オカノカゼミチ

4 風の道サイクリング

 児島からのビル下津井鉄道。この廃線跡が現在サイクリングロードとなっていることは、前回児島を訪れた際にも認識しておりました。前回は雨で断念した児島駅からのサイクリング+下津井城登城プランを実行するときがやってきたのであります。この「前回」ってのがいつのことかと思ったら、なんと2010年でした。まさかそんなに大昔のことだったとは。わりと記憶に新しかったのに。

4.1 児島駅〜レンタサイクル

 てなわけで、児島駅。児島は昨今はジーンズの街として売り出しております。あちこちにジーンズの絵柄があります。
 前回は駅の中にボートが展示されていたのですが、児島はジーンズ一本で売っていくことにしたらしく、ボートの展示は撤去されておりました。

こじま 中間階にもジーンズ 自販機 くまなくたびにゃん
下半身露出してますが
ジーンズ履かなくて
いいのでしょうか……
パンダっぽい
ジーンズのゆるキャラ?
コインロッカーもジーンズ柄
100円値上がりしておりました

 前回は駅の中にしっかりと風の道の案内が出ていたような記憶があったんですが(写真にも残ってる)、今回は発見できず。
 まあ、レンタサイクルのところでなにかゲットできるだろう、ということで、自転車を借りに出かけます。ところで、「レンタサイクルの貸し出し」とか「レンタサイクルを借りる」という表現は日本語として正しいんでしょうか。レンタ(ル)に貸し借りの意味が入っているので、なんかちょっと違和感があります。ただ、「レンタサイクル」で1つの名詞なのであれば、違和感を感じる程度のことなのかもしれません。

瀬戸大橋線開業30周年
下津井鉄道廃止の原因ですね
児島の観光絵
競艇場の案内が無い
観光マップ 児島駅 古事記の里として
売ろうとしてるようです
ここで自転車を借りられます この日の自転車 太閤の二つ岩

 そんなこんなで、無事自転車も借りて、いざ出発です。

4.2 旧下電児島駅

 下津井電鉄の歴史は私は全く知らないんですが、とりあえず岡山でたまに見かける「下電」が、こいつである、ということは学習しました。
 で、Wikipediaを見ると、どうも昔は瀬戸内航路で栄えていた港町のようでして、茶屋町から下津井まで電車が出ていた、ということのようです。そして、茶屋町〜児島が1972年に、児島〜下津井が1991年に廃止になった、と。港町としての下津井の需要低下に加えて、JR児島駅から下電児島駅まで若干距離があり、これが不便だったのでしょうね。

 そんな下電児島駅、今も駅舎は残り、内部は博物館化しております。駅構造を見る限り、終点の駅にしか見えないので、1972年の茶屋町方面廃止後に駅舎がいじられたのではないでしょうかね。鉄オタの皆様からしたら色々と楽しい機材もあるのでしょうが、私はどちらかというと鉄よりも廃墟的なものに興味がある人間なので、こうした雰囲気のある駅舎が残っていることに興味と関心を覚えるのでありました。
 興味深いのは、駅舎2階の存在。テラスのようになってます。これ、業務用だったのか、旅客用だったのか、どっちなんでしょうかね??

児島駅入り口 風の道の案内
2色あるけれど、同じものかな?
事件多発! 駅構内の様子
2階に上がれます ベル 2階からの眺め 2階の様子
なんかよく分からない機材 使われていた電車は3台
だったのでしょうかね??
ホームの様子 振り返る
下津井駅まで240円
鷲羽山駅まで180円
こじま こじま 駅舎の外観
こっちから見ると車庫みたいですね
さあ、風の道へ

 てなわけで、風の道へとレッツゴー!

