NPのベルモント競馬観戦記その2

4.レース

この日、行われたレースは計10レースで、以下のとおり。
レース名 距離 勝ち馬 勝利騎手
Claiming 6 furlongs Two Chiefs Leon
Maiden 6 furlongs Crafty Runner Chavez
Allowance 1 1/16 miles Pompell Migliore
Claiming 7 furlongs Dolly's Angel Gryder
Maiden 1 1/4 miles (Inner Turf) Total Gold Prado
Claiming 1 mile Fire King Rosario
Allowance 1 1/16 miles (Widener Turf) Queue Espinoza
94th Matron Stakes(Grade1) 1 mile Raging Fever Bailey
111th Futurity Stakes(Grade 1) 1 mile Burning Roma Wilson
10 Allowance 7 furlongs Electra Q Shun Espinoza
 当然メインは8,9レースのG1になるわけで、G1なんだから、当然一流ジョッキーが集結するわけで、だからこそマーシー君の乗る馬がいなくなる、というわかりやすい構図です。それでも前日(G1が2レース行われた)は乗る馬がいたんだから、たいしたもんです。
 ところで、 Inner Turf と Widener Turf のちがいは、単にベルモントの芝に内回りと外回りがある、というだけのことで、中央の競馬場ではダートコースがあるところが Widener Turf 、障害専用コースがあるところが Inner Turf です(この写真を見れば分かりやすいと思います。)。ちなみに、ベルモントパークは平地専用です。

5.第2レース

 2レースについては出走各馬のパドック写真がなぜかあるので、ご覧下さい。表のPhotoをクリックすると新しいウインドウに写真が出てきます。
 3番 Sunday Triumph のみ写真が2枚あります。
 僕のデジカメはズームがあまりきかないため、馬は結構小さく写ってしまってます。
着順 馬番 馬名 斤量 騎手 着差 オッズ 写真(サムネイル)
1 7 Crafty Runner 119 Chavez 0.75 Photo
2 6 Apache Lake 119 Davis 2 3/4 13.40 Photo
3 4 Straight A 119 Prado 1/2 6.00 Photo
4 3 Sunday Triumph 119 Bailey 2 1/4 10.70 Photo 1  2
5 2 Kris B 119 Rojas 3/4 4.80 Photo
6 5 Swordmaster 119 Velaquez 11 3/4 13.40 Photo
7 1 Videographic 119 Day 2 1/4 10.80 Photo
 5着馬と6着馬の間がやけにあいているのは、おそらく勝ち目がなくなったので、ラストを流した(岡部騎手がよくやる感じに)からだったと思います。詳しくは覚えてないんですが。
 また、オッズの 0.75 というのは、かけた金額が0.75倍になるのではなく(あたりまえですが)、元の金額(2ドル)プラス、2ドルの0.75倍(1ドル50セント)ということで、払い戻しは2ドルにつき3ドル50セント、日本なら1.75倍、ということです。
 かなりどうでもいいことなんですが、 Kris S はすでに引退して繁殖入りして、子供まで作ってるのに、 Kris B が現役、ってのはどういうことなんでしょう?2代目だったりするのかな?

