北海道遠征記


 前回、「たわごと」を書いてからはや1年近くたってしまいました。今回も、今書かないとまた書かずに流れそうです。それを阻止するべく、書き始めてみました。

 9月5日から10日にかけて、NP、トリ、BT(途中参加)、長老の4人は北海道遠征に行って参りました。今回はその報告です。しかし、初日から行動を追っていくのは面倒なので、項目ごとに書きたいことだけ書いていくことにします。他の人も遠征記を書くのかもしれませんが、まだ誰のもアップされていないのをいいことに他人のネタだろうが書くことにします。

 僕にとってはこれが今回の遠征のメインですからね。やはり最初に書いておきます。
 彼の繋養先であるアロースタッドは、見学時間が15時から16時で、厩舎にいるところを見学させてもらえます。また、この一般見学とは別に、静内町観光協会が企画、運営し、土曜と日曜にJR静内駅を午前、午後の1回ずつ発着する周遊観光バス「ロマンロード」があります。これを利用すると、例えばアロースタッドでは、一般見学では見ることができない放牧風景が見ることができます。今回の遠征では、僕の希望が通り7日の土曜に午前はロマンロード号、午後は一般見学と、2回見ることができました。

 現役時代の暴れっぷりに似合わず、彼はかなりファンサービスをしてくれると聞いていましたが、実際にそうでした。アロースタッドでバス(そういえばバスは予定外の満員でした)から降りると1番手前にセイウンスカイが放牧されてるんですが、人がばらばらと降りてくると一目散にこちらに走ってきて、写真撮影用にポーズを繰り返します。僕はカメラを持っていないので、周りのカメラマンを気にしながらもゆっくりと観察していました。そして、一通り終えたと判断するとまた走って向こうの方に戻っていきました。あとは人など気にせず、草をむしゃむしゃ、です。アロースタッドには他にも多くの馬が放牧されていたので、僕はとりあえず全体を見てからまた残りの時間でゆっくりスカイを見てようと思いました。見学時間が30分程度と短いので、他の馬は駆け足で通過(笑)です。いや、一応立ち止まったりはしてたんですが、1番奥まで行って引き返したあたりから手元の地図でどこにいるのかわからなくなり(早い話、迷子)、見ている馬の名前がわからなくなってしまったんです。もはや駆け回っていたのがパーマーだろうがブライトだろうが、なぜタマモクロスではなく反対側に芦毛が?(ティッカネンでした)なんてこともどうでもよくなり、とにもかくにもスタート地点に戻ってきたのが残り10分くらい。予想に反して、自分と同じ考えを持っていた人はいなかったらしく、スカイのとこには誰もいませんでした。これは独り占めか、とちょっとうきうきしたんですが、話はそう甘くはなく、やつは相変わらず下を見て草をむしゃむしゃ。全く顔を上げようとはしません。ようやく顔を上げるチャンスが訪れたのは、おしっこ(笑)。が、前は見ているんですが、全くこっちを見ようとせず、どこか遠くを見てる感じがするんです。たいていの馬は、下から見上げるようにすると反応してくれてたんですが、彼の場合は違いました。無視です。ほんと、かわいくない馬です。
 午後の一般見学の時間もアロースタッドは多くの人であふれていました。厩舎ではセイウンスカイはタマモクロス、ティッカネンと並んでおり、芦毛3頭を並べてくれているようでした。基本的にはこちらに顔を覗かせているんですが、用が終わるとプイと反対側を向いてしまうので、頃合いを見計らってスタッドの方がニンジンでつってくれるんですが、どうやら彼はそれを心得ているらしく、また反対側を向いてニンジンを待つのです。まったく、ずる賢いんだから、などど愚痴られていました。僕はこの時も、最初にスカイを見てから、他の馬をざっと見てからスカイに戻りました。ただ今回の場合は、スカイのところでなんかイベントが行われないかと監視しながら、でしたが。そして、スカイのところに戻ってきてまたひたすら眺めていると、ついにチャンス到来。主任さんと思われる方がニンジンを持って登場し、「スカイにニンジンやりたい人」と聞いてくれたのです。とっさのことでしたが、躊躇する理由などないので、もちろん手をあげました。他に女性2人があげていて、ずっとここにいたぶん優先権などというものはないんだろうか、などと思いながらもじゃんけん。「最初はグー」でパーを出してきた2人のペースに巻き込まれ、あえなく敗退(決まり手・・・チョキ、チョキ、グー)。やはり甘い話などないのでした。この後主任さんは、隣のティッカネン、タマモクロスとニンジンをやりに移っていったんですが、次の場所のホリスキーの場所まで主任さんを追ってくる者が少なく、ここでBTがじゃんけん無しでニンジンをゲット(思えば、僕がスカイでじゃんけんに負けた時もなぜか他の白馬勢もそこにいたのでした)。まあ、BT以外の3人は前日にシリウスシンボリにニンジンをやらせてもらっている(at沖田牧場)ので、これで良かったのかな、とも思いました。そのあとも未練がましくそのへんにいたんですが、やはり無視されました。こうして昨年の京都以来の再会は終わりました。

