パルブライトン〜ブライトン競馬場訪問記

 論文が書き進まず無為に夏を過ごしているわたくしですが、指導教官は楽しい夏休みを過ごしているようで、私は夏休みに入ってから指導教官とまったく連絡が取れておりませんでした。さすがバルカン人ですね。これは偏見ではなく、私のバルカン人の友人が言っていたことをそのまま書いているだけです。
 で、それでも一応夏休みが終わりに近付くと、教官から「ある程度書いたものを送ってくれ」といわれました。このタイミングで「絶望的」と言われたら私はどうすればいいのか困ってしまうのですが、とりあえず一つのデッドラインというか目標が見えたのはいいことです。その日めがけて真面目に図書館に通うこととして、そのあと、自分へのご褒美として競馬場へ行くことにしました。やっていたのはブライトン競馬。

 ブライトンというと、渡英直後にプランプトン競馬場へ行ったときの中継点がブライトンでした。Plumptonへもブライトンからバスが出ていたわけで、つまりこのブライトンという街は2つの競馬場にアクセスできるとんでもない競馬街だということになります。今となっては「ブライトン=三笘」というイメージを持っている日本人も多いかと思いますが、三笘の前は「ブライトン=競馬」であったと誤った認識を広めておきたいと思います。なお、実際は三笘の前は「ブライトン=ラグビーW杯で日本が大金星」だと思います。

 そんなわけで、ほぼ徹夜で死にそうになりながら教官にデータを送りつけ、そのまま気合いで電車に乗り込みます。
 Southampton→Brightonなんて当然直通電車があるノリだったんですが、ありませんでした。以前プランプトンから帰ったときは直通電車があった記憶なので、まあ時間帯の問題なのでしょう。

 ブライトン駅で競馬場行きのバスを待ちます。プランプトンへのバスは裏から出てましたが、ブライトンへのバスは表(普通のバス停)から出ているようですね。なお、2025年現在、ブライトン競馬場のホームページによると、”Please note, we no longer operate a courtesy bus on racedays.”とのことなので、残念ながら無料バスはありません。路線バス2番か22番で来て下さい、とのことです。要するに、Google Mapで調べればいいということでしょうな。
 2025年の話はさておき、2016年時点で、きちんとイギリスの「それっぽい方々」を見つける眼力はあった自分を褒めてあげたいです。

9月7日〜8日のストライキ予告 The Bridges駅で乗換
ブライトン駅 それっぽい皆様 バスがやってきた

 私のメモによると、バスは12時発予定だったところ、11時55分に到着。そして、きっちり1レースの2時間前、12時に出発したようです。
 また、残された写真とメモを見る限り、どうもバスに乗る時点でレースカードを購入してます。3ポンド。そして、そのあまりの薄さに「ウインザーを思い出す薄さ」というメモを書いてテンションが下がっております。例によって、arcの運営。arc運営はなんか好きになれません。イギリス人らしい心の余裕が感じられないことが多い。
 ただ、レープロに、日本に見られるような馬のマンガ的な表現手法での馬券の買い方ガイドがついている点は評価が高いです。

バス車内で
RaceCardを見ている
表紙 Welcome 場内地図 日本的なマンガ


 バスは10分ほどで到着。
 着いた先は……霧の中でした。なんというか、イギリス!っていう天気ですね。霧の都といえばロンドンですが、霧の田舎町はたくさんあるのであります。それにしても、田舎町のこんなところに車磨きの人がいるとは。靴磨きとかなら分かるけれど、競馬で勝って気持ちよく車を洗って貰う、って感じの需要があるんですかね?

 入場料は16ポンド。3000円弱ですね。arcにこんなに払いたくないというのが本音ではあります。

バスが到着 入口へ歩きます 車の洗浄屋さんがいました お金持ちの入口 入口 入場券

 とりあえず入場して、まっすぐコース方向へ。最近はコース脇に行くのは最後の最後なことが多いのでこれは珍しい。単に入場口から真っ直ぐ進んだ場所がコースだっただけだろうけど。
 そして……霧が凄い。本当にこんなところでレースができるのか。ナムラホームズが泣いて喜ぶぞ。というか、ナムラホームズネタって何年生まれの人にまで通じるのだ。

スタンド方向を横目に、コース脇へ コース脇からコースを見る。霧が凄い!

