ペナン旅行記その11

ダーミカラマ ビルマ寺院

 続いて,道を挟んで反対側にあるダーミカラマビルマ寺院。この区画に両寺院が固まってるってのは,ヴィクトリア女王がこのあたり一帯の土地を持っていて,タイ側に寄付するときに合わせてビルマ寺院にも寄付したってことなんでしょうね。


タイ寺院に似てますね
年間イベントカレンダー


 ところで,この寺院を見ると,どこを見ても「ビルマ寺院」と書かれています。他方,さっきから「ビルマ寺院」と売っていると,ATOKさんが「<<地名変更「→ミャンマー」>>」とうるさいです。ただ,「ビルマ語」とか「ビルマの竪琴」とか打ってるぶんにはATOKさんも文句をつけてこないので,「ビルマ寺院」それ自体を成立した一単語としてみなすことができれば問題ないのではなかろうかと。とりあえず,あちこち見ても英語表記でBurmese Templeという表現をとっているので,これをミャンマー寺院と訳すのには勇気がいりますな。

 そんなわけで,まずは右手前にある大仏殿(SHIMA SHRINE HALLとあります。INTERNATIONAL STANDING BUDDHAってのは,後述する後ろに立っている仏像のことなのか,それとも真ん中で立ってる仏像のことなのか)から。入口を護るのは獅子?あまりにも立派な姿に,雌雄を確認することも忘れてしまいました。


 さて,中に入ります。すると,真っ正面にどでかい立仏。おおっ。これぞビルマ。ビルマ寺院の特徴がでかい立仏なのかは知らんけど。
 とにかく,大きいです。そして,目が横に長くて,微笑んでおりますね。このあたりがビルマの特徴なのかは知りません。あと,額にある印が丸ではなくしずく型ですね。

大きくて金ぴかです 窓の格子にも仏様 天井部
これもいろんな人が寄進したのでしょうか
For Distributionとのことですが
(荷物になるので)持って帰らず
それにしても,
もっときれいに
積んでもいいような
地蔵経 まずは英語の説明文 英語の教本
こういう目をかくのはビルマの特徴なのでしょうか

 そして,この大仏様の裏側にもたくさんの仏様がまつられております。
 最初は気付かなかったのですが,それぞれの仏様の後ろに国名が書かれております。ふむふむ。なんだこれ。そして,日本の仏様もありました!そりゃ一応仏教国ですからね。そして,よく分からんのが,「八世紀」という文字。奈良が八世紀(平城京だろうな)ってことのようですが,どういう経緯で奈良がピックアップされたんでしょうか。やはり東大寺の大仏ですかね。

MONEY TREE DONATION
FOR TEMPLE MAINTENANCE
というわけで,お金がぶら下げられていました
普通に賽銭箱にしないのがビルマ的?
こんな感じで裏に仏像が並んでおります




カンボジア
アンコールワット12世紀
ラオス タイ ビルマ(ミャンマー)
パガンは11世紀ということか
そして,日本
NARA 8th Century

 まあ,日本の仏様が見られたのでよかったよかった,ということにしておきたいと思います。
 続いて,大仏に向かって右手方向に,また仏像。右下に「猪」とあります。てことは,また十二支か。ミャンマーにも十二支文化ってあるんですかね??

 それはさておき,こっちでも蝋燭をお供えすることにしました。せっかくなので,タイと公平に扱いたいし,まあ拝観料代わりですね。お供えするのは先ほどと同じ形の蝋燭。ですが,こっちには名前を書く台と紙がありません。う〜ん,これでちゃんと御利益あるのか。

 そんなわけで,外に出ます。とりあえず例によって申年と午年を拝見。猪だけなぜか解放部に祀られていて,それ以外の干支は全てガラスで仕切られた中におりました。猪年の特別扱いの理由は不明です。

外に出ました
ガラスが古くなっております

 で,てっきりこれで終わりかとおもったら,この先がまだまだありました。さすがわざわざペナンで寺院を開くだけのことはあります。それにしても,本当にビルマ寺院が全てこんななのかは気になります。まあ,日本の寺院や神社もいろいろあるから,一つだけみてどうこう言うべきではないんだろうけど。 
 まず,建物の壁面に立派な絵。そして,その前に鐘を担いでいる2人組。その脇には地球を支える2匹の動物。龍っぽいんだけど,龍って翼あったっけ?と思って調べてみたら應龍という種類の龍には翼があるようです。尤も,これが王流なのかは不明です。あと,日本の形がどことなく龍っぽいな。
 あ,でも,あらためて見たら足は蹄ですね。奇蹄の龍ですな。馬の仲間だったりするんでしょうか。

