ラオノヤマゴエ

 いったんホテルで朝食です。
 しばらくここで待てば迎えがやってくる,ということだったので,宿で待ちます。すると,お迎えがやってきました。宿に別れを告げ,ワゴンに乗ります。
 このワゴンは,あちこちのホテルから乗客を拾い,そしてバスターミナルへと向かいます。バスターミナルで客をいったん下ろし,ここで皆さん各自自分の行きたい場所へのバスに乗り込む,という流れです。
 ここはInternational Bus Stationと名がついてます。国際便も出るのでしょう。ホームページ見てたら,ベトナム便とかありそうですね。
 僕は宿で料金等全部払っていましたが,特にチケットも何も渡されたわけではありません。いろいろ不安でしたが,トラブルはなし。唯一失敗したのは,このバスターミナルまでやってきたワゴンがそのままポーンサワンへ行くバスだったことで,折角ここにくるまで窓際の席を確保してたのに,その座席を失って真ん中の席に座るハメになりました。
 ちなみに,ワゴンは2(運転手含)−3−3−3の11人乗り…かと思いきや,前にも3人(運転手の横に2人)乗るというなかなかの詰め込みっぷりでした。荷物は屋根に載せます。ビニールシートで覆った上からひもで縛るので,濡れたり落ちたりということは原則としてはなさそう。とりあえず,乾季なら大丈夫そうです。

バスターミナル バス 上に荷物を載せていく バスを正面から

 さて。今回の旅行における最大の不安は,このルアンパバーン→フォーンサヴォンへのバス移動でした。
 まず,1月1日にバスが動くのか,動かなかった場合飛行機の席があるのか,飛行機は落ちないのか,という問題がありました。これは旅行初日に解決してます。
 次の懸念が,「このバスが悪路をひた走るため,酔う」というものでした。
 自分の車酔いの歴史を振り返ると,大学に入るくらいからは車の中で文字を読んでも酔わないくらいには車酔いに強くなっていて,とりあえず不安を感じたことはありません。が,このバスは悪評だらけだったし,バスも狭そうだから中で吐こうものなら自分も周りも不快になります。てことで,わざわざこのためだけに酔い止めを用意しました。酔い止めを飲んで,バスに乗り込みます。はてさて,どうなるか。

 まあ,結論から書いてしまうと,酔い止めの効果があったのか無かったのかは分かりませんが,とりあえず一度も気持ち悪くなることなく,バス旅を終えることができました。
 というかですね,想像していたよりも道がよかった。未舗装のガタガタ道を延々と走らされるんじゃないかと危惧していたんですが,とりあえず大丈夫でした。もちろん,トンネルでぶった切っているわけではなく,山をくねくねと登って下っていくわけですから,左右の揺れはあります。でもまあ,想像していたレベルから見たらかなりまともでありました。これで窓側の席を確保できてたら満点だったのだがなあ。無念。
  バスは9時30分ころに出発。道中,30分くらい進んだところ(Xiang Ngeun。シェングムというところっぽい)で2名客を乗せました。どういうバスルールになってるのか分かりませんが,直行便,というわけではなさそうです。2名乗せた結果,前の3人の座席に4人座るというなかなかパワフルな事態になりました。

出発進行 混雑する車中 窓から見えた景色

 11時20分頃,途中休憩のために泊まります。裏返すと,これまで2時間弱走りっぱなしだったわけですな。恐ろしい。
 道中,運転手さんがしくじって谷底に落ちたら命がないわけで,運転手さんに命運を握られているとはまさにこのことです。ちゃんと休憩とってくださいよ,ほんとに。

