10年ぶりの鳴門競艇

 四国内を公共交通機関で移動するというのは極めて困難な作業であります。県庁所在地間であればバス・電車ともにそれなりに充実しておりますが,それを外れるととたんに難易度が上昇するのであります。
 で。鳴門です。みんな知ってる観光地。ここに愛媛から乗り込むにはどうしたらいいのか。前回鳴門に行ったのは10年以上前の2008年。当時はうどん県民でして,当時も苦労しました。しかしながら,うどん県民には「鳴門西」なる名称のバス停が用意されております。当時はこのバス停の意義が分からなかったんですが,今となっては理解できます。ところが,愛媛県民にはそんなものすら用意されておりません。
 安値を追うならば徳島までバスで出ればいいのでしょうが,それだと到着がかなり遅くなります。
 ので,今回は金に糸目をつけず(本気で糸目をつけないならタクシーだろうけど),電車で松山→高松→池谷→鳴門と動きました。松山→高松と高松→池谷は特急です。なんか高徳線内くらいは鈍行で行けてもよさそうなもんなのですが,乗換案内さんに聞いたら特急を指示されまして,時刻表探すのも面倒だったので(このあたりの調整を前日夜にやるからいかんのですが),こうなりました。

 それからもう1つ。
 今回,その場その場の予約と移動をモットーとするNPらしからぬことをしました。なんと,高速鳴門→大阪のバスを予約してしまったのです。慣れないことをした結果,神様は荒天を用意し,鳴門競艇の最終レースの時間が早まりました。そのため,最終からせっかく予約したバスまで時間が空くことになり,結局当日に予約を変更するハメになりました。会社変わったからキャンセル料100円かかったし,一体俺は何がしたかったんだ。
 また,結論として,高速鳴門は下にしっかりした待合室があるので,少なくとも19時までは予約を早める必要なかったな。

 そんなわけで,いしづちで高松へ。アンパンマン列車はおっさんからしてみたら,新型車両に比べて乗り心地よくないし,アンパンマンなのは外観と最初と最後のアナウンスだけだしで,一体何がいいのか分かりません。WillyWinkieがアンパンマン列車専用のあんパンを用意してるとかいうならまだ分かるんだけど。


アンパンマン 高松駅 四国新幹線!
これは10年前から変わらない
連絡船うどん

 高松駅では朝食代わりに連絡線うどん。たしか,うどん県民時代序盤に1回だけ食べて後悔して以来。再チャレンジしてみました。朝食代わりだからかけうどんで良かったんだけれど,かけがないんだな。仕方なくかき揚げ。
 で,やはり10年前に後悔したことは間違ってませんでした。かき揚げは東京の立ち蕎麦で出てくるものとは比べものにならないレベルのものだけど。
 まあ,ここは連絡船を知らない人間が偉そうに論ずべき場所じゃないのでしょうね。

 からの,うずしお。2両編成でした。まあ,電車で徳島行く人は少ないよなあ。高徳線それ自体,乗るの初めての可能性があります。東讃もしっかり旅行したいのだが。

 そして,列車は池谷へ。「いけがや」かとおもったら「いけのたに」でした。
 この駅,鳴門方面に分かれる三叉線(という表現なのかは知らない)なんですが,駅舎は股の真ん中部分(あえて下品な表現を使わない)にあるんですな。
 高松からの特急から鳴門線への待ち時間がやけに長いんですが,その後徳島からの特急と両方向からの鈍行が来た上での鳴門線だったので,高松特急組が一番待たされるかたちになっていたようです。一番多かったのは徳島鈍行組でした。なお,そんな駅でありながらトイレは紙なしぼっとん便所というなかなかのトラップが仕掛けられています。これだからJR四国は恐ろしい。
 そして段四郎大明神。駅がつくられて住処を失った段四郎狸が人に祟っている,というのは分かるのですが,お祀りしてあげれば交通安全商売繁盛に利益を上げるであろう,というながれは凄い。お祀りしたら祟らなくなるだろう,にとどまらず,利益まであがってしまうのですな。


 電車は1両ながら最後は座席満員。鳴門に到着です。終着駅好きとしては,ここでゆっくりしたかったんですが,競艇場行きのバスが待ってるので流れに乗って外に出ます。
 前回は跨線橋から?駅を見下ろしましたが,おそらく駅それ自体は大きく変わってないのでしょう。が,当時とは異なり,徳島ヴォルティスの幟が並んでいて,その分駅に活気があるように見えました。人がいた,ってのも大きい。


 そんなわけでして,鳴門駅前のバスターミナルで待ち構えていたバスはミニバスでした。乗客は自分を入れて2名。まあ,こんなもんですね。
 バスは無事競艇場に到着。
 まずは中に入って荷物を置きます。競艇場は手荷物預かり所ではなくコインロッカーが増えてますね。ここは蒲郡と同様にお金が返ってくるタイプ。蒲郡は500円でしたが,ここは100円です。コインロッカーも数が多く,SGでも対応できそうな感じ。
 そして,雨もまあぱらつくぐらいなので,いったん外に出ます。JRAではないので再入場券はもちろんありますが,感熱紙にQRコードが発行される方式です。何もかも近代的です。

