エプソムサプライズ〜エプソムダウンズ競馬場後半3レース

 5レースは見習い騎手戦です。APPRENTICES' DERBY HANDICAP STAKESという名前ですが、見習い騎手のダービーといえるだけの格があるレースなのかは不明です。
 というか、イギリスの見習い騎手制度をよく分かってません。知っているのは、Freddy Tilickyさんが見習い騎手チャンピオンになったことがあることだけです。
 また、イギリスにはApprenticeのほかに、アマチュアの騎手がいることもなんとなく知っています。見習いとアマチュアの違いはなんなのか、もちろん、プロかプロでないか、なのは分かるんですが、プロの騎手登録制度というのはあるんだろうな。
 なお、おそらく数年後(数ヶ月後?)にはリンクが切れるんだろうけれど、イギリスのProfessional Jockeys Associationのサイト内に、Apprentice Jockeys Championshipのコーナーがあります。2020年はCieren Fallon騎手がチャンピオンです。Cieren Fallon騎手は、”Cieren Fallon”でGoogle検索を掛けると「もしかしてKieren Fallon」と出るくらいの知名度のようですが、どうも名前の類似は偶然の一致ではなく、Wikipediaによると実際にあの有名なファロン騎手の息子さんのようです。Wikipediaは家庭事情にまで突っ込んでいて、Cieren Fallon騎手は両親の離婚後母親のもとで育ったようです。2020年はジュライカップを制しているようで、期待が持てます。
 ちなみに、Wikipediaには歴代のチャンピオンも載っています。もちろん、Freddyも載っております。2009年にチャンピオンになっているのですな。Cieren Fallon騎手は見習いチャンピオン連覇なんですね。

 見ての通り、このレースにはFallon騎手は騎乗しておりませんでした。が、ふと前のレースを見ると、父親が騎乗してますね。気付いてませんでした。
 皆様ご存じの通り、キーレンファロン騎手は翌年7月4日、重度のうつ病を理由として引退を表明することになります。このときファロン騎手を見られたのは実は幸せなことだったのです。ファロン騎手の生涯については当然なにも知らないのですが、パパパパパッと検索してみたら、Nathanielさんのブログに行き当たりました。こういう記事を書ける人間になりたい。


4:20pm /THE totepool APPRENTICES' DERBY HANDICAP STAKES (CLASS 4)
Runners: 10 RUNNERS Prize Money: £10,000.00 Race Distance: 1m 4f 10y Horse Age: 3YO+ 
Rating: 66-80 Min Weight: 9st 0lbs Weights Raised: 1lbs Rider Type: APPRENTICE
1st 1 Leah Freya (IRE) Paddy Bradley Pat Phelan Mr Edward Gleeson 2m 45.41s 7/2
2nd 11 El Campeon (GB) Daniel Cremin Simon Dow Mr Robert Moss 10 Lengths 2m 47.21s (+1.8s) 4/1
3rd 3 Marengo (GB) Jordan Williams Bernard Llewellyn Mrs Beth Williams 2 3/4 Lengths 2m 47.71s (+0.5s) 6/1
4th 8 Majestic Sun (IRE) Shelley Birkett Jim Boyle The Horse Players Two 1 3/4 Length 2m 48.03s (+0.32s) 10/1
5th 5 Daisy Boy (IRE) Aaron Jones Stuart Williams Mr G. Johnson 1/2 Length 2m 48.12s (+0.09s) 8/1
6th 2 I'm Harry (GB) Tom Marquand George Baker Wickfield Stud and Hartshill Stud 2 3/4 Lengths 2m 48.62s (+0.5s) 16/1
7th 6 Al Fatih (IRE) Edward Greatrex Steve Flook Mr Glyn Byard 5 Lengths 2m 49.61s (+0.99s) 8/1
8th 10 Salient (GB) Callum Shepherd Michael Attwater Canisbay Bloodstock 1 3/4 Length 2m 49.95s (+0.34s) 25/1
9th 7 Perfect Rhythm (GB) Paddy Pilley Patrick Chamings Dr Bridget Drew & Partners 9 Lengths 2m 51.62s (+1.67s) 12/1
10th 4 Pack Leader (IRE) Kieran Shoemark Amanda Perrett Mr George Materna 1 1/2 Length 2m 51.87s (+0.25s) 6/1
NR 9 Strait of Magellan (IRE) Non Runner Michael Bell M Khan X2 & Partner --

ゲート回りのようす オッズ スタートしました 最後の直線
Leah Freyaが抜けます
2着争い レース後の馬たち


 んで。勝ったのはLeah Freyaで騎手はPaddy Bradley。Paddy Bradleyの名前で検索すると、ゲーリックフットボールの選手がヒットします。皆さん知ってましたか、ゲーリックフットボール。私は知りませんでした。エプソムダウンズ競馬場のことを書いているのにこれ以上話を拡散させたくはないのですが、やっぱり気になります。Wikipediaによると、「アイルランドでは、ハーリングと並んで国民的人気スポーツのひとつ」とのことです。をいをい。ハーリングも知らんぞ。アイルランドと言ったら競馬かサッカーかラグビーではないのか。
 ……なんというか、世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあるんだなあ、というのが正直な感想です。

