平地神明社おまんと

7.平地神明社へ

 んで。東光寺を出て、平地神明社へ向かうことにします。
 このあたり、先ほどもそうでしたがなかなか味のある店が多く、良くも悪くも名古屋からはちょっと離れた街並みです。
 だらだら歩いていると、閉店セールをおこなっていた笹屋呉服店さん。まあ今の時代、呉服店は厳しいですよねえ。ただ、それよりも店頭でしょぼくれていたゴリラが気になりました。どういう経緯で呉服店にゴリラがやってきたのだろうか。
 そこからもう少し進んで、半田市立亀崎図書館。この図書館前の坂にも名前がついていて、「岡田はんの坂」とあります。「岡田はん」とは岡田が名字ではんが名前の人名なのでしょうか。それとも、人の敬称の「さん」の関西弁バージョンである「はん」なのでしょうか。「岡田はんの坂」で検索してもなにも出てきません。
 そのあとは、シャッター街となります。まあ、これは時代の流れと言うよりも世代の変わり目でこうなった感じも強そうですね。

店じまいとなって精根尽きた感のあるゴリラ 岡田はんの坂
洋裁店 役場近くの商店街 役場坂古きを想い右左 信金だけ元気です

 踏切を越えて、さらに歩きます。だらだら歩きすぎて、若干行き過ぎたりもしましたが、無事到着。

第2師崎街道踏切
Yaotsune。検索したら、2011年頃に閉店したようです

 そんなわけで、平地神明社。Google Mapを見ているだけだとどこが参道なのか分かりませんが、結論として、南側が表参道でした。場所を読み違えて、北側からぐるっとまわっていく羽目になりました。

祭礼案内 奉納金は7万円とのこと 地域向けお知らせ お祭りの雰囲気が 鳥居 御由緒

 お祭りの時間割を見ていただければ分かるとおり、お祭り自体は8時30分から式典が始まり、行列が9時30分スタート。そこから飾り馬などとともに町内をぐるっとまわり、猿田彦神社で折り返して平地神明社へ。お待ちかねの馬駆けは11時30分スタートとなっております。

 で、私は9時30分過ぎに平地神明社に到達したのですが、この時間帯の神社はまさに地元の方々による地元の方々のためのお祭り感満載で、ちょっとスーツ姿の部外者がカメラを片手に何か出来るような空気感ではありませんでした。まあ空気を読まずにそれをやってもいいんでしょうけど、お子さんも多そうなのでお父さんお母さんにあらぬ心配をかけそうでもあり(さすがにこれは自意識過剰か)、飾り馬行列はスルーすることにしました。

8.猿田彦神社&一休で一休み

 てなわけで、お祭りの進行を待つことなく、行列に先駆けて猿田彦神社へ。
 歴史と伝統ある平地神明社の行列が折り返すんだから、さぞかし歴史と風格ある神社なのだろうと想っていたら、猿田彦神社は思いのほか小さいスペースにあり、しかも中央に鎮座するお社以外はコンクリでした。これは想定外。

猿田彦神社 桜が咲きます お社 御由緒

 んで、余った時間をどうしようかと思ったら、近くにスーパーがあったので寄ってみました。にぎわい市場マルス半田乙川店であります。
 普通の安売りスーパーという感じで、鞄の容量と体力に余裕があったらなにか面白いものを買っていったんですが、特に余裕がなかったので冷房にあたるだけでおしまい。何も買わないのも申し訳ないのでペットボトルのお茶だけ買っていきました。


 そのあと、ちょっと歩いたところに喫茶店があったので入ります。その名も一休。一休みするのにぴったりな名前です。
 郊外型の大きめな敷地を利用した綺麗な喫茶店でした。新聞も無料で読ませてくれたので、ここで桜花賞の予想と馬券購入。
 ちなみに、ホットコーヒーを頼んだら、モーニングにするか聞かれました。この日は既に朝にデニーズのモーニングを食べてきたのでコーヒーのみにしましたが、ここがモーニング文化の国であることを実感しました。
 また、横に座っていたおっさん3人組が常滑競艇トークを繰り広げておりました。素晴らしい喫茶店です。

一休 コーヒー 店内

9.平地神明社馬駆け祭り(おまんと)