 と思って外に出たのですが,ちょっと進むとだんだん雨脚が強くなってきました。このまま進むか撤退するか,ちょっと迷ったんですが,待ったところで雨が弱まるかどうかよく分かってなかったので進むことにしました。
 まず現れるのは,外向発売所のエディウィン鳴門。部外者にはエディウィンの意味は分かりません。

バス 競艇場外観 新しくなってもこれはある 小鳴門橋 エディウィン鳴門 このマークも健在

 で,今回外に出た目的はエディウィンではありません。とりあえず高速鳴門バス停の場所を確認します。
 高速鳴門バス停はエディウィンから道を渡った反対側。なんか近未来的な無人スロープカーすろっぴーが走ってます。どうも,これで上にあがればOKっぽい。これでバスを逃す心配はなくなりました。

観光案内所兼待合室 すろっぴー 案内 降りてくるとこれが見える

 最後に,橋の上から競艇を見下ろすべく,小鳴門橋へと向かいます。ここも案内が出てるので迷いません。
 が。なんと,途中で歩道が消えました。道を渡った反対側に歩道がある雰囲気でもありません。てことは,紛れもなくこれで行き止りです。
 もちろん,自動車専用道ではないのだから歩いてもいいんですが,見るからに歩道スペースが小さい。車通りが少ないならいいんだけれど,道は渡れそうではあるものの常に車の往来があって,自分が助かっても自分のせいで車に迷惑がかかりかねません。
 ってことで,ここで折り返しました。それにしても,前回競艇場を見下ろす写真を撮ったのはどうやったのだろうか……。もしかして,バスの中から撮ったのかな?鳴門駅→大鳴門橋へのバスならここを通りそう。橋自体は古そうだから新たに歩道をぶっ潰した,という感じでもないし。
 というわけで,雨の中橋で折り返して競艇場に戻ります。雨脚はさらに強くなってきました。

小鳴門橋 行き止り!! 道を渡っても歩道はなさそう 遠目に競艇場 情熱の阿波路

 そんなわけで,競艇場に戻りました。競艇場のつくりは非常にコンパクトになっております。貧乏人が立ち入れるのは1階と3階。ですので,全体を歩くのに時間はかかりません。
 時間は4Rなので,とりあえず舟券を買います。この日は一般戦,しかも翌週に多摩川グラチャンを控えた時期なので,いわゆる銘柄級はいませ……と思ったら,見知った名前がいます。篠崎。B2です。こっちがちょっと競艇から離れてる間になにやらかしたんだ。……と思った人間は私だけではないらしく,Googleさんでも予測で出てきました。どうせフライングだろうと思って調べてみると,実はそうではなく怪我が原因のようで,軽くみててすいませんでした。
 というわけで,このB2篠崎の扱いが面倒になるわけですが,2着付でアタック。

 舟券を買ったのでとりあえず満足して,もうちょっと場内を歩きます。雨なので外に人はおりません。ふと1マーク側を見るともう1つ建物があるので,そっちに行ってみました。一応道中屋根はありますが,風が強いのでそこそこ濡れます。そのため,行った先に人はまばらでした。そんな場所に長居しても面白くないので,退散。帰りも濡れます。まったく,一人でなにやってんだか。

 そんな感じでふらふらして,もうすぐレースかな,と思って3階に上がると……荒天のため発走待ちのお知らせ。一体誰ですか,そんなタイミングに外に出たアホは。

外は荒れております なのに,外に出ました 屋根の下も濡れます 外には人はまばらです
発走順延 3階席より 水面が荒れている様子は
写真だと伝わりづらいですね
鳴門が止まってるので
津の場外に人だかり
あらためて外の様子

 時間が余ったので,昼食。さっき高松駅で食べたうどんがまだ腹に残ってたんですが,このタイミングで食べないとなんかグダグダになりそうだな,というわけで。

 フードコートは1階。店は2つという非常にコンパクトな設定になっております。ここより来客数が少ないであろう松山競輪場にあれだけの店があるのとは対照的です。SGのときなんかはケータリングカーが並ぶのでしょうな。
 この前徳島ラーメン食べたばかりではありますが,ここで出てくる徳島ラーメンはどんなもんかと思い,再度注文。県外者が思い浮かべる徳島ラーメンとは違ってたのですが,でもまあ普通に問題なくおいしくいただける味でした。これで500円ならかなり上出来。

フードコート 舩木
うどんも普通にこっちで食べた方が
良かったのではなかろうか
ラーメン 肉めし屋
最後に食べようと思ってた
たい焼きを食べ忘れた
その横にはヤマザキショップ

 そうこうしていると,天気もマシになり,4レースの発走と相成りました。追い風8m。こんなレースで選手にきっちりとスタート切れってったって無茶だろうと思うのですが,スタート事故は起こりませんでした。

