Ffos Las競馬場訪問記
おはようございます。今日は2日ぶりの競馬です。昨日のCaerphilly城とCardiff城がどちらも見所が多かったため、かなり久々の競馬感がありますね。
今日はFfos Las競馬場。いかにもウェールズっぽいスペリングです。たとえ方がいいかは分からないのですが、北海道にいていかにもアイヌ由来の名前を見たときの感覚です。
これを見てまず思うのが、なんと読むのかということであります。当時はいちいち読み方を検索することもせず、「多分フォースラスだろう」程度の認定で生きていきました。なお、しっかりと確認したいなら競馬中継見てアナウンサーが競馬場の名前をなんと呼んでるか確認すればいいのだろうけれど、そこまでやる気力はありません。
早朝、9時台にCardiff Central駅を出て、Llanelli駅へと向かいます。このLlanelliもいかにもウェールズなスペリングですね。
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早朝のCardiff Central |
ホーム |
電車内 |
Llanelli駅から、Ffos Las競馬場へは無料バスが出ています。これは多分ホームページで確認したはず(2022年11月時点でホームページの”Get
Here”を見てみたら、一応今も無料バスが出てることは書かれてるけど、出発時間はよく分からなかった)。
私が行った当時はもうちょっと無料バスの存在を前面に出してたんだけどなあ。↓はさらに1年半前だけど、こんなツイートもしてました。
とはいえ、バース競馬場の惨事を経験している私は、イギリスのホームページなんて信用してません。というわけで、バスの出発30分前にこんな質問をしたのでした。
このツイートは(今これを見ている)日本時間で午後9時45分表記なので、イギリスでは午前10時45分。バスは(写真の時間を見る限り)おそらく11時20分発かなんかだったんじゃないかと思います。バス出発の直前に質問して、時間内に回答がくると思ってたんですかね、私は。ただ、45分後には返信をいただけており、Ffos
Las競馬場のTwitter担当者は想像以上にしっかり仕事してました。
とにもかくにも。当時の私のメモは以下の通り。
- llaneli。ここまでは順調。
- スウォンジーで折り返し逆方向になるんだな
- こういう田舎駅でもトイレに紙と便座があるのがありがたい
- 不安だったので30分前にTwitterで質問したら、発車後に返事がきた
そんなわけで、Llanelli駅のトイレを利用して、紙と便座に安心したのが分かりますね。早朝(といっても11時なのだが)にFfos Las競馬場へ向かう人は安心して下さい。
で、バスまで時間があるので、小休止。コーヒーを飲んで温まります。こんな田舎駅にキオスク的な店があいてるのがビックリです。しかもコーヒー1ポンド。儲かってるんでしょうか。
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Llanelli駅に到着 |
電車の様子 |
電車出発 |
跨線橋からの眺め |
反対側のホーム |
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料金表 |
紅茶とコーヒーは1ポンド |
お店のName Card |
お店の様子 |
窓口 |
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そして、無事バスが来ました。バスが来たことをどうやって認識したのか、正直自分の記憶は無いのですが、苦しんだ記憶も無いので、おそらくそれっぽいおじさんたちについて行ったか、ちゃんと読んでくれたかのどっちかだと思います。一応、正面の窓の隅っこに”Ffos
Las”の文字はありますね。
私はバスの世界は詳しくないのですが(何の世界なら詳しいのか、という突っ込みはしなくてよい)、バスの座席が3−2の配置でした。多分人生で初めてこれだけぎゅうぎゅうになるバスに乗った気がしますが、どれくらい珍しいのでしょうか。とりあえず、訪問から6年経過した現時点で、私のFfos
Lasの記憶の1/6くらいはこのバスの座席配置です。
なお、こんな座席配置のバスを使うくらいなのだからさぞかしたくさん客が乗るのだろう、と思ってはいけません。当時の私のメモは
- 無事乗車
- まさかの2/3バス。そもそも小さいバスを想定してたが、こんなの初めてである
- 聞いていると普通にフォースラースと読めばよいっぽい
- およそ20人くらい?
