ニューマーケット競馬観戦記その1
ニューマーケット到着〜ナショナルスタッド見学

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10月2日(火)

 そんなこんなで10月2日。フルに1日を使えるのはこの日が最後。

 ということで、この日はニューマーケットに行く日でありました。
 ニューマーケットへの行き方は、キングズ・クロス駅からケンブリッジ駅に直通電車で行き、そこで乗り換えてさらに電車で数駅であります。
 のはいいのですが・・・。事前に日本で情報を入手していく過程で、このローカル線(ケンブリッジ以降)が曲者で、なんのアナウンスもなしに電車が遅れるだのなんだのと、なかなかに恐ろしいことが書いてありました。はてさて、これは困った。郊外で一人置き去りにされたらたまったもんじゃありません。しかし、電車である以上多少の遅れは致し方なし。多少じゃすまない遅れの場合は、とりあえずケンブリッジまでは行きたい、無理なら…最悪野宿!?
 と、最悪の事態を想定していくときりがなくなってしまうのでありますが、一応日本からこの日の為にカロリーメイト数個と、ホッカイロを持参。まあ、これでどうなるのかは分かりませんが、一応慰めにはなるかな、程度にはなります。
 また、ニューマーケットの地図も2種類準備。まあこれでどうにかなるでしょう…。多分。ようは翌日のHISの迎えがくる時間までにホテルに帰ってりゃいいのです。


 朝。まだ友人は寝ている時間です。ホテルの朝食が始まる時間にレストランへなだれ込み。こんな朝っぱらから結構な人数がいらっしゃいました。みなさんお元気ですね。いいことです。
 朝食をとって、カバンを持って、外へ。雨。
 ん〜。確かアスコットに行った日も雨だったよなあ。なんか競馬に行く日に限って雨が降ってるのですが…。気のせい?

 まずはキングズ・クロス駅へ向かいます。朝の地下鉄。さすがにまだ早いのですいています。
 キングズ・クロス駅に到着。まだ電車の出発時間までは間があるので(当然時刻表は日本で入手済み)、店をぶらつきます。そして、アスコットに行った日には入手し損ねたRACING POST紙を入手。4部ほど購入。重いっっ。

 出発ホームは、少し外れたところにありました。
 電車はとても綺麗。イスのスタイルは新幹線・飛行機型。イスの数は2・2だったか3・2だったか3・3だったかは完全に記憶の外ですが(こういうときに画像が飛んだのが痛い)、非常に快適。また、この時間帯にロンドンからケンブリッジに行く人が少ないのでしょう、すいていて、静かで、いやはや、先日の反省を元に文庫本を持参していたのでありますが、見事に睡眠。

 ケンブリッジ駅に到着。ケンブリッジと言うとまあ誰もが思い浮かべる(のか?)のが学校でありまして、学生らしき姿をした方々も大勢いらっしゃいました。そういえば検札無かったなぁ。
 時間が余っていればケンブリッジをぶらぶらしたかったのですが、時間にそれ程の余裕がありません。1本乗り過ごすと次が来るまで時間がかなりかかってしまい、今後の予定に大いに支障をきたしてしまいます。
 さて、ニューマーケット方面に行く電車です。どのホームから出るのかを駅員さんに聞き、しばらく待ってから乗り込みます。いかにもローカル線、といった感じの中距離電車タイプ。乗客数も非常に少なめ。雨でじめーっとしています。
 この電車、何に驚いた、って、電車の中に検札が来ました。本来なら驚くことじゃないんですが、日本で入手していたこの電車の恐ろしさから生まれたイメージとはちょっと違っていたもんで。

 そして、競馬の街、New Marketに到着!!
 ん〜、これで晴れてたら気持ちいいんだろうなあ。雨はやむ気配なし。折り畳み傘を広げ、日本で印刷してきた地図を出し、これからの身の振り方を考えます。あ、ちなみに、僕の他にここで降りた人は皆無だったように記憶してます。もしかしたら何人かいたかもしれませんが。

 え〜、とにかく朝が早いので、競馬博物館も閉まっています。
 当初、日本にいたときの考えでは、博物館か牧場見学のいずれかを選択し、それから競馬場へ、という行程をたどるプランでした。ただ、牧場見学がこりゃまた怪しいものでして、本によっては9月で終了、と書いてあるのです。また、別の本では10月は競馬開催日のみ実施、と書いてあります。う〜ん、こりゃあどういうことだ??(ちなみに、これらの本は、英国観光センターで入手したパンフレットです。日本の旅行ガイドにはあまり詳しくのってないのですよね〜、ったく)

 とにかく、街のメインストリートに向かいます。イギリスは、町ができてから電車が通ったので、駅から街の中心部までちょっとした距離があるそうです。雨の中、歩いていると、左手にタタソールズの文字が。これが名高いセリ市場のタタソールズなのですが、広い!おそらくあそこで売買するのだろう、と思われる建物がありますが、う〜ん、よく分からない。僕は北海道の静内にある市場と、千葉の市場の2つしか見たことは無いですが、それとは比べ物になってないです。う〜ん、さすが本場。