 山奥でナイターをやっています。ナイターのためか、客層が競馬おやじだけでなく、職場の仲間っぽい集団もいました。メーンに2歳重賞のフローラルカップが組まれていたんですが、面白いのは、その重賞よりも最終のオープン特別(主な出走馬・・・セイリューオー、ノーザンウェー、スピードスター、サンエムショウリ、ナリタハンター)よりも、5Rと8RのJRA認定競走の方が賞金が高いことでした。

 札幌競馬場には、トリと2人で行きました。バスの都合でJR札幌駅から歩いたんですが(クラーク像も見つつ)、JRの最寄駅と思われる桑園駅からの道でも周りに競馬客っぽい人が全然いない。どうしたもんなのか。車で来る人が多いのか、札幌にはみんな朝から行くのか(もう昼になっていたので)、いろいろ考えたんですが、帰りに思ったのは地下鉄か、他の私鉄の駅があるということ。でも帰りに桑園に向かう人も多かったから結局なんで行きにはいなかったのかはわかりませんでした。
 家族連れが多いです。が、席に座った時に後ろの家族がかわいい娘さんを連れていたのが問題でした。なんとスタート前からゴール後まで力いっぱいの声で「16ばーーん、がんばれーー!」などと叫ぶのです。しかもその子の親(親類かも)曰く「よく通る声」で。通るなんてレベルじゃありません。単なる子供の金切り声です。被害は推定半径50メートルに及びます。123番の3連複を持ってると「いちにっさーーん、いちにっさーーん」などとちゃんとバリエーションもあります。ただもちろんこれも、スタート前からゴール後まで繰り返しです。もうたまりません。(はい、さっさと席換えりゃいいだろという話は大いにあります)
 家族連れが多いので、内馬場はスタンドから見てるだけで人がいっぱいでした。その多さに辟易としてしまった僕は回避してしまったので(それよりもパドック)、トリしか行ってないんですが、勝手にその言葉を借りると、競馬おやじの居場所はなく、通るだけで帰ってきた、とのこと。ジャブジャブ池では元気に子供たちが何も着ずに(せいぜいオムツ)遊んでいたらしいです。

 7Rのパドックにいたら場内放送がありました。曰く、「出馬表の訂正をお知らせいたします。第7競走の1番、ゴシップコラム号は、出馬表では牡馬となっておりますが、装鞍所にてセン馬であることが発覚しましたので、出馬表をせん馬と訂正させていただきます。繰り返しお知らせいたします……」
 そんなんありなんか。いったいいつ取られたというんだ。しかもプラス18キロ。というよりこれは登録ミスで出走取消じゃないのか。牡馬だと思って買った人や、セン馬だったら買いたい人はどうするんだ(後にNPに聞いたところ、牡馬なのかセン馬なのかは登録しなければいかない項目ではないのでは、とか)。そしてなによりも、この馬に勝たれるのです。

 もちろん、ばんえい競馬を見るのは初めてです。そこでまずはスタートからゴールまで追いかけてみました。まず思ったのは。意外にもスタートは速いです。どうやらスタートから第1障害までは一気に行くようです。が、あとは障害だろうが平坦だろうがどこでも勝手に止まる。ゴール直前だろうが止まるものは止まるので気が抜けません。
 とりあえず新聞は買ってみたんですが、見方がわからない以上に、なにを基準に買えばいいのかさっぱりわからない。まあ、最近は普段からパドック派なので、パドックが唯一の拠り所なんですが、とにかくでかくよくわからない。騎手が乗る(そうそう、パドックや、パドックからの移動では、騎手は馬に普通に乗るんですよね)と、パドックなのにあのスペースしかないのにトロットし始めるし。しょうがないので、まずはいつものように選んで買ってみたところ、馬券は外れましたがその馬が買ってしまったので、パドックで普通に選べば良いということになってしまいました。しかし、そのパドック通いには障害が生じるのですが、それについてはまた後ほど。

