モンテプリンス

僕を競馬にはめた馬

 巷では、競馬センター試験なるものが行われているそうであります。まあ、この企画自体は白馬の完全なパクリでありまして、まあ2次試験をやらないのこちらとしても黙認する形をとっている、という感じです。
 で、雑誌に問題が掲載されていたので、ふむふむと解いてみたところ、結構解けました。最近は競馬の勉強は全然していないので、どんなもんだろうか、と不安だったのですが、三つ子の魂百まで。昔覚えた知識はあやふやながらも、結構残っていることが発覚しました。

 とまあ、よくわからない書き出しですが、モンテプリンスです。
 モンテプリンス、という馬は非常に微妙な存在ではないか、と僕は思います。よく言われるように、モンテの時代(この時代を代表するのがモンテなのか、という点に若干疑念は残りますが、まあ今回はモンテについて書いているのでこういう表現にします)は「谷間の時代」です。2つの山、GTT3強時代と、シービー・ルドルフの三冠馬対決時代の間に挟まれ、おそらく一般的知名度では両時代の活躍馬からは相当に劣っていると思われます。
 今現在この馬の名前を見る機会とといえば、もしかしたら第1回ジャパンカップでホウヨウとともに日本の期待を集めつつ、惨敗を喫して世界のレベルの高さを思い知らせた存在、というのがトップにくるかもしれません。ってか、それ以外で最近この馬の名前見てないような(最先着を果たして掲示板にのったゴールドスペンサーに至ってはもっと扱い酷い気もするけど)。最近は兄弟活躍馬も多いので兄弟天皇賞制覇のありがたみも薄いような気がするし。
 どうなんでしょうか。太陽の王子。とにかく重馬場がダメ。吉永正人念願の8大競走勝利。ホウヨウボーイとの激戦。知名度、どんなもんなんでしょうか。

 そんなモンテプリンス。
 僕にとっては間接的にではありますが、非常に大事な馬であります。間接的な影響度という点においては、歴史上の全馬の中でトップではないかとさえ思われます。
 僕は物事にはまるとき、常に何かしら深く興味をもてる対象を模索していなければダメな性格です。ルーティーンワークとして物事に打ち込むのはとても苦手です。飽きっぽい、というのかもしれませんが、それとはちょっと違うような気もします。探求心が強い、というのとは当然違います。まあ、よく分からないでしょうが、それは書いてる自分もよく分かってないので当然です。まあ、この段落はとばして下さって構いません。

 で。僕の高校の同級生に、モンテプリンスのファンがおりました。当然、モンテの現役を生で見ていたのではなく、後付け知識としてのモンテファンです。その彼が、昔の競馬に非常に強い興味を持っておりまして、僕もそれに触発されて、昔の競馬に強い興味を抱いたのでありました。
 これにははまりました。勉強そっちのけで(塾をさぼって)エクウスやPRセンターに籠もることいったい何回だったか数える気にもなりません。過去の大レースを見ることができる場所(エクウスや競馬博物館にあるやつ)に一体何十時間いたことか。貧乏学生なので当然ビデオその他を買うなんて発想はありません。
 こうして僕は競馬にはまっていきました。別に高校生だから馬券を買うという発想がなく、代わりに昔の競馬にはまった、というのではありませんでして。毎週予想して馬券買って競馬見て…というのはどうしてもルーティーンワークになりがちで、そういうのにあまりのめり込めない質なのです。はい。だから、ルーティーンワークから逸脱したところにある物を求めて、いろいろ余計なことに首を突っ込んでいるわけです。はい。
 まあ、そして、上述の競馬センター試験も、さらにはこの白馬(の会)も、全てその流れです。そして、その根本にあったのが、モンテファンの友人に触発された昔の競馬への探求心でありました(そこにライスシャワーから派生したグリーングラス・キタノオーの存在が加わって昔の競馬への僕の関心が頂点に達することになるのでありました)。
 そう言う意味で、その友人をはめたモンテプリンスという馬は、僕にとっても特別な馬なのです。
 ただ、僕自身はどっちかというとホウヨウボーイのファンなんですが、まあそれはそれ。

 そういうわけで、モンテプリンスという馬は特別な存在です。
 ご存じの通り種牡馬としては札幌2000のレコードホルダーの輩出などが残るくらいで、競走馬としては格下といっても構わないと思われるアンバーシャダイの活躍に比べると寂しさも残りますが、まあ、これも時代の流れもあり、仕方ないです。
 モンテプリンスには是非会いたかったのですが、残念ながら会いに行く前に死んでしまいました。本当に悔やまれる次第です。
 また、今回この馬を取り上げたのは、想像がつくと思いますが、モンテの馬主の毛利氏の逝去をうけてのものです。元々書く予定はあったのですが、結局こういうきっかけがないとダメでした。まあ、モンテに会えずに終わったのもこういう性格が原因なんでしょうが。

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