千葉遠征記2002

 2002年も千葉の牧場めぐりに行ってきました。ので、遅まきながらも遠征記です。

 昨年は初日に西山牧場、2日目に富里方面、という遠征でしたが、今年はみな多忙なため、1日だけの遠征となりました。
 まず、朝早く出発するため、千葉県にあるS.W.の家に宿泊し、翌朝、富里方面へ向かってBTの運転で出立しました。
 第一の目標地は下総種馬場。今年はイシノサンデーに代わってヒシアケボノが来ているはず。現役時代から大きかったアケボノが、種牡馬になってどんな体になっているのか、興味津々でありました。
 まず、案内所に電話をして、この日の種馬場の見学時間を確認。その上で種馬場に向かうことに。
 なんといっても、昨年通った道、今年はナビが無い(BT車なので)とはいえ、地図もあるし、迷うはずが無い、とおもいきや、思いっきり迷ってしまいました。何がいけないかというと、県道106号です。こんな道、地図に載ってないのです。ここはどこ、私はだれ?ってな具合に、完全に自分の居場所を見失い、あっさり迷子になってしまったのでした。ああ、お恥ずかしい。仕方が無いので、朝食を買ったローソンで聞いたところ、七栄東スクランブルで分岐している2本の国道296号のうち、北側を走っているほうが、県道106号へと衣替えしたとのこと。やれやれ。そんなこんなで自らの居場所を知った一行は、何とかかんとか下総種場場にたどり着いたのでありました。

 ヒシアケボノは、現役時代から大きかったので、今回は期待していたのですが、思ったよりも大きくなっていませんでした(それでもまあロイヤルスキーと比べたら大きいですが)。ロイヤルスキーはというと、去年と変わらず、悠然としておりました。そして、これは知らなかったのですが、サンプレイスも種馬場にいました(社台から移ってきていたようです)。去年はサンヒコーがいた放牧地です。サンデー産駒らしく、なかなかの気性の持ち主で、「危ないので近づかないように」とのご注意を受けました。サンプレイスに放牧地を奪われた?サンヒコーは、去年とはうって変わっておとなしくしておりました。ファンサービス(?)も旺盛でありました。
 そして、牧場の方に、種牡馬のパンフレットをいただきました。カラーの立派なものでした。しかも一人一部。いやぁ、どうもありがとうございます。感謝感謝。そのときに伺った話だと、ヒシアケボノは今年、25万で15頭ほどに種付け。10万円のサンプレイスがヒシアケボノから牝馬を奪い取ったとのことで、サンプレイスのほうが種付け頭数が多かったそうです。なんでも、千葉の牧場さんは(千葉に限らないのかもしれないですが)、安い方が好き、とのことでした。哀れ、アケボノ。サンプレイスは残されたサンデーサイレンスの遺児として、これからもがんばっていってほしいものです。

