Polestar in 立川

 Polestarといえば、何を思い浮かべるでしょうか。北極星というペンネームを使い続けてる身としては、そりゃまあノーザンポラリスなんですが、もう1つ思い浮かべるのが刑事ドラマに頻出するバー・ポーラスターです。スペルを見るとポールスターなんですが、検索する限りポーラスターで出てくるので、おそらくこっちが正式名称的な何かなのだと思います。検索した限りでは、やはり横浜が舞台のあぶない刑事のロケ地として取り上げられていることが多いようですが、私は水谷豊刑事貴族世代なので、刑事貴族に出てきたあそこが、あぶない刑事をはじめとして様々なドラマで使われる名物店だとあとで知った、という流れです。

 閑話休題。
 ある日、多摩モノレール高松駅を歩いていたところ、「国立極地研究所創立50周年」という案内が目に入ってきました。正直、人生においてこれまで極地研に特に思い入れをもつこともなかったんですが、他方でやっぱり子供の頃から南極探検隊、アムンゼンvsスコット物語などを幾度となく読んできた身としては、やはり極地探検・極地研究というものにはなんとなくの憧れを抱いてしまいます。
 で。憧れを抱くまでは無料ですが、せっかくなので多少なりとも応援したいよね、というわけで、LINEスタンプ買いました。特に使うあてもないのに。今のところ、怪しい投資グループに勝手に追加されたときにスタンプ投稿しまくる場面くらいでしか使ってない気もします。ごめんなさい。

 そして、もう2つ。立川ジュンク堂で、極地研50周年記念コーナーがつくられているとのことで、行ってみました。ド文系な私としては、下手に手を出しても出したっきりになるのは分かっている講談社ブルーバックス。とりあえず、1冊購入。『南極で心臓の音は聞こえるか』。今のところ、買ったままの状態で綺麗に自宅の本棚に保存されてます。そういえば、ブルーバックスのコーヒーカップも買ったな。
 もう1つ。国立極地研究所創立50周年記念募金というものを募集されているので、とりあえずちょっとだけ募金してみました。お礼品として、記念年賀状と風呂敷をいただいたのはいいんですが、領収証をどこかにやったせいで減税受け損ねました。自業自得ですが、玉木さん助けて。

高松駅にて ジュンク堂にて

 で。極地研には、南極・北極科学館という広報施設があり、なんと無料で入場できます。蓮舫さんの事業仕分けの時代はどうだったのか知りませんが、とりあえず今は無料です。デフレ万歳。
 こちとら1万円募金した人間ですから、無料施設にも大手を振って入場できます。いざ行かん。

外観 入場口 黒雲母片麻岩
内部案内 撮影OK パンフレット

 さて、「無料」という言葉に釣られただけの私は、ここで特に何を見たいというものはありませんでした。「極地研の展示室なんだから、南極の氷くらいはありそう」というレベルの認識です。
 そんな人間が乗り込むと、見境なく見ていくしか能がなくなるのであります。

入場 ごあいさつ 50周年! 50年のあゆみ 北極 南極

 では、まずはこの日のメインイベント。南極の氷です。見るだけでなく、触ることも出来ます。COVID-19の警戒時期が終わったことを実感できますね。

南極の氷! 南極の氷ができるまで
雪が固まってできるようです
南極の氷が届くまで

 その後、研究グループごとの展示が続きます。全部載せてるときりがなさそうなので、適宜抜粋。
 まずは生物圏研究グループから。

生物圏研究グループ 極域生物多様性と生態系変動の解明を目指して 潜って
付けて 沈めて

 宙空圏研究グループ。

宙空圏研究グループ 地球を取り巻く広大な空間環境の総合理解を目指して 飛ばして
建てて 建てて

 続いて、北極の生物。先にホッキョクグマの写真が出てきて、「ホッキョクグマって北極と南極どっちだろう」と一瞬悩んでしまった自分の愚かさをなんとかしたい。

北極の生物 ホッキョクグマ ホッキョクギツネ
エトピリカ ツノメドリ ウミガラス 北極行きを代表する苔
チャカギハイコケ

 コケ坊というゆるキャラもいるようです。極地研ブログによると、南極生まれの南極育ちだとのこと。
 苔、って、私の用など文系にはその特徴も生態系もまったく理解できないのですが、あちこちにあって生命力強そうだし、はまると奥深そう。はまらなくてよかった。

コケ坊 コケボウズの赤ちゃん200歳 ビデオシステムを設置
陸域の菌類・植物 南極域を代表するコケ
オオハリガネゴケ
カギハイゴケ
南極域の地衣類
クロヒゲゴケ
苔の生長年輪

 海の生物。

NORPACネット アイスアルジー ライギョダマシ 南極の海の生物
ナンキョクオキアミ
たくさんいます

 ペンギン登場。やはり南極の生物の華はペンギンです。
 色々な種類のペンギンがいるのはもちろん知ってるんですが、日本の動物園や水族館にいるペンギンってどの種類が多いんでしょうか。


