ロシア旅行記その4

 そんなわけで,やってきました救世主聖堂。
 ここでも地下鉄の出口の2択を誤って若干迷いかけたのですが。というかですね,地下鉄の出口案内に書かれている文字を読まない・理解できないので,どうしても運と勘に頼らざるを得ません。困ったもんです。

 で,見えてきました。入口には行列。さすが人気観光地です。
 入口の荷物チェックでは何をチェックしているのかよく分からないまま,とりあえず流れるままに通り過ぎました。いいのかこれで。
 もっとも,内部は非常に神聖な雰囲気。これだけの数の観光客がいるのに荘厳な雰囲気なのは凄い。

 内部は極めて複雑な構造。想像以上に広く,またいくつもの部屋に分かれています。迷子になりかけました。
 各部屋にそれぞれイコンがあります。いちおう中央?に広めの部屋があり,カトリック的知識を前提とするとミサをするときはここなのかな,というふうに思うのではありますが,じゃあほかの部屋はなんなのだろうか。謎が謎を呼びます。と同時に,ちゃんとロシア正教について勉強してこなかったことを後悔するのでありました。やっぱり何事も予習が肝心だよな。
 自分が見たところ,まず聖堂内に入るときに十字を3回くらい切るようです。その上で,斜めになっているイコンの前に立ち,十字を切ってイコンに額や唇をつけています。自分が知っているカトリックとは全く異なる礼拝方法。どうしてこれで同じキリスト教と呼んでしまうのか(彼らが同一視してもらいたがっているかは知らんが),不思議に思ってしまいます。ただ,日本仏教と中国や東南アジアの仏教も全然違うから,文化の発展と細分化ってのはこんなもんなのだろうな。
 見た目が非常に厳つく,身体もごついお兄さんがイコンに口をつけている姿はほほえましいです。ギャップって大事よね。
 また,参拝者は蝋燭立てに蝋燭を立てております。蝋燭は各売店で売られています。それはいいとして,あちこちに蝋燭立てがあるとしても,どうしても人の通り道やイコンの近くにある蝋燭立てにたくさん蝋燭が立てられてしまいます。そこでおばさんが蝋燭を移動させているのです。これは蝋燭が長い(50センチ以上?)からこそ危なげなく移動できるのではあるけれど(日本のお寺に立てる蝋燭でやったら火事になるだろうな),それにしたって火のついた神聖な蝋燭をあっちからこっち,こっちからあっちへと移動させるってのはびっくりです。

 さらに,地下深くへ降りていきます。思ったよりも深いです。当時のNPメモには「4階分くらい?」との記載があります。それくらい深くもぐったような気がしました。
 潜った先には……礼拝堂がありました。天井が高いです。なるほど,深く潜る必要があるわけです。それにしても,1階部分の礼拝堂と地下の礼拝堂の関係が分かりません。なんなんだろうか。
 あと,地下の礼拝堂でも蝋燭を燃やしているのですが,酸素は大丈夫なんだろうか。う〜む,謎だ。
 ちなみに,蝋燭は長さ太さによって値段が異なっており,当時のNPメモによると20〜200Rbとのことです。

外観。地下があるように見えない ここから出ました ザ・教会っていう外観ですね

 そんなわけで,外に出ます。あれれ。階段をのぼらずにそとに出たぞ。てことは,地下ではなく1階だったのか。ずいぶん深く潜った気がしたのですが……。まあ,1階なら酸素不足にならんよな。
 あと,地下(実質1階)に車いすの参拝者がおられた理由も分かりました。あの階段を車いす持って下りるのはとてつもなく大変だろうな,と思ってたのでした。

 地図を見ると,広々とした歩道がありそうだったので(ゴゴレフスキー通り),歩いて赤の広場方向に戻ります。
 住宅街の仲の広い散歩道,という感じであります。場所的にはクレムリンからたいして遠くない場所にこんな場所があるんですね。なかなか興味深い街の設計です。非常時にはここを戦車が走ったりすることがあったのだろうか。

 ベンチがあったり,子どもが遊ぶためのシーソーがあったりします。シーソーはメキシコとは違い,至って普通でした。
 が,歩いていると,どうみても普通とは思えないものが登場しました。馬の首が並んだ噴水!!いや,なんだこれ。グロテスクとは思わんのでしょうか。夜道にこんなのが出てきたら本気でびびるぞ。
 この船に乗った人は”Михаилу Шолохову ”(Mikhail Sholokhov:ミハイル ショーロホフ)というようです。検索したら,かなり有名な作家さんであることが判明。ロシア文学は全く分からん……。「静かなるドン」を書いた人なのか(新田たつおの方はもちろん知ってます)。この馬の首は,静かなるドンかあるいはこの人の著作となにか関係があるのかな……。
 あと,その後登場した該当の下にライオンらしき造形の像がありました。多分ライオンなんだろうけど,この国では獅子はなんでこういうへんな顔をしているのだろうか……。

ゴゴレフスキー通りの歩道 普通のシーソー
ちょっと太ってません?
なんか見えてきた !? !!??
造形がリアルなのがまた… ??? ショーロホフ氏 なんだかな… 街灯…の下のライオン…?