 たった7、8レースを見ただけですが、強引にレースの傾向を。
完全セパレートの直線コースですが、それでも前に行った馬はよくばてます。ペースは重要なようです。
前に行った馬はばてるし、しょっちゅう途中で止まるので、途中までどの馬にもチャンスはありそうですが、第2障害を5番手くらいまでに越えないと連絡みは難しそうです。なぜなら、ゴール前では追い込みが決まるというよりは、前の馬が止まれば後ろが届くといった感じなので、先に障害を越した馬が止まらない限り抜くのは簡単ではないからです。
第2障害を一気に越えられず、途中で止まってから気合をつけた馬はまず最後まで持ちません。
第2障害の前で全馬一度止まって、ゆっくりためてから一気に障害を越えるため、ここで全馬が一見横に並ぶレースが多いです。ただ、上のことを踏まえると、第2障害にたどり着くのが6番手以降になるとかなり苦しくなると思われます。

 ロマンロード号でWINS静内に寄ったんですが、それを含めて旭川、岩見沢でも全敗でした。それでも札幌日経オープンの馬連万馬券的中が大きく、全体ではプラスでした。去年からいろんなとこに遠征してますが、プラスだったのは初めてです。
 トータルではプラスなんですが、ばんえいはひとつでも当てたかったです。

 どうやら馬アレルギーという持病があるようです。馬アレルギーといっても、馬を見ると馬券を買わないとアレルギー症状が出る、などというものではありません。いつからこれに気付いていたのかはわかりませんが、最初はパドックでなんかくしゃみが出るような、くらいだったので、冗談で馬アレルギーだなんて言っていたのです(くしゃみくらいは年がら年中出ますし)。これが、完全に一種のアレルギーだいう自覚を持ったのは去年の千葉牧場めぐりの時でした。馬房で馬と接しているとだんだんに目、鼻、のどと症状が出て、どんどんひどくなっていくのですが、移動するために車に戻ると症状がぴたっと治まるのです。で、次の牧場で再発。治まる。さすがにこれを繰り返すと、認めないわけにはいかなくなりました。全国的に認められているアレルギーかどうかは知りませんが、そんな病名があろうがなかろうが、自分は馬アレルギーという持病を持っているのだとそれ以来思っているのです。興味が出てきたのでちょっとネットで調べてみましょう。
 結果、実は思ってたよりもメジャーなアレルギーみたいです。まあ、仲間がいようといまいと自分のアレルギーには変わりないんですがね。てか、普通の生活をしてる人は馬アレルギーなんて持っていても気がつきません。
 とまあ、今回の遠征でもちょくちょく発症したんですが、1番ひどかったのがばんえい岩見沢だったんです。あのばんえい馬とやらが撒き散らしている何かが反応してしまうらしく、かなり苦しみながらのパドックだったのでした。

 名前の通り、競馬ファンのためのユースで、6日と7日の2日泊まりました。お部屋はレオダーバンです、というところからしてただならぬ空気。そこら中に馬のポスター、写真、ついでに馬券。朝は東西のG1ファンファーレで起きるし(が、そもそも白馬勢はその前にJ・G1のファンファーレで起きているという徹底ぶり)、管理人さんによる馬の話も聞けましたし、面白いところです。ただ、他の宿泊客と親交を深めるということはほぼありませんでした。夜寝る前は、パドックという競馬資料がそこら中に置いてある部屋にいたので、他の客とも接することはあったんですが、こっちが集団ということもあってわざわざ話す必要はないという判断だったんでしょうか、4人とも。なにより、その人たちの発言に対して(「岡って誰?」など)、NPの怒りを静めるのに精一杯でした(笑)。

 本来予定になかったとこなんですが、入場料を取られてしまい、入ってしまいました。観光地ということで、高校生がたくさんいました。女子高生は、有料で馬に草をやろうとした我々の気をそいでくれました。しかし男子高生。う○こクリームと呼ばれる集団がいたり(詳細を書くことはたった今断念いたしました)、馬乗りになってむちでたたいて走らせてるのがいたり。好き放題やっている年頃です。どうせ高校時代は、ああいうことをやってたんだろうなあという話をしていたら、なんと白馬には高校の修学旅行でここのロッジに泊まった、しかも2日間泊まったのがいるのです。彼はあんな馬乗りなどはやっていない、と証言していましたが。あんなとこに2日いても見るものは限られているわけで、なんとかスタリオンステーションやなんとかスタッドに修学旅行のバスが到着し、中から高校生がうじゃうじゃ出てくるなんてことは、想像するだけで空恐ろしいものがあります。

 この他にも、帰りの空港で破産しかけたり、書こうと思えばまだまだありそうです。つくづく、初日から全部書かなくて良かったと思いつつ終わります(誰かかが書いてくれるでしょう)。