みかん破れて山河(ウタカ)あり

 国破れて山河あり、で有名な杜甫さん。ぶっちゃけ、中国史に興味がなさ過ぎて(正確には興味はあるんだけれど勉強時間が追いつかず)、この歌がいつどこのどういう時代背景の下でつくられたのか、イメージがわきません。知識として「●●年の歌」というのだけあっても仕方がないのですよね、こういうのは。例えば、自分が好きな文章、という意味では、方丈記の「ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず〜」が上位に位置するんですが、これはやはり平安末期の京都での文章ということで、なんとなくある平家末期の京都の混乱したイメージが背景に浮かんでくるので、(自分なりの浅い)イメージがつきます。やはり、世の中勉強が大事なのでありますな。
 そんなわけで、鴨長明さんが方丈記に書き綴った場所、京都です。強引ですが、今回は京都の物語です。

 京都には知り合いがおりまして、何回か訪問させていただいております。まあ、その知り合いと知り合う前から京都競馬場目的で何回も訪れているわけですが。

 今回京都に行くことになったのは、新型コロナウィルスで止まっていたJリーグが再開し、サンガ戦を見に行っていたその友人から試合風景の写真が送られてきたことにあります。それに興味を示したところ、7月19日に京都にて愛媛戦がおこなわれることが判明しました。
 アウェイ観戦はまだ禁止なので愛媛の応援はできませんが、京都といえば元浦和の森脇と李がいるため、応援のしがいがあります。
 というわけで、サンガ戦を観戦するために京都に乗り込んだのでありました。ちなみに、この流れは完全に仕組まれたもので、サンガの写真を送りつけたらお馬鹿NPは食いついて京都に来るだろう、という目論見のもと写真を送ったようです。……単純な人間はこれだから困りますね。
 ちなみに。時期的に東京を出るのに躊躇しまくってたんですが、ここはもう、お言葉に甘えることにしました。結論的に、明示的には何事もおこらず、行ってよかったです。

1 今井食堂・サバ煮弁当

 さてさて。新幹線で京都に到着。まずはお昼ご飯です。
 上賀茂神社近くのサバ煮で有名な今井食堂へ。サバといえば内陸地京都を代表する魚。鯖街道で新鮮なサバが運ばれてきていたのだと思います。ちなみに、Wikipediaで鯖街道を見てみると、2020年12月時点で、「主に魚介類を京都へ運搬するための物流ルートであったが、その中でも特に鯖が多かったことから、近年[いつ?]になって鯖街道と呼ばれるようになった」となっていて、いつからどのように鯖街道といわれるようになったのか分かっていないようです。しかも、呼び名も「近年」ついたということで、名付け親が誰なのか気になりますな。

 なお、コロナ禍の影響で弁当持ち帰り専用でした。これは仕方ないですね。


 そんなわけで、上賀茂神社で弁当を食べることにします。

2 上賀茂神社

 新型コロナウィルスで色々と暗い世相ではありますが、ならの小川まわりでは家族連れが楽しく過ごされております。外ならば換気も十分で、お子さんも楽しそうですね。本来ならば府中の内馬場でこういう光景を見られればよかったんでしょうが。

ならの小川について 密集避けるべし 楽しむ家族連れ さば煮弁当!

 上賀茂神社と言えば、みんな大好き競べ馬。以前行った菊間賀茂神社のお供馬も、この上賀茂神社由来の神事でありました。
 その競馬絵神事がおこなわれるのが、この上賀茂神社のターフであります。木(ご神木?)がゴール地点とのこと。てか、思ってたよりもコースが短いぞ。藤森神社の方がコースが長い印象。場が広々しているせいかもしれませんが。
 また、この日は神山号は神馬舎におらず、どこかに放牧に出ているようでした。

