ゲイダイキンダイ

 科博で化石を見終えた私は、続いて東京藝大に移動します。ここで行われているのが「日本美術をひも解く」展。特に日本美術に興味があるわけでもないのですが、以下の平出貴昭さんのツイートを見たのがきっかけです。この置物に深い思い入れも浅い思い入れもないのですが、せっかく上野まで行ったんだからもう1つなにかくっつけよう、という貧乏性が発動したのであります。

宮内庁の三の丸尚蔵館の「駒競べ」でも展示されてたこの銅像、藝大で見られますよ。 pic.twitter.com/B3vj7RnNBY

— 平出貴昭 (@tpchiraide) August 23, 2022


 で、ここは内部撮影禁止です。なので、写真は外観だけ。


 そして、出品目録と案内などなど。なぜパンフレットをスキャンしてないのかは自分でもよく分からない。ゲットし損ねたのだろうか。

出品目録 音声ガイド
ワンポイント作家解説 これを見に行った KIRIMIちゃん.と鮭

 将来の自分のために、当日のメモ。そして、三の丸尚蔵館のリンク。当日は番号でメモってるんですが、これを目録見ながら作品名に置き換えるのは面倒です。でもまあ、せっかくメモを残したので将来の自分のために残します。詳しい人はこれを見てあざ笑ったりしないように。

6 紫紙金字法華教 巻第二 紫の料紙に金の文字。あまり見たことない気がする
7 絵因果経 コミカル。右端で土に埋まってるお坊さんなに?
8 屏風土代 屏風に漢詩を書くための下書き。崩し字の練習をしてるのが興味深い。下書きが残ってるのは面白い。作者が確定してるのも凄い
10 粘葉本和漢朗詠集 粘葉という製本方法があるのか
      紙に絵や文字を残し、糊で製本することで、糊を溶かして別のものに貼ることが可能に。名人の書画がほかに残ることもある。襖絵を屏風に張り替えた例などもある
30 賀茂競馬置物 これを見に来た。1924年。足の開き方はさておき、とてもリアル。思ったより大きかった
20 蒙古襲来絵詞 みんな教科書でみたやつ。江戸時代に修復されたらしい
      前後2巻とは知らなかった。防塁の上に座ってる人々、何人か名前があるが、誰だろう
32 酒伝童子絵巻 なかなかにグロテスク
16 石山寺蒔絵文台・硯箱 パリ万博で大賞受賞
36 牡丹孔雀図 くちばしをあけることで羽を閉じてるのに動きが出るのかな?青色が良い
45 旭日双鶴図 美しすぎる
35 動植綵絵・伊藤若冲 どれも色使いが独特で、強い。凹凸を意識してるらしい
61 柿置物 象牙から掘った牙彫。当時色を付けるのは珍しかったらしい。弟子をとらなかったために色の付け方が謎らしい
44 鮭 初めて本物を見た。紙にかいたのが特徴。当時カンバスは高価だったらしい。油絵の普及のためにお歳暮の定番をかいたらしい
     油絵でこれをかくのが凄い。微妙な凹凸がある
79 ナイアガラ景図 このタイミングでナイアガラ!
74 七宝寰宇無双図額 どうなってんのこれ。初めて見たような
78 飛泉 気韻生動を目指し、滝そのものの神秘的な存在感をあらわそうとした?天皇からのご用命でかいた。名誉に思って最初は羽織袴でかいたが、気持ちが窮屈になって水の勢いがつかめず、最後は脱いだらしい

 当時はあとでも分かるようにメモしてるはずなんですが、「このタイミングでナイアガラ!」とかいわれても何が何だか分かりません。多分、日本のものが続いて和な気分だったところにアメリカンなものが出てきて驚いた、といったあたりだと思いますが。

このあと、護国院に立ち寄りました。


 年が変わって場所も変わって、2023年近代美術館。
 「重要文化財の秘密」展であります。ここは田安門あたりを通って乗り込みました。
 時代的なこともあり、前年の藝大「日本美術をひも解く」展と重なっている作品もありました。こっちは一部撮影OKというスタイルでした。まあ東博でよく見かける鷲置物なんかは東博でも撮影OKですからね。先日藝大で撮影不可だった鮭がこっちでは撮影OKなのは面白いですね。