 最初に結論から申し上げますと、私のような運動不足なアラフォーメタボでも全く問題ないサイクリングロードでした。見晴らしもいいし、道も整備されているし、距離的にも無理がないのでのんびりサイクリングするには非常にオススメできます。一部を除いて車道(最初に「シャドウ」と返還される私のATOKさんはダークシャドウの影響を受けたのかシャドウゲイトの影響を受けたのか、それとも別の馬か……)とも交わらないので安全ですし。
 自分は子供の頃はそれ相応に電車が好きでして、自転車に乗りながら電車ごっこをしていた記憶があります。アラフォーにもなって自転車で電車ごっこをすることはしないのでありますが、こうして廃線跡を自転車でチャリチャリしているのですから、子供の頃の夢が叶っているのかもしれません。


4.3 備前赤崎駅

 平坦な道を進むと、備前赤崎駅がやってきます。備前赤崎という名前がついていると言うことはおそらく他にも赤崎駅があるのだろうと思って調べてみたところ、鳥取の赤崎駅に加え、岩手開発鉄道の赤崎駅、岩手の陸前赤崎駅なんかもあるようです。崎が赤い場所ってのはたくさんあるんだなあ。名前の由来がそれなのかは知らんけど。

駅に入っていきます 駅名標 ホーム跡には花が植えられております 振り返る

 駅跡にテンションを高めつつ、さらに進みます。

進みます 遠くに鷲羽山ハイランド 道路脇を進みます


4.4 阿津駅

 しばし進むと、阿津駅に到着です。こちらも、きれいに整備されております。元々ホームがあった場所がそのまま残っているのはなんとなくテンション上がりますね。


 道ばたにはお地蔵さんもありましたが、昔から線路方向を向いていたのでしょうか。それとも、廃線後にここ祀られたのかな?


4.5 児島競艇〜琴海駅

 さて、いよいよやって参りました、登りゾーン。登るまではかなりビクビクしていたのですが、既に書いたとおり、私のような運動不足なアラフォーメタボでも全く問題ない上り坂でした。下津井電鉄が使っていた電車も登る力はアラフォーメタボレベルだった、ということのようであります。
 そして、坂を登っていくと、左手には……児島競艇場!!

 坂を登る勇気と覚悟のある者だけに見える景色があるのです。いやあ、なんと素晴らしい景色でしょう。
 それにしても、思ったよりも近くに競艇場が見えます。ちゃんとモーター音も聞こえてきて、心地よいですね(裏返すと、近所迷惑な話なんだよね……)。さすがに私レベルの視力では肉眼でなにかをするのは困難ですが、双眼鏡を持って行けばちゃんと選手も判別できます。

のぼります 左手に競艇場のスタンド! さらに登ります 眼科には競艇場!!ちゃんと選手も見えます

 そんなわけで、琴海駅に到着。かつては、ここから坂を下っていくと競艇場に行くことができたようです。
 この日も、上から競艇を眺めている方がおられました。一番長めの良さそうな場所はおさえられていたのは残念でしたが、ここまで登ってきて競艇観戦するのは、ある意味健康的でよいですね。
 駅の目の前にも、「いかにも」な広場があるんですが、ここからの眺めは悪くないにしても、ベストでは無い、という感じでした。

琴海駅 観戦客がいました 駅前広場からの眺め

 眺め、という意味では、駅から少し進んだ辺りの方がいいかもしれない。ただ、ここまで来るとちょっと遠すぎるかな?


 行きにはおられた観戦客の方々も、既にオケラになったのか、それとも払戻金を受け取るために競艇場に向かったのか、帰りにはおられなかったので、改めて競艇場を見下ろしてみました。

競艇場を見下ろします 観戦スペースへと向かいます このあたりは
競艇客の民度ですね……
ここから降りると競艇場に
行けるはずです
競艇場がしっかり見えます YouTuber岡村が周回展示中
ここからなら掲示板もしっかり見えますね


 なお、Wikipediaの琴海駅の項を見ると、「琴海駅跡から望む児島競艇場」なる写真を載せてる人がおられます。こういう人がいると見ている側も嬉しくなりますね。

4.6 鷲羽山駅&瀬戸大橋

 世間一般の健全な市民たちは競艇の景色を見ても興奮しないようです。
 ではなにに興奮するかといいますと、瀬戸内海の絶景、そして瀬戸大橋を眺めて興奮するわけです。下津井電鉄自体は瀬戸大橋完成がダメージになったわけですが、とはいえ橋を作るなというわけにもいかず、共存共栄を図るためには観光で売るしかないのであります。
 おそらくこの鷲羽山駅が登りの頂点に近いはずで、ここまで来ればもう安心ですね。アラフォーメタボでもたいした苦労なくここまで来られました(競艇場まわりで止まって進んでを繰り返してるのでむしろ普通の人より体力消耗してます)。

