メキシコ旅行記その16
1月5日その5
一行は再度車に乗り込み、レストランへ向かいます。おそらく、ウシュマル遺跡見学ツアーの客はみなここに集って夕食をとるのではないでしょうか。
形式はビュッフェスタイル。さまざまな国・宗教の人がツアーに参加すると思われるので、ビュッフェスタイルがもっとも無難なのではないでしょうか。
飲み物は別料金。セルベッサ(Franciscoのおすすめはモンテホビールでした)を飲む人が多かったようです。
僕は…といいますと、まあこんなところで冒険する意味も必要もないので、大人しくコーラを頼みました。まあこっちの方が安いし。どうでもよいですが、瓶コーラをストロー使って飲むのって難しいですよね。
そうそう。Franciscoが、ウェイターさんに「トルティーヤをくれ」と注文してました。メキシコでは、トルティーヤがパンのような役割を果たしているのではないかと思われます。
また、カナダ人教師は全ての食べ物にコショウ?をかけてました。だからどうしたのか、って、別にどうもしません。
さて。食べ物をとるために並んでいると、カナダ人教師に「お前は何歳なのか」と尋ねられました。僕としても、一体何歳だと思われているのか気になっていたので、非常にありがたい質問でありました。で、「24歳」と答えると、案の定驚かれました。だいたい16〜20くらいだと思われていたようです。これはビールを頼まなかったことも影響してるのかな?
まあ、日本人が西洋人を見ても年齢はよくわからんので、逆もまたしかりなのではないでしょうか。
教育の話。
これは行きの車の中でのことですが、ガイドさんによると、今、メキシコでは、私立学校に結構税金を使っているようなのです。詳しいことは完全に推測になりますが、おそらくエリートを育てようとしているのではないか、と思います。
で、ガイド曰く「私立学校を嫌うわけではないが、税金は公立学校に使うべきである」とのこと。まあ、教育問題は難しいですね。いまだに親のすねをかじってる僕が偉そうなことを言うことはできません。
さて、「日本の教育は?」という話になって、「日本では子どもはみんな学校に行く」という話をしました。義務教育国家日本ではあたりまえです。このとき、思わぬ反応がかえってきました。「日本は政府に従順だからなんだろうね」という反応でありました。事の真偽はさておくとして、「日本人はお上に従順」という話はよく聞きます。が、さすがに、「みんな学校へ行く」という場面において、そういう話題が出てくるとは思ってませんでした。これも事の真偽はさておいて、こういう見方があるのか、と、新鮮な驚きを感じました。
さて、僕が法律を勉強している、というと、Franciscoが弁護士であることが判明。
その法律の流れで、「メキシコの離婚率はいかほどか」という話題が出てきました。日本ではちょっと考えられない話題の方向でありますが、このへん、やっぱり米国人にとって離婚は身近な問題なのか、それとも、Gordonにとって身近な問題なのか…。
「東京はどんなところか?」という質問がでました。この手の質問に答えるのは難しいです。で、答えに窮した僕は、"very crowded"である、と答えました。
そして、「生まれは大阪である」と言うと、「そこもcrowdedか?」と聞かれました。答えは「イエス」であります。
すると…"Time to invade China!"ときたもんだ。で、Gordonは"But China is crowded too!"と一人突っ込み。で、"You have to use gases!"と続くわけです。で、横のカナダ人から「日本とアメリカで世界侵略しちまえ!」みたいなちゃちゃが入るわけです。
ここで、アメリカンジョークに対して、「そういう話をするのはあまりに無神経ではないか」と怒ったり、「中国の人々に対して失礼ではないか」と説教するのは野暮でありまして、僕は、笑いながら、この話の流れにただただ感心しておりました。いや、なんといいますか、こういう風に、ぽんぽん冗談を飛ばせるようになれたら、「本当に英語力がある」という状態になるんだろうな、と思った次第であります。
NPの英語力の欠如について及び、日本文化の誤認識について、反省をこめて。
ここに入るとき、Franciscoに「メキシコはどうだ?」と聞かれました。僕は「食べ物がおいしくて安いのが素晴らしい」という趣旨のことを答えたのですが…。このとき、「安い」に該当する英語として、「cheap」を使ってしまったのですね。実際はどうなのか分かりませんが、僕の中で"cheap"という単語には「安い」以上に、「安っぽい」という意味が含まれている、という印象があります。もちろん、僕が意図したのはそう言う意味ではなく、純粋に費用対効果のすばらしさなのですが、言った瞬間やっちゃったと思いました。
その後、夕食中にもう一度メキシコの良さの話になって、その時訂正しようとしたら、僕の意図を分かって頂けていたようなので、一安心でありました。ほんと、言葉は難しいです。
で、その流れで、日本の物価の話がでました。もちろん、「日本の物価は高い」という話です。
「ステーキはいくらか」という質問が出ました。
…いや、アメリカ人と違って日本人はステーキ食べないし、まして貧乏学生はそんなもんに縁はありません…と空気の読めない答えなどできるはずもなく…また、「ピンキリである」という、これまたつまらない答えも出来ず…
"$30or40?"という意見。…「物価が高い」という会話の流れで3,40ドルですか。いやはや。でも、まあ安いステーキならそのくらいで食べられるよなぁ、とも思いつつ。やけっぱちになっていたNPは、「$100」と答えました。この瞬間、日本の物価について、誤った認識が流布された点については、日本の牛肉業界の皆様および観光業界の皆様に心から謝罪いたします。
当然100ドルなどという法外な価格には驚きの声がでます。「しかし、それは日本人はステーキを食べないからではないか?」という、冷静な意見が出ました。
「では寿司の値段はどうか?カリフォルニアロール1つの値段は?」という質問。
…いや、日本人はそんなに寿司を食べません。まして、カリフォルニアロールなんて、日本で売ってるところを探す方が難しいです
…という解説をいちいち加えるのは面倒きわまりないので「1ドル、高いところでは20〜30ドル」と答えました。僕はスーパーで売ってる寿司か、回ってる寿司にしか縁のない人間なので、「高いところ」の価格についてはなんら情報を有していないのですが、まあこの辺はてきとーに。
以上、「こうして日本は誤解されていく」というお話でありました。
まあ、こうして宴は楽しく行われていた訳なのですが…
まず、一般的にこういう場ではタブーとされている政治の話もでてきました。ちょっとびっくり。
で、もちろんついていけない会話も多いのですが、みなさん、旅されているだけあって、なかなか広い視野をお持ちのようでありました(何様だお前は、という分析ですが)。少なくとも、「おらぁ国内にしか関心無いからね」って感じの人はおられませんでした。
さて、時間も来たので、再び移動します。ごちそうさまでした。