後閑AS制覇記念上州城めぐりその7
吾妻峡


 てことで,宝篋印塔を発見できずに吾妻峡に到着。吾妻峡も,いったいどこに車をとめるのが正解ルートなのかよく分からず,若干彷徨いました。なんというか,観光地として中途半端な印象は否めません。
 まあ,そこまで有名な渓谷でもないし,ここを整備したところで町にお金がおちるわけでもないことからしても,あまりここにお金をかけていられない,ってのが正直なところなんでしょうね。

 また,自分の問題を言うと,「吾妻峡」を「あがつまきょう」と読むことを知ったのは現地に到達してからというのがダメすぎです。いや,だってパッと見たら「あづま」だと思うでしょ。

 それはさておき,駐車場は複数あったんですが,とりあえず適当に駐車してみたところ,結果的にはそれなりに正解な駐車場にとめたんではないかと思います。
 さて,そんなわけで散策開始。この渓谷のポイントは「片側歩行」だということ。つまり,行きは渓谷の脇(中)を歩いていけばいいんですが,帰りは同じ道を戻るか,国道沿いを歩くかの2択になってしまうということです。このあたりは,渓谷の広さやどこまで観光客のために渓谷を破壊するかという問題と絡んでくるのでなかなか難しいですね。

 それはさておき,自分が車を停めたのは滝見橋前の駐車場です。というわけで,吾妻峡の最西端からスタートすることになります。
 「滝見橋」というからには,当然見るべき滝があります。その名も白糸の滝。「白糸の滝」と名のつく滝は日本全国それこそ星の数ほどあるのだと推察します。水流が細く流れているものを「白糸」とするのは,日本全国どこでもみられる現象なんでしょうか?
 この白糸の滝は2段になっており(注:地図上は「3段」とあるので,どれかを見落としています),個人的には上段の一直線っぷりがあまり見られない滝の姿のような気がします。尤も,滝については完全に無知なので,「じゃあどういう姿だったらよく見られる滝の姿なのか」と問われても答えられません。

 しかし。それよりなにより,今のこの滝見橋から見られる景色として注目すべきは,やはり現在建設中のダムの姿でしょう。下流方向を見ると,ダムが建設中なのが分かります。おそらく吾妻峡に思い入れのある方にしてみれば,見たくもない,自然景観を破壊する光景なのだろうと思いますが,部外者的には「自然と人工の融合(融合というよりは併存というべきか)」という姿になんともいえない独創性を覚えて見入ってしまうのでした。この手の渓谷における「自然と人工の融合」というと,どうしても上流方向に見られるような(主として赤い)橋の姿や,場合によってはお堂なんかが崖に建ってる姿なんかがとても絵になりますよね。それに比べて,このダムの有無を言わさない景観の破壊っぷりに興奮を覚えるのです。部外者かつ一見さんだからこその無責任な感想なのは分かってます。はい。

滝見橋へ 解説 旧欄干 上流方向
車用の橋ですね
白糸の滝 下流方向
建設中のダムの姿が
なんともいえない

 さて,いよいよ渓谷探索コースに入ります。看板によると,この遊歩道は昔の街道をそのまま利用している,とのことでした。なかなかにアップダウンのある道で,場所によっては石を伝って水を越えたりする道です。かつて,こっちの方向に向かうにあたって大八車的なものは使わなかったんでしょうか??馬に荷物を載せてたのかな。あるいは,ほかにも道があったのかもな。


これはゆるキャラ?

旧街道を利用してるとのこと
 
こんな道をすすむ

 さて,そんなわけで歩いて行きます。手元にあるのはスマホ上の簡単な案内図のみ。もしかしたら道の駅辺りで地図をもらえたのかもしれませんが,とりえあえず手元にはありません。で,少し歩くとそれっぽい場所があって,「おお,これが栃洞の滝か。案外近いな。これなら全部歩いても大して時間かからないな」などと舐めたことを思っていたのですが……実はこれは栃洞の滝でもなんでもなかったのでした。同様に,小蓬莱についても勘違いをおこしております。

栃洞の滝と間違った場所
でも,それなりに趣のある場所だと思います
その向かい
小蓬莱と間違った場所

 さて,それから歩くこと数分。衝撃的な案内が登場。そう,その案内には「栃洞の滝」とあったのです!いやはや,世の中そんなに甘くないですね。てことで,吾妻峡を歩くのにはそこそこ時間がかかるであろうことを覚悟したのでした。