 話を競馬に戻します。Paddy Bradley騎手は2015-16シーズンは16勝をあげていたようですが、2019−20シーズンは3勝に終わっていたようです。騎手も大変ですね……。


 続いて、第6レースです。やることもないのでソフトクリーム食べてパドックで待ちます。のどかな空気が流れます。ぶっちゃけ、この日のエプソムダウンズで嬉しそうに写真撮りまくってたのって自分くらいだろうな。

ソフトクリーム レースの合間のパドック回り 騎乗命令の際に使われるベル


4:55pm /THE PLAY SCOOP6SOCCER AT BETFRED SHOPS MAIDEN STAKES (CLASS 5)
Runners: 7 RUNNERS Prize Money:£6,000.00 Race Distance: 1m 2f 18y Horse Age: 3YO Horse Type: MAIDEN
1st 3 Prendergast Hill (IRE) Jim Crowley Ed de Giles Gwyn & Samantha Powell 2m 14.49s 13/8
2nd 4 Swashbuckling (IRE) Silvestre De Sousa Michael Wigham Mrs T Lillingston & Mr R Pegum 1 1/4 Length 2m 14.72s (+0.23s) 11/4
3rd 2 Desert Encounter (IRE) Jamie Spencer David Simcock Mr Abdulla Al Mansoori Neck 2m 14.77s (+0.05s) 5/1
4th 5 Trevisani (IRE) George Baker David Lanigan Mr B. E. Nielsen 9 Lengths 2m 16.39s (+1.62s) 5/1
5th 6 Enchanted Moment (GB) Ted Durcan Chris Wall Mr D. S. Lee 4 1/2 Lengths 2m 17.19s (+0.8s) 25/1
6th 7 Melting Ice (IRE) Frederik Tylicki Ed Vaughan The Machell Place Partnership 9 Lengths 2m 18.9s (+1.71s) 25/1
7th 1 Astral Storm (GB) David Probert Andrew Balding Mr J. C. Smith 1 1/4 Length 2m 19.14s (+0.24s) 14/1

 このレースはGrandstandの上の方から見てみました。ここからの眺めが一番かもな。競馬場のアップダウンが分かりやすくて素晴らしいですね。

Grandstandからの眺め 最後の直線へ
内外広がってます
内でDesert Encounterが粘り混む 最後は差されました
(写真酷いな)
画面

 このレースを勝ったPrendergast Hillは3戦目にして初勝利。2017年まで現役を続けたようです。
 2着のSwashbucklingは名前をBig Dukeに変えて、2017年からオーストラリアに移籍して、2020年9月にも走っております。息が長いですな。オーストラリアでは、Luxbet Launceston Cup(ハンデG3)、Irresistible Pools & Spas N E Manion Cup(ハンデG3)、Schweppes Chairman's Handicap(G2)と重賞を3つ制覇し、Schweppes Sydney Cup(ハンデG1)で3着、The Metropolitan(ハンデG1)で2着、Kia Tancred Stakes(G1)で2着に入っています。なんと、この馬もnetkeibaに項目がありました。なぜかと思ったら、メールドグラースが勝利したコーフィールドCに出走していた(出走馬の中では最下位)のであります。いやー、まさかこんなところで出会った馬がオーストラリアのG1で日本の馬と走ることになるとは。世の中、分かりませんな。というか、イギリスのClass4あたりにいた馬をオーストラリアに連れて行った人が凄いな。
 3着のDesert Encounterもこのあと活躍しています。この次のレースから4連勝。2017年のエクリプスSでは3着。さらにキングジョージはエネイブルの6着、英チャンピオンSではクラックスマンの5着。2018年のドバイシーマクラシックではレイデオロ、モズカッチャン、サトノクラウンと一緒に走って9着。このレースを走ったためにnetkeibaに収録。そしてそして、2018年のカナディアン国際で、アッゼニ騎手を乗せてG1勝利。さらに、2019年のカナディアン国際も制覇して、連覇です。なんだななんだ、息が長いとかそんなレベルではなく、世界的な名馬ではないか。ここまできて、そんな馬の写真を撮り損ねた馬鹿がいるとかいるとか本気ですか。まあ、最後の直線で粘ってる姿を見られただけでよしとします。

 というわけで、2・3着馬がとんでもなく出世したレースでした。念のため4着以下も確認しましたが、この2頭レベルで凄いことになった馬はいないようです。いやぁ、なんでこんなレースが出世レースになったんだろうか。そして、勝馬がそこまで飛躍できなかったことを思うと、やはり競走馬の活躍というのは予想できませんな。
 こうやって競走馬のその後を追いかけると、ページ作るのに時間がかかるんだけれど、こういう発見があるから止められないのよね……。悩ましい。