 さて,そんなわけでいわゆる目抜き通りである,アルバート通りに到着。目抜き通りらしく,大道芸が行われております。とりあえず,あまり持ち時間もないので,ムームーへ。とりあえず指で示せばOKで,簡単に地元の料理を食べられるというのは魅力的です。
 そんなわけでムームー。想定外だったのは,スープの蓋が閉まってたこと。蓋が閉まってたら予知能力者じゃない限り中を指で示すことができません。とりあえず「ロシアといったら ボルシチだろ」という頭は持っていたのですが,ボルシチがあるのかどうかもわか。らんのであります。ちなみに,基本的にそこまで料理に重きを置いていないため,地球の歩き方の序盤にカラーで載っている地元の料理コーナーはほとんど見ません。よって,ボルシチ以外の知識はというとピロシキくらい。ですが,ピロシキの定義はよく分かっていないのでした。こんなんでよくロシア行こうと思ったなと自分で思います。普通に国内旅打ちに行くときの方が下調べしてる気がするぞ。
 ですが,さすらアルバート通りのムームー。店員さんが"mushroom"と言ってくれました。とりあえずなんでもよかったのでそれにゴーサイン。メインはたくさん並んでおりましたが,適当に指で示してとってもらいました。レシートを見ないと何を食べているのか分からない……といいたいところですが,レシートを見ても分かりません。なんせロシア料理が分かってないんだからなんでもいいのです。

大道芸 目抜き通り 昼食

 あとで調べたところによると,このマッシュルームのスープはそこそこ有名みたいでした。

 さて,そんなこんなで赤の広場方向に戻っていきます。噴水の内部に馬の像があったのでそこに向かっていくと,ウェディングドレスを着た女性。どうも新婚さんのようです。ロシアでは新婚さんが各地の名所をまわって写真を撮るという風習があるようです。この旅の中で何組ものカップルをみかけました。こういうのも面白いですね。

馬の噴水 新婚さん

 そして,いよいよワシリー教会です。写真料関係なく250Rb。値段設定はよく分かりません。
 まさしくモスクワの代名詞とも言えるワシリー寺院。テトリスで何度も見てきたワシリー寺院。何度も書きますが,色といい,タマネギといい,日本にいて日本文化に囲まれて暮らしていたら,こんな建物を建てようなんて絶対に思い浮かびません。少なくとも凡人NPには120%無理です。
 そして,それでありながら内部は写真撮影自由。まあ,それもこれもソ連時代にこの教会が宗教性を失う羽目になったからであり,決して喜んでいいことではないのでしょうが……。


 このワシリー寺院。内部構造は極めて複雑。どうも1つの尖塔につき1つの部屋があるっぽいことは分かるのですが,一体今自分がどこを歩いてどこに向かっているのか,正直よく分かりません。
 まあ,とにかく1つ1つの部屋を見ながら進んでいくことに致します。何度見ても上から見てくるキリストの顔にはぞっとさせられます。自分の心を見透かされているというかなんというか。「神からは逃げられない」を体現しているというか。そして,もしかしたらイコンは顔よりも目が怖いのではないかと思うようになりました。技法の名前はよく分からんのですが,追いかける手法を使ってるっぽいですね(イスタンブールのコーラ修道院で得た知識)。
 よく分からないままに階段で2階にのぼっていったりさせられるので,軽くパニックです。これ,昔から1つ1つの尖塔で独立した教会になってたのかなあ。どういう参拝のしかたをしていたのか,カトリック的キリスト教に汚染されたNPにはさっぱりわかりません。ただ一つ言えるのは,とにかく中はもの凄く厳かな雰囲気であり,かつ,これだけの歴史をもってこれだけ多くの参拝者・観光客のいる建物であるにもかかわらず,たいへん綺麗であったということです。いやぁ,凄い。来てよかった。
 あと,2F中央部の聖堂で,おじさん達の賛美歌が始まりました。定時に行われる観光向けのサービスなのか,宗教的な意味があるのか何なのか,ちょっとよく分かりません。なんかCDでもわかりやすく売ってくれてるとよかったんですが。
 あと,現役の教会じゃないからなのか,熱心にお参りしている人はおられませんでした。キリスト教的に,観光地のキリスト像やイコンって宗教的な意味はどれくらい持ってるのかな?踏み絵があったくらいだから「単なる絵」とは異なるんだろうけれど。