コース 行き止まり ゴールの木 神馬舎 神山号は放牧 育成金募集中

 てことで、食事も済ませたので参拝します。
 上賀茂神社が賀茂別雷神社なのは知っていましたが、これまで「かもべつらいじんじゃ」と読んでました。「かもわけいかづちじんじゃ」と読むのですね。確かにATOKさんでも変換できました。御祭神はそのまんま、賀茂別雷大神です。誰やねん。Wikipedia情報によると、記紀神話には出てこないらしいですね。
 なんか公式の御由緒を見ても天武天皇期に賀茂神宮が造営され、桓武天皇期に山城国一宮になったとあり、そこから急に明治時代に歴史が飛びます。公式では、神話・社史ページの方が色々書かれていて楽しいですね。でも、なんか不都合な部分を隠してそうな空気は出ています。「京都最古の神社」の話も出ておりますが、ぶっちゃけ、678年創建って割と新しい、というか、もっと古くから存在していたかのように主張してる神社ってありますよね(このあと参拝する静原神社は成務天12年とのことなので、西暦142年鎮座です)。ある意味世界遺産になっている神社だけに、正直に歴史をみているのかもしれません。
 まあ、そんなことを気にしても仕方がないので、綺麗な気持ちで参拝します。



風流桜 外幣殿 鳥居
遷宮は平成32年まで
上から何か貼られているので伸びたのかな?
境内地図 世界遺産です 上賀茂神社と
謡曲「賀茂」

 境内に入ります。
 上賀茂神社といえば、賀茂別雷命が降り立つ立砂。
 (お参り後に)現場で色々とわいわい検索して調べたところ、この立砂の上には松葉がささっていて、向かって右は2本、向かって左は3本刺さっているようです。これは言われないと気付かない。

入って右手の舞台 細殿、橋殿、土屋 向かって左手 向かって右手 橋殿と土屋 橋殿の屋根
細殿 立砂 向かって左は3本。おばけのQ太郎です 向かって右の立砂には松葉は2本 清めの砂は500円
橋殿。重要文化財です 小川 土屋

 奥に進むと、右手に岩上。左手に楼門です。

紫式部歌碑 岩上 摂社の片山御子神社

 そんなわけで、参拝であります。さすが競馬の上賀茂神社だけあって、馬みくじがありますね。
 それにしても、さらっと右手にあった幣殿が重要文化財だったりして、さすが上賀茂神社という感じです。

楼門と橋 楼門 ネズミ
……だと思う
こっちはネズミ 解説 楼門越しに見る境内
重文案内 お参りします 奥には国宝が控えています 馬みくじと白馬みくじ結び 幣殿(祈祷殿)
地味にこれも重文

3 静原神社

 続いて、どういう経緯でここに行くことになったか忘れましたが(貴船神社を目指していたところ、混雑していて引き返したんだったっけ)、静原神社です。
 静原神社の背後には静原城が控えておりまして、京都を見下ろす位置にある拠点の1つだったのだろうと思います。静原城は三好長慶がつくったお城で、その後に明智光秀が改修していて、重要な拠点だったようなので、まあ北から京都を押さえる役割があったっぽいですね。その頃の鞍馬寺や貴船神社まわりの武力がどの程度のものか、にもよるところですが。

 そんなわけで、京都らしからぬ空気感の神社でしたが(このあたりを京都扱いするかどうかも人によって異なるのでしょうが)、自分1人じゃ絶対に来られない場所なので、こういうところに参拝できてなによりでありました。



一の鳥居 二ノ鳥居 どうも平成24年から
鳥居の建替話が
ストップしてるのでは……
御由緒
上にも書いたけれど
成務天12年というのは
さすがに……
舞台 参拝 案内板も相応にボロい

4 愛媛FC@京都サンガ

 さてさて。いよいよ本日のメインイベント。京都サンガが愛媛FCを迎え撃ちます。
 繰り返しますが、アウェイ側の応援は禁止ですので、私はあくまで森脇と李を応援しにいったのであります……が。森脇は怪我で離脱。李はなんか知らないけれどベンチ外。どっちもいないじゃないか!!一体自分は何をしに来たというのか!

