馬券論について



 まず、控除率25%。そう、馬券を買うということは損することである、ということが始めにあります。でも買ったほうが楽しいので買っているわけですが、僕がレートを下げているのはこの考え方が根底にあるからなのです。馬券で儲けて儲けてしょうがないという専門家を聞きませんからね。やはり馬券で儲けるというのは至難のわざなのでしょう。
 しかし、当然このままでは面白くありません。いつかレートを上げてバリバリ儲けてやるぞ、という思いはあるのです。いつか年間回収率が110%とか120%くらいになってくれれば、一気にレートを上げる気にもなりますから。去年はそのチャンスだったはずなんです。あそこでこけてしまいましたが(注:去年は天皇賞の前の週までは回収率的にはそこそこの勝負をしていて、そこから一気にくずれた)。今年はその流れを受け継いで沈んだままです(注:2000年2月終了時点)。どうにかならないのでしょうか。でも、そのうちレートだけは勝手に上がっていくと思います。欲に負けて。

 では、控除率25%も取られている中(単複は実質20%ですが)、どうやって収支をプラスにしていくのか。ここで、確率論、期待値が出てくるわけです。例えば、馬連B−Eのオッズが8倍で、自分の中ではB−Eで決まる確率は40%以上あると思うのなら、そのとき期待値は3以上なので、「買い」かな、となります。単勝だと、単勝期待値などといってよく出てきますが、馬連や他の馬券にも応用できるということです。だからある馬連の組で決まる確率が50%以上だと思っても、その馬連が断然1番人気で、オッズが2倍を切っていたら「買えない」し、くる確率が5%くらいと思う馬連でもそれが万馬券なら「買い」となります。

 次に予想の印と馬券の関係についてです。本来、予想の印とは自分が最も勝つ確率が高いと思っている馬から順に打っていくべきものだと思います。しかし、そうしてしまうと印は人気馬に集中してしまうし、何よりもそのまま馬券を買う人は少ないでしょう。オッズというものがあるからです。上の印の打ち方で、その印の通り馬券を買うことができるのは全ての馬のオッズが一律である時です。まあそんなことはありえないので、このレースの勝ち馬を当てた方に○○をプレゼントします、のようなとき(当然抽選は無しで、もれなく)が当てはまるでしょう。実際の馬券にはオッズがあるので、多くの人は(無意識にでも)先程の確率論による「妙味」を考えた上で馬券を買うと思います。すると、だいたいのレースでは上のやり方で打った印と、馬券の買い方は食い違うことになってしまうはずです。それを避けるために大抵の人は、俺は馬券をこう買う、みたいな印を打っていると思います。それでもいいんですが、「本命」「対抗」のような言葉が建前だけになっちゃっていますよね。まあそれでもいいです。わかりやすいから。(って結局何が言いたいんだ!)

 もう一度確率論の方に話を戻すと、僕の考えの中に過剰人気というのがあります。例えば、人気馬の兄弟や子供などがそうです。その馬の力に関係なく人気をかぶってしまい、その馬が実際にそのレースで勝つかどうかに関係なく、期待値を考えたときに明らかに損になります。だから、明らかに鞍上人気をかぶってしまっている武豊を(常に)切るというのも一理あると言えないこともありません。

 強引にまとめてみると、予想とオッズは切り離せても、馬券とオッズは切り離せないのです。

『白馬』20号掲載・一部改定