鳴門4R
1 4012 中村  有裕 1'51"5
6 4350 篠崎  元志 1'52"7
2 4396 大田  直弥 1'54"3
4 3234 金森  史吉 1'56"0
5 3224 栗山  繁洋
3 3305 小野  信樹

篠崎の予測検索

 てことで,無事的中。児島からの好調が続いて幸先いい感じです。
 このまま5Rも当たってなんか無敵モードに入りつつあったのですが,調子に乗るとろくなことにならないのはギャンブルの常。5Rがこの日の最後の的中だったのでした。

 さてさて。天気も落ち着いてきたしレースも再開されたので,あらためて場内をあるきます。
 場内は主として5つに分かれておりまして,1階部分はエントランスホールとフードコート,子供スペースもここです。それから場外も放映されていて,レースからはちょっと離れた雰囲気。
 入口目の前にあるエスカレーターを上がった先は3階で,ここに客席。
 3階部分の1マーク寄りと4階部分は有料席。3階はオーシャンシート,4階はロイヤルシートと名付けられています。もちろん,こんなところに用はありません。
 そして,さきほど雨の中乗り込んだ1マーク側のダイナミックキャビン。
 最後に,屋外スペースです。

 新しい競艇場なだけに,トイレも含め,全体的にきれいです。これは居心地よいですね。
 同じ「徳島県の地方都市」であるところの小松島競輪とは天と地の差です。どうしてこうなった。3階の観戦スペースは基本的に大時計近くに設置されているので,レース全体を見るような構造。2マークは隣接するスーパー銭湯からみることができるような設定になっているようで,(スーパー)銭湯好きとしては行ってみることも検討してたんですが,時間が中途半端だったのでやめました。
 1マーク側にはダイナミックキャビンがあり,実はここには解放された2階席部分があります。で,ここから1マークの攻防を見下ろすことができるというわけです。大量に集客する場であればこんなことはできませんが,こういう地方の競艇場ならではの設計ではなかろうかと。これを考えた人はえらいですな。

 この日は一般戦なので特にイベントはなかったように思いますが(雨で流れた子供向けイベントがあったかも),SG・G1時にはおそらく外の野外ステージか,中にあるホールでイベントがおこなわれるのではなかろうかと。中のなるちゃんホールはこの日は完全に封鎖されておりました。

全体案内図
「鳴門競走場」という表現になるみたいです
入口 出走表はこんな感じ
折れ曲がってて取りやすい
1階奥の様子 本日リトルなるちゃんハウス中止 子供スペース
3階にあがったところ 3階水面側販売所 トイレも現代的なデザイン
間違っても「便所」とかいう
表記は出てきません
中もきれいです
3階席と水面の眺め 3階席の奥側 見下ろした様子
3階の逆側 2マーク側に進む 温泉施設 スタンド 公衆電話かと思ったら
中に販売機がありました
オーロラビジョン
水面方向 水面には一段下がる 手すりが熱いことがあります メインスタンド スタンド前
ダイナミックキャビン 1階 ダイナミックキャビンからみる
メインスタンド
ダイナミックキャビン2階から水面を見る 2階
 
外の喫煙コーナー 帰りのバス さらばなるちゃん  

 雨も弱まった最後の3レース。まあ全部外したわけですよ。もう,嫌になりますね。
 一応,せっかくなので全部みる場所は変えてみました。

鳴門10R
1 3305 小野  信樹 1'51"3
2 3990 芹澤  克彦 1'52"2
3 4515 藤田  浩人 1'53"9
4 3918 深井  利寿 1'54"6
5 4348 宮崎   奨
6 4007 榮田  将彦
鳴門11R
6 4116 川田  正人 1'52"1
4 4821 妻鳥  晋也 1'53"1
3 4012 中村  有裕 1'54"7
5 3842 星野  太郎 1'55"2
2 4086 寺本  重宣
1 3161 古場  輝義
鳴門12R
3 4356 長岡  良也 1'50"4
2 4335 若林   将 1'51"8
4 4350 篠崎  元志 1'52"7
1 4063 市橋  卓士 1'54"5
6 4579 中嶋 健一郎
5 4069 山本  修一

 そんなわけでして,この日は天気はイマイチだったのですが,小鳴門橋とボートが共存する絵というのは非常に美しいものでありまして,なんとも素晴らしい。もうちょっとこの絵の良さが知られるといいな,と思ったのでありました。
 いやほんと,こんな素晴らしい絵はなかなかないと思うのです。

 で,高速鳴門バス停まで向かいます。メタボ改善のためには高速まで歩いた方がいいんでしょうけれど,せっかくすろっぴーがあるので乗ってみました。

高速鳴門の時刻表 すろっぴー!!
バス停へ エレベーターが
できたみたいです
バス停
それなりに雨風はしのげます
G20で盛大に運休

 そんなわけで,高速バスで大阪に移動です。予定よりも早く到着してなによりでありました。


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