ヴァンセンヌ競馬場探訪記

 てなわけで,いよいよヴァンセンヌ競馬場です。明日はアメリカ賞で,身動き取れない可能性もあるのでまずは前日に場内探索してしまおう,というわけです。そして,明日,この判断が正しかったことが判明します。

 さて。電車は最寄り駅のJoinville-le-Pontに到達。この駅,"Pont"は橋の意味なので,そんな橋があるんだろう,くらいに思ってたんですが,なんとWikipediaで出ました。コミューンの名前だそうです。コミューンがなにか,といいますと,これまたWikipediaによると,日本でいうところの市町村的な自治体区画みたいです。「コミューン」と聞くとパリコミューンしか出てきませんが,こういう意味があったんですな。

 駅を出ます。
 そもそもGoogleMapさんは駅の反対側に渡るように指示を出しておりますが,駅を出たところ左に進めばGoogleMapさんが指定するルートに出られそうです。
 が。ふと見ると「いかにも」な人が目の前の橋を渡っていくのが見えます。橋への階段には,特に案内はありません。それでも,まだ時間があるので,フランスのお友達のあとを追走することにしました。

 道中は,ウッドチップのきれいな道です。これは足に負担がかからないので,おじさんにはありがたいです。そして……ついに競馬場への案内発見!正解でした。

 というわけで,分かったこと。
 1 ヴァンセンヌレベルの競馬場でも,最寄り駅から案内が出ていない
 2 競馬オヤジはどこにいっても競馬オヤジ

 結論として,競馬に国境はない(扱いは似たようなもの)ということになりますな。

GoogleMapさんの指示 駅出口 外から この橋を渡っていく
いざ追走!
上に出た
振り返ると,駅 下はウッドチップ 林の中を抜けていきます ついに競馬場への案内! ウッドチップが終わった

 そんなわけで見えてきましたヴァンセンヌ競馬場。
 初めてのフランスの競馬場です。アメリカ賞に向けて特別な装飾が施されており,盛り上がってるのが分かります。
 そして,

 入場料は3ユーロ。日本よりちょっと高いくらい。イギリスの10分の1なので,痛くもかゆくもない。入場時には手荷物チェックがあります。これは常時なのか,アメリカ賞に合わせてのものなのかは不明です。
 入口の外では,"English Program"と叫びながら歩いてるおっさんがいたので,買ってみました。10ユーロ。日本円にして1200〜1500円。
 結論から言って,このEnglish Programは買う価値がなかった。そもそも,フレンチなプログラムも読むのにたいして苦労しない(情報量が少ない)上に,English Program自体も手作り感満載で貼り合わせてつくられたものでして,オフィシャルなものではなく,内容を信頼していいのかもよく分からない。そして,なにより,自分がトロットのルールを分かってない。これが分かってない以上,プログラムを英訳したところで意味がない。
 結局,このあとはふつうのプログラムしか開かず,English Programは見ることがありませんでした……。

 いわゆるきれいな「レーシングプログラム」「Race Card」みたいなものは無いようですが,1枚紙のものは発見。ゲットしました。

見えてきました!! 関係者入口 アメリカ賞!! 入場口 チケット売り場 チケット
駅の時刻表なのか
駅へのバスの時刻表なのか
入場ゲート
手荷物検査があります
English Program
そもそも印刷が読みづらい,と言う問題もある
正規のプログラム

 さてさて。内部探索を始めます。スタンドは1つで,真ん中で区切られて,入場口側には大きな吹き抜けができています。日本語が下手すぎてなにを書いてるのか分かりませんね。
 アメリカ賞の開催を控え,さぞかしグッズショップも充実してるのだろうと思いきや,そこまで盛り上がっておりませんでした。ザ・アメリカ賞というものは,スカーフと帽子と女性用のシャツだけ。仕方がないので,マフラー(特に必要としていない)や本(フラ語なので読めないし,鞄が重くなって死ぬだけ)・DVD(当然フラ語),そしてTシャツ(アメリカ賞特化ではないけど,少し馬が載ってる)などを購入。ここで買ったTシャツは今後もかなり使い回しておりまして,今も現役です。もちろん,フラ語の本やDVDはほとんど日の目を見ておりません。
 売店と言えば,忘れちゃいけません,パリトゥルフ紙。売店が出てました。勢いで買ってしまいました。もちろん,中はフラ語です。買った瞬間がピークとはまさにこのこと。未だに開いておりません。
 ちなみに,英語を話すとぶっ殺されるイメージのフランスの競馬場ですが,アメリカ賞なるレースを開催するレベルで開放的な場所なだけあって,英語を話す人はそこそこいます。パルドンを連発せずとも済みます。

入場口側コンコース。吹き抜けで,非常に明るい雰囲気。賑やかで,お祭り感が出ております
馬場側コンコース。こっちの方が天井が低く,鉄火場感が強いです。遠目に見たら,日本の競馬場みたいです。
Paris Turfの売店 買ってしまった 買ってしまった2 ルクセンブルク賞の記事 紙面はこんな感じ パリトゥルフに載ってた
ヴァンセンヌの高低図
見た目よりアップダウンが
ありますね
なんかよく分からないコーナー 売店
ここでグッズを買えた
双眼鏡レンタルだと思われる 場外が流れてた パリトゥルフに載ってた
なにかの投票結果