  というわけで、とりあえず大河ドラマのブースがあるので立ち寄ってみましたが、特に面白そうでもなかったので入口で撤退。


 そして、サンガスタジアム1番の写真スポット。スポンサー企業一覧です。
 見よ!これがこの年無敗の三冠馬を出す厩舎だ!


 さて、さすが三冠厩舎が支援しているだけのことはあり、サンガスタジアムは凄いです。素晴らしいとしかいいようがない。もうちょっと傾斜が急でもいいかな、と思ったりもしますが、おそらく様々な基準があるのでこれが限界一杯なのでしょう。なんというか、サッカー専用スタジアムって本当にいいですよね。本当に、手を伸ばせばピッチです。凄い凄い。素晴らしい。

 とりあえずぐるっと1周してみました(アウェイ禁止のコロナ体制だからこそできることだな)。トイレの入ってます表示なんかが典型ですが、利用者に優しい、まさに令和のスタジアムです。無駄が無いのはさすが京セラのサッカー専用スタジアム。いやあ、いいですね。まだ新しいですし。


アルコール完備 ピッチ!! 観客席 コーナー部分 ゴール裏1階最後部 前の方に来るとこんな具合
コーナー部からメインとバックを コーナーを移動して改めて前と後ろ コロナ禍で店がほとんど
出ていないこともあり、
スタンド内は非常に質素
トイレ 大きい方は
ドアが開いていると
このマークが見えます
ボールパーソンの皆様 関係者席は関係者以外立ち入り禁止 蜘蛛の巣はってました
蜘蛛はどこから
入ってきたのだろう
メインからバックを Flags なんか出てきた メインからゴール裏を
スタンド裏手
売店はここに出てました
クライミング施設が入っていて、衆人環視状態です
どうも「日本初!スポーツクライミングの
国際基準を満たした屋内型クライミングジム」
ということのようです
戻ってきました キーパー練習が
始まっております
岡本さん! 審判団!

 そんなわけで、選手紹介。京都に3年間在籍していた有田光希への温かい拍手が印象的でした。まだまだこの頃は京都も余裕を見せられる状態だったのです。あーりたありたこおーき。あと、池田樹雷人のキラキラネームっぷりが友人にウケていたことを記録に残しておきたいと思います。
 そして、京都側はなんかよく分からない全選手が出てくる演出からスタート。こちらにサポーターの方が撮った動画がありました(アビスパ戦のもの)。よく分からない、とか言ったら失礼ですね。とにかく、なんとか李の姿を撮ることに成功しました(つまり、森脇を撮ることに失敗している。動画見るとトップが森脇だから仕方がない)。ちなみに、このサポーターの方は愛媛戦の日の動画もあげているようですね。

TEAM 京都 愛媛の面々 審判団 18時33分キックオフ 散水開始
李には間に合った スローガン的なもの エンブレム 監督

 で、選手入場です。コロナ禍ですので、声は出せません。皆さんタオマフやゲーフラを掲げてお出迎えです。私は当然何も持ってないので、拍手で出迎えます。

ゲーフラを掲げます 選手入場 整列
一旦散ります 結果的にこの日唯一の浦和OBとなった、茂木力也 円陣 大志の方の西岡

 そんなわけでキックオフ。ピッチが近い素晴らしいスタジアムで、コロナ禍の影響で声出し応援禁止です。太鼓も禁止です。なので、拍手もチャントとしての拍手で無く、純粋にプレーに対する拍手のみです。
 というわけで、選手の声が通りまくります。なんというか、観戦環境としては抜群です。
 自分は小学校高学年以降はきちんとサッカーをやっていないので、選手がどういう場面でどのように声を出すのか、よく分かっておりませんが、これ、興味ある人からしたら本当に素晴らしい観戦環境なんじゃあるまいか。おおっぴらには言えないだろうけれど、このまま声出しチャント無しでいいと思ってる人も実はそこそこな数いるだろうな。