- 20分程度で到着
となっているので、乗車は20人くらいだと思われます。そして、ここで”Ffos Las”の発音を確認したことがうかがわれるので、もしかしたら呼び出しがかかったのかもしれません。
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競馬場行きのバス |
座席配置 |
ここで書いても仕方がないのだけれど、おそらく発音はフォースラースだとして、表記はどうするのがいいのか、という問題が残ります。文字だけを見て発音すると、”フォース”と呼びたくなるのだけれど、天下のJAIRSが”フォスラス”表記を使ってるんですよねえ。伸ばさないとするとフォスラスと、”フォ”にアクセント乗せなきゃいけなくなって、ちょっと違和感あるのよな。
Ffos Las競馬場の完成
どうでもいいことはここにまとめて書くことにしよう。せっかくJAIRSのサイトを引っ張ったので、あらためておさらい。
遅まきながら、チェルムズフォードシティ競馬場訪問記を書いているときに知ったんですが、ここFfos Las競馬場は、イギリスで最も最近になってオープンした競馬場です(ChelmsfordはGreat
Leighsが潰れた後に再オープンしたもの。Chelmsfordが一番新しいとする記事もあります)。これを知ってたらもうちょっと現地で感慨深く思えたのに、もったいなかった。
2009年6月18日オープンですから、日本では地方競馬場の廃止ドミノが続いていた時代です。荒尾競馬場の廃止が2011年ですからね。このころイギリスは景気よかったのだろうか。
Chelmsfordと同様に、BBCから記事を探してみることにします。Racing Postは2009年頃のニュース記事がアーカイブされてなかったので探してません。JAIRSの翻訳記事だけ残っているので2つ載せておきます。
記事の題名を見ているだけでも、なんとなくFfos Las競馬場の歴史が分かるので助かります。元々は2003年ころに、炭鉱跡地に競馬場をつくる計画が公になっており、当初は2005年オープンの予定だったものの、Councilの許可を取るのが2007年までずれこみ、最終的には2009年6月18日にオープンとなった、という流れであります。
2011年ころは、イギリスの生産頭数減少に伴い、BHAが年間開催レース数を絞ろうとしていて、競馬場側が苦しんでいたのが見えますね。それがのちにARCに競馬場を売却することに繋がるのだろうな。他方で、こんな田舎の競馬場に、いかに”Prince
of Wales”とはいえ、チャールズ皇太子が来ていたとは。もし日本で新しく競馬場をつくったとして、皇族のどなたかがいらっしゃる姿はちょっと想像できないぞ。
ちなみに、あたりまえのことを確認のために書きますが、矢野アナは当然Ffos Las競馬場を訪問済みです。
2003年7月16日:Racecourse 'ready by 2005'
2003年11月20日:Racing course wins approval
2007年7月11日:Racecourse launch at ex-mine site
2009年6月11日:Welsh racecourse debut sells out
2009年6月18日:Countdown to Ffos Las first race
2009年6月18日:Ffos Las starts at a gallop
2009年6月18日:Newest racecourse gets started
2009年6月18日:Welsh duo create Ffos Las history
2009年6月19日:Ffos Las clears first hurdle in style
2009年6月19日:“夢いっぱい”のフォスラス競馬場オープン(JAIRS)
2010年6月8日:Sun concern for Welsh racecourse Ffos Las
2010年6月17日:Ffos Las racecourse celebrates first anniversary
2011年1月27日:Ffos Las admits National ambition
2011年6月23日:Prince visits Ffos Las racecourse
2011年6月23日:Prince Charles visit boosts Ffos Las racecourse
2011年8月29日:Fixtures fears over future of Ffos Las racecourse
2011年8月30日:Council fears impact of Ffos Las racing fixture cutback
2011年11月17日:Fixtures secure future of Ffos Las racecourse
2014年10月末 矢野吉彦アナ競馬場訪問
2018年5月21日:Ffos Las horse racing course sold to increase fixture list
2018年5月21日:フォスラス競馬場、アリーナレーシング社が購買(JAIRS)
2019年10月8日:Ffos Las race named after 100-1 Cheltenham Gold Cup winner
2021年8月12日:David Probert: Welsh jockey rides five straight winners at Ffos Las
Japanese Hero 三浦皇成
もう1つ。ここFfos Las競馬場について忘れてはいけないのが、日本が誇る若手騎手、三浦皇成騎手が2009年9月12日に当地で海外初騎乗初勝利を挙げていることです(訪問した2015年当時、あるいはこれを書いている2022年時点で「日本が誇る」という冠は錆び付いてる感があるのがなんとも残念。ただ、白馬的にはインプリシットの恩があるので重要な騎手です)。BHAは2010年以降の結果しか残していないので、Racing Postに載っているレース結果。
当時のRacing Postの記事は既に消えているのですが怪しげな”Free Library”というサイトにアーカイブが残っていたのでリンクします。
もちろん、三浦騎手が海外初騎乗初勝利を挙げた地がFfos Las競馬場であることを知ったのはこれを書いている2022年のことです。さらにいうと、Ffos
Las競馬場が障害専門で無く平地と兼用であることを知ったのも三浦騎手が勝ったのを知ったときです。我ながら酷い。
2009年9月10日:Japanese star arrives in Britain.
