わざわざいさわ
ちょっと前までは東京の西の方に住んでいたので,山梨という場所は割と近くにあったわけですが,近いとなかなか行かないというのもまた真実。
というわけで,現在大河風林火山のDVDをレンタルして見まくって山梨熱が高まっていることも相まって,山梨に行くことにします。
そして,Jの日程を見ていると,丁度4月29日にアウェイ甲府戦。国立改修につき,今年は甲府開催です。こりゃあいい。ってことで,無事チケットも手に入ったので乗り込みます。
どういうルートをたどるか,事前にいくつか選択肢はつくっておいたんですが,とりあえず仕事の疲れを取り除くことを最優先に,目覚ましをかけずに,起きた時間をみてどの選択肢を採るかを決めることにしました。
石和街巡り〜石和八幡宮
で。無事それなりに寝坊したので,石和温泉経由で甲府に向かうことと相成りました。
石和温泉と言えばウインズがあることで有名な温泉地でありますが,今回はWINSには目もくれず,真面目に健康で文化的な旅行を致します。
そんなわけで,降り立ちたるは石和温泉駅。駅を出てすぐ右手にある観光案内所でレンタサイクル申込。いざ行かん!……と思ってたところ,「レンタサイクルは全て出払っている」とのこと。おそるべし,ゴールデンウィーク。というか,完全に予定外。歩かねばなりません。
てことで,駅前の大通りを歩き始めます。日差しはそれなりに夏に近づいてはおりますが,まあまだ4月なのでそこまで暑くないですな。よかったよかった。それにしても,こういうあてのない(いや,あるんだけどさ)旅をするのは久々だなあ,などと感慨にふけっていたところ,実は前週も姫路で似たようなことやってたことを思い出しました(こっちは自転車だったけど)。どうしようもないな。
歩いていて,まず目に飛び込んできたのは笛吹権三郎の像。唐突に知らない人の像が出てきてびっくりしますが,こんな目立つ場所にあるんだから悪いのは知らない方であるのは間違いありません。てことで助けてWikipedia先生!……助けてくれませんでした。しかし,洋物のWikipediaなんぞに頼らずともいくらでも頼りになる味方がいるのがネットのいいところ。見つかりました。長慶寺の観光案内。そうと知ってれば,長慶寺に行くような旅程を練ったのに……と思わない訳でもないんですが,場所的にここを旅程に組み込むのは難しかったので,まあいいや。
どうでもいいですが,「笛吹市」って去年前「うすいし」だと思ってました。まさか「ふえふきし」だったとはねえ。同様のミスは「新城市」でもおこしました。「しんじょうし」ではなく「しんしろし」だったとは。日本地理は奥が深い。
ところで,「笛吹川」を調べれば権ちゃんについてもなにか載ってるかな,と思ってWikipediaを見てみると,なんとびっくり。「最上川、球磨川とともに日本三大急流のひとつである富士川水系の笛吹川」とありました。そうか,この川って富士川に向かって流れてるのか。そして,そもそも「富士川」ってのが釜無川を源流としていて,釜無川と笛吹川の合流点より下流を富士川って呼んでるんだな。頭でっかち人間は「日本三大
急流=球磨川富士川最上川」という覚え方しかしてなかったので,このへんの富士川が富士川になる前にどこを流れていてどうなっているのか的な知識がゼロでした。というか,笛吹川って完全に神奈川方面に向かって流れてるんだとばっかり思ってました。恥ずかしや。
そんなわけで,笛吹権三郎や笛吹川について分かった気になったので話を先へ進めます。
続いて,石和八幡宮。甲斐源氏と縁が深いことで有名な神社ですね。風林火山の名所案内にも出てきました(ただしDVDで名所案内を見たのはここに行ったあとのこと)。そんな有名・高名な神社ではありますが,参拝者はNPだけ。あれ,そういえば自転車を借りた連中はいったいどこをまわってるんだろうか。全然見かけないぞ。
そして,その向いにある面白そうな公園。まあ,なんか銅像が立ってました。
笛吹権三郎 足元の岩はなんなのでしょう?? |
石和八幡宮 | 鳥居 | 絵馬が文化財指定 | 手水舎の亀 新しい建築物ですね |
||
随神門 | 随神 | 命名! | 拝殿 | 吽 | 阿 | 信光公の縁です |
足湯 | 小林中さん。日本開発銀行初代総裁のようです | 公園内にあった神社 |
遠妙寺
それから,この寺院は事前に情報をとってなかったんですが,交通案内も出てるレベルの寺院のようです。遠妙寺であります。その前に稲荷神社もありました。位置的に神仏分離と関係ありそうな気がしますが,ちょっとよく分からんな。
とりあえず,いろいろ面白いものがある寺院に出会えたので満足満足。
まずは稲荷堂。解説がぼろぼろになってるので,氏子会か檀家さんかには なんとか頑張ってもらいたいものです |
