Cardiff城登城記~前半・Castle Apartment

① 外壁

 Caerphilly城から、Cardiffに戻ってきました。午後はCardiff城です。バスでCardiffに戻り、そのまま城へ直行。先ほどのCaerphilly城とは異なり、街中に城壁がででん!とそびえる城です。

カーディフ城が見えてきました 南東の塔まわりの城壁
南側の城壁 南の正門まわり 南門

 カーディフ城はCADWの管轄下になく、それゆえパンフレットなどもゲットできなかったんですが(こっちはCaerphillyと異なり確実にゲットしていない)、英文のWikipediaは詳細で、これを見ていれば一通りのことは分かった気になれます。いや、そもそも英語が分からん、という前提問題はあるんだけど。また、Googleで検索したところ、Cardiffcastle.comの中のTimelineへの直リンクがありました。ただ、トップページからはここに到達できなかったので、もしかしたらCardiff側では閉鎖したつもりになってるページかもしれませんし、そうなるといつ消されてもおかしくないな。

 とりあえず、現地でゲットしたパンフレットや、私が持っているその他の参考資料。
 Chepstowのときに参考にした2つのサイトも参照します。
・ Ancient and medieval architecture
 → https://medievalheritage.eu/en/main-page/heritage/wales/cardiff-castle/
・ Castles of Wales
 → http://www.castlewales.com/cardiff.html

 なかなか日本語でCardiff城について解説したものがないので困ってしまうんですが、千葉工業大学の古賀毅さんのホームページ、愛知工業大学の吉賀憲夫さんのホームページが読み応えがあります。特に、古賀先生の考察は納得できる部分が多いですね。Walesという国のナショナリズムは、あらためて考えると色々と難しいですし、パッと旅行した日本人に何が分かるのか、という感じですが。


 さあ、それでは南門から入城です。
 先ほどのCaerphilly城のように、見るからに跳ね橋だな、という構造ではないのですが(そもそも堀も無ければ橋も無い)、門の上部に跳ね橋を引き上げる鎖の引き込み用の穴があり、やはりこの城にもなんらかのギミックがあったことがうかがえます。また、上部の写真は撮ってないのですが(自分がいかに当時無知だったかが分かる)、落とし格子があってもおかしくないようなスペースがあいているのがわかりますね。
 なお、ここの入口には日本語の「ようこそ」(「う」の点が欠けてるけど)の文字が。しかも、中国語よりも上にあります。イギリスでの日本の存在感の薄さには度々危機感を覚えてきましたが、こうして上の方に日本語を見るとちょっと嬉しくなりますね。


② Firing Line Museum

 さて、城に入るわけですが、言われるがままにツアーに申し込んでしまいました。私はNoと言えない日本人なのです。
 そして、ツアーの時間まで、地下のFiring Line Museumで時間を潰します。Firing Line Museumというのは、イギリスの女王の近衛兵の中でも第1女王近衛兵(”1st The Queen's Dragoon Guards”の訳がよく分からない。なお、私はDragoonではなくDragonだと思ってました。Dragoonには竜騎兵という意味があるのですね。かっこいい。)と、Royal Welshのコレクションを展示する博物館です。てっきり、消防隊の博物館だと思ってたら、全然違いました。まあ、城に展示するんだから兵隊の展示になりますよね。

パンフレット 地下へ せっかく用語説明してもらったのに
ボケた写真しか撮らなかった
アホは私です
武器
Horse and Foot
Horseという単語にすぐに反応するアホは私です
馬がいました Waterloo(ワーテルローという
単語が出てこず)の戦いで
戦死したCharles Stanley氏の
手紙についての解説
木の十字架
無名戦士のお墓の上に掲げられているとのことです
第1次世界大戦の戦死者の多さとその慰霊の重要性は
イギリスにいると強く感じます
第一次世界大戦 Red coatとGoatの理由について
服の色をそろえる必要性の説明はあるけれど、赤い理由は書かれてません
羊は、アメリカ独立戦争のバンカーヒルの戦いでイギリス軍(ウェールズ軍)の勝利に貢献したとのこと
旗について Roman Wall

③ ツアー・Castle Apartment

 どこで待ち合わせたのかちょっと記憶にありませんが、とりあえずツアーに参加します。
 ツアーは基本的にCastle Apartment内を見て回るものになりますが、そこに行くまでにいくつか写真をば。
 非常に印象的なClock Tower、日本だと鐘櫓や太鼓櫓的な感じですかね。これを建築したのがWilliam Burgesという有名人のようで、英語Wikipediaはもちろんのこと日本語のWikipediaもあります。日本語のWikipediaは英語Wikipediaのパクりっぽいけど。かの有名な辰野金吾さんも、イギリス留学中にこのBurgessさんに師事したとのことであります。
 また、こちらのブログも綺麗な写真としっかりとした説明で素晴らしい。

