ラオノタクハツ
ルアンパバーンといえば,托鉢です。これを見ずしてルアンパバーンに来たとはいえません。そして,恐ろしいことに托鉢というのは早朝におこなわれます。夜型の自分にとって,こんな苦行はありません。
托鉢というのは,寺院におられる方々にとっての修行なだけでなく,見物人である我々にとっても修行なのであります。
そんな托鉢。個人旅行ですから,何時に始まるのかを調査するところから修行が始まります。とはいえ,このご時世インターネットなるものを使えば分かってしまうので,修行も楽です。どうも,開始時間は「日の出」のようで,とりあえず12月31日の大晦日,5時に起きればいいのではないか,という結論に到達しました。なんせ,ルアンパバーンには2泊しかしないので,1日失敗すると後が無くなるのであります。
てことで,早起きしないといけないと緊張していたところ…まさかの3時過ぎに起きました。昨日は昨日で(日本時間)3時に空港のアシアナカウンターに到着しているし,いったいなにやってんだ……。例によってベッドでグダグダしつつ,出発します。コケコッコー,と鶏の鳴き声が聞こえてきます。東京にいるとなかなか鶏の鳴き声は聞かないので,新鮮でいいですな。
もちろんまだ暗いので,スマホの懐中電灯を頼りますが,ちょっと行くと朝市の準備が始まっておりますし,大通りに近づくとパラパラと観光客が動いているので,特に危ない雰囲気はありません。いいですね,この平和な観光地的雰囲気のある街。
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朝市の準備中 |
大通りに出ました。危険な雰囲気はありません |
ライトアップされている寺院 |
さて,5W1H的に考えると,WhoとWhatとWhyはいいとして,Whenが解決したので続いてはWhereです。どこで見るのが正解なのか。これはぶっちゃけネットを見ててもよく分からんのですが,とりあえずGoogle Mapを見ると,”Alms Giving Ceremony in Luang Prabang”という場所があるので,そこを目指します。
日の出前なので暑くないですし,気持ちのいい早朝散歩であります。
で,結論として,場所的にはここまでくると大量の観光客がいて,「どこでもいいから好きに見てろ」という空気が漂っております。
ということで,最後のHowなんですが,「好きに見てればよい」ということになるのでありました。
主に団体さん(見たところ中国系が多そうですが,日本人もちらほら)がまず椅子に座っており,個人客が店の人に声をかけられて空いた場所に座っていく,というような感じですね。托鉢が始まる前は,皆さん浮かれ気分で記念撮影とかしております。まあ,観光地ってそんなものよね。
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町の中心部?に出ました |
暗くて読めないんですが
おそらく車両通行止め
的ななにかではないかと |
椅子が並びます |
観光客に喜捨品を売るお店 |
徐々に人が増える |
お寺の前には人がわんさか |
そして,気付いたら托鉢が始まっております。皆さん,どこからやってきたのか,ぶっちゃけよく分かりませんでした。
托鉢はどうもお坊さんが所属する寺院単位で並んで進んでいるようです。競輪で言うところの「ワット○○ライン」みたいな感じですね。まあ,別に追い抜かないし番手だからどうとかも無いんだけどさ。
そんなわけで,皆さんモチ米を入れていきます。観光客の皆さんも,ペース配分には苦労されているようですが,だんだんとお上手になっていっています。
そして……皆さん結構堂々と写真撮影してます。これには驚き。なんというか,事前知識というか,一般的にお坊さんを目にした人間の振るまいとして,いかに観光地といえどどこまで図々しく写真撮っていいのかな,とおっかなびっくりになるものです。お坊さんより上に立っちゃいけないとか,お坊さんの前に出ちゃいけないとかいろいろ注意はあったはずですが,なんかもう自由です。怖いものなし。ワット○○ラインの外に,カメラマン・ツーリストラインができて併歩しています。なんというか……地獄絵図です。仏教の僧侶の世界が地獄絵図と化す,というのは現世の悲しさですな。まあ,偏見を隠さずに書くと,このあたりは流石周囲を気にしない中国人観光客と,仏教に興味の無い欧米系観光客が多いだけのことはあるな,という感じです。
というわけで,私は,というと,なんとなくカメラマン・ツーリストラインに入るのも恥ずかしいので,まずはその外から様子をうかがい,とはいえ結局はカメラマン・ツーリストラインに入ってワット○○ラインの外併歩。偉そうなこと言っておいて,結局これですよ。これだったら偉そうなこと言うな,という話ですな。
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寺院の前に並ぶ皆様 |
気付いたら托鉢が始まってた |
一斉に人が群がる |
僧侶ラインの外に
観光客ラインができます |
自分も観光客ラインに入ります |
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物売りの皆様は
まだ待機しております |
どんどんやってきます |
終わったあとはこんな状態 |
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んで。そんな観光ショーと敬虔な仏教行事との間を行ったり来たりする托鉢,余ったモチ米は援助が必要な人向けに使われている,など,ラオスの仏教と市民の関わり方・観光と生活の関わり方,というのは大変に興味深いものがあります。
そして,だんだん空も明るくなってきて,観光客も一通り施しをして写真を撮り終えると,みんな飽きてきます。当初の「頑張って施しをしなければ」「頑張って写真撮らねば」という雰囲気が無くなり,明らかに場の雰囲気が緩んでおります。こんな雰囲気の中歩く後発ラインはなかなか大変なのではないか,と思ったり。
そして,大通りの托鉢が終わったようなのでメコン川方面に歩きます。裏通り(Kounxoau Road)では,まだ托鉢が終わっていないようなので,ここでもう少し様子を見ることにします。裏に出ると,観光客ではなく地元の方が喜捨されております。さっきまで「観光客ばかりの托鉢」を偉そうに馬鹿にしてたくせに,こういう雰囲気になると急にびびって「果たしてこれを写真撮影していいのか」などと悩みだす自分の人間の小ささよ。まあ,それでも結局撮るわけですが(ほかにも撮ってる人いたし←結局自分1人ではダメな奴)。
地元の方は,もちろん椅子を持参する人もいますが,地べたに座る方もおられます。また,女性は座っているんですが,男性は立っている人もおります。このあたり,ちょっとルールが分からん部分があります。
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裏道はまだ街灯が少ないので
普通に撮ると暗い |
僧侶がやってきました |
観光客が取り囲む |
一通り終わって落ち着きます |
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あまったもち米等は
ここに入れます |
残されたお米 |
裏通りから寺院が見えたので
撮ってみました |
仏像もライトアップされてます |
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それも終わると,外も明るくなります。メコン川沿いの道を散歩して,宿に戻ることにします。
ついでに,ボートトリップの乗り場を確認。これでこのあとの行動もバッチリです。
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早朝,朝靄がかかるメコン川 |
ボートトリップ乗り場発見 |
道案内
中国語が載っております
噂通り,中国が強いですね |
昨日は暗くて気付かなかった
ゲストハウスの案内 |
ゲストハウス前の小道 |
入口 |
建物 |
というわけで,態勢を整えます。
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