フランスのアメリカ〜アメリカ賞当日記その2

 そんなわけで,1レースです。

ネットで馬券を買っている
と思われる青年


 1レースは,ノートル賞G2。括弧書きの中の"PrixCamilleBlaisot"でWikipediaのページがつくられておりました。そこの説明によると,このCamilleBlaisotというのは馬ではなく弁護士・政治家のようです。人物名由来の馬ではなく,人物そのものってことですね。このカミーユさんの情報を日本語で検索しても全然出てこないんですが,カルヴァドス選出の議員さんで,どうもダッハウの収容所で最期を迎えられたようです。

 こうしてゆっくりと写真を見ていると,各馬の矯正器具が普段見ている競馬とは異なりますね。BILIBILIやBOLDENAなんて,目は見えてるんでしょうか。

13:35C1-PRIX LE NOTRE (PRIX CAMILLE BLAISOT) 120000euro
GroupeII-Monte-2850m
Pour5ans(B),hongresexclus,ayantgagnaumoins38.000.-Reculde25m.446.000.
Sontseulesadmisesmonterlespersonnesayantgagnaumoinstrente-cinqcourses(entanttitulaired'uneautorisationdemontertitreprofessionnel).
Rang N Cheval S A Driver/Jockey Distance Temps Reductionkm Allocation
1 7 BILIBILI M 5 A.ABRIVARD 2850 3'32"4 1'14"6 54000
2 4 BISCUITDELAVERA M 5 CL.FRECELLE 2850 3'33"4 1'14"9 30000
3 1 BOLDENA F 5 CEDRICTERRY 2850 3'34"8 1'15"4 16800
4 2 BARONDUCHENE M 5 F.NIVARD 2850 3'35"3 1'15"6 9600
5 5 BEMINEDEHOUELLE F 5 M.BACSICH 2850 3'35"9 1'15"8 6000
DA 3 BLOOMAD'HERIPRE F 5 A.BARRIER 2850 0
DA 6 BOCAGED'ORTIGE M 5 M.ABRIVARD 2850 0

 勝ったのはBiliBili。ビリビリという日本語的に不吉な名前の持ち主ですが(中国の動画サイトとの関係は不明),前年のPrixduPresidentdelaRepublique(共和国大統領賞,でいいのだろうか)を優勝し,G2戦を連勝してここにやってきた馬です。ここを勝利して,G2を3連勝。次走はG1のサントール賞(ケンタウロス賞)を3着のあと,G2のポールバスタード賞を勝利(何者なのかは不明)。さらに翌年のG1イル・ド・フランス賞(2010年にG1に昇格したようですが,日本語Wikipediaのフランス競馬ではG1リストに入ってませんね)でG1初制覇。その後はG2カルヴァドス賞を連覇し,2019年のコルニュリエ賞で2度目のG1制覇。今も現役なのは,遅筆な人間から見たらありがたい限りです。このコルニュリエという発音しづらいことこの上ない名前は,GontrandeCornulierというこれまたカルヴァドスの代議士からとった名前のようです。この人はSocieted'encouragemental'elevageduchevalfrancaisの創設に携わり,初代Directorだったということで,コルニュリエ賞というのは日本で言うところの安田記念みたいなもんなわけですね。また,この人はヴァンセンヌ競馬場の開設にも携わっていたようです。大物にもほどがあるな。
 ってか,このコルニュリエ賞のフラ語Wikipediaを見ていても,歴代勝馬の中でWikipediaのページが作られていない馬もそれなりに多く,やっぱり先般のAscotを書いていて思った日本人がWikipedia好きすぎ説が裏付けられつつあるな。
 2着のBISCUITDELAVERAは過去にG3戦リュネヴィル賞勝利の実績のある馬ですが,これを書いている2019年11月時点で,最後の出走は2019年1月,これ以降の重賞勝利はなさそうです。
 3着・4着馬は目立った実績がなさそうなのでスルーして,5着のBEMINEDEHOUELLE。2016年1月の時点ではフランス国内の出走歴しかありませんでしたが,その後はフランスを中心にスウェーデン,フィンランド,スペイン,ノルウェーなど,国をまたいでレースに出ているようです。フランス国内では,G2のフィリップロジャー賞の勝利実績があり,その他LeTrotのページを元にする限り,スウェーデンとフィンランドでもG2の勝利実績があるようです。

