いだてん前の五輪
2024年パリオリンピック。馬術の日本チームが総合馬術団体で見事銅メダルを獲得しました。
そんなパリオリンピックの記念展示がおこなわれているということで、オリンピックミュージアムへ。国立には何回か行っていたのに、ここに行くのは初めてです。初めてすぎて、入口がどこかもちょっと迷いました。
ちなみに、私は2025年1月か2月ころ〜4月ころにかけて、大河ドラマ「いだてん」を借りて見ました(雑感:いまごろ「いだてん」を見た)。見終えてnoteに感想記事をアップすることにしまして、せっかくなので思い出しがてらオリンピックミュージックに行ったときの写真でも引用するか、と思って見てみたら、思いのほか写真が残されていたり、あるいは残されていなかったり(三島弥彦がらみとか)したのでやはりこの日撮った写真を一旦整理しておこう、となったのでした。
私がここに行ったのはいだてん視聴前ですが、他方で私は2024年パリパラリンピック観戦のためにパリに行っています。ここを訪れたのは、パリパラリンピック現地観戦後になります。
パリ五輪展
まずはパリ五輪関連展示。入って正面に、パリ五輪のメダリストがずらっと並んでおります。壮観ですね。
それにしても、「参加することに意義がある」とされるオリンピックですが、なんだかんだメダルを取ることに意義があるのであります。このあたり、いだてんでも田畑さんが若干揺れてましたね。
Team Paris 2024
メダリスト以外もTeamです馬術総合馬術団体 ダルマ 受付に展示されてた
フリージュ
パリ五輪関係でエアウィーヴのマットレス展示。てっきり段ボールで話題になったベッド本体の展示かと思ったら違いました。
では、パリ五輪記念展示。まずはもちろん馬術初老ジャパン。解説ボードの位置がイマイチで文字が読みづらかったんですが、なんとかならなかったのでしょうか。
これで満足して帰ってもよかったんですが、せっかくなのでほかにもいくつか。気になった展示を撮ったのですが、それよりも「まわりに人がいなくて撮りやすかった」ものを撮った感もあります。
ちなみに、私は基本的にパリ五輪をテレビ観戦しておりませんので、音を消したままネットで見るか、文字面でしか結果を知りません。何が言いたいかというと、赤間凜音選手の名前の読み方を今知りました。
スケートボード吉沢恋 スケートボード赤間凜音選手 フェンシング江村美咲選手 サーフィン五十嵐カノア選手と稲葉玲王選手
実は、これで帰ろうと思ってました。なぜなら、2階があるとは知らなかったからです。
ふと見たら、奥からやってくる方がおられたので2階を発見した次第です。
2階:オリンピック関連展示
世界陸連のヘリテージプラーク。プラークと聞くと、歯垢のプラークコントロールしか浮かびません。
織田幹雄氏については、いだてんにも登場していませんが、いだてんを見て何かが気になった私は織田さんのことをネットで検索して、「今まで何回も西が丘の味の素フィールドに行ってるのに織田ポールを探そうともしなかったのは失敗だ」と思った記憶があります。
あと、クーベルタンさんて、「クーベルタン男爵」と称号付きで一単語になって覚えてるのは私だけでしょうか。
クーベルタン氏 世界陸連ヘリテージプラーク
織田幹雄氏と南部忠平氏
では、常設展示らしきパートへと入っていきます。基本的には、オリンピックの成り立ちのようなものを見ていく感じです。
というわけで、まずは古代オリンピック。なお、JOCのサイトにも詳しい歴史が載っておりました。特に原本展示があるわけでも無さそうですし(といいつつ、見切れている何かが気になる。写真撮ればよかった)こっちを見るだけで十分な気がしますね。
平和を告げるスポンドフォロイ コチノス 古代オリンピックは
平和への祈りから始まった競技の例 古代オリンピックの終焉
そして、近代オリンピックが始まります。またも登場クーベルタン男爵。
いだてんでは、序盤に嘉納治五郎氏が、終盤にコンゴの方々がこのオリンピックの意義を認識する場面がありました。