 馬券は簡単に買えます。みんな大好き自動券売機。
 普通の窓口もありますが,わたしゃヘタレなので券売機と仲良くしてました。窓口でも,基本的にマークシート使えばいいので言葉は要らないように思います。最後にお金を受取るときは窓口です。
 ちなみに,フランスの馬券購入は18歳からのようです。大学1年でフランス旅行すると,「俺はフランスで馬券デビューした!」と高らかに宣言できるわけですね。JRAはフランス観光協会と連携して,「フランスで競馬を覚えて日本に帰ってこよう」キャンペーンを各大学に持ちかけてください。


 そして,食事です。
 ここは食の国フランス。果たして競馬場でも高級フランス料理が出てくるのか。オサレなおフランスの皆様は,いったい何を食べているのか。
 ……これが,がっかりですよ。期待値が高かった分,イギリス以上にがっかりしたかもしれない。というか,普通に,イギリス以上にバリエーションが少ない。イギリス再デビューしたのが案外しっかりしてるドンカスターだったことを差し引いても,かなりのがっかり感でした。
 もしかしたら,アメリカ賞限定でアメリカンな食事を,という余計なお節介が働いたのかもしれませんが(メニュー表示がアメリカ賞仕様になってたので),主食がホットドッグ・チーズバーガー・サンドイッチ固定で,そこにサイドでポテトをつけるかどうか,というマクドナルドもびっくりな構成です。そして,どこの店に行っても同じメニュー。なんだこれ。お値段も,別に安くない。サンドイッチで6ユーロですから,800円見当。ボリュームあるサンドイッチとはいえ,日本ならラーメンに具がしっかり乗る値段ですから,お得感もゼロです。

 フランス的だな,と感じたのは,クレープ屋があることです。競馬場におしゃれなクレープ屋があるなんて,渋谷のコギャルもびっくりですね。
 ただ,お値段はまあそこそこします。しかし,なにせつまめるものがない競馬場なので,食べましたよ。ほんと,ここに静岡のおでん屋か佐賀競馬のなんでも焼く店かなにかを持ってきてくれないですかね。
 とはいえ。ここでいい出会いがありました。ヌテラです。Nutella。国際派の皆様はご存じかもしれませんが,ドメスティックな私は知りませんでした。メニューを見ていただければ分かるかと思いますが,クレープはSugarが3.5ユーロ,Whipped Creamが5ユーロ。そして,その中間,4.5ユーロの値段設定があるのが,このヌテラです。英訳してもヌテラ。なんだこれは。……あま〜い,チョコレートクリームでした。これ,フランスドイツマレーシアなど,局地的にむちゃくちゃ人気あるみたいですね。ここに来なかったらこれの存在を知ることはなかったでしょう(のちに,ドイツ人の家に泊まったときにこれと再会するのです)。

料金表 アメリカンサイズ 泣く泣くチキンサラダサンド購入
これで6ユーロか……
1ユーロ何円だったけ…
クレープ屋 ヌテラクレープ これが話題のnutellaです もちろん食べるのは
おじさんであります

 なお,コーヒーの自販機はあります。これはモスクワにもあったレベルだしな。但し,エスプレッソ王国ですので,エスプレッソ主体です。でもまあ,1ユーロなら十分ではなかろうか。
 また,イギリスでもおなじみ,ジェリービーンズ等を量り売りするコーナーもありました。こっちの子はこういうの好きですね。


 さて,外です。外は雨です。ううむ,明日どうなるのか,どうすべきか……。
 まあ,明日のことはあとで考えるとして,とりあえずふらつきます。雨の中外をふらふらしている馬鹿はほとんどおりません。「怪しい日本人が雨にもかかわらず外をうろついてあちこち写真を撮っている」と通報されるのではないか,若干心配になります。

 それにしても,ここはいやに日本的です。子供向けのお遊びコーナーがこぢんまりとしており,馬場の地下を道が通ってます。平気で馬場を横断させるイギリスの競馬場とは趣が全然違うんですな。
 とはいえ,内馬場は駐車場で,観戦用ではありませんでした。遠目には内馬場にもMarquee的なものもありそうですが,これは入場料払わないでパーティーする人のためかもしれません。
 また,銅像が設置されていたOurasi。日本語のWikipedia記事があるレベルの名馬です。ちなみに,松坂世代の馬ですね。ということは,ミスターシービー世代です。なお,2018年2月時点で,この馬の記事があるのはFrench,英語,日本語のほか,フィンランド語とスウェーデン語です。スパニッシュはないんですな。この馬がアメリカ遠征して走った"March of Dimes Trot"というのは,各地の名馬を集めた(参考:WikipediaHarnesslink),かなり画期的なレースだったんではないでしょうか。日本語の記事が見当たらないので諸々不安ですが。