6.94th Matron Stakesページのトップへ

 そして準メーンレース。3歳牝馬のG1です。
 が、もちろん日本のG1とは雰囲気が全然違って、ファンファーレ(本場場入場の前にある)にあわせて拍手する人や、歓声をあげる人などは皆無。ま、3歳のG1だから、というのもあるのかもしれませんが。ただ、このレースに限らず、アメリカの人々はあまり生でレースを見ることにこだわらないのかな?という感じもしました。G1がスタートする直前でも、馬場のフェンス沿いのスペースに行って、間近でレースを見ることも不可能ではありませんでした(さすがにゴール板前はきついですが。)。
着順 馬番 馬名 斤量 騎手 着差 オッズ 写真(サムネイル・ゴール写真など)
1 2 Raging Fever 120 Bailey 0.20 1 2 3 4 5 6
2 5 Dancinginmydreams 120 Day head 5.90 1 2 3
3 7 Ilusoria 120 Prado 9 3/4 19.00 1 2 3 4
4 1 Major Wager 120 Velazquez 2 8.30 1 2 3
5 3 Wekend Gold 120 Sellers 8 1/2 22.10 1 2 3
 馬番が抜けているのはスクラッチ(直前出走取消)のためです。
 前々から思っていたのですが、このレースの2着馬のように、単語を区切らずに名前がついている馬がいるのはなぜなんでしょう?確かCatchascatchcanっていう馬もいた気がするのですが。違ってたらすいません。
 このレースはレース前から圧倒的人気の Raging Fever の確勝ムードが漂っていて、パドックでもそういう雰囲気の会話(聞き間違いではない自信がある)を耳にしました。
 で、レースは、 Major Wager が逃げ、それに並ぶ形で大本命の Raging Fever が2番手、そして、 Raging Fever が3コーナー手前で先頭に立つと、4コーナーを回るときには2番手に差をつけること7馬身。「おおっ!圧勝だ!!」と僕は思いました。
 が、4コーナーを3番手(2番手の Major Wager とはアタマ差)で回った Dancinginmydreams (こいつの名前を打ち込むのはかなり疲れる)がそこから猛然と追い込んできて、 Raging Fever とほぼ並んでゴールイン。本当に凄い脚でした。3着に9馬身以上つけてることからも分かると思います。いくら直線追わなくなることが多いといっても、5着までは賞金が出るので(配分率は1着から順に、総賞金の60,20,11,6,3%)、3・4着争いもかなりマジでした(最後は流してましたが)。それにあっさりと9馬身以上の差をつけて追い込んできたんだからおったまげました。
 結果は大本命 Raging Fever の勝利に終わりましたが、すばらしいレースでした。

7.111th Futurity Stakes

 そしてメーンレース。3歳牡馬によるG1です。このレースはなぜか(?)スクラッチがなく、9頭立て、と、準メーンに比べて豪華かつ予想の難しいレースとなりました。
着順 馬番 馬名 斤量 騎手 着差 オッズ 写真(サムネイル・ゴール写真など)
1 1 Burning Roma 122 Wilson nose 17.50 1 2
2(1着降着) 7 City Zip 122 Santos - 1.55 1 2 3
3 3 Scorpion 122 Bailey 4 3/4 4.40 1 2
4 5 Ommadon 122 Smith neck 1.60 1 2 3
5 2 Shooter 122 Sellers 5 1/2 9.10 1 2 3
6 4 Account for Me 122 Velazquez 1/2 26.25 1 2 3
7 8 Hero's Tribute 122 Chavez 2 3/4 7.70 1 2
8 6 Free of Love 122 Luzzi 3 1/4 87.00 1 2
9 9 United Time 122 Day 9 3/4 3.40 1 2
 レースは1番人気の City Zip が直線で抜け出し、 Burning Roma が直線で並びかけようとするところ、 City Zip がBurning Roma にエアシャカール(のダービー)をかまし、 City Zip が先頭でゴールイン。審議になりました。
 実をいうと、僕はゴール板前にいたため、 City Zip の斜行がそれほどひどいものには見えず、最初はてっきり写真判定でもめてるのかと思いました。ただ、写真判定なら着順表示板に馬番が出ることはないでしょうし、ましてや数字の大きい 7-1 という順序で表示されることもありえない話なので、初めて審議中だということが分かったのでした。
 結果、 City Zip は降着、 Burning Roma が見事繰り上がって優勝しました。降着が決まったとき、 Burning Roma の関係者の男の方が1人大声で喜びの声をあげてたのが印象的でした。その人は本当に嬉しそうで、そのあと周囲の人々と抱き合って喜びを分かち合っていました。
 ベルモントでは、検量用の体重計はウイナーズサークルの横にあるため、騎手インタビューもウイナーズサークルで行われるのですが、 Burning Roma の表彰式が行われている真後ろで、サントス騎手のインタビューが行われていて、サントス騎手はかなり悔しかっただろうな、と思います。ま、自業自得なのですが。
 あとで該当シーンのスローを見てみると、 City Zip が左、 Burning Rome が右にいて並走して叩き合っていたわけですが、 City Zip が右に切れ込んで、 Burning Rome の進路を妨害していたようです(サントス騎手はちゃんと右ムチを使っていました)。