 到着時には特に説明もなく,トイレ休憩なのか何なのか分かりません。まあ運転手さんも飯食べてたので食事休憩であることは分かりました。
 で。このレストランは,Google上ではNum Phoang Restaurantと名付けられています。いろんな方の旅行記を見ても,ここで食事をとられているのが分かります。
 自分は朝食をがっつり食べたし,あまりおなかもすいてないのでここではスナックを買うだけにしておく……つもりだったんですが,冷蔵庫によく分からない飲み物があったので買ってみました。6,000キップ。これからの長旅,膀胱を大事にしないといかんというのに……。しかもせっかっく買ったのに味音痴過ぎて味がよく分かりませんでした。なにやってんだか。

 ちなみに,ここのレストランからの絶景は関係各所で絶賛されております(バスは必ずここに止まるので,このバスに乗った旅行者の旅行記はここからの景色に言及するのですな)。いや〜バスで窓際席を取れなかったのでこういう景色は大事です。
 とはいえ,ちょっと気になるのが盛大にはげ山になっている部分があること。まあ絶賛発展中の国ですから,木も必要なんだろうけど。雨季なんかには思いっきり雨が降るだろうから,木の保水機能が無いといろいろ大変そうですよね。これ以上,この国の林業政策について語ることはできないけれども。


道は乾燥してたので
汚れもありません
売店と店内 とりあえず買ってみた
なにがDouble Blackなのかよく分からず
絶景! とはいえ,はげてる部分が目立つ Google Photoさんによって
つくられたパノラマ写真
暑い国恒例,眠る犬 かごの中の鳥。食用なのでしょうか……

 ここにはもちろんトイレがあります。有料ですが,気にしない。
 なのはいいんですが,ここのトイレの鍵が錆び付いていて,あけるときに手を切りました。左手親指という,わりと重要な部分でして,まあこんなこともあろうかと財布には常に絆創膏は入れてるんですが,まったく困ったものです。とりあえず水で傷口を洗うんだけれど,洗ってる水も綺麗なんでしょうかね……。
 まあ,結論としてこのあと特に困ったことにはなってません。

 そんなわけで,休憩を終えて,車は再出発。このあとはノンストップでポーンサワンです。トイレ休憩もありませんでした。言えば止まってくれた可能性はありますが,誰も言い出さず。
 路面は途中一時的にガタガタなところもありましたが,やはり基本的には舗装路。
 ラオスに限ったことではないですが,山の中を走っていると,ところどころに集落があって,それをすぎてしばらく人気の無い道を進むとまたポツポツ家があって……を繰り返します。
 山奥というと,現代日本だったら所有権も概ねかっちりしていますが,ラオスあたりはどうなんでしょうか?まあ,時代的にもはやインドシナ戦争の生き残りがジャングルの奥に潜んでいた,ということはないかとは思うけど。
 あと,こういった山奥の村の産業はなんなんだろうか。さっき行ったレストランなんかを思うと,ある程度の距離に食品とガソリンを補充できる店が必要なのは間違いないと思うのだけど,じゃあそこにどこまで需要があるかというと謎だしなあ。

 あと,山の中に急に中国語(漢字というべきか)の看板とかが見えるとびっくりしますね。
 このあたりの道路を舗装したりなんだりの工事は中国がやってるのだろうか。

 そんなことを思いながら,15時40分ころ,バスはポーンサワンに到着です。
 てっきり郊外のバスターミナルに止まって,そこからタクシーなりトゥクトゥクなりとバトルすることになるんだと思ってましたが,どうも町中のバス停に止まってくれました。町中まで徒歩圏内。

バスターミナルに到着 バスターミナルのようす 向かいの店 振り返る

 おおよそ6時間の長旅。日本だったら6時間のバス旅はしょっちゅうやってるんだけれど,基本的には夜行だし,最近は3列シートだけだし(まあこの日のバスも3列だったけど),こういう狭いバスでの6時間移動はさすがに疲れました。でも,無事到着できたのでよかったよかった。
 なお,これでバスの上に自分の荷物が乗ってなかった!みたいなイベントがあったら泣くに泣けませんが,無事荷物も回収できました。途中休憩があったとはいえ,1回だけでしたし,6時間の長丁場,新年早々運転手さんもありがとうございました。


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