ベトナム旅行記その3

7 クチトンネル

 いよいよクチトンネルです。
 ここに来るに当たり、とりあえずベトナム戦争物の映画を見よう(普段映画はほとんど見ない)、ということでフルメタルジャケットとプラトーンを慌てて見てからここにやってきました。どっちも超有名映画ですが(部分的に知ってる音楽やシーンなどが多々あった)、このタイミングで見られたのでよかったです。

雨が降ってきました バスを止めます

 そんなわけで、中に入ります。
 まずはお勉強タイム。といっても、詳しい解説があるわけでもなく、ちょっとした説明程度です。まあ、興味も前提知識も人それぞれなので、こういうところでの説明は難しい。
 ところで、これを書くに当たってYouTubeになにか面白い動画はないかちょっと検索してみたところ、非常に詳しい動画がありました(その1その2)。詳しすぎて、これ見た方がいいですね。やっぱりクチトンネルに関しては写真よりも動画の方が狭さやトラップの怖さが分かりますし。

 てことで、あとは自分による自分のための旅行記。

全体案内図 チケットチェック。5月ですがHappy New Year 最初にちょっとした解説
パンフレット

 さて、一行は案内されるがままに森林地帯を歩きます。右手には爆撃の跡。行った順番と書く順番はは前後しますが、このあと2020年初にラオスに行った際にこの手の爆撃跡は大量に見ました。また、前回ベトナムに行った際にもミーソンで見た記憶があります。ここには1つだけぽつんと残っていますが、現実的にはあちこち爆撃されまくりで悲惨なことになっていたのでしょう。

 そして、最初(にして最大)の盛り上がりポイントです。
 ガイドのおっちゃんが、木の下に行き、かがみ込みました。ん?と思っていると、かぱっと蓋があき、その下には通路が!!
 これ、全く分かりませんでした。「今自分はクチトンネルにいる」という前提知識はありましたが、まさかこんなところにこんなかたちでトンネルの入口があったとは!!衝撃です。

こんな道を歩きます 爆撃跡のクレーター おっちゃんがかがむ
確かによ〜く見ると
緑の針金が見える
すると、トンネルの入口! ぶれたけど、蓋のアップ
こうやって見ると
緑の取っ手が分かる
でも、枯れ葉をかけてしまうとまったく分からない

 そこにあると分かっていても分からない。これは恐怖です。こんなところに潜むゲリラと戦わなきゃならんのか……。
 さて、ここに穴があることは分かったのでこのあとはみんなで穴に入ってみよう!のコーナーです。前に書いたとおり、外国人との混載ツアーを選んだ理由の1つとして、外国人の方がノリがいいだろう、と思っていたことがあります。が。みんな案外入らないのね。当然我も我もになるのかと思ってました。最終的に入ったのは5人くらいだったかと。……みんなノリ悪いな。
 ちなみに、170cm85kgのおデブな私でも中に入ることができました。体格的に小さい人が多いベトナムの方であればこれでも広いというレベルなのではないかと思います。あと、運動神経ゼロのNPからすると「ちゃんと外に出られるのか」も大いに不安になりますが、特に問題なく外に出られたので、多分誰が入っても大丈夫だと思います。
 あと、仲の悪い人とここに見学に行くと、中に入ったときに上から乗っかられて果てしない恐怖を味わうことになるのではないかと思います。

何人か中に入ります(決して先陣を切らない、日本人の鑑なのがNPです)
恐る恐る中に入るNP 蓋を受け取る 中に入っていきます 出ます

 そして、近くにあるのがクルクルトラップ。危険なので柵に囲まれ、分かりやすく人工芝が植えられておりますが……上に乗ったらくるんと板が回って、下に落ちます。こんなの、上に枯れ葉被さってたら気付くわけありません。無理です。死にます。