近代オリンピックをつくったのは
教育者でした国際会議プログラム 近代オリンピックが誕生した日 アテネ大会の開催と成功
そして展示はオリンピックそれ自体の歴史と日本のオリンピックの歴史が並行して進んでいきます。
オリンピックシンボルの素案 オリンピックシンボル
1920年アントワープが初めて
写真のでどころの関係で
日の丸がメインになってるのが面白い1964東京五輪で使われた
五輪旗オリンピックモットー オリンピック賛歌 平和のための活動 各組織とルール作り
日本色がどんどん強くなってきました。みんなが興味があるのはここからですね。
1964年東京大会 2021年東京大会 オリンピックレガシー JOCエンブレム 東京大会エンブレムポスター
そして、2021年五輪で話題を呼んだピクトグラム。1964年東京大会が発祥であることは有名ですね。いだてんでも触れられておりました。
有名なんですが、じゃあ東京大会でどんなピクトグラムが使われていたのか、となると知らなかったので、ここで見られてよかったです。
1964年のピクトグラム 1940年向けの
カット集
これがピクトグラムの
草分けなのでしょうかね?2021年のピクトグラムスーツ
聖火トーチ。聖火リレーがヒトラーさんの発明であることは有名ですが、1964年東京大会の聖火リレーにまつわる話はいだてんを見なければ知らないままだったと思います。
こんな感じに並びます 1972年札幌 1964年東京 1998年長野 2020年東京
水素を燃料としたのは
五輪史上初めてとのこと
1940年、幻の東京五輪関係。
これ、自分はいだてんを見るまでは「そりゃああの頃は国際連盟の常任理事国入りしてたし、当然の流れで日本になるな」程度にしか思ってませんでした。開催が決定したのは二・二六事件よりもあとの時期だったんですね。そして、ヒトラーやムッソリーニとの絡み、中華民国の対応なんかももちろん知らなかった。これはいだてんを見てよかったと思えたところです。
スポーツ界においてはまだこのころは本物のFar Eastだったんでしょうね。我々が(少なくとも私は)南アフリカW杯開催前に「生きて帰れるのか」みたいなことを冗談半分で言ってましたが、この頃はもちろんネットもないですしそれどころかラジオもテレビも貧弱なわけで、そりゃあわけが分からん。
幻の公式ポスター
これ、2021年に
再利用できなかったのか五輪返上のレター 幻のオリンピック 招致用につくられた
東京紹介冊子
この頃の日本なんて
そりゃあFar Eastだったよなあ公式マークシールと公認マークシール 公認マークバッジ 皇紀2600年記念ベルトバックル 記念の湯飲み 水彩画用パレット
続いて、1964年東京五輪関係。
招致ファイル 招待状 代表団ペナント 参加記念メダル 公式プログラム 大衆雑誌(「平凡」)付録の
東京オリンピック・ガイド各競技プログラム 馬術もあります みんな知ってるポスター 自由に入場した
初めての閉会式ワッペンやらチケットやら
1972年札幌。こちらは札幌オリンピックミュージアムである程度見ました。札幌五輪も戦争で吹っ飛んでいたことは、あらためて書かないと忘れてしまう。
1972年札幌 参加記念メダル 日本選手代表団ペナント 記念メモ帳
たくぎんの名前とマークに
懐かしさを覚えます通訳ガイド 観戦チケット
1998年長野。これは自分も記憶にあります。というか、長野にも行きました。直接観戦はしてないけど。展示品はかなり少なかったですが、長野のどこかに行ったらあるのでしょう。長野には何回か行ってますが、五輪関係の展示は見たことないな。
1998年長野
そして、まだ記憶に新しい2020年東京大会。こちらは私も五輪馬術とパラリンピックの馬術・陸上等のチケットを持っていました。今思えば、パリパラリンピックのチケットの取りやすさと比べ、東京パラリンピックのチケットは売れており、「パラリンピックは自国(日本)で見るものではない」という気がしてしまいます。あるいは、日本でも実際にパラリンピックが迫ったら空席祭りになったのだろうか。