 ↑の「1/2」が1/2ハロン(100m)なのか50mなのかは分かりませんが(距離感覚ゼロ)、とにかく「1/2」のハロン棒からゴールが見えませんね。というわけで、ゴールに近付いていきます。
 オーバルコースじゃないので、ゴールから先が見えないと怖いですね。その先に崖があったら大惨事です。
 また、距離感覚が皆無な自分にも、コースが狭いことはさすがに分かります。まあ40頭立てグランドナショナルをやるわけじゃないから問題ないでしょう。

スタンド ゴールに向かっていきます ゴールポスト 直線を振り返る

 では、ここでスタンドに入ります。まだまだレースまで時間があるので、場内探索タイムであります。
 スタンド内は、例によってがらんとしていてテーブルが並んでいるだけ。いくつかバーがあいております。
 BETFREDのコーナーにレーシングポストがあったので見に行きます。見たいのはコース図。分かってはいたけれど、かなり特徴的ですね。

スタンド内へ 1階の様子
Racing Post 特徴的なコース図 この日のスクラッチ

 写真が残っていないため、この日私が何を食べたのかは謎なのですが、2枚だけ店の写真が残されておりました。


 続いて、スタンド裏へ。まだ人も少ないですね。

場内案内図 スタンド裏 スタンド裏をぐるりと
1783年から! 歴代の(最近の)Brighton Mile Challenge Trophy Handicap勝ち馬 パドック側からスタンド裏を ブライトン大学が
なんかやってるようです

 そして、パドック。
 場内案内図のとおり、ブライトンはPre Parade Ringが奥(厩舎区画側)にあって、一般人は立ち入れません。Parade ringだけが見られる仕様です。

パドックへ 表彰台 検量室方向
検量室に寄ったあたりからぐるりと

 続いて、コース脇を歩きます。毎度毎度、自分一人で歩き回ってるので完全に不審者であります。
 霧も晴れてきて、霧から靄に変わっていっている感じです。あらためて見てみると、1/2のポストはやはり残り1/2ハロン、100mじゃないかと思います。それにしても、凄い坂ですね。

 日本にいて、コース形状だけ見ていると「なぜこんなかたちなのだろう」と思ったりもしてしまうわけですが、ここブライトンやグッドウッドに関しては、現地に行くと、コースは山の尾根を整地してつくったものであることがよく分かります。そのため、コースの内側は窪地になっており、そこには住宅街が広がっているわけでありますな。

スタンド 1/2のポスト そこからゴール方向 進んでいきます
1ハロンポスト そこからゴール方向 さらに進みます 振り返る
ゲート車が動き出しました あらためてコーナー方向を 振り返る コースから離れたあたりから
もう少し進みます ズームでコーナーを ここらへんで折り返します
コースの内側は住宅街です 振り返ります ズームにすると
坂が際立ちますね
もう少しコースよりで振り返ります あらためてズーム コースから離れてスタンド方向
柵の中に手を伸ばして撮影 ズーム コーナー方向
ぐるりと

 今度はゴールの先を覗きに行きます。スタンド前まで戻ってきました。
 ゴールを過ぎると、もうちょっと上り坂になっており、その先は行き止まりであることが分かりますね。最後までなかなかの坂であります。

スタンド前から、ゴールの先を見る アップで 横切れるようになっているのも分かります スタンド前から直線 コーナーをズームで

 いやあ、グッドウッドほどの景色ではないとはいえ、ここも尾根を使った素晴らしい競馬場であることが分かります。ブライトンという景勝地であることと合わせると、もうちょっと有名になってもいい競馬場な気がしますが、なにがいかんのでしょうか。

 ちなみに、BrightonのWikipediaを見ると、WW2期には2万人の来場があり、コースの両側にスタンドがあったようです。反対側にスタンドがあったとなると、景観的には邪魔ですが、雰囲気的にはなかなか盛り上がりの感じが出ていたんではなかろうかと思います。
 また、Wikipediaによると、そして、1960年代にはダービートライアルもおこなわれ、ダービー馬は出なかったもののセントレジャー勝馬を輩出してたとのこと。このあたり、レース名とか勝馬名とかをはっきり出してくれないから困ります。
 そして、1998年にはNorthern Racing(現Arena Racing)が81%を取得と。ARC系の競馬場はいまいちなところが多いので私個人としてはテンションが下がりますが、そうもいってられないことでしょう。

 そんなこんなしていると、レースのお時間となりました。
 結論から書くと、「まさかこんな馬を見ていたとは!」「実はここでも会っていた!」というような馬の存在は確認できなかった(見落としてる可能性は否定しない)ので、とりあえず撮った写真をそのままHDDの奥底に葬らないためだけのページとなります。

 で、行き場を失った「スタンドからの眺め写真」をここにダラダラと載せておきます。

パノラマ
スタンド前方からぐるり
スタンド情報からぐるり
長距離レースのスタート地点を探る図 ゴール後、行き止まりになる馬場の様子
奥に海が見えます。これぞブライトン
もうちょっと天気がいいとよかったかな
ブックメーカーなど

 続く。

ウインブライトン〜ブライトン競馬観戦記


旅行記TOP / 旅打ち