マツノリクジ

 全国津々浦々,日本の平和を守るために展開されているのが自衛隊。難しいことを語る気はありません。憲法がどうのこうのはどうのこうのやりたい人がやればいいことであります。こちとら一般人は,ただそこにおられる自衛隊の隊員の皆様の日々の活動に感謝するのみであります。
 そんな自衛隊。松山には陸自の駐屯地があり,毎年創立記念祭が開かれます。松山競輪場が記念競輪を開催するのと同じですね。聞くところによると,陸上自衛隊の富士火力演習などは事前に申し込みをしないといけないレベルの大人気イベントになっているようです。じゃあ松山はどうなのか。混雑具合の予想がつきません。まさか前日から並ぶ奴はいないだろうけれど,どれだけ早起きしないといかんのか。早起きが苦手な人間としてはギリギリの選択を迫られることになるのでした。
 開場が9時,記念式典が10時スタート,というタイムスケジュールで,どうするか迷った結果,8時50分松山市駅発のバスに乗って陸自前に向かうことにしました。写真の時間を確認すると,バスは若干遅れて(当然道は混んでいる)9時40分ころ着(9時22分予定)。ここから歩いて陸自に入ります。手荷物検査も無事パスして,会場に着きました。
 会場はというと,最前列は埋まってますが,皆さん上品に座っておられるので,2列目に立っていれば特段問題なく見物できました。


創立記念祭はこちら 隊員募集中 向かいます 到着時の混雑具合 剛健
難波は関係が無い
内部案内

 さて。10時になると式典が始まります。皆様入場です。
 隊員の皆様が入場され,また前方には第14音楽隊。善通寺所属とのことで,隊長は松山市出身の女性のようです。さらに,私の当日メモには「中部方面特化隊」という7文字熟語が残されております。中部方面特化隊の皆様が式典に参加されていたのかもしれません。こちとら陸自の(陸自に限らんが)皆様の組織関係はさっぱり理解していないニワカですので,部隊名を言われてもさっぱり分からんのでありました。
 こちとら日本の小学校を出てますから,こういう整列を見ると小学校の朝礼を思い出して,なんとなく懐かしさを覚えるのであります。
 どこからどういう人が整列するのか,まったく事前知識の無い中で眺めているのですが,前の方から偉そうなひとが入ってきます。偉そう,というのはもちろん態度が偉そうなのでは無く,前から入ってきたんだから偉いんだろうとこちらが一方的に考えただけのことです。前から入ってきた部隊旗と,後ろから入ってきた部隊旗と,どういう違いがあるのだろうか。多分,小隊が後ろから入ってきていて,正体をまとめる中隊?が前から来てるんだろうな。ちょっと調べれば分かる気もするけれど,おそらく多少は勉強が進んでいるであろう10年後の自分に向けて無知のスルーパスを出しておこう。


 さて,続いてジープが入ってきます。おお,ついに親分の登場!
 アナウンスによると,これが部隊長のようです。ふむふむ。これは偉い人だ。偉い人だけあって,ジープから降りてくる部隊長のために,踏み台を持ってくる役割の人もいます。なるほどな。これは興味深い。
 この踏台係の方,部隊長を殺ろうと思ったら簡単に殺れるはずなので,実は結構名誉ある職務なんだろうな,と素人的に見てました。実際はどうなんでしょうか。

踏台を持って待機 部隊長を乗せたジープ ドアを開けます 部隊長下車 ぴっちりと前傾 戻ります
ジープも去って行きます 踏台はここに置く 部隊長に敬礼 部隊長はこっちを向く 隊旗をしまう

 これで全員揃ったので式が始まるのか,と思ったらそうではありません。
 続いて,観閲官(これを見てるときは何者なのかまったく分かってない)が黒塗りの車でやってきました。なるほど,もっと偉い人に見てもらうために部隊が集まっている,という構図なんだな。あまりに分かってないのが恥ずかしいんですが,分からないなりに流れが見えてくると非常に楽しいのであります。

偉い人を待ちます 車到着 下車します 退場 車も退場 壇上にのぼります

 さて,無事観閲官が壇上に上がりました。偉い人が到着したので,いよいよはじまりはじまり……かと思ったら,そうは問屋が卸しません。もっと偉いものがやってきます。
 そう,国旗です。自衛隊は国民のために存在する以上,国民の象徴たる国旗こそが一番上です。たしかにこれまでこの場に国旗がなかった。
 というわけで,ジープに乗って国旗登場。当然,踏台もつきます。
 そして,日の丸ときたら,君が代です。