8.総括

 総括、といっても特に書くことはないです。
 ではいくつか書き漏らしたことを。
 ファンファーレは本場場入場前に流れることは書きましたが、そのメロディーはG1も一般レースも変わりませんでした。ただ、最終レースのみ、普通のメロディーの前に別のメロディーが流れました。
 お土産屋さんは当然あったのですが、僕は7レースが終わったあたりにベルモントSのキーホルダー(ベルモントS関係の品物は全て半額だった)を買って、あとはメーンが終わったあとに知り合いへの土産でも買うか、と思っていたら、メーンが終わってから行ったら既に閉まっていました。
 馬券はこの日も全滅。ま、高配当のものばかり狙ってりゃ当然なんですが。
 馬券で思い出した。馬券の種類は単勝、複勝(2着までに入る馬を当てるものと、3着までに入る馬を当てるものの2種類)、馬連、馬単、3連単、3重勝などが中心でした。他のものは買おうともしてないので、よく分かりません。
 写真撮影のことですが、メーンのウイナーズサークルの周辺では僕のほかにも子供(中学生〜高校生)が何人かカメラを持っていました。フラッシュは一回だけたかれました(僕ではないです。念のため)。が、特に舌打ちもなく、じろっと睨まれてもいませんでした。
 全般的に、馬・関係者と人とが交流するスペースが多いな、という印象を受けました。誘導馬が地上馬道(地下馬道ではない)で出走馬を待ってるときに、お客さんと誘導馬の鞍上が仲良くしゃべってたり、赤ちゃんに誘導馬を触らせてたり。一番人が多かったのは地上馬道沿いじゃないかな?なんて気もしました(99%違うのですが、印象として)。ファンファーレを吹いていたおじさんもスタンドの中を普通に歩いて、お客さんとしゃべってたし。ま、これらのことは競馬場がすいているからこそなせることなのかもしれません。
 あと、特徴的だったのは馬券売り場のおじさんおばさん(日本とは違っておじさんも多い)。アメリカの接客業は日本とは違って全然愛想がよくないのですが、ベルモント・メドウランズを問わず、馬券売り場のおじさんおばさんにはやけに愛想がいい人が多かったです。無愛想な人も当然いましたが。

 こうしてベルモント(やメドウランズ)を見ていると、日本の競馬も捨てたもんじゃない、というのがよく分かります。となりの芝は青く見えるので、僕の紹介文を見たらベルモントのほうが日本よりはるかによく見えてしまうかもしれませんが、それは僕の文章が下手なだけで、一長一短という感じです。ただ、ぼくは混んでるところが嫌い(だからG1は競馬場に見に行く気がしない。地方のG1は暇があれば行きたいのですが)ので、こんなすいている競馬場で世界レベルのG1を見れるのは良いですね。はい。
 しまらない終わり方になっちゃいました。まあ、わざわざ書くまでもないことかもしれませんが、メドウランズやベルモントじゃなくて、日本の競馬場でも、アメリカのほかの競馬場でも、或いはヨーロッパでもアジアでもカナダでも中南米でも、今まで行った事のない競馬場に行くのは楽しいのではないかと思います。言葉が通じれば特に。

INDEXBACKPHOTOページの先頭

ベルモントパーク関連リンク

NTRAホームページ
ベルモントパーク公式ページ
レーシングフォーム紙ホームページ
ブラッドホ−ス誌ホームページ
ロングアイランド鉄道ホームページ
  ベルモントパークへの時刻表はここに