 ニューマーケットというと、馬の街なので、駅を下りたらそこからいたるところに馬の気配(案内板に馬の絵がある、とか)があるのかと思いきや、そんなことは全然ないから恐ろしいです。わずかに、駅前駐車場に止まっている数台の馬運車が馬の気配を漂わせているのみなのです。
 こんな雰囲気ですから、タタソールズ市場の名前を見たときはなんかほっとしました。いや、まあ地図に載ってるんだけど。

 さて、10分程歩くとメインストリートに。もう靴はびしょぬれです。これで大体地図と実際の縮尺を実感したので、とりあえず右に曲がって、博物館の位置を確認しつつ、メインストリートを歩いてみることにしました。
 このニューマーケットと言う街、びっくりしたのが、マクドナルド、スターバックスなどが無いこと。代わりにケンタッキーフライドチキンがありましたが。マックやスタバはウインザーにもあったのに。
 しばらく歩くと右手にジョッキークラブ。そして、それに隣接して競馬博物館。もちろんまだ閉まっています。競馬博物館の前にはハイペリオンの銅像!
 あぁ、これぞニューマーケット!と、わけのわからない感傷にひたりつつ、さらに歩いていきます。
 しばらく歩いていくと、非常に有名な塔が見えてきます。何が有名か、というと、普通ならば風見鶏があるところが、風見馬になっているのです。ニューマーケットの町並みの紹介記事にはかなりの確率で登場するものです。雨の中、デジカメを壊さないように写真をパチリ。ああ、このデータは今いずこ。

 ここでUターンして、再び街中へ。郵便局に入り、日本円1万円をポンドに両替。レートは悪かったけど(ここだったからなのか、この日のレートそのものが悪かったのか不明)、仕方ありません。こんな朝っぱらなのに郵便局は混んでおりました。

 さて、今度は道を渡り、反対側を歩きます。そして、インフォメーションを表す「i」の文字のある方へ。
 すると、ショッピングセンターが見えてきました。そして、「i」のマークは、なにやら地図の自動販売機を指し示しておりました。そこで、地図を購入。確か1ポンドかそこらだったと思います。
 この地図はとてもお勧め。カラーで綺麗です。お土産にぜひ。ということで、雨にぬらさないように、もう1枚購入。

 このショッピングセンター内をぶらつき(屋根があるのが何よりも嬉しい)、外へ。雨が弱まってきました。

 再び道を渡り、今度はニューマーケットのインフォメーションセンターを目指します。イギリスと言う国は、観光立国だけあって、これが非常に充実していて、素晴らしい!日本のように駅の構内の一角ってんじゃなく(これはこれでとても便利なんですが)、ちゃんとした建物があるのがよいですね(イメージとしては、大きくて綺麗な千葉の競走馬のふるさと案内所、きれいさと言う点では案内所の胆振支部に近いかな?)。
 しっかし、このインフォメーションセンター入口にでっかく日本語が…。ここまで来ても日本語の呪縛から離れられず。う〜む、恐るべし、ジャパンマネー。
 ここで、牧場見学について伺ったところ、わざわざ牧場の方に電話で確認してくださり、さらには予約までしてくださいました(見学には予約必須です。まあ名前を伝えるだけですが)。
 そして、そうなると当然のごとく浮かび上がってくる疑問は牧場への行き方です。これもここで伺ったところ、バスは本数が少ないか時間がよく分からないかでやめたほうがいいと言われ、タクシーを利用すればいいとのこと。値段もそんなにしないだろう、と言われました。
 ということで、パンフレットをいくらかいただきつつ、インフォメーションセンターを後にしました。この頃には雨はやんでいました。

 タクシーはどこにあるか、というと、競馬博物館から道をはさんで反対側にずら〜っと並んでいます。心の準備をした後、タクシーに乗り込みます。そして、あこがれのナショナルスタッドへ!!



 ナショナルスタッド到着。タクシー代はいくら位したかは忘れましたが、インフォメーションセンターで言われた値段よりも高かったことは覚えています(笑)。それにしても広い。門(おそらくは自動ドア)を入ってから、タクシーが止まるまでかなりの距離。さすが本場。さすがナショナルスタッド。
 そして、クラブハウスのような小さな建物に入ります。入ると、右手にトイレ、左手に記念グッズ。そして、真正面にカウンター。はてさて、これからなにをどうすればいいのかてんでわかりません。とりあえずトイレに行き、記念品をふんふんと眺めつつ、カウンターのほうへ。指を怪我しておられた女性の方の訛りある英語に苦しみつつ(と、自分の英語力の無さを棚に上げてますが、もちろん英語力のある方ならば苦労なく理解できます。慣れれば僕レベルでも理解できました)、先ほどインフォメーションセンターから連絡のあった変な名前の奴、ということをわかっていただき、見学料を払って、しばらく待つように、と言われたので、記念品を眺めていました。
 しばらくすると、見学者の方々がぱらぱらと現れました。女性二人組、家族連れ、などなど。
 総勢10数名でバスに乗り込み、牧場の方の運転&ガイドの下、牧場見学バスは出発したのでした(当たり前ですが、歩いて見学に出たら日が暮れます)。