 時間が来たので、平地神明社に戻ります。写真の時間を見ると、到着は11時25分。
 地元の方しかおられないのは先ほどと変わりませんが、それでも人が増えてきました。人が増えれば、不審者の不信度合いも薄まるというものです。

戻ってきました。人が増えてます 馬が繋がれておりました

 境内を奥に進むと、そこには円形の馬場が作られておりました。
 人が増えてはいたものの、なんとか柵に沿った最前列をゲット。あとは始まりを待つのみです。

皆さん準備万端

 そして、1頭目の神馬が入ってきました。芦毛くんです。馬の名前と協賛者名も放送されていました。写真のタイムスタンプを見ると、11時30分きっかりに始まっています。
 馬が円形の馬場の中を走って行くと、そこに若い衆(おじさんもいます)が素手で飛びついていく、というもの。相馬野馬追の3日目におこなわれる野馬懸も馬に素手で飛びつくお祭りでしたが、あちらが裸馬に飛びつくのに対して、こちらは背中に鈴をつけ、顔には頭絡とハミがつけられた状態。そのため、頭絡をつかむことが出来れば、一応は馬を捕まえることができる、という算段であります。
 1頭の馬はおおよそ5〜10周程度。馬によってサイズも違えば品種も違うし、やる気も違う。馬によっては入ってくるなり猛スピードでグルグル回りますし、ポニーのような体高の低い馬だと人間が走る馬に飛びつくというよりは、人間が馬を引っ張って走らせているような感じです。やる気の無い馬はグルグル回ることはせずに出口から帰ろうとしたりも。やる気の無い馬やなかなか走らない馬に対しては、かつてはあんなことやこんなことをしたりもしていたのかもしれませんが、今は色々な団体が目を光らせておりますので、基本的には若い衆が頭絡をつかんで引っ張る程度です。
 また、馬に捕まった人は長くて1周、もちろん馬の勢いによっては捕まるのに失敗することもありますし、ちょっと危ない感じになることもあります。それは祭りの性質上やむなし。周囲の柵の頑丈度は分かりませんが、とりあえず柵の内側に手を出したりしない限りでは、観客側に危険はありませんでした(土が飛んでくるくらいはあるけど)。

 そして。一番印象に残ったのが、馬の背に乗せられた鈴の音です。この音がなんかとても心地よい。これがあることで、本来的には野蛮なはずのこのおまんとが、まさに神事としての優美なものに変わっているように思いました。

 私は、写真を撮ったり動画を撮ったりして遊んでました(動画その1その2その3その4その5その6)。大人しく見てろと言われそうですな。

1頭目。実はこれはかなり元気な部類だということがあとで判明しました 疲れて止まり、戻っていきました

 午前の部は、おおよそ1時間程度で終了でありました。

あらためて拝殿を見る 馬の上の鈴 誰が実況しているのだろうと反対側の神楽殿?を撮った図 この太鼓がならされると、最終周回となります

 午後の部もおそらく出走馬は変わらないと思われます。というわけで、午前の部を一通り見たので、満足して、これで帰ることにしました。
 最後に、神社にお参り。お祭りなのに、着いたら馬駆けモードになってたから参拝が最後になってしまった。いかんいかん。
 で、御朱印(書き置き+印刷で、朱の印は無し)いただくついでに、来場者プレゼントとしてポテチをいただきました。……ただでさえ鞄1つで旅行してるのに、かさばるポテチとは。まあもちろん、ありがたくいただきました。

算額が有名らしい いただいたポテチ 昼休みはポニー乗馬体験できます 休憩中の馬

10.亀崎駅に戻る

 では、亀崎駅に戻ります。
 繰り返しになりますが、亀崎駅を見るとナヌオヤ駅を思い出します。いい雰囲気の駅ですな。

阿久比踏切。読めない…… あぶない
自分にはこの動物は
熊に見えますが、どうでしょうか
ちなみに、電車より
熊の方が危ないと思う
線路は続く
駅に近付く 駅舎 駅名板
跨線橋からの眺め 亀崎駅 電車内

 では、後半戦、新美南吉先生を追いかけに半田へ。

カメノトウコウ / ハンノコンコン


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