ラオノシェントン

 ルアンパバーンで最も有名なお寺,ワットシェントンに到着しました。最も有名,なことに特に根拠はありませんが,日本語のWikipedia記事もあるし,地球の歩き方の扱いも大きいし,まあルアンパバーンを代表する寺院であることに異論はないのではなかろうかと。有名寺院だけあって入場有料です。どうでもいいけど,このWikipedia,「世界遺産「ルアン・パバンの町」に含まれている」ことの出典が地球の歩き方なのはどうなんだろうか。
 とはいえ,地球の歩き方の説明は詳細で,参考になります。もちろん,私が歩き方を読むのは今になって(帰国から5ヶ月後)でありまして,現地では特に読んでません。なにやってんだか,まったく。

Welcome to Vat Xieng Thong 境内 ストゥーパ その前の祠には3仏 ストゥーパその2

 てことで,地球の歩き方を読みながら,建物の名前を勉強します。てか,日本のお寺だったら建物の前に解説とかあったりするけれど(それ以前に入場料撮るレベルのお寺ならなんらかのパンフレットがあるのが通常だな),ここにはそういうのはありません。まあ,つくったところで読まない人が大半なのかもしれんけど,個人的には作ってもらえると嬉しいのよねえ。
 てことで,本堂の手前にあるのがレッド・チャペル。手前にあることと,サイズ感の良さもあって,撮られた写真の枚数はこっちの方が多いです。ちなみに,本堂の裏側にあるのが有名なマイ・トーン(黄金の木)のモザイク画なんですが,これが有名であることを知ったのは帰国後なため,こいつの写真はありません。まあ,有名かどうかよりも絵を見て何を感じたかが重要なのでそれは別にいいんだけど自分は絵全体よりも,描かれている個々の動物や人に目がいっていたのでありました。今回は木を見逃しましたが,基本的には木を見て森を見ず,なタイプの人間なのです。

 ところで,本堂脇にある立像堂,地球の歩き方と,おそらくそれをまるまるパクったと思われるWikipediaには,「内部には半鳥人のキンナリーが安置されている」と説明されておりますが,中にいる立仏はキンナリーさんに見えません。なんか建物間違えたかな……。それとも,キンナリーは見えないところに安置されてるのかな。

赤堂
奥に本堂の黄金の木が見える
これは脇の仏像 赤堂
ここで本堂側を見れば
黄金の木を見られた
はずなのだが……
象や馬のいる景色 白馬に2人乗りする皆様
踊りを踊っているよ 象がいたり,
田植えをしたり
象と馬があわさったような
生き物です
オオカミか犬かウサギか 水まわりの様子。船は帆掛け船です
象に捕まったおじさん これは罰を受けている? 正面側から,赤堂 赤堂内部

奥の涅槃仏の左手が少し浮いてるので
目覚めて起きようとされてるのでしょうか
この涅槃仏はセーターティラート王が設置したもののようです
奥の小さな仏様
信者の方が買ってつけた
というわけではなさそう
左右に鎮座する仏様 前面の絵
蛇?やワニ?がいたり
左下では料理
右は仏様に貢ぎ物?
仏様?を取り囲む人々 牛かな? 涅槃仏
拝んでる人はいいとして
一番右の人は何してるのかな?
上の方でも踊りが
赤堂から顔を出して写真撮影する皆様 脇の立像堂 内部
ここも明らかに入口より仏様が大きいし(横にすれば入る気もする)
天井の形が仏様の頭頂部とフィットしてますが,
どういう順番でつくっていったんでしょうか?