1周目 最後のコーナー 圧勝です リプレイ
BARONDUCHENE 次のレースの出走馬が後ろを走って行きます 表彰台にはチアガール 2着のBISCUITDELAVERA アナウンサー
BOLDENA 帰ってきたBILIBILI
周囲を取り囲まれるBILIBILI ようやく落ち着く
フランス国旗を渡される A.ABRIVARD騎手登壇 インタビュー
このおっさんが誰かはよく分からない
多分オーナーか調教師でしょうけど
盛り上がる表彰式 チアガールは最後までお仕事

 馬場整備が入ってからの2レース。一般戦です。

14:07C2-PRIX LALIQUE (PRIX DE MONTREAL) 70,000euro
CourseB-Attel-2100m Course Europenne Dpart l'autostart
Pourchevauxentiersethongresde5ans(B),ayantgagnaumoins30.000,maispas135.000.
Rank No. Horse S AT Driver/Jockey Distance Time Kmreduction Allocation
1 2 BARRIOJOSSELYN M 5 JMBAZIRE 2,100 2'30"0 1'11"4 31,500
2 11 BLACKATOUT M 5 P.VERCRUYSSE 2,100 2'30"0 1'11"4 17,500
3 1 BLACKCHARM M 5 E.RAFFIN 2,100 2'30"2 1'11"5 9,800
4 15 SHIRAZROC M 5 MrABRIVARD 2,100 2'30"7 1'11"8 5,600
5 16 SCELLINOLUIS H 5 O.KIHLSTROM 2,100 2'31"0 1'11"9 3,500
6 14 SUERTE'SCAGE M 5 G.GELORMINI 2,100 2'31"0 1'11"9 1,400
7 4 BESTBUISSONAY M 5 J.VANEECKHAUTE 2,100 2'31"3 1'12"0 700
8 12 GROSSWEIGHT M 5 B.GOOP 2,100 2'31"5 1'12"1 0
9 18 DIGITALCOLLECTION M 5 D.LOCQUENEUX 2,100 2'32"0 1'12"4 0
0 3 BRELANDUVIVIER M 5 D.THOMAIN 2,100 0
0 7 BRASILOFBAILLY H 5 F.OUVRIE 2,100 0
0 13 ONCEFORALLFACE H 5 L.KOLGJINI 2,100 0
DA 6 BADIUSOFTILOU M 5 PYVERVA 2,100 0
DA 9 BALTICCHARM M 5 F.NIVARD 2,100 0
DA 8 CARABINIERI M 5 J.UNTERSTEINER 2,100 0
DA 10 SAPHIREHORSE M 5 R.ANDREGHETTI 2,100 0
DA 5 SATCHMOAS M 5 CH.MARTENS 2,100 0
DA 17 SOGNOD'AMORE M 5 MrBARONCINI 2,100 0


 勝ったBARRIO JOSSELYNは勝ち負けを繰り返しながら,順調にClassBの勝利にこぎつけました。こののち,2017年11月にG3のGRAND NATIONAL DU TROT PARIS-TURFを勝利することになります。2019年11月現在,これが唯一の重賞制覇です。
 このレースに出ていた組としては,競走中止(失格)になったBALTIC CHARMがこの年2月におこなわれたG3のPRIX DE LA MAYENNEとG2のPRIX HENRI LEVESQUEに勝利しております。この年(2016年)秋にはG1戦にも出走し,RITERIUM DES 5 ANSとCHAMPIONNAT EUROPEEN DES 5 ANSにていずれも3着と馬券内に入っております。
 失格勢だと,この日が2走目だったCARABINIERIもこののち重賞連対にまでこぎつけており,BADIUS DE TILOUはこの年の5月におこなわれたG2のPRIX ALBERT DEMARCQに勝利。Wikipedia情報では,Albert Demarcq(最後の"cq"の読み方が意味分からん)さんは1950年代のレーススチュワードだとのことです。
 というわけで,いまいち位置づけのよく分からんレースなんですが,出走馬の成績を見てるとそれなりに楽しめます。というわけで,レースが終わってから4年も経って旅行記を書く醍醐味もあるにはあるのです。


