて,人間は270人程度とのことです。600頭という数字をパッと聞くと個人的には少ないな,という印象なんですが,どうなのだろうか。4場体制だったころは総勢何頭いたのかな……。知識がなさすぎてさっぱり分からない。

 なお,装鉄所にいる馬を見るとわかるかと思いますが,左の馬はかの有名な,唯一のブチ毛馬です(なぜか馬名をメモってなかったんですが,「唯一の」という表現がある以上,ブチオ以外にはありえないはず。ネットで画像検索したかぎり,多分まちがいない)。

 なお,結果的に装鉄所をよく見られたので,向かって左側の席を確保できてよかったです。

 
後ろから見ても
ブチ毛なのがよく分かる



大量のにんじん

手を振ってくれました


 
検体所

中は確認できなかったけど,
多分馬頭観音

厩舎村の中の飲み屋
ノミ屋ではありません

騎手調整所

これに乗りました

 最後に三階から観戦。旧実況席とのことです。なので,非常に見晴らしがいい。競馬オタとしては,基本的にこういう場所では初心者っぽい方に観戦場所を譲ることにしてるんですが,そんな必要のないほど横にも広い。
 ここで解説の方から,「騎手が直接ばん馬に乗るのは非常に難しく,パドックでは是非注目してほしい」というアドバイスがありました。確かに,騎手はそりに乗るのがばんえい競馬でして,馬には鞍がついてない。というわけで,期待して見ておりましたが,残念ながらこのレースではそういう場面はおとずれず。
 なお,1レースは「松岡満運輸株式会社北海道所長会」というレース名でして,この松岡満運輸株式会社というのは恥ずかしながら存じ上げなかったのですが,かなり大きな運輸会社のようです。で,おそらくこの会社の関係者の方々だと思われるみなさまが,ウイナーズサークル周りに大挙集結しておられまして,休日気分に満ちあふれた帯広競馬場にスーツ姿の皆様がいて,ちょっと面白い空気になっておりました。

3階をすすむ 今の実況席は横の部屋 旧実況席からの眺め 旧実況席だけあって
今も機材が残ります
隣が実況席
スタート前
カンパイ係は第1障害の後ろにいます
スタート 第1障害はあっさり乗り越える
 
アグリモエとキタノタカラブネが抜け出す
 
アグリモエが突き放す

そのころ後続はまだここ
 
アグリモエが先頭でゴール

全馬無事完走
    
お片付けタイム。ここまでが馬の仕事です
このお片付けの様子をしっかり見られたのがよかった。上からレースを見る最大のメリットかも

確定しました
そりをスタート地点に戻します。おじさんたちが並んで座ってる姿がなんとなくかわいらしい 外階段から
練習用のそり方向を見る

 てことで,これにてバックヤードツアー終了です。楽しかった楽しかった。これで500円ならお得です。解説の方のばんえいへの愛も伝わってきたし,ブチオ(多分…)も見られたし,上からレース見られたし,大満足です。いや〜素晴らしい。これ,1日2回以上開催するわけにはいかんのですかね。
 なお,おみやげはクリアファイルでした。

いただいたクリアファイル ウイナーズサークル周り レース後の馬場整備。車と人力の合わせ技です

 てことで,本日のメインイベントが終わりました。あとは馬券を当てて旅費を稼ぐのみです。

松岡満運輸株式会社北海道所長会
着順 馬番 馬名 性齢 積載 騎手 調教師 馬体重 タイム 人気
1 4 アグリモエ 牝 2 470 浅田達 長部幸 874 1:55:05 2
2 5 キタノタカラブネ 牡 2 490 藤本匠 皆川公 790 2:00:06 1
3 7 トモエマツヒメ 牝 2 470 西将太 西康幸 787 2:22:05 7
4 2 コムヒカリ 牝 2 470 中山直 谷あゆ 870 2:22:07 8
5 3 デビットブラウン 牝 2 470 尾瀬馨 小北栄 802 2:33:06 4
6 6 アースタロウ 牡 2 490 安部憲 岩本利 815 2:34:09 3
7 8 グレイトガール 牝 2 470 工藤篤 村上慎 834 2:56:05 5
8 1 アコガレ 牡 2 490 船山蔵 鈴木邦 740 2:59:02 6

 続く。

帯広競馬その1その3


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