前半 フリーキック 給水タイム ピッチが近い 岡本 茂木
大輝の方の西岡がセンタリングをはじき返すシーン

 前半戦は塩試合。0−0で折り返します。近くにいたこともあり、岡本の声が非常に通っていてよかったです。友人からも岡本の声の通りっぷりが絶賛されておりました。
 他方で京都はウタカ頼みのクソサッカー。昨年1年間興梠頼みの糞サッカーをやってきた浦和サポなら言っても怒られないと信じます。ただ、ウタカ怖すぎです。ボール持たれたら何かが起こりそうな恐怖しかありません。

 ハーフタイムにはマスコットが登場して場内を歩いていました。専スタなので、マスコットも近いです。
 雄の方がパーサくん、雌の方がコトノちゃんという名前のようです。パーサはパープルサンガの略、コトノは古都からきている名前のようで、京都パープルサンガの一部を名前に残す、貴重なキャラクターになっているようですね。
 ちなみに、直近のJリーグマスコット総選挙の結果を見ると、なんと出ているのは古参のパーサくんでなく、コトノちゃんの方でありました(意識してなかった)。順位は2019年が36位、2020年が40位と、京都の成績のごとくなんとも振るわない中途半端なものになっております。なお、我らがニートや、愛媛の伊予柑太の順位は聞いてはいけません。
 この2羽(鳥だから単位は「羽」でいいのだろうか)、関係性は「お友達」であると必要以上に強調されている気がするので、姉妹・夫婦設定で無いことや、男女関係が無いことをきちんとしておきたいのだろうと思われます。


 そんなわけで、後半戦に入ります。今度は愛媛がこっちに攻めてくる番です。
 すると。51分。待望の初ゴール。忽那が目の前で決めてくれました。忽那はこれがJリーグ初ゴールになります。おめでとう!!

さあ後半 写真だけ見ると若原が駄々こねてる子供みたい 後半開始 愛媛先制!

 ところが。59分。ウタカに決められます。やっぱりウタカは凄いです。化け物です。ううむ。
 さらにその直後の61分。またもウタカにやられました。せっかく跳ね返したボールが運悪くウタカへ。ズドンと逆転。これぞストライカー。ボールが行くところにいるのがさすがです。

ゴール 帰ってくる皆様 リプレイに注目 ウタカ 1-1の同点 そして逆転ゴール!
またウタカ 2-1 入場者は2721人 愛媛側の交代の表示をミスってましたが
すぐに訂正されています
センタリングが逸れていく フリーキック対応
長沼のパスからの有田のヘディングはキーバーがセーブ(ポストにあたったのかも)
キーパーのセンタリング対応
躍動するヨルディ・バイス
森谷のコーナー

 そんなわけで、京都というよりもウタカにやられて愛媛は1-2の逆転負け。流れを一気にたぐり寄せて、一気に2点決めてしまうという、本当にウタカって凄いですな。
 この日のハイライトはYouTubeにあがっており、Jリーグ公式愛媛FC。多分どっちも映像元は一緒なので、消えるときは両方同時に消えるでしょうが。

最後のメンバー 試合終了 握手 愛媛の皆様お疲れ様でした
アウェイサポはいないので
挨拶はありません
帰りの電車とバスの案内です 鳥が出てきました 選手たちはショートカット
選手がコーナーあたりをショートカットする中、パーサくんはきちんと挨拶して回ります
ただ、頑張ったのはお前じゃ無いのに何でそんな勝ち誇ってるんだ、と悪態もつきたくなる愛媛茂木応援者なのでありました
盛り上がるゴール裏
京セラ賞は宮吉 ウタカもMOMか何かを
ゲットしてますね
賞金を見せびらかしてます 密を避けるために
退場順が決まってます
宮吉とウタカが場内一周
2人が歩いてきます 通訳さんと何を話しておられるのかな? 最後に改めてスタジアムを 外は真っ暗

 というわけでして、ちょっと予想外のかたちで参戦することになりましたが、とにかくいい場所で試合を見られたので満足です。近くで森脇を見られたらもっとよかったのだけど。
 ここまで誘っていただいた友人には本当に感謝であります。


 お疲れ様でした。また明日。


翌日の比叡山へ

旅行記TOPテーマ別旅行記