 そして,本堂です。屋根の描く曲線美と,それが連なっている姿はなんとも美しい。これぞ,「ラオスの寺院」という外観ですね。
 内部は大変落ち着いていて,また日光も当たらず涼しいこともあり,座ってゆっくりと仏様の世界に浸ることができます。あと,ラオスも特にお経を読んだりする文化はなさそうでした。
 てことで,しばし座って目を閉じます。一歩間違うとその場で寝てしまいそうなので注意が必要。

本堂!
この角度が一番見る奴ですね
横からの姿
これはこれで美しい
(立像堂が邪魔だけど)
真正面は逆光でした なので,ちょっと斜めから 近づいてみる アップで 入口上部の装飾
中の雰囲気。荘厳であります 横からみる大仏様 銅鑼
洞窟でもみたけれど,いまいち役割がよく分からないのです 脇の仏様 おそらく有名な僧侶なのだろうけれど
ラオ語しかないのでどなたか分からない
天井の様子。ぱっと見,日本の家紋みたいな絵が並んでます 外に出ました 柱の装飾
天井の様子 あらためて,逆側から アメリカが復元に協力

 そんなわけで,本堂でのお参りを済ませました。日陰でしばし座ることができたのも大きい。少しだけですが,体力も回復できました。
 あとは,もう少し見て回ります。
 最後の大物が霊柩車庫。どうも,シーサワンウォン王の葬儀で使われたものらしいです。外側にあるレリーフが,武器を持った勇ましいものが多いのは王様の戦闘を讃えるためでしょうかね?

ストゥーパがほかにもいくつか 太鼓堂 霊柩車庫 周囲のレリーフ。勇ましいものが多いように思った
靴を脱ぐ文化はあっても
靴をそろえる文化はなさそう
竜頭の霊柩車 ここに骨が入れられていたのでしょうかね? 竜頭
内部のモザイク画 楽しげに踊ってます おみくじ? 周囲を仏像が取り囲んでおります
周囲の仏像 この両手を前に出してるタイプの仏様,
いくつか目にしましたが,なんか
「ちょっと待った」と言ってるようにしか見えない
これはどういう役割なんでしょうかね?

 そんなわけで,最も,かどうかはさておき,非常に美しいお寺であることは間違いありませんでした。いやあ,素晴らしい。もしまた行くことがあったら,ちゃんと予習して黄金の木を見ていこう。
 出口付近では,なにかテレビ番組?の撮影がおこなわれていました。ラオスにはテレビ局がいくつあって,表現の自由はどの程度保障されているのだろうか。社会主義の国なだけに,なんかいろいろ厳しそうなイメージはあるけれど、どんなもんなんでしょうかね。ルアンパバーンの地域テレビとかあったりするのだろうか。

テレビ撮影? あらためて,境内の様子
人も減ってきました
最後に,ワットシェントンの歴史
霊柩車庫は”Funeral Chapel”とあるけど
ラオ語だとどっちに近いのだろうか

 
 ワット・シェントーン(トーンと伸ばすのが正解なのだろうか)をあとにして,もう時間も時間なので,寺院巡りは終了。次に何をするか考えます。

ワットシェントンの前の道
観光客向けの屋台が出てます
ここでもつくられている,コメの保存食のようなもの

 地図を見ていると,Banboo Bridgeが2本あるようなので,とりあえず行ってみることにします。人が減ったけれど,一般的な観光客は一体どこで何をしているのでしょうかね?
 川に向かって少し低い道を歩きます。あまり下ると,のぼるときにきついよなあ,と弱気になっていくのですが,まあまだ体力的にも余裕があるので気にしないことにします。
 すると,見えてきました。竹橋。Bamboo Bridge.なんというか,日本人が思い描くステレオタイプな「古き良き東南アジア」という風景が登場しました。これはすごい。現地の方がどのように考えてるのかは知りませんが,観光客目線で見ると,本当に素晴らしい光景です。

 そして,この橋は観光客も渡ることができます。というか,観光客に渡らせる橋なのかもしれません。料金は,10,000キップ。

 見た感じ,非常に不安定そうな橋ですが,いざ渡ってみると全然怖くありません。どういう構造になってるのか,見てみてもよく分からんのですが,とにかくよくぞこんなものつくるなあ。