中央部・Keep方向を見る 南門 Clock Tower方向と城壁回廊 ClockTower解説
回廊 クリスマスツリー 改めてKeep方向 Castle Apartment

 そんなわけで、ツアースタート。私のメモによると
- ローマが1から5c
- それからしばらく謎
- ノルマンがきてそこから歴史判明
- 最後は1766から1947のスコットランド人。ビュート家
とのことです。

 カーディフ城は日本語のWikipediaがないため(城オタがんばれ←他人任せ)、素人がさらっと復習しながら旅行記を書くのは大変です。とりあえず、先ほどのWilliam BurgesさんのWikipediaを見ていたら、ビュート家とPartnershipを結んでいて、Cardiff城やCastell Cochの建築に携わることになったようです。

Clock Tower

 続いて、Clock Towerについての解説。私のメモによると、
- 天井部は季節
- 窓は月曜から土曜
- 日曜は頂点
- 暖炉のカプリコーンは冬の動物
とのこと。

 自分がきちんと記録を取ってないせいで、もはや写真から推測するしかないのですが、↓がClock Tower内部(Winter Smoking Room)だと思われます。この部屋についてはこのサイトが詳しい(何のドクターか知らないけど、人間PhDという言葉に弱いのです)。

天井部とアーチ
暖炉 部屋の隅

Children Room(Nursery)

 続いて、チルドレンルーム。こんな豪華な部屋に育ったガキはろくな大人にならないぞ、と貧乏人はひがむのですが、実際にはおそらく立派な英才教育を受け、Noblesse obligeを体現する素晴らしい大人に成長していくのでしょう。
 当時のメモによると、
- 壁はシンデレラ、アリババ、ヘンゼルトグレーテル、ロビン・フッドなどなど
とだけ残されております。
 公式ページはこちら
 → https://www.cardiffcastle.com/rooms/nursery/
 この部屋についても、先ほどのVictorian Webの記事がありました。
 → https://victorianweb.org/art/architecture/burges/10nursery.html

壁の装飾
暖炉 隅っこの衝立 解説を聞きます 木馬
立派な馬好きになりますように
子供に限らずみんな大好き
クリスマスツリー

The Banqueting hall

 続いて、The Banqueting hall。宴会場です。

 当時のメモによると、
- ゲストのためのテーブル
- 暖炉の上の馬上の人はロバート
- 今もここはバンケットルームとして使われていて、去年はキャメロンがオバマをここで接待した
とのことです。

 印象的なのは天井の木組み。そして、天使が紋章の盾を持っております。

こちらは、公式をとりあえず。部屋の貸し出しをしているようですね。キャメロンとオバマで無くとも、この部屋を使えるのです。
→ https://www.cardiffcastle.com/rooms/banqueting-hall/


解説
暗さもあってピント合わず
Y TŷでThe Houseなのは
文字効率いいですね
広々としたホールです 天井部
木組みが独特で美しい
暖炉
これがRobertさんらしいのだが
どこのどなたなんでしょうか
手前と奥

Lord Bute's Bed Room

 そして、ビュート卿のベッドルーム。しかし、メモによると……
- 実際は小さいのでドレッシングルーム
- 暖炉の上はセントジョン
とのことです。

 メモはこれしかありませんが、ベッドルームというだけあって?横にバスルームもついております。
 この部屋も天井部が非常に印象的。地震のある日本でこんな部屋にしたら、大地震で上から割れたガラスが落ちてきて大けがしそうですが、ウェールズならいいのです。時代的に、特にランプ等を使って、夜にどのくらいの明るさを確保できていたのかな?
 ベッドは小さいですが、当時通い婚で1人しか横にならないのだとしても、せっかくお金持ちなんだからダブルベッドの上でゴロゴロしたくならないのでしょうか。こういう発想が貧乏人なのかな。

公式
→ https://www.cardiffcastle.com/rooms/lord-butes-bedroom/
あらためてThe Victorians Web
→ https://victorianweb.org/art/architecture/burges/10bedroom.html

暖炉とSt John ベッドと部屋の様子
天井部 窓のまわり バスタブとバスルーム

The Roof Garden

 屋上庭園です。Caerphilly城でも書きましたが、日本の城だと「屋上」というものになかなか出会わないので、非常に新鮮です。
 そして、日照時間の少ないここWalesにおいて、日光というのはやっぱりいいですね。まあ、日光浴びたかったら建物から出ろ、っていう話でしょうが。日本だったら二の丸辺りに庭園つくることが多いですしね。