Ourasiの銅像
日本の地方競馬や競輪場のような
隅っこにある子供向けコーナー
奥には,イギリスの競馬場のようなMarqueeがありました
が,中は机が並んでるだけで,パーティー感なし
馬場 地下道へ
奥は入場口になってるっぽい 振り返る 左右にはこんなオシャレなパネル。これはJRAちっくですな
ヴァンセンヌ150周年のパネルみたいですね
スタンドとスタンド前
屋外は階段のみで
椅子はありません
コース全体(あとで撮った)



 さて,外の探索が終了したので,次は上です。2階に上がっていくことにします。
 まずは,中央部の2階。芸能人が降りてきそうな雰囲気の階段ですが,行き着く先にはオフィスしかありませんでした。


 続いて,反対側。こっちはエスカレーターも設置されており,みなウェルカムな雰囲気です。が,上がっていくのはごくわずかな人数。はてさて。
 まずは,馬場側に向かいます。
 馬場側は,外観が全面ガラス張りなことからも分かるとおり,もちろん座席です。とりあえず,見た限りは自由席ですね。ここはもちろんフルに暖房がきいており,明日は確実に混むでしょう。日本みたいに椅子に場所取り用の荷物を置いていって安全なのか不安だし,ちょっと独り身でここに陣取るのはきついかな。

ここにのぼる のぼりました 見下ろします 進むと観戦席へ 座席の様子 正面
旗が並ぶ
(フランス国旗は脇に
一段高く大きくあります)
電光掲示板 直線に入ってきました 向正面も見えます 最後の4コーナー 最後の直線へ このあたりからだと
ゴールはちょっときつい

 1レースが終わったので,戻ります。3階へ。
 3階は広々としたコンコースに,人がまばらという状態です。レストランがありますが,扉は閉まってる?明日向けかな?と思ったら,奥に入口がありました。
 雰囲気はちょっとオシャレなレストラン,ではありますが,場所の使い方は比較的窮屈で,豪華なフレンチレストラン,という感じではありません。ぱっと見の客層も普通の家族連れ。ここでどれくらいの時間粘れるのかは分かりません。

3階へ 料金
大人と子供の2パターン
閉まってる? 奥には簡単なカフェ
ここにこういうのがあったのか!
奥からの眺め 下を見下ろす
入口 中に入るとこんな感じ 料金表
ピンぼけしてよく分からない
軽食もあるっぽい レストラン行きの
エスカレーター

 そうこうしているうちに2レーススタート。せっかくなので,見に行きます。
 2レースはPRIX DE CHATEAUBRIANT。シャトーブリアンってどこかで聞いたことあるな,と思ったら,どうも肉の名前のようです。由来は地名で,レース名もこの地名から来ていると思われます。今もお城が残っているようで,是非行ってみたいですな。
 てなわけで,このレースはハーネス競走です。外回りの2175m。今見ると,このレースに出走できなかったDIEGO MARADONが2月6日まで出走停止食らってました。制度が分からん。
 ちなみに,勝ったDioclesはデビュー-勝ち後の2勝目。今(2018年)もなお現役で,このあとG1に出たりもしているようです。イマイチG1に出ることの難しさが分からんからなんともいえんけど。

 で,見てのとおり,戻ってくる場所は関係者向けのスペースになっておりまして,表彰台や勝ち時計なども,基本的に関係者の方向を向いております。もちろん,我々庶民も一緒に祝えるように表彰台は庶民寄りのスペースに設置されておりますが,このあたり,貴族色がまだまだのこっているというべきでしょうな。

2レースだ! よーい ドン! どどどどど どどどどど 見えなくなりました コーナーをまわってきます
もしかして,内側に傾いてる??
最後の直線へ DIOCLESが先頭! 馬装を外すDiocles 表彰式の雰囲気
基本的には関係者向けの儀式という感じですね
勝ち時計

 なお,雨なこともあって,観戦したのは最もスタンドよりの場所でした。スタンド内部席の一番前に座ると,おそらく,外にいる貧民で視界が遮られます。
 そして,たまたまチャイルドコーナー的な場所を発見。狭さといい,場所といい,日本地方競馬っぽさが漂いますね。

スタンド寄りの場所 手前の黒いのは
カメラです
固定カメラ
雨風をしのげる
ようになっています
Winning Post
ヴァンセンヌのVです
人がいません 負けた馬が戻ってきた
雨で寂しい雰囲気ですね 人のいなくなった表彰台 たまたま発見した子供向けスペース
なんかこのあたりも地方競馬っぽい雰囲気

 というわけで,ひととおりヴァンセンヌ競馬場の探索は終了であります。最初に頭出ししたとおり,翌日はこんなに見てまわる時間的体力的余裕ゼロだったので,この日グルグルしたのは大正解でありました。

 全体的な印象として
・ 男性が多い(イギリス比)
・ 子連れが少ない(イギリス比)。なので,あの小さい子供用スペースで事足りるのでしょうな。
・ 飲んだくれが少ない(イギリス比)
というところでしょうか。

 というわけで,本日の後半戦へと続きます。

ヴァンセンヌ城登城記その2ヴァンセンヌ競馬観戦記



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