エチウノケイリン

20 富山競輪場外

 富山駅から路面電車に揺られて競輪場です。
 富山駅北停留場、というのは、路面電車が富山駅を貫通する前にしか存在しなかった駅ではないかと思います。なんとかギリギリ写真に残しておいて満足です。


 ところで、この路面電車を見ていても、というか先ほどの近代美術館が城南公園にあったこととも関連するんですが、相変わらず「北が海」に対応し切れておりません。なぜか「富山城(富山駅の栄えてる側)が駅の北にある」と思い込んでいて、先ほどの城南公園も「富山城から駅を挟んで南側」にあると思い込んでました。考えてみたらそうではなく、富山城から見てもそこまで離れてないんだな。
 そして、路面電車は北、日本海に向かって走ります。
 富山に行ってちょっとびっくりしたのは、「富山駅は海から遠い」ということです。もっと海沿い、言うなれば魚津、あるいはせめて敦賀くらいの海の近さを勝手にイメージしてました。てっきり北前船で栄えた港町だと思ってたんですが、そうじゃないんだろうな。魚津にしたって松倉城が主城だったわけで、荒い日本海というのはなかなか商売に繋がりにくかったのだろうか。
 そういえば、北陸の街道ってどこを走っていたのか、東海道や中山道の宿場町とちがって、このあたりはあまり街道メインに観光集客しないんだな(敦賀の鯖街道は有名だけど)。そもそも、パパッと検索した限りでは、北陸街道(という名前でいいのかも含め)がどこを走っていたのかすら分かりづらい(地名になじみがないのが原因だけど)。こちらを拝見する限り、かなり海沿いを走っていたようで、今の富山市の中心部とは縁もゆかりもない感じですね。別に埋め立てで海岸線が遠のいたわけでもないんだな。それを思うと、富山城というのは湊と旧来の山城の中間点的な場所をおさえる場所に築城されたんだろうか。富山の歴史にちょっとだけ興味がわきました。
 ちなみに、富山駅と競輪場の直線距離は6.5km、岩瀬浜駅でも7km弱。東京駅から品川駅がだいたい6.5kmなので、東京だったらいくつかの町を挟む感じですね。松山だと、県庁前電停から三津浜の湊までが6km、梅津寺駅までの直線が6.5kmなので、ある意味海への距離は松山と同じといえば同じなんだな。そう思うとそこまで遠くないのかもしれない。

 さらにところで。
 自分はいままで路面電車とLRTの違いが分かってませんでした。どうも、富山では、北側の路線がLRTで、南側は普通の路面電車だったようです。富山ライトレールのWikipediaを見ると、歴史的にはもともと富山港に向けて国鉄が走っていて、それがライトレールになったんですね。うむ、富山駅が港から遠い(ような気がしていた)ので、港に向けて物資の輸送手段がないのはおかしいと思った。どうも、この国鉄は以前は富岩鉄道(←ATOKの予測で出てきてびっくり)という名前だったらしいですね。こちらのブログこちらのページに昔の写真がありました。石炭輸送線だったようで、なかなか広く線路用地がとられてますな。物資輸送線脇にギャンブル場がある、というのは多摩川競艇を思い出しますね。

 そんなことをブツブツ思いながら、電車に揺られて競輪場前。競輪場のための駅であることはまったく恥じていない駅でして(宮島の競艇場前駅は少しは見習いなさい)、競輪アピールが凄いです。
 なお、ここは線路を渡ると競輪場が目と鼻の先ですが、一応公式には線路を横断するのではなく踏切を渡るようにアナウンスされております。ただ、この日NPと一緒に降りた乗客は軒並み線路を渡っておりました。まあ、そりゃそうよね。
 注意書きは上りと下りとで別になっていて、富山方面行きの注意書きを読むと、「競輪パスカ」なるものがあることが分かります。これは、富山ライトレールが富山地鉄に吸収されるにあたって競輪ICカードという風情も何もない名前に変化したようです。どうも、このカードを持っていると、路面電車にタダで乗れるようですね。