そういえば、写真も展示されていた”ARIGATO”の文字。Thank youを示す日本語として、世界的にかなり広まっている気がします。これ、「世界で知られているThank youワードランキング」だと、何位くらいになるのでしょうか。1位は確実にThank youだと思いますが。
世界の言語ランキング(ここを見た)でいうと英語→中国語→スペイン語→アラビア語→フランス語→ヒンディー語→インドネシア・マレー語→ポルトガル語→ベンガル語→ロシア語→日本語となっておりますが、ロシア語やベンガル語をひっくり返せるのではなかろうか。
自分語りをすると、フランス語のメルシーとスペイン語のグラシアスは自分的には常識レベル。また、ポルトガル語のオブリガードは大河の影響で記憶してます。幸か不幸かアラビア語圏にもロシア語圏にも行ったので、アラビア語の”シュクラン”とロシア語の”スパシーバ”を現地で発した経験がありますが、今急に思い出せるかというと思い出せませんでした(2つとの検索しました)。
。マレー語の”テリマ・カシ”は言われれば「あー」という感じですが、マレーシアの英語通用力が高いためにマレーシアでこれを発した記憶がない(これを書いているのが2025年5月で、1月にはマレーシアに行きましたが、オール英語で過ごしたと思う)。インドには複数回行きましたが、やはりインドでは英語が通じるし、目の前のインド人がヒンディー語話者かも分からないので、ヒンディー語(とベンガル語)のThank youは分からない。
西ヨーロッパ民族は周囲の言語をそれなりに話してそうだけれど、果たしてArigatoのランキングやいかに。誰か調べてくれないでしょうか。どうやって調べるのか分からんけど。
閑話休題。TOKYO2020関連展示です。
ARIGATO 史上初の無観客 アイコニックポスター 招待状 山下泰裕会長用の
開会式チケット聖火ランタン 聖火トーチ 錦織選手サイン入り
テニスボール陸上バトン
1964年の聖火リレー。沖縄経由にすること、沖縄で日の丸を振ること、そこから4箇所に別れることなど、様々な決断と発想力があってこそだというのは、いだてんで学びました。なんというか、令和の私からすると沖縄が日本であたりまえなのですが、戦争を知るかたがたからしたらそうではないのだろうなあ。
アジアに届いた聖火リレー 日本の聖火リレー 聖火ランナー用シャツ
1964年東京五輪のレプリカメダルをかけることもできます。もちろんボッチなあらふぉーおじさんはそんなことしません。
東京札幌長野東京のメダル
札幌の銀メダルに何があったのかは不明レプリカをかけられます
最後に、何人かの著名人に関する展示。訪問時、金栗さんは「箱根駅伝で名前が出てくる人」でした。いだてんを見た今はもちろんもっと知識があります。やはり知識があって見るのと知識なく見るのとでは違いますね。そして、三島弥彦さん関係展示がなかったのか、自分が撮らなかっただけなのかも不明。
金栗四三氏 まさかあの日の丸ユニフォームの現物を見ていたとは 金栗足袋。いくつかバージョンはあると思いますが、いつ使われたものかは不明 人見絹枝さん 前畑秀子さん 実況音源
パラリンピック関連展示。これ、どこかほかにもしっかり展示している博物館ありそうですよね。
パラリンピックの歴史 各組織の設立 説明を撮らなかったけど
ANAの広告もついているので
おそらく国枝さんの車いす国枝さんのラケット オレは最強だ!
外の展示を見て、おしまい。聖火台の縮尺が全部異なるのがちょっと面白い。
名古屋アジア大会のアピール 1964東京大会の聖火台
縮尺3/41972札幌
縮尺2/31998長野
縮尺1/2五輪マーク 嘉納治五郎氏 クーベルタン男爵 入口はここでした
いだてん知識を身につけた今の時点で、あらためて訪問してみたいと思いました。持つべきものは知識ですな。