 んで。最終レースとなりました。

5:25pm /THE totepool ROBERT BALLIN HANDICAP STAKES (CLASS 4)
Runners: 10 RUNNERS Prize Money: £10,000.00 Race Distance: 7f Horse Age: 3YO+ Rating: 71-85 Min Weight: 8st 7lbs
1st 3 Liberty Jack (IRE) George Baker Jim Boyle Mr M. Fitzgerald 1m 25.86s 9/2
2nd 7 Gold Hunter (IRE) Hector Crouch Steve Flook Mr Glyn Byard Neck 1m 25.92s (+0.06s) 20/1
3rd 9 Live Dangerously (GB) William Carson John Bridger Mr W. Wood Neck 1m 25.97s (+0.05s) 5/2
4th 2 Mime Dance (GB) Edward Greatrex Andrew Balding Mr David Brownlow 1 3/4 Length 1m 26.29s (+0.32s) 15/2
5th 11 Ixelles Diamond (IRE) George Chaloner Richard Fahey Miss Louise Tillett 1/2 Length 1m 26.38s (+0.09s) 7/1
6th 1 Clockmaker (IRE) Liam Keniry Conor Dore CHP Consulting 3 Lengths 1m 26.91s (+0.53s) 14/1
7th 6 Ganymede (GB) Tom Marquand Eve Johnson Houghton Ganymede Partnership 2 1/2 Lengths 1m 27.36s (+0.45s) 14/1
8th 12 Amazing Charm (GB) Franny Norton Clive Brittain Mr Mohammed Al Nabouda 4 Lengths 1m 28.12s (+0.76s) 8/1
9th 5 Comino (IRE) Shane Gray Kevin Ryan Exors of the late Mr D. W. Barker 15 Lengths 1m 30.93s (+2.81s) 8/1
10th 8 Strike A Light (GB) Silvestre De Sousa Rae Guest Mr Trevor Benton 13 Lengths 1m 33.32s (+2.39s) 12/1
NR 4 Fast Dancer (IRE) Non Runner Joseph Tuite Alan & Christine Bright --
NR 10 Rouge Nuage (IRE) Non Runner Conrad Allen sportsdays.co.uk --

 勝ったのはLiberty Jack。前走はケンプトンのオールウェザーを走り、ここでの勝利。このあとはHurdleに回りましたが、結局結果が出ず、また平地に戻って2016年に引退しております。
 ちなみに、この馬で検索したらJBISサーチに引っかかりました。何でだろうと思ったら、この馬の弟が外国産馬として日本に輸入されたんですね。クロスオブヴァローという馬で、DMMのクラブ馬。中央でデビューしたものの勝てず、水沢で1勝しただけに終わったようです。う〜ん、これは赤字だろうな。残念。

最終前のスタンド回り 向正面を回ってくる各馬 直線に入ります 迫ってくる各馬
外を突き抜ける
Liberty Jack
ゴールへ Winners CircleのLiberty Jack 汗でゼッケンの跡が残る グルグル回ります
勝馬にしか食べられない
Winners Circleの芝
Horses Away 表彰式

 というわけで、1日終了です。お疲れ様でした。
 ゴール前の芝に入っていい空気感なので、僕も立ち入ってみました。
 なんかもう感覚が麻痺しているのですが、繰り返します。エプソムダウンズ競馬場のゴール前の芝に立ち入ってみました。なんか半日いただけでこの事実に感動しなくなっている自分がいます。慣れって恐ろしいですね。でも、20年前、中学生の自分に「お前は20年後、エプソムのゴール前の芝生に立っている」とか言っても、絶対信じられなかったでしょう。なんとも恐ろしいことです。

1日、というか1年間
酷使された芝です
ゴールに向けて、線が入っているのが分かります 最後の直線 ゴール通過後 慣れない自撮りをしてみた エプソムの芝を踏みしめる
エプソムの芝 ベンチに座って佇んでる
おじさんがいます
捨てられた外れ馬券 まだ遊具は動いてます カラスが集結
さらばエプソムのスタンド さらばエプソムコース 名残惜しいですね せっかくなのでもう1回芝に入ってみる
自撮りが駄目すぎて
今度は写真撮ってもらった
駅前の丘 最終コーナー 再度ゴール方向 5ハロン戦スタートの
ポケット
5ハロン戦のコースと
道路の交差点から
改めて見てみたら
HOME OF THE DERBYの
”D”が落ちてますね
最後にもう1回丘の上からぐるっと スタンドから人が
いなくなりました
日暮れの丘。のんびりしてるのはジモティーかな? 駅舎 電車が3台入っております ホームの様子 Tattenham Corner


 そんなわけで、密度の濃い充実した1泊2日旅行でした。新しいチェルムズフォードシティと、昔からあるエプソムダウンズ。好対照な競馬場を体感できたのは本当によかった。
 ところで、翌日から授業なんだけど大丈夫なんですかね。



ロンドンの小横浜(チェルシー)エプソムターフ〜エプソム競馬場訪問記その1(競馬場に入るまで)場内探索〜4レースまで



旅行記TOP旅打ち