見よ,この風景! 近くから見ると
こんな感じです
チケット。料金は1万キップ キップ売り
夫婦?で居眠りしながら
随時客対応しておりました
橋を渡ります
こうやって見るとものすごく不安定に見えるな うまく組み合わせている 真ん中はちょっと高くなっています
船を通すため,というよりも,橋の形をこうすることで頑丈にしてるんじゃないかと
思ったりもしました。実際のところ,どうなんでしょうかね?
水面下がどうなってるのかは
よく分からない
橋から見るメコン川 ルアンパバーン側 対岸が近づいてきた 対岸から橋を見下ろす あらためて橋全景

 対岸には何があるか,というと,ちょっとしたお社があって仏像が置かれておりました。

 そんなことより。ここでついに発見。1万キップ払って渡った甲斐があった。競馬も競輪も競艇も無いんだから,どこかでなにかやってるに決まってる,そう思ってはいても,実際に見てみないと存在は分からない。
 ギャンブラー!トランプ賭博!
 言葉は分からないので,当然話しかけてませんし,そもそも合法なのか非合法なのかも分からないので観光客が下手に話しかけて「何撮ってんだてめぇ」という流れになっても困るので,写真も隠し撮りに近いです。まあ,そんな前提ではあるんですが(でも見ても怒られなかった)
 とりあえず,トランプを使って何かやっていて,そこに札が行き交っている以上,トランプ賭博なことだけは間違いない。いやあ,これを見られてよかったよかった。皆さん,楽しそうです。いいですね,大晦日,夕暮れ間近な涼しい時間帯に,青空賭博。

ナーガさんと仏像
つくりが若干ちゃちな気がする

手前には馬と象がいますね
大晦日にトランプ賭博に興じるおじさま方 メコン川

 そんなこんなで,観光終了!
 いやあ,朝3時に目が覚めたわけで,長い一日でした。

 あとは,旅行の第2の目的,読書をするために手頃な茶店を探します。せっかく行くからにはそこそこ長居したいのが人情なわけでして,Google Mapさんに表示されている営業時間を頼りにしつつ,カフェを求めて町をうろうろします。
 歩いていると,ナイトマーケットが開かれる準備が進んでいました。

ワット・シェントーンからメコン川に降りる階段 メコン川沿いの道 マーケットの気配が強くなります
スクーターが狭い道を進んでいきます
マーケットです 魚! 果物と野菜。想像以上に種類が多い。柿ってこういう場所でもとれるんですね。
タマゴ 広場では,
ニューイヤーパーティーの準備中
こちらは衣類等。道に出す店は設営が大変ですな

 で,最終的に道路沿いの喫茶店に入ります。カフェインを注入。今回お世話になったのはCafé Sinoukさん。Google Map上で営業時間21時30分までとなってたので入った次第です。ウェブサイトを見ると,チェーン店のようですね。
 私は喫茶店に求めているのはカフェインであってオシャレさではないんですが,ルアンパバーンという町自体がオシャレな町なので仕方がない。こんなところにドトールとベローチェは似合わないのであります。
 そんなわけで,ゆっくりできました。こういう場所でないと読書できない自分がいかんのですが……。車通りも多くないので,空気が悪くなくて助かります。

 それよりも。店員さんとちょっと話していて,未だにラオ語で挨拶ができない自分に気付きました。確かに,これまでは観光地にしか行ってないので英語しか使っていない。まあ,ここ最近の旅行は全部そんな感じではあるんだけど,それにしてもよろしくない。
 で,最低限2つは話そうと心に誓います。おじさんの記憶力はこれが限界。
 1つはThank you。これは会話の原点です。とにかくサンキューサンキューと笑顔で言ってれば撃ち殺されることはないだろう,という平和ぼけ戦後日本人の発想です。これはラオ語でコッブチャイ。厳密には違うのかもしれんけど,これで通じる。問題は,おじさんの記憶力のなさでして,「なんとなく昆布茶にちかい響き」というところから「普段あまり飲まないお茶でサンキュー!」という覚え方に到達し……発言する前に「昆布茶だっけ番茶だっけ」と毎度悩むことになるのでした(麦茶とかウーロン茶ではないことは覚えられる)。これが「番茶……じゃなくてこぶ茶」というワンテンポおかなくなるまで,あと数日かかりました。まったく,記憶力の無い人間はこれだから困ります。
 もう1つは,当然Helloです。笑顔でハローハロー言ってれば,とりあえず殴り殺されることもないだろう,というこれまた平和ぼけ戦後日本人の発想です。これはラオ語でサバイーディー。ちょっとタイ語のサワディカに似てますね。ラオ語とタイ語には共通点が多そうです。なお,ここにきてタイ語でThank youをなんて言うのか分かってないことにも気付いてしまいましたが(サワディーカは日本のタイ料理屋で覚えたけど,なんでありがとうが記憶にないのだろうか),どうもコッブチャイに似てるっぽいです。