クルクルトラップ おっちゃんが杖でつついたら、簡単に回ります
中のとげがシンプルで、かえって恐ろしいです

 そのあと、様々なトンネルの入口。丁度雨が降ったあとだったので水が溜まってますが、そんなの気にせずにトンネル内を移動していたのでしょう。恐ろしや。


 そのあとは、マネキンを見たり、空気孔?銃孔?を見たり。馬群の後ろをちょっと離れて写真撮りながら歩いていたので、細かい説明は聞いてません(聞いたとしてちゃんと理解できるのかは別問題)。
 様々な罠の紹介がありますが、いやはや、本当にジャングルの中にこんなの仕掛けられてたらやってられません。ベトナム戦争に従軍した兵士のPTSDの話などはよく耳にしますが、そのような状態になってしまったのも理解できます。
 こういう仕掛けを見ながら「すごいなー」などとつぶやきつつパシャパシャ写真撮ってる平和ぼけ日本人としましては、こういう仕組みを二度と使わなくて住む世の中になることを願うばかりです。それにしても、こういう仕掛けって日本の中世にもありそうなもんですが、のこってないのかな??


 そして、もうちょっと進みます。追加の解説があり、その後フリータイム。
 ここクチトンネルでは、銃の試し打ちをすることができます。なかなかできない体験なので、旅行者にとってもいい経験ですし、売上を出すという意味ではいいアイデアです。何かがおきてもクチトンネルなのでなんとなく「仕方ない」と言ってもらえそうですし、どんなトラップが待ってるか分かりません。
 お値段ですが、銃によって差があるものの、1発。5万5000ドン〜6万ドン。日本円にして300円。安い!これで最低10発から撃てることになります。

 というわけで、ここで銃を体験する人は多いんじゃないでしょうかね。私NPはヘタレなのでそんなことはやりません。
 なのでフリータイム中は暇を持て余しておりました。ただ、ベトナム戦争の激戦地だったジャングルの中でぼーっとしているさなか、BGMに銃声が聞こえてくる、というのはなんともいえない空気感でした。もちろん、世が世ならこの銃声一発に人の命がかかってるわけです。平和ぼけ日本人としては「平和っていいなあ」と思える時間でありました。

トラップの解説 作業場
様々なミサイル等 Sooting Rangeへ 高射砲 お値段 注意書き

 最後に、トンネル内に入ります。どうも観光客向け(ただでさえガタイが大きい上に普段から飽食状態にあるメリケン人向け)にトンネルはある程度広げてあるようですが、それでも狭いです。閉所恐怖症の人は入らないように、という注意もありました。結果的に、入らなかった人もそこそこおられたので、まあそんな感じの空気感です。
 ところで、GoProをつけてる人は「GoProをつけてる人」だからいいんでしょうが、私のように「コンデジで写真を撮る人」は、トンネル内で前に女性がいると、「狭いトンネル内で目の前にいる女性の尻の写真を撮る人」になってしまいます。いや、こっちが撮りたいのはトンネルで会って目の前にいる女性ではないんですが、こんな狭いトンネルではこっちが意図的にスピードを遅らせないと対応できません。困ったもんです。

何をやってるところか分からなかった タイヤからサンダルをつくる
ここから中に入ります 頭にGoPro?をつけてる方もいますね なかをすすむ 何かのお部屋

 最後に、イモと笹のお茶。ネットを検索していると、タピオカ説とタロイモ説に分かれているようで、どっちなのかはもうちょっと真面目に検索したら正解が出そうですが、とりあえずどっちかです。なお、「海外ではカットされた食べ物を食べてはいけない」というのが家訓になっている私は、お茶だけで終わらせました。


 というわけで、クチトンネルツアー終了であります。お疲れ様でした。

 総合的な感想としては、生で見るトラップが本当に凄い。世界的にはジャパニーズNinjaが有名になってますが、ベトナミーズNinjaだって引けを取りません。
 それ以上のことを平和ぼけ日本人が語ることはできませんが、とにもかくにも、1回は行ってみたかった場所で、行けてよかったと思います。



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