電車は鷲羽山駅に入ります 鷲羽山駅 帰りに撮った駅の写真 走ってる人は凄い……

 ここ鷲羽山駅からは瀬戸大橋と瀬戸内海を眺めることができます。「瀬戸内海を一望」とまではいきませんが、それはここが鷲羽山の中腹だから。
 ここで私は選択を迫られます。鷲羽山に登るか登らないか。to be or not to be.
 「600m20分」という絶妙な時間と距離がまた悩ましいですね。どうしようかと思いながら、ちょっとだけ登頂路に近寄った私に天の恵みが。なんと、「松食い虫予防剤を散布しております。1週間程度入山をご遠慮下さい」というアナウンスが出ておりました。これでは入りたくても入れません。登りたくても登れません。考える必要が無くなりました。ありがたやありがたや。

山頂まで600m
悩ましい距離です
鷲羽山案内 中国自然歩道案内図 児島競艇場が
きちんと載ってます
ここを進むことになる 入山は遠慮しろとの指令
散策マップ。大きい方が古くなったので
新しいものを貼り直したのだと思われます
ここから登ることになる 名勝下津井鷲羽山 10m進んで山頂まで590m 自然研究路

 考える必要が無くなると人間は安心できます。とりあえず、瀬戸大橋と瀬戸内海の風景を眺めて満足です。

瀬戸大橋と瀬戸内海 海の見える墓地と、一部ブルーシート
雨で崖が崩れたのか……
貼られてた案内
琴海駅には、
「競艇場を眺めつつ休憩」
という宣伝文句が
ここにはトイレがあります
和式ですが、紙もあって比較的綺麗
角度を変えながら、瀬戸大橋と瀬戸内海を見ていく

4.7 東下津井駅〜しもついふきあげ花公園

 鷲羽山駅から400m進むと、東下津井駅です。鷲羽山駅は鷲羽山登山のための観光駅という趣が強かったので、生活のための駅はこっちなのでしょうね。


 その後出てくるのはしもついふきあげ花公園。どうもこれは当時からあった駅ではなく、風の道の整備に当たってつくられた駅名表示のようです。こちらのサイトによると、2009年から2012年の間に設けられたようです。→が下津井駅になっているのはいいとして、←が東下津井でなく鷲羽山になっているのはなぜなんでしょうか??


 このあと、下津井城を攻めるために一旦風の道を離脱します。

4.8 下津井駅

 風の道に戻り、最後は下津井駅を目指します。


 そして、トンネルを抜けると、そこは下津井駅でした。


 ここでは、下津井みなと電車保存会様が色々と写真を展示されています。電車保存会というからには、ここに展示されている電車もおそらく保存会の方々がきちんと保存されているのではないかと思います。電車の所有者が今誰になってるのかは分からないですが。
 いつまできちんと保存ができるかは分かりませんが、非常に積極的に活動されており、電車の維持保存を越えた活動をされているようです。さらに、活動日には車庫内にも入れるとのアナウンスもあります。コロナでどうなってるか分からないですが……。とりあえずこれが観光資源として人気になる日が来ることを願うばかりです。


 せっかくなので、下津井港をちょっとだけ見に行きます。駅の脇には、白川友一氏の銅像がありました。下津井電鉄の初代社長だとのことです。

自転車を停めます 地図は日焼けしてます 石碑と、その脇に白川友一氏の銅像 港の様子 バス停
バスは1日2本で
土日祝は運休です

 そんなわけで、風の道をあとにしました。帰りは帰りで、もちろん山登りがありますが、逆ルートもそんなに大変ではありません。ガチな方々からみたらたいした距離ではないと思いますが、さらっと自転車に乗るにはいいサイクリングロードですね。

線路はここで終わり サイクリングロードはこっち 児島駅に戻りました 天満屋が見えます

 そんなわけで、さっきまで上から見下ろしていた競艇場へと向かいます(琴海から下に降りずに一旦自転車を返したのは、時間の都合です)。

オカノファジアノオカノシモツイ(下津井城)オカノコジマ(児島競艇)



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