展示 20世紀初頭のモデル イワン4世。Ivan the Terribleとの名誉ある?称号つき

The Sing

St.Yasily
The Church of the Intercession of the Holy Virgin
廊下
手が込みすぎていて
コメントのしようがない
The Church of the Three Patriarchs of Constantinople
カザンのイコン 通路
The Church of the Holy Trinity なぜか英訳がない(そして,疲れてきて写真がぶれぶれ)
このあたりは青が基調 The Church of St. Varlaam of Khutyn。"Khutyn"が読めない。どうもノヴゴロドの地名っぽいです。
The Church of St. Gregory of Armenia
The Church of Cyprian and Justina

 ワシリー寺院見学を終え,まだまだ外は明るいです。

 改めてカザン聖堂に入ってみました。蝋燭を立ててお参りするのはやはりここも同じ。ロシア正教のお参りのスタイルが分かってきて満足であります。

 まだホテルに戻るには早いです。てことで,かの有名な百貨店,グムに寄ってみます。かの有名なグムであります。かの有名な,とか書きつつ,当然NPはそんな百貨店知りませんでした。ソ連が崩壊したのって小学校のころなんだよなー。ソ連時代をよく知らんのであります。
 内部は横に3本道が通っていて,それが天井吹き抜け。3階構造です。明るくて雰囲気がいいです。まあ,吹き抜けている分無駄なスペースも多いわけなんだけど。
 そんなわけで,中はたいそう盛り上がっているように見えたんですが,よく見ると飲食店以外にそんなに客はいないな。まあ,日本のデパートも似たようなもんかな。
 1階中央の噴水前のアイスクリームを,みんなでこぞって買っております。アイスは既にコーンの中にアイスが入ったものが並べられていて,店員はトングでそれをとって渡すだけ。なので客さばきが早いです。1個60Rb。
 この手のアイスはおなかに影響するのか不安でしたが,迷いつつ購入(考えてみたら過去にアイスであたったことが無いけれど,これは幸運なだけなのかそれともアイスって全世界的にきちんとした水を使っているのかな。噂に違わぬ濃厚さ。これはおいしい。でも,むっちゃ太りそう。なお,結果的にロシアではあたってません。


グム入口。ここにもイコンが 新婚さん 内部はこんな感じ 真ん中の吹き抜け
噴水 飛行機 自転車の展示方法が面白い アイス

 てことで,ホテルに戻ります。
 モスクワといえば豪勢な地下鉄が有名,というわけでちょっと写真をば。まだ周囲を気にしながらなので慌てて撮っており,写真がブレブレであります。


案内図兼SOS
 
ニワトリを抱えたおじさん
どういう意味のあるものなのかは分からず

こっちは犬
軍犬ってことでいいのかな?
みんなが触るので鼻面が
綺麗になっております

 まだ時間が早いので,ホテルから見えていたデパートに寄ってみることにしました。ASTという名前のようです。中はきれいなモールで,いろんな店が入っていました。1階奥にスーパーマーケット。ここにスーパーがあることが分かったのはよかった。スーパーは特に面白いことはないですが,アイス,チーズ,ワインのコーナーが広いのは国民性かな?ここでパンとヨーグルト飲料を買い,適当に買い,50Rb出したら値段がビンゴでお釣りは来ませんでした。レジはアメリカと同じ方式ですが,この国でもマイバッグを推進している様子です。世界的傾向なのか。

 このスーパーに行く途中の道路にはたくさんの蜂蜜屋が出ており,蜂蜜にたくさんのハエが群がっておりました。なんでここに蜂蜜屋が集まってるんでしょう?

外観 館内案内 こんな感じ はちみつ

 この日も昨日とは別のデリで夕食を購入。181Rb。魚かと思ったら,ナスの上に挽肉やチーズを乗せて焼いたものでした。それにしても,昔はナスが嫌いだったのに,いまでは普通に食べられるようになりました。人間,変わるもんですな。

ホテルコンプレックス案内 1980年のオリンピックの名残が VEGA 今日の夕食。なすと挽肉を詰めたよく分からない料理
スーパーで買ったパン
俗に言うピロシキってことでいいのでしょうか
やはりヨーグルト ホテルのエレベーター
閉めるボタンがない

 てことで,この日はこれでオシマイ。明日はいよいよ競馬です。なお,ホテルでは音楽番組(PV流し続けるやつね)をひたすら見てました。

その3その5

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