!! 栃洞の滝 さらに進む

 その後,千人窟なる矢印がありましたが,それっぽい洞窟?はあれど,解説が無いので「千人」の根拠もよく分からず。
 そして,見晴台(本物の小蓬莱)を経由して,さらに先に進みます。地図上,対岸にいろいろな岩を見ることはできるようですが,こっち側はこの小蓬莱でおしまいです。あとはひたすら歩くのみ。

 う〜ん,もうちょっと川がよく見えるのかと思ってたんだけれど,わりと奥まった場所を歩くことになるので,ちょっと残念な感じだな……。でもまあ,時折現れる,川に向かって流れる水(滝の定義ってなんだっけ)は見ていてきれいですし,雰囲気自体は悪くありません。まあ,歩いて苦痛にならない天気だ,ってのも大きいな。あとはこれでもうちょっと川が見えたら100点なんだけど……もともと街道を利用してるので,観光目的ってよりも「安全に歩ける場所」に道を通してるんだろうな。

吾妻川を見下ろす 千人窟。確かに洞窟の入口っぽいものは見えますが… 進む 見晴台(小蓬莱)へ 見晴台
割と新しい
見晴台からの景色
吾妻峡を見下ろす
正面に対岸の大岩 上の方には行けません 案内板
駅名が変わったために
「川原湯温泉駅」の部分だけ新しい
割と進んでからこんな看板が
これは渓谷の入口にないと
いけないのではないかと…

やはり川が遠い
もうちょっとひらけてると
いいんですが
さらに進む 面白そうな場所 この辺りの流れ

 てことで,さらに5分弱進んで,終点到着。写真撮影時間を見ると,滝見橋から終点まで45分程度かかったようです。途中ぐだぐだ写真撮りながら進んだことを思えば,まあこんなもんですね。
 終点付近は開けておりますので,渓谷の眺めを堪能できます。
 ただ,若干歩き疲れていたのと,先を急ぎたかったこともあり,あまりここに長居せず,先にすすみました。その結果,せっかく地図上に案内の出ていた「般若岩」をすっ飛ばすという大失態。一体なにやってんだか……。そういえば,丸木屋旅館の部屋の名前はおそらくこの吾妻渓谷の名所の名前からつけられていたのだと思います。


鹿飛橋

 さて,そんなわけで,渓谷内の道を抜けたので,あとは国道沿いを歩いて滝見橋の駐車場まで戻ります。
 いかんせん国道沿いを歩くわけですから,車には注意しないといけないし,景色もたいしたことないんだろうな…などと舐めてかかっておりました。が,実はそこそこ吾妻川を見下ろせるスポットもあったり,それよりなによりダムの建設予定地を(遠くから)見られたりと,それなりに見所がありました。どうも,このあたりに日本一短い電車のトンネルもあったようですが,訪問時点ではそんなものがあるとは知らなかったので,これは見ずに終了


牧水の句碑
  
紅葉台。青々とした木に遮られて見晴らしもいまいちな上にもちろん紅葉も無し

大蓬莱

自分がいる側の上を見上げる
断面図を見る限り,
かなり上まで水がたまるんだろうな

 この断面図を見る限り,自分がいる地点は水深でいったら下から40%程度っぽいな。どれだけ水がたまるんだ……。あまりに想像つかないぞ。

 てことで,吾妻峡散策終了。最後のダム案内を見られたのは個人的にはよかったです。なんというか,ダムの巨大さがよく分かる。正確に言うと,ダムがどれだけ巨大なのかイメージがつかず,よく分からないことがよく分かった,というべきかも。とにかく,スケールが半端ないことが分かりました。
 吾妻峡の鹿飛橋あたりはダムで沈まないようですが,それにしたって,こんなダムが差し迫っていて,どこからどう水を流すのか分からないけれど,おそらく自然景観は大きく変わるんだろうと思います。ちょっとどうなるのか気になるな……。また来てみたいと思う次第。

 てことで,このあとはいったん駅に寄ってから,岩櫃城を目指します。


八ッ場ダム岩櫃城

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