 そして、ほかにも鳥はいます。

ユキドリ ナンキョクオオトウゾクカモメ
Wikipediaによると
和名については色々見解がありそう

 アザラシ。例によって、アザラシとアシカとオットセイの区別はついておりません。南極にいるのはアザラシだけなのでしょうか……というお馬鹿NPのような奴のためにあらかじめ解説がされておりました。アシカ科ではナンキョクオットセイのみが生息しているようです。
 ウェッデルアザラシ、Wikipediaによると、イギリスのアザラシ狩り隊長の名前をとって名付けられたようです。イギリス人のことですから、さぞかし乱獲したんじゃないかという偏見を抱いてしまいますが、実際のところどうだったのでしょうか。

南極のアザラシ ウェッデルアザラシ アザラシは見ていた
ウェッデルアザラシの成獣と幼獣 動物行動記録データロガー

 続いて、観測の様子。

高層気象観測用ラジオゾンデ 無人観測用気圧計
放射計 観測の様子

 昭和基地の紹介コーナー。ほとんど映画を見ない私ですが、南極料理人は借りて見ました。

越冬隊員が使用した防寒服 平均気温
1月ならやっていけるかもしれない
昭和基地ライブ映像 Webでも公開中
昭和基地のジオラマ

 今の越冬隊がいれば、昔の越冬隊もおられます。第1次越冬隊に関する展示。

1次隊の服装 南極越冬ネコたけし 1次隊のプレハブ住宅断面
何かあったら隊員全滅もあり得るので
本当に考えてつくられたのだろうなあ

 南極点に到達した雪上車。
 南極点到達物語については、上にも書いたアムンゼンvsスコットの物語は今でも名前が出てくるレベルには印象に残ってます。なのですが、今検索したらアムンゼンではなくアムンセンという呼称が増えているようでした。
 また、自分の記憶に残っているストーリーが、馬を使ったスコットvs犬を使ったアムンゼンんというもの。今色々見ていると、スコットも犬を使っていたのですな。もちろん馬も使っていたようですが。まあ子供向けの物語は話を簡略化するので、こういうのは仕方がない。とにかく、競馬もグレイハウンドも盛り上がるといいですね、と無関係な話を唐突にぶっ込んで終わりにしておきます。

 南極点到達者として機械遺産に認定されているのがKD604とKD605。ここに展示されているのはKD604です。この車が南極点に行ったのか。当時の状況は想像もつかないですが、とにかく凄いなあ。

KD604 KD604の詳細
エンジンはいすゞです
当時の写真
KD604と605も映ってます
米国旗の方が目立ってるのが
ちょっと気になる
南極点への道のり
機械遺産に認定されました 雪上車の燃料ドラム缶と給油機
中には入れませんが、中は見られます

 南極探検といえば、忘れてはならないのが白瀬隊。隊旗の現物とレプリカの展示などもあります。
 ところで、開南丸って、もちろん名前の由来は分かるんですが、音だけ聞くと「海難」にも通じるので名付けに反対論とか出なかったのだろうか。

隊旗 開南丸 お言葉
白瀬中尉の遺品

 白瀬隊に続く南極観測の開始。日本南極観測事始め。
 南極といったら、アムンゼンスコット、タロとジロ、上に出ていたネコのたけしなど、様々な動物の姿が思い浮かぶところですが、どうも現在では動物の持ち込みが禁止されているようです。

日本南極観測事始 犬ぞりなど

 続いて、南極観測船。お台場に停泊している宗谷は2014年に見に行きました。これを書いているのが2025年2月ですから、もう10年以上も前のことか。恐ろしい。

初期の写真 5003南極観測船しらせ
2009年、51次隊から使われているようです
5002しらせ。1983年〜2008年、25次〜49次まで使われたとのこと。……50次は?
5001ふじ。1965年〜1983年、7次〜24次。
宗谷。1956年〜1962年。1次〜6次

 地学コーナー。
 南極の地質、そして隕石。言われてみれば、南極といえば岩石と隕石ですね。化石コーナーもあったけどスルーしたんだっけな?写真は残ってなかった。
 それにしても、この手の地質に関するものを見るたびに、高校時代の地学知識がぶっ飛んだのが痛いと思うのであります。

ゴンドワナ大陸 岩石の年齢 岩石の種類
南極での地質調査 南極の火山 様々な地質年代で出土した石など
年代測定 新鉱物発見! 太古の縞状鉱物
小惑星極地研 隕石 月隕石 火星隕石
隕石の種類 鉄隕石の断面
ALH-769 ブレンハム
DRP-78009 DRP-78008 ALH-769

 オーロラ体験コーナー。
 ブースの中でオーロラ体験が出来るようになっております。平日の昼間にこんなところで上を見上げると、居眠りしそうになりますね。
 なんなら、そういう居眠りおじさんがいないのがむしろ不思議です。

オーロラシアター オーロラの仕組み オーロラ観測用の装置 オーロラ発生装置

 南極基地について。

昭和基地の個室 日本の南極基地 南極の主な越冬基地 南極の様子

 最後に北極圏の様子。あたりまえですが、海です。海底についてもしっかりと情報取れてるのですね。まあアメリカやロシアはもっと色々調査してるのでしょうが。なんなら、原潜いそうだな。


 と、いうわけで、無料で入れるのに見所たっぷりな展示館でした!



 旅行記TOP / その他テーマ別