春の相馬2022〜その1(レース開始まで)

 相馬といえば、相馬野馬追。関東人のヒーロー、平将門に由来する祭りが、相馬野馬追です。
 この相馬野馬追、知っている人にとってはあたりまえのことが多すぎて、知らない人から見たら祭りの実態が見えてこなさすぎる。パッと検索すると、年何回もお祭りをやっている空気感があって、一体どの祭りがなんなのかがよく分からなかったのです。

 しかしながら、最近は色々と便利な世の中になりまして、調べるとどうやら、メインの祭礼は7月。ここが3日間開催。そして、それに加えて春と秋に普通の草競馬大会が開かれる、ということのようです。相馬野馬追のWikipediaにはこの春と秋の草競馬のことが書かれていないので、混乱したのでした。

 で、今回私が行ったのは、2022年のゴールデンウィークの幕開けとなる、2022年4月29日におこなわれた第77回相馬野馬追振興春季競馬大会です。77回、というのが、春だけカウントして春が77回目なのか、天皇賞方式で春と秋で各1回積み上がるのかは分かりません。この振興競馬大会は、甲冑競馬ではなく、世の中に数多ある草競馬同様、騎手が普通に勝負服を着ておこなわれる競馬大会です。お祭りといえばお祭りなのですが、神社に関連するお祭りというよりも、夏の祭礼に向けて馬を競い合わせる街のお祭り、という感じであります。
 物珍しさもなければ神社の御利益もなければ、平将門のご加護もなさそうな、この春季競馬大会にどれくらいの観客がいるのか、行くまで未知数、という感じでありました。

1 GoTo Fukushima Again

 福島には前年の福島記念でGoToして以来。GoToしたといっても、特になにか政府から値引きがあったわけじゃない、どころか、こっちは馬券で政府にお金を入れている側でした。
 そんな福島。これまで福島競馬場に行くときは基本的には白馬勢の車だったので、電車で乗り込むのは初めてでした。

 南相馬の原町でおこなわれる今回の草競馬、前日の勤務時間を最大限に確保しつつ、朝から原ノ町に乗り込むことを考えると、福島前泊からの福島→原町のバスを利用する、というルートがベストであると判断した次第です。
 なお、この時点ではなぜ電車の駅が「原ノ町」でバス停が「原町」なのかは全く理解しておりませんでした。もちろん、南相馬市が原町市+2自治体が合併してできた市である、という認識もゼロです。

 そんな福島駅。
 福島というと競馬、という頭でできあがっているので、ほかに何があるのか全く知りませんでした。駅に出ると、基本的には古関裕而氏を推している感じです。ちゃんと探せばフェスティブキング像とかもあったのでしょうけれど、とりあえず私が見た限りでは見当たらず。なお、私の古い頭では未だに福島巧者=フェスティブキングで凝り固まっているのですが、ナウなヤングは福島巧者と言ったらだれを思い浮かべるのでしょうか。
 とりあえず、明日朝に備えてバス停を確認。ロータリーまわりも色々あって面白そうでした。

大宮駅。新幹線大宮駅で乗車したのは初めてかも 福島駅到着 Welcome to FUKUSHIMA キビタン
マスクに向かって右下のマークは
唇マークなのかハートマークなのか
枠の色を想起させる
番線案内
跨線橋 福島競馬場も案内にあります 福島県沖地震の影響 駅前ポスト。桃とうさぎ
古関裕而記念館があるようです 花時計とうさぎ。このうさぎに意味があるのでしょうね バス乗り場
右の案内板、移設されたものだと思われ、
現在地の場所が間違っておりました
原町駅前は10番乗り場です

 この日の宿泊先は前回の福島遠征と同じサンルート。我らが岸田先生の本部前です。
 まさか半年で2回もここに泊まることになるとは。

サンルート 福島駅 前日見た花時計とうさぎ

2 原町街歩き

 この時点で草競馬の混雑度はまったく理解していなかったので、このバスもどれくらい混むのか、予想もできない状態。結論としては、途中に停まる病院へ行く方などの利用がメインで、福島→原ノ町という利用客はほとんど(私しか?)いなかったように思います。まあ、途中から爆睡してたんでよく分かりません。

バス車内 到着

 さて、バスが原町に着いたのは予定通りの8時14分。草競馬は、9時から開会式、レースは10時から。Google Mapを見る限り、駅から競馬場まで歩いておおよそ30分。多少寄り道をするとしても、1時間はかからない。開会式に1時間割かれているとはいえ、おそらく地元民しか楽しめない開会式で、知らない政治家がなにか喋っていたとして、それを部外者が見たところで面白くない。
 そして、体感気温は何度かは分からんのですが、ちょっと肌寒い。会場で1時間以上読書すると冷えて大惨事になりかねない。

 てことで、早朝から開いている喫茶店へと向かいます。午前8時という、とんでもない早朝から来客も多く、ちょっとびっくりです。日曜8時なんて、人間が活動する時間じゃないと思ってました。

銅像 野馬追の里案内図 朝から開いていた喫茶店いこい

 朝から喫茶店で時間を潰すという、優雅な1日のスタートとなりました。早起きは三文の徳。なにかいいことがあるはず。
 てなわけで、街歩きスタート。思ったよりも商店街がしっかりしている街でした。まあ、閉店しているお店が多いのは時代もあって仕方がない。