入口 パンフレット 記念撮影コーナー
音声ガイドリスト 出品目録 ごあいさつ

 当日のNPメモより。20番は何をメモしたかったのか、自分でも分かりません。こういう意味のないダイイングメッセージが残されていたら、コナン君がきっとあらぬ解釈をしてくれるのでしょうな。30番、原田直次郎氏の騎龍観音は「らしい」3連発。感想でもなんでもないな。

2 生々流転・横山大観 日本最長の絵巻。制作から指定まで最も短い作品。この長さで、ストーリーものでもないのに絵として破綻していないのがすごい
14 行く春・川合玉堂 長瀞あたりといわれている。左が上流は珍しい気がする。名所絵でなく身近な美を見出したのがすごいらしい
16 豫譲・平福百穂 漫画的だけどいい表情。馬の絵がうまい
19 築地明石町、新富町、浜町河岸・鏑木清方 重文指定されたばかり。50年ほど行方不明だったらしい。描かれた年は違うが、絵の具やサイズは同じ
20 三遊亭円朝像・鏑木清方 円朝
25 黄瀬川陣・安田靫彦 最も新しい重文。1940-41に描かれたもの。戦後のものじゃないとして、戦時中やないか。鎌倉にこびてない展示。えらい。
30 騎龍観音・原田直次郎 洋画と日本画という言葉が生まれたのは明治。ヨーロッパで、歴史や宗教を絵の題材にするということを学んだらしい。サーカスの芸人のようだとも言われたらしい。犬と鶏を参考にして龍をかいたらしい

 どうでもいいけど、「きりゅうかんのん」って音だけ聞くと、桐生競艇場のエースみたいな感じですね。さしずめ、山崎智也か。
 藤島武二氏の重要文化財指定作品は、この日出品されていた「天平の面影」以外に「黒扇」もあるわけですが、こっちは先日アーティゾンミュージアムで見ました。ここに出品されてないものを直近で見てるとちょっと嬉しくなります。なにが嬉しいのか、自分でもよく分からんけど。

日本画 「不動明王図」狩野芳崖 「熱国之巻・朝之巻」今村紫紅
「王昭君」菱田春草 「瀟湘八景」横山大観
「行く春」川合玉堂 「黄瀬川陣」安田靫彦
洋画 「騎龍観音」田直次郎
「鮭」高橋由一 「春畝」浅井忠
「天平の面影」藤島武二 「裸体美人」萬鉄五郎 「道路と土手と塀」岸田劉生
彫刻 「老猿」高村光雲。東博でおなじみです
「十二の鷹」鈴木長吉
「鷲置物」鈴木長吉。これも東博でおなじみ 「北條虎吉像」荻原守衛
「ゆあみ」と土台 新海竹太郎 「墓守」朝倉文夫
工芸 「褐釉蟹貼付台付鉢」「黄釉銹絵梅樹文大瓶」初代宮川香山 「白磁蝶牡丹浮文大瓶」三代清風与平

 美術に関する造詣がゼロな私は、ここにきて、「彫刻と工芸の違いが分かっていない」ということに気付きました。なんとなく、綺麗な瓶は彫ってる感がないから彫刻じゃないのは分かるんだけど、それ以外はよく分からん。……と思って検索してみたら、境界が曖昧であることが分かりました。学術的には定義があるのかもしれないですが、とりあえず境界が曖昧なことが分かったので満足です。


 続いて、近代美術館の常設展。時間もおしてたんですが、いくつか見たのを記録として残しておきます。さっきは「ゆあみ」の石膏像を見ましたが、こっちにはブロンズ像がありました。

「星をみる女性」大田聴雨 「タチアオイの白と緑」ジョージア・オキーフ 「コンストルクチオン」村山知義
「水より上る馬」坂本繁二郎 「ゴンベとカラス」桂ゆき 「太陽の麦畑」萬鉄五郎
「ラッパを持てる少年」小出楢重 「ゆあみ」新海竹太郎
「木の間の秋」下村観山 「動」佐藤玄々 「手」高村光太郎
「牛」福沢一郎 「ラ・ペ」内田巌
「空港」北脇昇 「眼のある風景」靉光 「神兵パレンバンに降下す」鶴田吾郎

 ここで時間切れ。本来であれば、ゆっくり時間をかけて見て回りたい場所なのですが、ゆっくり見てまわるだけの時間的余裕をつくるほど美術に対してやる気が無い、という問題を抱えているのでありました。


化石ハンター展

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