三景橋立杯その5
一色の宮津・多色の宮津

 そんなわけで,宮津です。宮津を通過して天橋立に行ってもよかったんですが,ニワカ城マニア兼ニワカ庭園マニアとして,宮津はちょっと面白そうなので寄ってみました。

 結論を先出しすると,三上家庭園は確かによかったし,宮津教会もきれいだったし,宮津城跡はやっぱり何もなかったし,その意味で行ったことはよかったんですが,何より面白かったのがお地蔵さん!ここのお地蔵さんはカラフルです。色のついたお地蔵さんというと,かつて長野で見た赤い地蔵が思い出されるわけですが,ここのはカラフルで,顔にも手が加えられておりました。
 もちろん,もともと日本に入ってきた仏像はカラフルでぎらぎらしてたので,仏像に色がつくこと自体は当然と言えば当然なのかもしれませんが,それにしたって木や銅の仏さんではなく石仏にいろがつけられてるのは非常に興味深かった。残念ながら石仏・仏像に関してはニワカマニアですらないので多くを語れませんが,こういうのってこのあたりの特色なんですかね?どのあたりまでこういう石仏が信仰されているのだろうか。

 てことで,宮津から徒歩で動きます。
 まずは地図上,「丹後宮津城跡」とあるところへ。解説板がありました。その近くにそれっぽい岩があったので写真に収めてしまいましたが,

散策案内 こんな仏像!! 丹後宮津城跡
看板が日焼けして死にかけてます

解説を読む限り,宮津城の
発掘調査は2回のようです
田辺城とえらい違いだ……
それっぽい岩
おそらく完全に無関係
看板の裏の地蔵様
これも色つきです
旧宮津城を偲ぶ
南方10mの場所に本丸石垣が露出している以外はこれが唯一の現存遺構
…ってことで,さっき見たのが無関係なものと判明したのでした
真ん中の大きな石が鉄門の袖石垣,礎石っぽい石は大手橋橋脚礎石,小さいのが北側波止場の船つなぎ石
地下にまだ遺構が埋まってるってのはロマンをかき立てますね

 続いて,一色稲荷。
 前にも書きましたが,このあたりは自分の信長の野望プレイ的に完全にマイナーな地域でして,ここらへんの一色やら武田やらなんやらはもう完全に「その他大勢」の認識でした。明智光秀が丹後丹波を制圧するのにどういう戦いをしたのかもよく分からん。山陽側の秀吉はいろいろ分かってるのだが。明智さんの伝記ってなんかいいのないかな。あるいは,やっぱり大河やってもらった方がいいかな。

 いずれにしても,一色についてはよく分かってません。そして,細川忠興に暗殺された一色義有についても,松本清張の「逃亡者」程度の情報しかないのであります。

 そんなこんなで,一色稲荷。当時は,「謀略に倒れた一色氏の怨霊」がぴんときてなかったのでありました。やはり歴史はきちんと勉強しないといけませんな。

一色稲荷社 解説
一色義清の自刃についての
解説が薄いのですが…
一色義清自刃の処 参拝 ここのお地蔵さんもカラフル
後ろが塗られております
あと,着ている服がTシャツっぽい

 さらに進みます。大手橋跡にはどでかい石碑が建ってますが,これ,下に読み下し文がないともはや誰も読めないような気がする……。


 そして,旧三上家住宅。マイナーな観光地のようですが(なんせTripadviserで項目を作ったのはおいらである),建物等は国重文。庭園は府名勝。
 で,ここも面白かった。内部拝観は案内がつくんですが,新座敷・ミセオク・ヨリツキの3部屋を区切るふすまはあれど,真ん中に柱がなく,部屋を広く使うことができるようになっていたとのこと。部屋の角をずらすことでうまくやったようです。いやぁ,こういう建築の妙ってのは素晴らしいし,面白いですな。庭園もよかったです(ニワカなのでよかった・悪かった以上のなにかを持っていない)。
 それにしても,この手の豪商の邸宅を見るにつけ,この時代の豪商ってのはとんでもなく金を持っていて,とんでもなく金を使ってたんだなあと思い知らされます。

解説 外観 衝立 新座敷
食い違い構造で
真ん中に柱がない
あと,新座敷の壁が
赤いのが面白いですね
貴賓用の風呂
こんなもんを用意するだけの財力があり,かつ
用意する必要があるほどの名家だったってことですな
茶室 カリンの木を磨いた床柱 茶室から庭を見る


部屋によって違う釘隠し 庭と庭座敷縁側 庭座敷 鯉の欄干
庭園


扇面短冊貼交衝立 階段箪笥 宣伝看板 解説

 続いて,酒蔵部分ですが,なんか当時はそれなりに面白くて写真撮ってたんだけれど,今となってはそんなに興味がなくなってるので,とりあえず記録としては軽めにしておくことにします。


 そんなわけで,旧三上家住宅は思ってたよりもいい場所でした。
 さて,宮津といえばまだまだ有名な観光地があります。宮津教会であります。レッツゴー。
 とはいえ,まだなんとか時間的余裕があるので,途中の寄り道は欠かせません。

砂山稲荷神社
奉納されていた絵がもうちょっとくっきりしてるとうれしかった
色のない
お地蔵さんもおられます
でも,しっかりと服を着て
大切にされております
仏性寺
無縁物がすごいことになっております お地蔵さん
量産型ではなさそうですが
色もついておりません
聖徳太子堂
奉納品 桜山大黒天 本庄宗秀,宗武のお墓 鳥居&参道
  
カラフルになりました 和貴宮神社 神馬がいました

 そして,宮津教会。教会なので中の写真はありませんが,中は畳敷きの場所があったりして,異国情緒あふれる外観とは異なりローカルな雰囲気のあるいい教会でした。また,観光パンフ的なものだと入口側の写真だけですが,裏側からの姿もまたいいですね。
 細川ガラシャについては,もちろん歴史的事実としては存じ上げております。


 最後に,太鼓門が移築された宮津小学校へ。
 小学校にこんな門があったら,小学生のいたずらでボロボロになりそうなもんですが,ちゃんときれいな姿を維持しております。

普通のお地蔵さん 太鼓門 太鼓門と復元城壁 城壁 宮津温泉泉源

 宮津駅でまだ少し時間があったので,昼食がてらかにずしを購入。なかなかの上げ底だったので一気に平らげて,売店のおばちゃんにゴミ箱の場所を聞きに行ったところ,「おいしかった?」と聞かれると共に,「上げ底がひどかったでしょ」と心の内を読まれ,「仕入れ先にも文句言ってるのよ」的なことを言われました。まあ,上げ底激しいことは買う前に言っていただけるとうれしかったところですが,それじゃあ商売にならないでしょうからね。

宮津駅 かにずし 乗った車両

 てことでようやく,日本が誇る観光地,天橋立に向かいます。
 それにしても,あんなカラフルなお地蔵さんに出会えたのはちょっと予想外の楽しい発見でした。

舞鶴天橋立

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