境内 | 拝殿 | お稲荷さんらしく,お揚げ 2ヶ月ほど賞味期限を過ぎてますが 2ヶ月間掃除されてないのか, 切れたものを奉納したのか, どっちなのでしょう…… |
||
鵜飼山遠妙寺 | 山門 | 仁王門 | |||
最近よく見るタイプの石灯籠 | 仁王像 | 由緒 | 境内 | ||
大黒天 | 鵜供養塔 | 一字一石供養塔 | 謡曲とのつながり | 日蓮さん |
なごみの湯
あとは,ひたすら次の目的地,なごみの湯を目指します。
本当はどこかの温泉旅館の日帰り入浴でも使いたかったんですが,この石和温泉,NPのようにぷらぷらあてもなく(あてはあるんだが)歩きながら,適当に立ち寄って入るバカのことなど全く想定しておらず,観光協会のホームページでも,旅館組合のホームページでも,日帰り入浴できる温泉を地図上でパッと分かるようになってないんですね。まあ,普通の人は温泉旅館を予約してそこの温泉+駅前の足湯に入るくらいでしょうから,そんな地図の需要はないんでしょう。ですが,ぷらぷら歩きながら近場の温泉を求めるお馬鹿NPとしては,それでは困ります。
ってことで,検索に時間を要しましたが,普通に市営の温泉銭湯があることが判明。その名もなごみの湯。うむ,これはよい。ってことでここに行くことに相成りました。
このなごみの湯は,基本的に地元の方々がくることを想定している場所のようで,観光協会のホームページでも出てきません。困ったもんだ。なお,GoogleMapで検索すると出てくる「石和温泉」っていうのが実はそういう名前の銭湯だと言うことはついさっき,これを書きながら知りました。これは実は遠妙寺の近くの行きやすい場所にあったんだな。うむ,次回があるならここに行ってみよう。多分ないけど。
そんなこんなで,なごみの湯。さすが市営だけあって,広いです。甘楽のかんらの湯を思い出す,交流用のお座敷なんかもある大きな建物です(市外料金があるのも甘楽と一緒)。地元用だから大通りに面する必要とかもないんだろうな。中でマンガ読み放題だったり,老若男女に対応する施設のようです。若い人は見かけなかったけど。
浴場も広く,もちろん温泉。お湯も江戸銭湯のように熱すぎず,ゆっくり入ることができます。いやぁ,素晴らしい。これでいいのだ。これがいいのだ。
街中オブジェ | 歩道橋の上から | なごみの湯 観光客向けの雰囲気ゼロであります |
成分表 | 漫画コーナー | 入口ロビー |
山梨県立博物館〜円空と木喰展→浦和vs甲府
ってなわけで,この日の石和温泉での最終目的地は山梨県立博物館。円空と木喰展であります。
円空については特に詳しいわけでもなく,木喰に至ってはこの展覧会で初めてその存在を知ったという完全に無知な人間ではあるんですが,石和温泉にセットにできるというタイミングの良さに加え,円空仏が人気があるのは確かに分かる。それだけの面白い造形の仏さんだと思います。
木喰については,円空と並べて初めて味が出るようにも思われ,単体じゃ展覧会きついのかな,と思ってしまったりもしたんですが,それでもまあ一人の仏師がこれだけのものを作り続け,それが今になってきちんと一カ所で展示されるってのは凄いことですよね。
そういえば,以前紀三井寺に行ったときに「仏師といったら止利仏師しか知らん」などと無知をさらけ出しましたが,あの頃に比べたらずいぶん自分の知識量も増えたもんだ。
印象に残ったのは,木をそのまま使った円空の不動明王(清瀧寺のやつ)。これは面白い。
そして,子供達がソリ代わりに遊んだ結果表面がすり減った木喰仏。これも素晴らしい。やはり子供は神仏を恐れてはいかん。
そんなわけで拝観終了。最近はこの手の展覧会に行ったら図録を衝動買いするのが慣例になってしまってるんですが(慣例化しているのを衝動買いというのかは知らん),今回はこらえました。別の本(東京美術の「円空と木喰」)の方が内容的によさそうだったので,Amazonのほしいものリストに入れて後日買おうと思ったのであります。そして,衝動買い期間が過ぎた結果「後日」は未だに訪れておらず,Amazonのほしいものリスト内で眠っております。
ここから,甲府に向かってバスが出ているので甲府に直行します。バスの中では爆睡。なお,当初自転車を借りる気でいたことからも明らかな通り,この甲府行きのバスの存在は現地に到達するまでよく分かってませんでした。
甲府駅南口に到達すると,目の前に小瀬スポーツ公園行きのバスが。おお,これは素晴らしい,というわけでそのままバスに乗り込んだ結果,周囲の人が持っている怪しいチケットを見て異変に気付き,係員さんに往復割引券の存在を教えてもらって一旦バスから降りる羽目になったのでした。
県立博物館 | 特別展 | 中庭 | 往復券 | スタジアム | |
ってことで,無事サッカーも勝ったし,なんだかんだと充実した1日でありましたとさ。次回はWINSに行ってみたいっすね。でもまあ,WINS目当てに石和ってのもなかなかに難しい。