 その後、一旦案内所に寄って見学情報を仕入れたあと(そういえば、案内所の近くにあったミニストップは別の場所へと移転しておりました。なかなか思い出のあった店だけに、ショックでした)、一行は去年のリベンジを果たすべく千明牧場へと向かいました。
 曲がるべき交差点を一旦は通り過ぎたものの、なんとか無事牧場に到着。昨年も思ったことですが、どう見ても三冠馬の母がいるような雰囲気ではありません。
 放牧地沿いに車を止め、家のもとへ。が、なんと今回も留守。が〜ん。諦めて帰ろうと思ったとき、S.W.が放牧地内にいる女性の方を発見。その女性の方に話を伺ったところ、見学の許可をいただきました。やった〜!!
 そして、見学の許可をいただいたばかりか、なんとなんと、輪切りのにんじんをクインに食べさせてくれました(息子のほうは気性が悪いのでそんなことはできなかったらしいですが、クインはおとなしいので大丈夫、とのことでした)。感謝感激。まさか、三冠馬の母親に、触れることや、にんじんを食べさせてあげることができるとは…。
 それから、女性の方とお話をさせていただきました。クインの印象とともに、その内容を少しばかり。
 クインはもう29歳だというのに、まだ若々しかったです。さすがに背中の肉は落ちていましたが、特に、目はとても綺麗でした。女性の方の話では、クインは1頭しか産んでいないので、まだ体が若いのではないか、ということでした。とともに、当時はまだ危篤状態であったサンデーサイレンスのお話もいろいろとさせていただきました。
 息子(本当はシービー、と呼びたいんだけれど、クインもシービーなんだよなあ。「ミスター」ってのも変な話しだし。ちなみに、女性の方は「シービー」と呼んでいました)のほうはバナナも食べたそうですが、クインはバナナは食べないようです。その代わり、にんじんとりんごが大好きだそうです。
 以前、息子が千葉にやってきたとき、三冠馬を見ようと、多くのファンがバスに乗って見学にきたそうです。が、クインは見慣れない多くの人間に囲まれて、体調を崩してしまったそうです。う〜ん、やっぱり人間に囲まれるとストレスがたまるんでしょうか。僕も見学者の一人として、見学の是非を考えさせられます。
 そのクインですが、僕たちが訪問したのは夏だったので、馬房の中にいました(馬房の中は、外に比べて、とてもひんやりとしていました)。が、秋には僕たちが訪問した時間帯(午前10時頃)にも放牧されているそうで、たまに走ることもあるそうです。まだまだ若いってことですね。
 この日、クインへの訪問者は僕たちのほかにもう一人いました。山鳩のヤマちゃんです。クインの友達、なのかどうかは分かりませんが、女性の方にえさを貰ってはぱくついて、おなかが一杯になると飛び去っていきました。
 そうこうしているうちに、クインはお休みタイムに。すやすやとお眠りのようでした。が、突然、ガクン!と後ろ足を落としました。そう、人間も、電車の中などで立ったまま眠るとよく足がガクン、となる、あれです。僕たちは、事前に、「寝ていると突然ガクン!となるんでびっくりしますよ」といわれていたのですが、知っていてもびっくりしました。知らなかったら怪我でもしたんじゃないか、とあわてていたと思います。それほど凄い体勢の崩し方でした。そして、ガクン!となった後もまた何事も無かったかのように眠るんですね〜。いやぁ、この辺、人間と変わりません。いやぁ、こういう言い方は不謹慎かもしれませんが、いいものを見せていただきました。クインに感謝。
 この千明牧場ですが、かつては繁殖もやっていたそうで、ズイショウもここにいたそうです。また、息子の馬房は、クインの馬房の右隣だったそうです。千明牧場に限らず、千葉ではかつては多くの牧場が繁殖を行なっていたそうですが、空港ができて状況が変わってしまったそうです。
 とまあ、この他にも、クインやミスターシービーに関係のある話ない話を、いろいろとさせていただきました。お忙しい中、僕たちにお付き合いいただき、本当にありがとうございます。まさか、こんなに暖かく迎え入れられるとは思っていなかったので、本当に感激しました。僕たちがお会いした女性の方は、タイキシャトルからの競馬ファンだそうで、日暮里からここ富里まで通っていらっしゃるそうです。競馬や馬を思う情熱を見習いたいな、と思いました。本当に素晴らしい時間を過ごさせていただきました。この場を借りて、この女性の方と、もちろんシービークインにも、感謝したいと思います。

 続いて、これまた昨年のリベンジを果たすべくボナンザ牧場に向かったのですが…。が〜ん。今年もお休みでした。連敗。
 定休日は月曜日とのこと。う〜ん、フェスティブキングへの道は遠い。トピカルコレクター、待ってろよ〜。

 昼食後、千代田牧場さんへ向かうことに。千葉の千代田牧場といえば、オークス後、スマイルトゥモローも一時滞在していたところです。
 まずは、牧場地図に載っていた方の千代田牧場(行った当時は2つある、なんてことは知らなかったのですが)へ向かったところ、「馬は病院の近くの牧場にいる」とのこと。なにっ。地図に載ってない千代田牧場があるのか!?ということで、ちょっと周囲をうろついたところ、296号沿いにもう1つの千代田牧場を発見。見学を許可していただきました。
 ここには現役馬が多くいて、有名どころではシンコウシングラー、サマーキャンドル、ナイキダンサーらがおりました。シングラーは脚を悪くしていて、治療中だったような記憶があります(詳しくは忘れました)。
 馬房は2つあり、うち1つの半分は改装中でした。
 全体的に、とても綺麗な牧場でした。さすが名門、千代田牧場、といったところでしょうか。

 というわけで、千代田牧場に別れを告げて、続いて新田牧場へと向かいました。新田牧場も牧場案内図とはちょっと違った位置にあり、成田方面まで大回りしてからたどり着きました。
 が、案内所と情報の食い違いがあるようで、事前連絡を入れてから訪問してほしい、とのこと。ということで、すごすごと退散。案内所では連絡なしに行っていいと言われていたとはいえ、大変ご迷惑をおかけいたしました。この場を借りてお詫び申し上げます。

 とまあ、こんなところで時間もきたところですし、東京へと帰っていったのでした。

 事前連絡なしに訪問してしまった千葉新田牧場の皆様には、重ね重ねご迷惑をおかけしたしましたことをお詫びします。
 そして、われわれを快く迎え入れてくださった牧場の皆様、そしてもちろん牧場の馬たち、ついでにヤマちゃんには、感謝で一杯です。本当にありがとうございました。特に、千明牧場では大変感激いたしました。本当に、本当にありがとうございます。
 そして、また再び調子に乗って訪問させていただくことがあるかもしれませんが、その節はよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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