商店街の様子

2.1 朝日座

 観光名所、と呼んでいいのかは分かりませんが、南相馬市の劇場、朝日座というのは当地に古くからある由緒正しい映画館のようで、国登録有形文化財にも指定されているとのこと。朝日座を楽しむ会、というのがあり、こちらには朝日座の歴史についても触れられています。
 まあ、外観だけ見たからどうなのか、というとどうってことはないのだけれど、まあ歴史ある建物を見るとなんとなくテンションが上がってしまうのでありました。

朝日座が見えてきた 思ったよりも奥まった場所にありました 正面 開館日
映画とテレビ、両方に
使われたのかな?
テレビ版ロケ地マップ
正面から撮ると扉の縁が邪魔になる位置に貼られております
朝日座について

2.2 新祥寺

 野馬追通りにでて、ふと見るとお寺があったので寄ってみました。野馬追は神社の祭礼ですが、お寺にもなにかあるかもしれない。
 ……特になにもなし。ただ、当地には二十三夜塔を建てる文化があるということが分かりました。


2.3 野馬追通り

 野馬追通りを歩いて、目的地である雲雀ヶ原祭場地へと向かいます。夏の野馬追ではここを甲冑を身にまとった騎馬武者が馬に乗って闊歩するのでしょうね。ちょっと想像がつきません。

野馬追通り四つ葉商店会 四つ葉交差点
このあたりに原町木戸が
あったのだということです
商店街マップ こんな道を歩く

 そうこうしているうちに、祭場地に着きました。駐車場に入る車は歩行者がいることを想定していないでしょうから、轢かれないように気をつけねばなりません。
 自分のカメラの撮影時間を見ると、喫茶店を出たのが8時50分ころ、祭場地到着が9時40分ころです。寄り道しながら歩いていたので、到着まで50分かかりました。まあ、いい運動です。

3 雲雀ヶ原祭場地

 そんなわけで、無事到着です。「相馬野馬追祭」の幟が立っていてテンションが上がります。なにより、ここに来るまでこの日競馬大会がおこなわれるという空気感が全くなかったので(普段を知らないから車通りの多寡は分からないので)、安心感があります。

道路沿いの駐車場
関係者向けなのかな?
相馬野馬追祭の幟 相馬野馬追祭場地

 駐車場は内馬場にあるので、車は馬場を横断して中に入っていくことになります。
 この幟が立っている入口に、馬の像が。てっきり深い意味のない馬像かとおもってたら、「馬頭観音」とありました。馬頭観音は馬が頭についている観音様であって馬それ自体を馬頭観音像とするのはかなり珍しいような気がします。そして、その横には相馬野馬追の解説。

名もなき馬の像かと思ったら、馬頭観音様でした 解説

 まずは、向正面の馬場を横断します。いやあ、しっかりとした馬場です。多度あたりの草競馬を思い出しますね。う〜ん。この草競馬の雰囲気、懐かしい。
 こういう場所に行くのは久々なんですが、馬場の幅は結構狭いように思います。ここを甲冑競馬で走るのか〜。最大何頭立てなのだろうか。


 馬場内では、開会式がクライマックスを迎えておりました。
 夏の祭礼とは異なるとはいえ、安全祈願の為もあるのでしょう、神事もおこなわれていたようです。まあ、これは関係者による関係者のための行事なので、私のような部外者が嬉しそうに眺めて写真を撮るべきものでもないでしょう。


 で、内馬場から最後の直線を横断し、観客席側に移動します。向正面よりも最後の直線の方が馬場が広いような気がします。


 ホームを見ると、目の前にはそこそこ高い丘があり、そこが段々になっていて、おそらく相馬野馬追の祭り本番にはここが正式な観客席になるのだと思われます。
 今日は観客が少ないので、上から見ているひとはほぼおりません。写真で見る限り、野馬追の本番はこの観客席も人であふれていますが、ここが埋まるのかと思うとビックリです。ホテルとかまったく取れないのだろうなあ……。福島からのバスとかも満員レベルなのだろうか。
 なんにせよ、おおよその規模感が分かったのはよかったです。

 レース開始までは時間があるので、下で様子を見た後、上までのぼってみることにしました。
 (おそらく)のちの大正天皇が皇太子時代に行啓されていたようであります。それ以降はどなたもいらしてないのかな??

Google Photoさん作成のパノラマ ←の元になった写真
中腹から撮影 これは屋根があるので
貴賓席かな?
道路。滑り止めとして土嚢もあります
左は皇太子殿下野馬追臺覧記念碑
右はお手植松の碑
明治41年建立なので
皇太子様はのちの
大正天皇でしょうね
お手植松の碑の裏側
さすがに読む気にならない
多分これがお手植松
上から馬場を見下ろす
Google Photoさんにパノラマを作ってもらえなかった
階段を見下ろす 下に出ていた屋台
馬場脇からGoogle Mapさんのパノラマ ←の元になった写真

 さて、山登りからおりてくると、レースが始まりそうな空気になってきました。ゴール前の審判台に人が増えています。
 てなわけで、いよいよ予選レースの開始であります。

第77回相馬野馬追振興春季競馬大会
レース開始まで 予選 野馬追マルシェ〜決勝 博物館
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