宇和島旅行記 その2(宇和島城)

歩道にはこんな絵が埋め込まれてます
 次の目的地は宇和島城。
 宇和島城は,小高い丘(山)の頂にあります。そして,この宇和島城,最大の特徴は,「町の真ん中にある山の上にあるのに,町から天守閣が見えない」ことにあります。
 これは,例えば丸亀城や松山城のように,下から天守閣がばっちり見える城とは大きく異なります。完全に木々の中に天守閣が隠れてしまってるわけであります。

 というわけで,「本当にこの山の上には天守閣があるのか」半信半疑で登城していくことになります。宇和島市民と今まで宇和島に行ったことのある旅行者がとんでもなくどす黒い心の持ち主だった場合,「登った先には何もなかった」という悲惨な結末も全くあり得ない話ではありません。いや,そんなことを疑うお前の心がどれだけ汚れてるのか,という話ですが。

 というわけで,桑折氏武家長屋門。もともとここにあった物ではなく,移築してきたもののようです。
 こういう移築物の評価というのはおそらく難しいんではないかと思われますが,素人といた,しましては移築してしっかり保存した方が総合的に見てよいのではないか,と思ってしまうわけであります。まあ,これから登城するにあたって門をくぐるとやる気もでるしね。

 長屋門をくぐると,右手に石段。左手には工事中の道。石段を避けて平坦な道を選びたくなるのは運動不足なダメ人間の性でありますが,登らないことには話が始まりません。
 石段を一段一段上っていきます。別に石段評論家でもなんでもありませんが,比較的登りやすい道だったような記憶があります。段の高さが一定でないのは城の常ですし。
左は天国右は地獄。
日曜日にお掃除お疲れ様です。
折り返すとこんな石段が続きます。 井戸と井戸丸。
中腹にこんなに大きな井戸があるのはなんとなく珍しい気がしますが,
特に根拠があって書いてるわけではありません。
さらに石段を登っていきます。
基本的に日陰なので楽と言えば楽です。
 しばらくすると,藤兵衛門丸に到達。
 中を覗くと,建物が2つ。説明書きを読むと,左手にあるのが山里倉庫。一見すると何の変哲もない倉庫でありますが,「旧城内唯一の遺構」「宇和島に現存する唯一の歴史的建物である」と書かれており,実は偉大なヤツなのであります。
 そして,正面の建物が穂積陳重・八束兄弟の生家長屋門。うわぉ。こんなところで穂積兄弟の名前を見ることになろうとは。今まで知りませんでしたが,陳重は二男,八束は三男らしいです。……長男は?

 とまあ,なかなか面白そうな建物であり,山里倉庫の中を見学したい気はやまやまでしたが,なにしろ時間がない(このあと天赦園に行かねばならない!)ので断念。大人しく天守閣を目指すことにしました。
藤兵衛門丸 穂積兄弟生家の長屋門 山里倉庫

 そして,三之門・書物矢倉などの跡地へ。三の丸,という名称はなかったのでしょうか。
正面の平地が書物矢倉跡地 どど〜ん!と石垣が正面に立ちはだかります
(日光の関係で石垣が暗いですね…)
ここを登ると二の丸!

 そして,二の丸へ。ついに天守閣が姿を現します。宇和島の人の心は汚れていなかった(あたりまえ)!
 二の丸から見た天守閣の姿は,宇和島城の写真としてよく見られるものです。時期的に,桜の季節が若干過ぎ去って散り始め,というのが少し残念ではありましたが,それでも「桜と天守閣」という,平和の象徴(NPは「桜の木は武器に使えないから本来城にはない。桜を城に植えたのは後世の平和ボケ人間の創作」という話を信じ切っております。高松玉藻公園のガイドの人もそんなようなことを言ってましたし)は素晴らしいですね。

二の丸から天守閣を見上げる。
小さめな天守閣の姿と,桜の木のサイズがマッチしていて素晴らしいです。
御算用矢倉跡 二の丸から一之門方向を見る。

 そんなわけで,いざ本丸!

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