国旗到着 国旗下車 国旗移動 ジープ退場
国旗が壇上へ 君が代 国旗下壇

 続いて。観閲官がジープに乗って隊をまわります。壇上から観閲するだけで無く,しっかりと一周するんですな。並んでいる隊員の皆様は気が抜けません。
 そして,皆様からありがたいお言葉です。「今日は晴れてよかった」とか「反則するな」とか,そういう簡単な台詞では済まないので,祝辞を述べる側も聞く側も大変であります。
 祝辞を述べられたのは地元の塩崎衆議院議員と知事の代理で来られた副知事,そして多分東温市長。来賓紹介を受けたのは,山本修三議員・村上誠一郎議員の代理,愛南町長,松山市長等の代理。中村知事はこないんだな。自衛隊票って割と馬鹿にならないイメージだったのに。
 ちなみに,自分のメモには「観閲官がカミカミだった」という記録が残されております。観閲官も緊張するのです。

乗り込みます 乗りました 出発! 整列

 さて,続いては,松山にて学んでいる学生による自衛隊体操披露。そもそも,陸自松山が何のためにあるのかを理解していなかったのですが,まあそれはそれ。
 どうも,第110教育大隊(110の意味とか「教育大隊」がなんなのかとかは全く分かっていない)が松山にいるらしく,所属の皆様がご家族も来られている中,さすがに毎日いかにしごかれているかを見せるわけにもいかず,比較的マイルドかつ統制が取れていてわかりやすく,人によって差もつきにくい体操を披露する,ということなのだろうと思われます。私(NP)のようなメタボおじさんからすると,体操といっても馬鹿にならない運動なのですが……。
 ご家族に見せる意味もあるので,途中90度回れ左して,後者方向を向きます。お気楽観覧者的にも,こっち側を向いてくれると嬉しくなります。

走って到着 整列 体操披露
集合 走って退場です 統制が取れていて,ザ・軍隊という感じ 校舎内にはご家族が来られているようです 110!

 続いて,音楽隊による演奏です。3曲。国民の象徴〜パプリカ〜アイデア。パプリカは米津玄師,アイデアは星野源です。老害NPは最近の曲は分からんです。もちろん,クラシックも分からないので,「3曲とも知らない」という地獄でした。不勉強だとこういうときに困ります。

入場 実演 指揮 退場

 そんなわけで。皆様お待ちかね。模擬演習であります。
 まずは様々な車両が配置につきます。知識がなさ過ぎて何がなんなのか,さっぱり分かりません。か〜っくいい〜と眺めるのみであります。
 当たり前なんですが,この布陣をいかに早く的確におこなうかというのはそれこそいざとなったら生死にかかわる問題なわけで,校長先生が「みなさんが静かになるまでに●分かかりました」とかいうのとは訳が違います。私はこうして呑気に「凄いなあ」と眺めておりますが,自衛官の皆様はいつ北朝鮮からなにかが降ってくるかも分からないわけで,本当に大変だよな。
 それはそれとして,やってきた車両が変形していく姿は,大昔に目にしたロボットアニメを見るようで,男の子としては興奮してしまうのであります。
 あと,幼稚園のときに秋の文化祭的ななにかのために,クラスで戦車を作ったことを唐突に思い出しました。あれ,思い返せばよく作ったな。どういう構造になってたか完全に忘れたけど。


目の前にやってきた 素早くスタンバイ
スタンバイOK 奥では2台が準備中です
←この時点の混雑度はこれくらい

 そんなわけで,いよいよ皆様お待ちかねの演習です。
 この時点で,客入りはまずまず。4列くらいの客並びでしょうか。自分は前から2列目で,前の方は基本的に座るか中腰でおられたので特別ストレスを感じずに見ることができました。

 さて,演習は当然大きな音を伴います。なので,音がする場所では赤旗をあげて警告することになります。と同時に,どこを見ればよいのか,赤旗を見れば分かります。「自衛隊と赤旗」という文字面だけ見たら不倶戴天の敵という取り合わせであります。
 で。現地に行って感じたのは,音よりも衝撃のすごさです。音はまあ覚悟していたのですが,ここまで風圧がくるとは思ってませんでした。これは行って感じられてよかった。画面越しには伝わってこない。と同時に,爆弾落とされた場合の風圧とかって凄いんだろうな,と感じることになりました。いやあ,やはり現地で見るというのは重要だ。
 あと,演習の特性上,やっぱり火と音と煙が出る方が,電気?でピピピピピッっていう武器よりも興奮しますね。


 そんなわけで,無事何事も無く演習終了であります。
 演習中に北朝鮮からなにか飛んできたりしたら大惨事になってたわけで,とにかく平和でよかった。



創立記念祭模擬演習装備品等展示レンジャーショー葉佐池古墳へ



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