サクラミハルオー

 せっかく三春町に行ったのですから,桜だけ見たのでは面白くありません。
 というわけで,急造お城マニアらしく「城」という言葉に飛びついてみることにしました。バスもせっかく町役場に停まってくれるんだし(駐車場の関係,という説もあるけど)。それにしても三春町,駅や桜周辺を見ても全然商売っ気を感じないのですが,これで大丈夫なんでしょうか。編に商売っ気を出してないあたり非常に好感持てるんですが,かえって心配になってしまいます。

 とりあえず,バス停の向かいに鳥居が見えたので寄ってみました。稲荷神社のようです。「守城稲荷」という名前のようです。由緒書(面白いフォントで書かれてると思う。)によると,かつては城内にあったのが今の位置に遷宮されたようで,その理由が気になる観光客なのですが,あまり突っ込まない方がいいんだろうか。由緒書の最後に「神殿周囲の透かし彫りは……逸品」と書かれていることに今気付きました。う〜ん,現地でちゃんと読んでれば逸品をきちんと見られたのに…。

鳥居 社号標 拝殿 由緒書 道路元標
田村郡役場跡らしいです
市街地案内
下が壊れてるのはご愛敬

 続いて,田村大元神社。
 三春といえば田村氏。これはNPが『伊達政宗』から歴史小説の世界に入ったから特に愛姫の出自である田村氏にひときわ興味があるのですが,それでもそれなりに田村氏の名は知られているのではないかと思います。
 そして,階段を上がっていくと,大きな表門が登場。廃仏毀釈で明王堂は壊されたようですが,こういった門や像に神仏習合の空気が残ってますね。でも,お寺自体は復興されなかったのかな。
 この神社の中にも桜が植えられておりました。いやぁ,桜っていいですね。
 で,拝殿もどことなく仏教のお堂的なたたずまい。明王堂の部材で建立されたのは本堂だけなのかな?

参道の石橋 階段を上がっていく 仁王門 彫刻
左の奥歯あたりはどうなってるのだろう?
彫刻 金剛力士像 彫刻
拝殿 太元明王
「太」なのか「大」なのか…
本殿 熊野神社 八幡神社 ここから城趾へと向かいます

 神社の右手に「東館散策路」の案内があったので,素直にこれに従って三春城城域へと向かうことにします。手元に東館から三春城本丸へのルートが書かれた地図がないのが不安ではありましたが,この雰囲気ならいくらでも矢印が出てるに違いない。
 で,尾根伝いに歩いて行くと,ほどなくして東館跡。自分が歩いてきた「尾根」は自然にできたものなのか,それとも城の防御のための土塁か何かなのか……。

散策路 東館跡
今となっては大きな広場です。
周囲には桜もあるので,結構現代人の手が加わってますね
この広場は綺麗に整備されているのでイベントとかに使われてるのかな?
さらに進む

 さて,東館跡を抜けて,道は二手に分かれます。
 これまでの雰囲気だと当然本丸方向への矢印が出てるだろう……と思ったのに,そんなものありません。あれれ,予想外。すると,右手側から人が歩いてきました。ということは,右手方向に何かあるはず。自信満々に右に向かったのでした……。
 すると,開けたスペースと,左手に段々になった丘。そこには桜が並んでおります。綺麗です。どうもここは「町民の森」という憩いの場のようです。いやー,これ,気を抜くと思いっきり草ぼーぼーになって大惨事になりかねないので,町がしっかりと手入れを行ってるのだと思います。素晴らしいですね。
 素晴らしいのはいいんですが,肝心の本丸への道が見つかりません。丘の上の方から人の声がするので,この上に登ればおそらく本丸です。ううむ,これはストレスがたまります。大昔の攻め手はこうやってストレスを溜めてたのだろうなあ。本来ゆっくり心を休めてストレスを洗い流さないといけないのに,ここでストレスを溜めてたらやってられません。引き返し,先ほどの分岐点を左方向に進むことにしたのでした。

町民の森 見上げれば桜。しかし道は見つからず…

 すると,ビンゴ!竪堀跡が登場しました。堀の上に今では橋が架かっておりますが,結構しっかりとした竪堀が現代まで残っております。相変わらず写真だと奥行きがうまく写らないのが残念ではありますが。
 ルートが正しいことが分かったので,意気揚々と進んでいきます。
 正規ルートに入ると,一気に人が増えました。くそっ。さっきの人はマイナー好きの人だったか。

竪堀
写真だと限界があるなあ
桜を見下ろす 揚土門跡 三之門跡 三之門の奥のスペース
解説が無かったけれど,
櫓でもあったのでしょうか
三之門を逆側から
垂直なのは人工的なのか
それとも自然に出来たのか
大門跡
ここを越えると二の丸に
桜に提灯がぶら下がってるので,祭でもやったのかな
大門の礎石

 二の丸に入ると,桜が周囲を囲って雰囲気が華やかになります。同時に,ここに城趾碑があったりお城の解説があったりと,人気の無かった東館跡とは雰囲気が異なります。
 そして,そこからすぐ上に本丸があります。本丸にも桜。ここの桜は葉っぱが目立っていた滝桜とは異なり,非常にいいタイミングで来られたのではないかと思います。

二の丸からの眺め 城趾碑 解説 二の丸。きわめて平坦。
御殿でもあったのでしょうか
本丸方向
この自然と人工が融合した雰囲気が
非常に美しいと思う
本丸 見下ろす 本丸から二の丸を見下ろす 大広間跡の桜
アップで 本丸 奥跡 三春藩烈士碑 秋田家祖先尊霊
多分さっきいた場所(町民の森)なんじゃないかと思う 再度大広間の桜

 そんなわけで,満足したので再度降りていきます。
 登っていたとき,前を歩いていたご婦人方がたんぽぽを見て「萼が開いてないから和タンポポだ。珍しい」という話をしておられたのが気になったので見てみました。おお,なるほど。確かに萼が開いていない。その場で携帯を使って検索したところ,たしかに萼が開いていないので和タンポポであるということがわかりました。
 ところで,Wikipedia先生曰く,「『セイヨウタンポポが日本古来のタンポポを駆逐してしまった』というような記述が見られるが、これは正確には誤り」とのことであります。なにぃ。これは知らなかった。
 いずれにしても,博識な人が周囲にいると旅は楽しいのでありました(完全盗み聞きなんだけど)。
 時間は軌跡をを彩っていくのであり,こうして田村氏・秋田氏の軌跡は桜やタンポポで彩られていくのでしょうな。明日はほんの少しだけ昨日と違う風景が見えていることでしょう。無理矢理歌詞を入れ込もうとしたら変な文章になってしまった。

 また,さらに下っていくと,城域の地図なんかも発見しました。これを東館跡付近にも設置してくれていれば……。



在来種のタンポポ 愛姫生誕地の石碑 二之門跡 地図 お城坂しだれ桜 下から見上げる竪堀

 で,バスに乗って駅に戻ります。
 駅では,行きでは「満開」扱いだった滝桜開花状況表示が「ちり始め」に変わっていました。行きの表示をちゃんと撮っておけばよかった。
 昼ご飯を食べてなかったので,売店でエンパナーダを買ってみました。

バス 昼食代わり
これは朝からこうだったような記憶 これが変わってたような 三春駒 トイレも三春駒 あいさつ通り

 そんなわけで,いったん郡山に戻ります。

三春滝桜郡山・白河

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