色あせてますが,
なんか神話の世界を描いてる
ようにみえる絵ですね
鐘を担いでおります
前の男性の足下に鐘を叩くための木の棒があり
叩いている方もおられました。
結構いい音が鳴ってました
競輪ばりにカンカンやったら怒られるんだろうな
ところで,前の男性はなんで舌出してるんだろうか
龍と地球 日本

 さらに,池にもいろいろなオブジェが。これも仏教的に意味があるのかもしれませんが,とりあえず日本ではこういうの見ないですね。一部の動物の首からなんか文章がぶら下がっているんですが,残念ながら読めませんでした。これを解読できるとなにか分かるのかもしれません。単に「触るな危険」と書いてあるだけのような気もするけど。


鹿もいました

 まだまだ奥はあります。続いて,3つの尖塔が特徴的なお社。池の中にあります。靴をぬいで中まで上がっていくことになります。よって,先に抜けるのではなく戻ってくることになります。
 この"Arahant Upagutta"Shrineというのがなんなのか,とりあえずGoogleさんに聞いてみたところ,このページを発見。とりあえずミャンマーやタイ北部,ラオスあたりで知られた人物であるようです。Shin Upaguttaというのも同一人物のようで,Wikipediaさんにも記事がありました。
 向かって左側はArahantSivali。右手に杖,左手に鏡?を持ってます。Wikipediaにも当然記事があります。どうも上座部仏教で広く知られた人のようです。ぱっと見,女性かと思ったらHeと当てられてるので男性ですね。向かって左がYakkharaja,向かって右にいるのはJhanika Yogi。Yakkharajaを検索してみたら,「ヤッカ王」という記事が1つ出てきました。ほほう。ヤッカというのは夜叉と関係があるようです。ほほう。てか,夜叉ってヤックのことか。てか,もともと仏教用語だったのか。で,ヤックってのはタイ寺院に立ってるあいつだな。なんと。このあたりがつながるのか。これは面白い。面白いけど,Wikipediaソースでこれ以上調べていくのは勇気がいるな。あと,みたところ,Jhanika Yogiってのは鬼でしょうか。ビルマ・ミャンマーにも鬼っているのかな。"Jhanika Yogi"で検索しても特になにもヒットせず。"Yogi"で検索すると,「ヨガ行者」が出てきました。ダルシム的な人か。口から火とか吐くのかもな。怖い怖い。
 向かって右側はArahant Khema。Wikipediaによると2人の有名な女性後継者の1人のようです。
 多分"Arahant"ってのは偉い人への敬称かお坊さんを示す言葉かなんかなんだろうな。と思って例によってWikipediaさんに教えを請うたところ,羅漢・阿羅漢であることが判明しました。もともとの仏教用語が分かってないのに英語のWikipediaを読んでもよく分からんところですが,右側にTranslationがあって助かりました。

遠景 Arahant Upagutta 内部
いろいろな仏さんが置かれていて若干雑多な雰囲気があります
上はこんな感じ
Arahant Sivali 奥がYakkharaja,手前がJhanika Yogi
Arahant Khema ここまで女性女性な雰囲気はなかなか見ない
逆側から 上も丁寧に彫り込まれてます 前の池 ここにも「小銭を投げ入れて上手く乗ればラッキー」的な文化があるようです

 まだまだ先があります。続いてはまたも池。今度はまた趣が違っていて,中で蓮の花がくるくるまわっています。なんだこの(無駄な)ハイテク感は。
 解説には"Epic Renunciation"とあります。どうもゴーダマシッダールタさんがなにか行ったんだろうと思いますが,Renunciationを直訳すると「放棄」とかそんな感じの言葉になるので,おそらくEpic Renunciationでなんか重要な宗教上の出来事か意味合いかをあらわしているんだろうと推測。

Epic Renunciation 手前の山羊に意味はあるのか Kanthakaという馬に乗っているようです
後ろにいるのはServantのChannaさん
無表情すぎて応援してるのか制止してるのか
何をしてるのかさっぱり分かりません
真ん中でくるくると

 さて,ようやく奥の建物に接近です。中に入る前に,いろいろなオブジェがお出迎え。なかなか中に入れてくれません。



 

