PEACE NEVERLAND〜その1〜中野刑務所正門開放

 中野にはかつて刑務所があり、そこには矯正会館があってCAPICの常設販売所がある、ということは知っていましたが、なかなか足が向きませんでした。としたところ、中野刑務所正門の公開見学会があるということで、いい機会なので乗り込んでみました。

 中野から歩く気がおきなかったので、最寄りの沼袋まで出て、そこから徒歩。みなさん、刑務所正門というブツにどこまで興味関心があるのかな、と思ってましたが、それなりの混雑でありました。

沼袋駅は工事中でした
初めて使った駅なのでコメントできません
乗り込みます

 そもそも事前知識がゼロなので、ここでちょっとお勉強。豊多摩監獄(のちに豊多摩刑務所)は、市ヶ谷刑務所が手狭になったために起工された刑務所で、思想犯が多数収容されたことで有名(悪名高い)とのことです。自分でも知ってる大杉栄と小林多喜二なんかも入れられていたようです。どうも後藤慶二氏が設計したことで有名なようですが、残念なことに無学な私はこの後藤慶二さんを存じ上げません。後藤慶二さんのWikipediaを見ると、豊多摩刑務所を設計したことで有名、みたいな空気感が出ていて、なんか循環論法的になってるような気がしなくもありません。このあたりは建築史学にお詳しい人がどこかに何かを書いているのでしょうが、数分間ネット検索しただけではなにも分かりませんでした。ただ、京都芸術大学の方が書かれたこの文章に、若干のヒントがありますね。やはり、この豊多摩刑務所が唯一の完成作っぽいです。

 中野の人口や東京の土地問題的に、刑務所跡地を観光地化するよりも有効活用した方が最大多数の最大幸福に繋がるのは致し方ないところで、こうして正門だけがなんとか残されたのも奇跡に近いのでしょうね。

 そんなわけで、事前知識ゼロで乗り込んだので、到着時にはどっちが外側でどっちが内側かも分かっていないという惨状。お恥ずかしいったらありゃしません。

 どちらが外側か、というと、外を向いている側は、中央上部に紋章を掲げていた跡があるので、そちら側が外側になります。素人がパッと見て分かる違いはその程度ですかね?まあ外向けに装飾をつけて美麗さをアピールするタイプの施設じゃないですからね。
 構造としては、門がまっすぐ進んでいて、左右に守衛さんの部屋がある、という極めてシンプルなものです。特に枡形をつくったりする必要がないですから、シンプルになっております。まあ、下手に複雑な構造にするとかえって侵入者が不審者が隠れたりしますからね。ストレートな内装で全体をパッと見渡せる方がいいのでしょう。

こちらが外向き 横から 裏側から(日光の関係で角度が限定的)
内側は装飾なし レンガはこんな積み方 内側から入っていきます
出所者の気分?
天井の装飾
左側の部屋へ SGT OF THE GUARD
Sergeant of the Guard
のことのようですが、
SGTと略したのはどこかの
真似なのでしょうかね??
中の様子 窓。オシャレな形をしています 逆向き 外向きの窓
逆向きと同じサイズ
思ったより大きいですね
通路向きの窓 もう1つの部屋
こちらは特に表札無し
中の様子 レンガ積みの様子 穴から覗いたレンガ 意味ありげだけれども
無関係な諸々の残骸

 続いて、外のCAPICを眺めてみましたが、常設店とはいえ、あまり広くないのでとりあえず何も買わず。この広さだったら、新宿西口のイベントスペースで開いてるやつのほうがいいかなあ。

CAPIC 中の様子 Dungeonかと思ったら
Dengonでした
有隣堂で話題の?ガラスペン

 そして、近場でなにやら展示会があるというので寄ってみます。基本的には写真展で、あまり写真を写真に撮ってネット上にペタペタアップするのは好ましくないと思うので(注:本来は1つ載せるだけでアウトです)、適当に気になったものを。かつて正面についていた紋章の絵や、刑務所の航空写真、後藤慶二氏作成の設計図などを見られたので満足です。
 また、外国では刑務所をホテルにしている例を紹介しつつ、奈良刑務所ではホテル化反対運動もしているようでして、このあたりは見ている人の判断に委ねる方針のようであります。


 そして、中野といえば、犬屋敷。人間の次は犬です。
 みんな大好き犬公方綱吉様が命じてつくられた野犬保護施設がここにあった、とのことであります。
 江戸時代の中野がどの程度田舎町だったのかは分かりませんが、甲州街道からはそこそこ外れた場所なので、野犬をとりまとめできるだけのスペースと、防疫上大丈夫なレベルの人家の少なさだったのではないかと勝手に思う次第。


 そして、中野の後半戦は相川ライブです。

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