馬場整備 SUERTE'SCAGE SCELLINOLUIS BESTBUISSONAY BRELANDUVIVIER
CARABINIERI BADIUSOFTILOU BLACKCHARM GROSSWEIGHT BALTICCHARM
BRASILOFBAILLYとBLACKATOUT DIGITALCOLLECTION
顔が切れた
SOGNOD'AMORE BARRIOJOSSELYN
これが勝馬です
ONCEFORALLFACE SHIRAZROC
SAPHIREHORSE SATCHMOAS BESTBUISSONAY レースのオッズ表示
Autostart 車はポケットに退避
最後の直線へ! 熱いゴール前
BARRIO JOSSELYNが
差し切って勝利!!
表彰台で待ち構える
チアガール集団
BARRIO JOSSELYN
表彰式とインタビュー レースの合間はチアダンス

 3レースはPRIX KUSMI TEA (PRIX JACQUES ANDRIEU)。KUSMI TEAというのは,ロシアで生まれてパリで人気の紅茶ブランドだとのことです(公式ページWikipedia)。これはあくまでスポンサーなので,正式なレース名はPrix Jaques Andrieuということになります。Wikipediaもこれです。
 5歳から10歳までのG2戦。

 このレースはデジカメで動画撮ってて,普段は自分のPCに入れとくだけなんですが,実験的に(将来の自分向けに)Youtubeを使ってみることにします。

14:37 C3 - PRIX KUSMI TEA (PRIX JACQUES ANDRIEU) 120 000 T?l?charger le PDF
Groupe II - Monte - 2850m Course Internationale
Pour 5 a 10 ans inclus (B a S), ayant gagne au moins 160.000, et n'ayant pas ete classes 1er, 2eme ou 3eme du Prix de
Cornulier couru cette annee a Vincennes. - Recul de 25 m. a 530.000.
Sont seules admises a monter les personnes ayant gagne au moins trente-cinq courses
(en etant titulaire d'une autorisation de monter a titre professionnel).
1 4 UKERLZA DU BENJO F 8 M. MOTTIER 2 850 3'29"8 1'13"6 54 000
2 12 TEXAS DE L'ITON H 9 F. NIVARD 2 875 3'30"4 1'13"2 30 000
3 10 TEATRO M 9 CH.J. BIGEON 2 850 3'30"6 1'13"9 16 800
4 6 VRAI VOYOU H 7 A. BARRIER 2 850 3'30"7 1'13"9 9 600
5 7 SATIN D'AVRIL M 10 AURELIEN DESMARRES 2 850 3'31"4 1'14"2 6 000
6 5 UNA DES PONNES F 8 A. LAMY 2 850 3'31"5 1'14"2 2 400
7 1 AMAZONE DU DOLLAR F 6 P.Y. VERVA 2 850 3'31"6 1'14"2 1 200
8 9 UN GARS DU LARGE H 8 J.L.CL. DERSOIR 2 850 3'32"8 1'14"7 0
9 8 TSAR DE HOUELLE H 9 M. BACSICH 2 850 3'34"0 1'15"1 0
0 2 AGRIPPINE F 6 A. ABRIVARD 2 850 0
0 3 VAILLANT CASH M 7 CL. FRECELLE 2 850 0
DA 11 SIROCCO JIBACE H 10 M. ABRIVARD 2 850 0

勝ったUKERLZA DU BENJOは成績表を見る限りこれが引退レース。これまでG2戦で2着が2回,というなかで嬉しい初重賞制覇となりました。
2着のTEXAS DE L'ITONは2015年末と本年1月にG2のPRIX JULES LEMONNIERとPRIX BEACHCOMBER HOTELS LE MAURICIAを勝利してからの2着。PRIX BEACHCOMBER HOTELS LE MAURICIAではこのレースの勝ち馬UKERLZA DU BENJOを2着に下していましたが,逆転されたかたちです。このあともG2・G3戦線を走りまくり,翌年のG2PRIX THEOPHILE LALLOUETを勝利しております。
このままこの2頭で仲良く走り続けてくれてたら,楽しかったんですけどね…。世の中,部外者が期待するようなライバルストーリーはそう簡単にはできあがりません。

Kusmi Teaの宣伝 コース案内 あと6分で締め切り レース再放送 勝馬 待ち構えるチア軍団 先にインタビューされてるのは
スポンサーでしょうかね?
勝馬UKERLZA DU BENJOの凱旋 記念撮影
表彰式 ジョッキーインタビュー 多分,オーナーインタビュー 記念撮影 チアダンス

 と,いうわけで,3レースまで終わりました。
 刻一刻と,アメリカ賞が近づいてきます。

アメリカ賞当日記その1第4〜5レース

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