 例によって当日の私のメモ
- かつては噴水と花壇
- 文字はヘブライ語
- 階段トップは狐が日を見上げている

公式
→ https://www.cardiffcastle.com/rooms/roof-garden/
Victorian Webの記事
→ https://victorianweb.org/art/architecture/burges/10roof.html

屋上庭園の様子。真ん中が噴水、四角の箱が花壇だったのだろうと思われます ヘブライ語
現在の屋上は
ガラスで封鎖されています
きつね 螺旋階段の天井部は興味深い

Dining Room

 公式ではあえてSmallがついて、Small Dining Roomという表現になってますね。ここも天井が金ぴかで綺麗ですが、写真だと明るさと私の写真の腕の限界があってどうしようもない。

ここにも私のメモが残っております。
- バンケットが行われていないときはここで食事
- テーブルの穴はポットから育てたマスカットを上に咲かせてとってたべるため

公式
→ https://www.cardiffcastle.com/rooms/small-dining-room/


Drawing Room

 Drawing roomはなぜか公式にないですね。なんでだろう。

私の目もはポートレートに関するものだけです。
- 右founded father of modern Cardiff
- 左son
- 暖炉上5th

 ビュート侯爵については、日本語のWikipediaがあります。これは助かる。
 実際の絵を見ると、左の絵の方が年寄りですし、いかにも年上っぽいんですが、Mayor 1890-91とあるので、やっぱり右が年上ですね。右がJohn Crichton-Stuart, 2nd Marquess of Bute、左がJohn Crichton-Stuart, 3rd Marquess of Buteです。暖炉の上にいるのが5代目とのことなので、おそらくJohn Crichton-Stuart, 5th Marquess of Buteであります。

クリスマスツリー 右が2代目左が3代目 5代目 解説

 ここで私のメモが途絶えます。
 とすると、私が力尽きたのか、ツアーがここで終わって流れ解散になったのか、もはや記憶は残っておりません。

Library

 とりあえず。続いては図書室です。ヨーロッパではこのように綺麗な図書室をたくさん見てきましたが(日本のお寺の経蔵なんかはあまり一般開放されてないですよね。武士の御殿なんかだと図書室があるイメージあまりないな)、積読癖のある人間としては、こういうどう考えても人生で読み切れないであろう本を取りそろえているおっさんをみるとちょっと嬉しくなります。ただ、私の家はこんなに広くないので、積読された本は本当に奥の方に積まれて日の目を見ないわけですが……。

公式
→ https://www.cardiffcastle.com/rooms/library/
Victorian Webの記事
→ https://victorianweb.org/art/architecture/burges/10library.html


解説。城が「白」になってるのはご愛敬
ただ、こういう変換ミスが起きるってことは、
誰かが口述筆記でもしたんでしょうか
英語版 Library内部

明かりを入れて
読書できますが
書物には日が
当たりにくい構造
天井部 暖炉と上の装飾

Entrance Hall

 いまさらエントランスか、という感じですが、エントランスホールです。日本の御殿でも、通常は脇から入って表玄関は途中に出てくるので、まあそんなもんですね。
 しかし、もちろん当時の記憶はぶっ飛んでますし、あとから写真を見ても特に記憶が喚起されないのでありました。公式もVictorian Webも特にページ割いてないしな。上でちらっと見たこちらのブログがエントランスホールの綺麗な写真を挙げておられます。いかにも写真を撮りたくなりそうなステンドグラスを撮ってないのは何故なのだろうか。


Arab Room

 Cardiff城の豪華さの象徴(成金趣味、悪趣味の象徴)とされているのが、このArab Roomです。
 金ぴかな天井部や高そうな石を使った壁など、素人にも分かりやすいリッチさであります。この天井は、ムカルナスという建築様式であるとのことです。
公式
→ https://www.cardiffcastle.com/rooms/arab-room/
Victorian Web
→ https://victorianweb.org/art/architecture/burges/10.html

解説 Arab Roomへの道 部屋の様子 窓やら装飾やら 天井

The Octagon Staircase

 もうちょっとやる気出して写真撮れ、という感じなんですが、綺麗な螺旋階段です。繰り返し引用するこちらのブログの写真が綺麗です。


Banquet Hall・Small Dining Room + Lord Bute's Study

 なお、これに続く自分の写真を見ると、再度Banquet HallやSmall Dining Roomに行っていることが分かりました。というわけで、やっぱりさっきのところでツアーが終わって1人でぐるぐる回ってることが分かりました。
 カーディフ城案内で無く旅行記なので、その精神を貫いて、最後にまとめて写真を載せます。

行き場を無くした館内案内 Banquet Hall解説 Banquet Hall Small Dining Room解説
Small Dining Room ビュート卿の書斎

 Castle Apartmentはこれにて終了。外に出て、城に入った瞬間から気になっていたKeepへと向かいます。

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