ナーガ ガルーダ 和諧世界
こっちは口紅してます
左右に象がおります 衆縁和合

 いよいよ最終イベント。The Golden Pagoda Bell Tower。何があるのかと思って,中に入ると,綺麗なホールでした。あれれ,思ってたのとちょっと違うぞ。
 左手にちょっとした仏像がありましたが,特に解説も無し。それよりも,正面エレベーター上にびっくり。"In memory of Ito Kooji & Aiko Ito and U Soe Tint & Daw Khin Gyi"とあります。日本人!?
 実は,これをみたときに,ミャンマーで亡くなったカメラマンさん(長井健司氏)の追悼かと思ったんですが,違っておりました。その他,U Soe Tint氏やDaw Khin Gyi氏も含めてうろちょろ検索かけてみましたが,いまいちヒットせず。というわけで,もしかしたら非常に有名な方なのかもしれませんが,この場では「ミャンマーにゆかりのあるお金持ちが立てた」と推測してエレベーターに乗って上に行きたいと思うところです。


 エレベーターに乗ってびっくり。てっきり,展望台直行エレベーターかと思ったら,2階3階もあります。まあ,最上階まで登ってから歩いて下に降りていった方が楽なので,まず最上階に向かいます。
 ああ,いい景色,といいたいところですが高層ビル建設中だったりして,そこまで期待していたような「絶景」を臨めるってわけではなかったです。まあ,今のペナンの姿を見られるのは意味があることですね。中央部には仏像。一応名前はついておりましたが,疲れたので調べることはしません。


 階段で3階へ。通過階ではなく,一応中に仏像がありました。観音様も鎮座。全体的に日本で見る観音様に近い風貌ですが,観音様ってあまり阿弥陀像みたいな座り方してないイメージです。完全にイメージで根拠はないですが。






知った名前を見ると
安心しますね

 続いて2階。この2階と1階の壁には,各国の仏教をイメージしたレリーフがありました。当然,日本のものもあります。が,なんというか,あまり日本仏教っぽくないです。あと,日本のBurmese Buddhist Associationでビルマ仏教について学べないかと思って検索したところ,なんかそれっぽいのはヒットしませんでした。残念。

階段から見下ろしてみた ベトナムマレーシア シンガポールインドネシア
ボロブドゥールだけ分かる
中国と香港
なぜ分けたんだろうか
台湾とモンゴル 日本と韓国
日本をアップで
白いので凹凸が分かりづらいですが……
真ん中上部の大仏はともかく,胸に手を当ててる大仏や右下の涅槃?像はどこ?あと,こんなでかい象の像はあるのだろうか
左上もどこかよく分からないぞ。どこかにあるなら行ってみたいな
過去のダーミカラマ
ビルマとタイ ラオスとカンボジア
乳海攪拌懐かしい
インドとスリランカ パキスタンとバングラデシュ ブータンとチベット アフガニスタンとネパール

 最後に,元に戻り,入口から直進した場所にあるお堂へ。ここが一番普通の(日本人的になじみがある)雰囲気です。
 なんだけれど,正面に鎮座する大仏がなんか違う。何が違うのか,どことなく女性っぽいな,とも思ってたんですが……ネット見ていてしっくりくる表現をみつけました。童顔なんですね。「神々しい」というのとはまたひと味違った,可愛げはあるけれど高貴な感じ。これは日本にはないな。面白い。


 出口付近にはお土産屋が集結しておりますが,お土産屋を眺める余裕もなく,おっちゃんが待ちくたびれてやってきました。まあ,撮影時間を見るに,せいぜい45分くらいしか滞在してなかったんだけどね。まあ,普通の観光客より長居してたことは否定しません。

 そんなこんなで,ジョージタウン中心部に戻ります。てっきりもとの場所に戻されるのかと思ったら,どこに行きたいか聞いてきました。こちとら,朝方のミーゴレン事件の件もあって店に近づきたくなかったので渡りに船。プラナカンマンションに連れて行ってもらいました(ニョニャミュージアム,と呼んでいた)。


 そんなわけで,プラナカン博物館到着。
 ここで50RMを渡すと……80くれとか言ってきました。暑かったし,とかなんとか言ってきます。
 いやまあですね,最初に書いたとおりこちとら100RMまでは覚悟してましたので別にいいんだけれどね。まあ,1時間30RMという相場を考えると,一応3時間弱拘束したし,まあいいんだけれど。確かにおっちゃんもか細い身体でこの暑い中頑張ってたしね(その分遅かったけど)。
 戦うかどうかちょっと考えましたが,70渡して握手してお別れすることにしました。今晩はミーゴレンの店でいい酒でも買って飲んで下さい。


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