2009年9月13日:Japan teenage idol Miura makes fairytale start.
2009年9月13日:Japan teenage idol Miura makes fairytale start; FFOS LAS.
2009年9月13日:三浦皇成騎手、海外初騎乗初勝利(ラジオNIKKEI)
2009年9月13日:三浦皇成騎手、海外初騎乗初勝利!(netkeiba)
2009年9月14日:'I've been told the food in Britain is not very good, but I enjoy my English
breakfast' My Week Kosei Miura, Japan's 19-year-old riding sensation on
his first experience of Britain, including riding a winner at Ffos Las,
mucking out for Sir Mark Prescott and meeting Lester Piggott.
どうでもいいんですが、Racing PostでMiura騎手の成績を探すと、”K Miura”がかぶった三浦賢治騎手の成績も合わせて表示されます。これはペガサスジャンプステークスという国際競争に出走した三浦賢治騎手が悪い。
さらに話が飛ぶのですが、これを書いていて久々に三浦賢治騎手の名前で検索してWikipediaを見たところ、1998年にアンギャンで騎乗して勝っているということを知りました(1998年シャラント賞の結果はこちら)。どうもこれは日本人として2人目とのことです。じゃあ1人目は誰なのか。どうせ星野騎手だろうと思ってWikipediaを見てもそんな話は載ってません。
検索している過程で、Jari.さんのバンケットのニュース記事で三浦賢治騎手の海外勝利が取り上げられているのを発見。もはや化石となりつつある生きた個人ホームページを見るとちょっと嬉しくなります。こちらのサイトには昔お世話になりました。
いかにも海外で乗ってそうな横山義行や、グランドナショナル騎乗歴のある田中剛のWikipediaを見ても出てきません。……が、念のため田中剛騎手でFrance Galopを探したところ……L’Ascensionに騎乗して1997年のPrix De l'Esteronを勝っていることが判明。Wikipediaではさらっと「また、フランスに遠征しレースに騎乗した。」とだけ書いてますが、勝ったんなら勝ったとかいてくれ〜。
さらにちょっと検索してみたら、田中剛さんが海外遠征について語っている記事を発見(念のため魚拓)。このフランス遠征について、優駿とかを見たら記事あるのかな?1997年の優駿なら今でも見られそう。いつか記事を追加するかも。
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France Galopのサイトの騎手情報検索では
”Miura”と入れるとKoseiではなくKenjiが出ます |
そんなFfos Las競馬場。メモにもあるとおり、バスは20分ほどで競馬場に到着しました。
競馬場なのであたりまえですが、非常に広々とした場所にあります。ここがかつて炭鉱だったというのはにわかには信じがたいですね。
考えてみれば、2011年に廃止された荒尾競馬場は三池炭鉱の労働者を客として当て込み、市内には万田坑という炭鉱跡地が残ります。日本では炭鉱にあった競馬場が今まさに廃止されようとしている中、イギリスでは炭鉱跡地に競馬場がオープンしたのであります。
長くなったので後半へ続く。
Cardiff城登城記後半/Ffos Las競馬場後半
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