 そんなわけで,海外旅行するんだから現地の言葉くらい覚えよう,という旅行の原点に立ち戻ることができた,非常にいい喫茶店でありました。コッブチャイ!

カフェイン
グラスがオシャレですが,
普通に円柱形でいいので
量が多い方が嬉しい
オシャレな外観

 んで。せっかくここまで来たので,普通の旅人がするというマッサージをやってみました。
 ラオスのマッサージの特徴として,客引きがいないこと。いや,いるのかもしれんけど,皆さん商売熱心ではなく,「来たければ来い」という感じです。ホーチミンなんかはいろんなお姉様方が積極的に客引きしてましたし,シェムリアップもそんな感じだったと記憶してますが,ちょっとビックリです。よく分からん,というかあまり変なところに圧をかけられても嫌なので,フットマッサージだけお願いし,確か60分50000キップ。高いのか安いのかも分かりませんし,上手いのか下手なのかも分かりません。ただ,シェムリアップよりは圧が強かったように思います。

ここに行った 夜の大通り ダイソーとユニクロのパクリでおなじみ,メイソウがありました

 あとは,食事です。ナイトマーケットをふらふらしていたところ,カオソーイやさんがあったのでここで食べました。特になにかを考えたわけではないんですが,2019年最後の食事は,麺類。無意識のうちに年越しそば的なものを食べたくなったのかな,と後付けで考えてみましたが,思い返しても前年の大晦日にそんなものを食べたくなった記憶は無いので,単なる偶然です。
 このカオソーイ,見た目ほどの辛さはなく,というかむしろ味噌味噌していて辛さよりも味噌の旨さがでております。これは美味しい。1週間くらい滞在するならもう1回食べたくなってただろうと思います。

 そして,果物ジュースとかは美味しそうなんだけれど,ここらへんは小心者なので手を出さず……
 火が通ってることが明らかなココナッツパンケーキに手を出してみました。これが,中がとろっとしてて非常に美味しい。いやあ,これは日本でも売ってほしい。素晴らしい。

 ココナッツパンケーキというデザート的なものに手を出してしまったので,ここから何を食べようか,魚は美味しそうだけどちょっと重いよな……とふらふらしていたら,簡単につまめそうなソーセージを見つけたのでこれを買い食い。10,000キップでした。これは昼に食べたソーセージとは異なり,香草っ気のない味で,甘みが強いです。ごちそうさまでした。
 これにて,本日の食事は終了であります。

大晦日のお月様 ナイトマーケット マッサージ屋に商売っ気がないのは
前に露店が出てても客引きがいないことからも分かります
土産物売り場
カオソーイ ココナッツパンケーキ
年越しイベント実施中 大晦日のナイトマーケット 小道を進む
魚や肉が並びます 火を通してくれるので
安心はできます
このバナナ?の葉っぱが
果たして清潔なのかは
分かりません
ソーセージ

 そんなわけで,2019年の大晦日は平和に観光をして終わったのでした。
 最初の洞窟はちょっとがっかりでしたが,メコン川をのんびり楽しめたし,なにより最後にラオスのトランプ賭博を見られたので,満足な1日でした。
 年越しはゲストハウスの室内で迎えました。おじさんは酒も飲めんし,外で大騒ぎする気にはならんのでありますよ。



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