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こんな感じの放牧地
(もちろん監視付ですが)
馬にも触ることができました
それにしても子馬はかわいいです
ここで受け付けです。
記念グッズなども売られています
このバスに乗って
牧場内を巡ります


 牧場見学の内容は、というと、とりあえず牧場をぐる〜っと回り、その後一旦バスから降りて種付け場と種牡馬の見学、もう一回バスに乗り込んで移動し、また降りて今度は母馬と子馬とのふれあい、ってな感じであります。
 最初に牧場内を回る間にも当然いろいろな説明がなされるわけでありますが、これがまあ英語なのでちんぷんかんぷん。お話になりません。でもまあ牧場を見てるだけで楽しいのでよいです。ちなみに、他の見学者さんの中に、当て馬に興味を持った方がおられたようで(当て馬の放牧地の横を通ったのでした)、当て馬話に花が咲いていたようでありました。
 また、道沿いにはハイペリオンなどの名馬のお墓もあったりしました。う〜ん、改めて歴史を認識。
 ちなみに、ニューマーケット競馬場には2つのコースがあるのですが(本や、WinningPostなどで確認できます)、市街から近いほうがローリーマイルコース、遠いほうがジュライコースとなっています。そして、ジュライコースを使ってレースが行なわれる際には、この牧場の敷地が駐車場として開放されるそうであります(僕の英語力ではそう解釈された、というだけのことで、もしかしたら違うかもしれません)。

 種付け場見学は、実際に種付け場に入ってお話を聞きます。聞いても意味が分からないのが辛いですが、ここは実際に種付けを見たことがある人間の強み。てきとーに自分の知識に当てはめてふんふん頷いておりました。このへん、種付けシーズンの見学だとどうなるのか、全く分かりません。
 種付け場の横に、種牡馬の馬房があります。さすが金のなる木。馬房は大きめです(沖田牧場のシリウスシンボリくらいだったかな?)。
 馬は2頭見せていただきました。1頭目(と名前を出さないことからも分かるとおり、名前を忘れました。申し訳ありません。せっかく見せていただいたのに…)、2頭目(こちらはJCに出たことでもおなじみ、ゴールデンスネイクです)と、馬房の扉を開いて見せていただきました(もちろん馬房の中までは入れません)。
 驚いたのが、みなさんフラッシュをたきまくること。文化の違いです。…ってそういう問題じゃないですね。どーなのよ、エアグルーヴ。
 びっくりする僕を尻目に、牧場の方も何も注意する雰囲気がないのでみなさんパシャパシャ。僕も遅ればせながらフラッシュありモードにしてパシャパシャ(…ああ、データよ。)。
 ここで、見学者の中のお一人が(家族連れのお父さん)「ここの馬たちはもう走ることはないの?」と聞いていたことから(当然答えはノーです)、見学者の皆さんの競馬知識レベルはそれ程高くないのかもしれません。いや、1人を基準に結論付けるのはあまりに無謀なのは百も承知ですが、その他の会話(あて馬トークとか)からの総合判断でも、おそらく日本語で議論すれば多分この日の見学者の中での競馬知識(但し牧場関連限定)は僕がトップクラスだったと思われます。だからどーしたのか、というと、イギリスの競馬おたくさんは見学にいらしてなかった、ということが言いたいだけです。おそまつ。

 続いて放牧地にて母馬子馬とのふれあい。まさか触らせていただけるとは思っていなかったのでびっくり仰天。もちろん柵の外側からですが。子馬をなでなでするのは非常に気持ちがよいです。たてがみをむしったら何が起こるのか、想像もつきませんが、ジェントルマンの国イギリスでそんな非常識なことをする人はいないのでしょう。
 ここで出会った母馬の名前や子馬の名前は分かりませんが、今どうしてるのかなあ、と気になります。

 ということで、大体40分くらい(全く記憶にないのでかなり適当。でも12時前には終わってた記憶があります)でツアー終了。ガイドさんにお礼を言ってバスを降り、再びクラブハウス内へ。
 希望者にはスープが振舞われていたようです。有料だと見受けられたので貧乏学生の僕は残念ながらいただけませんでしたが、皆さんおいしそうにすすっておられました。
 僕はとりあえず記念にトレーナーとボールペンを購入。
 ついでに、どうやって市内へ帰ることができるかを伺ったところ、やはりバスでなくタクシーを薦められ、ありがたいことに電話までしていただきました(「市内」とあることからも分かるとおり、この段階で牧場→博物館→競馬場の強行軍をたどることを決定していました)。

 最後に。牧場の見学情報はまあ直接確かめていただくのが一番よいと思われますが、現地の案内が最も信頼できると思われるので、参考までにその内容を記しておきます。
 あくまで2001年の情報なのでその点ご留意ください

 要予約
 3/27〜9/30 Plus 10月の競馬開催日
 月〜金:11:15,14:30
 土:競馬開催日の朝
 日:2:30("Most Sundays"とあるので、実施していない日曜日もあると思われます)
 料金:£3.50(£2.50:シニア、学生、5歳以上の子供)

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