競輪マークが目立つ 駅名案内 競の字で作られております 反対側(岩瀬浜駅行きホーム) こっちにこの注意書きを
入れても、見ないと思う
こんな感じに渡ります

 ちなみに、競輪パスカについて検索していたら、こちらのページに行き当たりました。これによると、電停の前にあった建物はJR時代の待合室の名残のようです。なるほどな、通りでこんな場所にこんな建物があるわけだ。どうもJR時代はここは競輪開催日のみ使われていた臨時駅だったようですが、それが今は全日全線停まるようになったみたいです。宮島の競艇場前駅も見習いましょう。

古びた待合室 競輪専用ICカードの使い方

 さて、本来であれば競輪が開催され、私もめでたく未踏の競輪場を踏めて満足、となるはずでしたが、既に書いたとおり競輪のシステムトラブルの影響で今回の開催は打ち切りとなっています。ですが、特段の混乱もなく、粛々と場外の車券が売られておりまして、競輪場も平和になったなあと、競輪場が本格的にやばかった時代を知らない人間が物知り顔で回顧するのでありました。

 とはいえ。
 何に驚くって、場内に入っても「本来開催されているはずの開催がおこなわれていない」ことについての案内・アナウンスが一切無いことに驚かされます。
 掲示板を見ても、その手の謝罪文も報告文も一切出ていません。もっとデカデカと出ていてかえって何かを見落としているのかと思って引いて見てみたりもしましたが、やはりなにも見当たりません。もしかして、この日はもともとなにも開催がなくて、自分が間違った日に来てたのかと不安になるレベルで、なにも出ていません。そりゃまあ、場外の車券を売ってるんだからそれでいいだろ、という考え方があることは否定しませんが、それにしたってどうなのよ。こっちは遠路東京から夜行バスで来てるんだぞ。

駅前入場口から入ります 場内案内 掲示板コーナー どこを見ても、開催打ち切りの
情報が載っていない
それっぽいかと思ったら
生ビール販売情報でした
チラシのラック。今回の開催の案内もあります
(次の開催とセットなので撤去できなかったと思われる)
今回の開催案内 バンク情報
10月6日まで開催です
別の場所の掲示板
ここにも何もない
ライちゃんのTwitter
11月6日には開催打ち切り関係のツイートをしておりません
前日までにツイートしたから開催3日目だけあると思う馬鹿はいないだろう、という
判断によると思われます
せっかくなので千葉記念の出走表

 いや〜、本当にビックリしました。ここまでなにもないとは。
 グラサンでもかけてパンチパーマにして案内所に「今日開催があるって見て遠路東京から来たのになんじゃごらぁ!」と乗り込んだら何がおきたのか、ちょっと興味深いところではありますが、そんなことできるはずもないので粛々と場内をうろつきます。せっかくなので千葉記念の車券もポチポチ。

メインスタンド1階
1コーナースタンド裏 「判定写真」に紙が貼られてる メインスタンドからの眺め 敢闘門 練習している選手がいました
再度メインからの眺め メインの座席
第5投票所1階 第5投票所2階
第5投票所2階から外に出る フードコンビニオールウェイズ
そうめんを売ってるのは珍しい気がします

 というわけで、お疲れ様でした。競輪場をあとにします。念のため、正面入場口にも回ってみましたが、やはり開催打ち切りに関する案内は発見できませんでした。衝撃です。

早朝販売所 入口っぽく見えるけれど
ここは入口ではない
正面入場口へ 入場券売り場
次の開催の案内はあるのだが
今回の打ち切りの案内がない
開運入場口
駅側から入ると運が開きません
ちょっと遠くから入場口を撮影 競輪場に別れを告げます 再度待合所

 競輪場を後にして、まわりをぷらぷらしながら次の目的地へと向かいます。

道路にはちょっとした案内
小さくて目立たないので、見落とさないよう注意
このあたりのフェンスが自転車柄でしたが、
競輪場を意識してるのかしてないのかは不明です
近くにあった白山神社に参拝

 はい、というわけで、未踏場を踏むことはできませんでしたが、一応内部をサラッと見ることができたのでよかったと思うことにします。
 なお、富山競輪場には翌年再訪することになります。

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