宮崎旅行記2013その1(鵜戸神宮編)

 綾競馬をどげんかせんといかん。
 綾競馬の存在を知り,また一大馬産地としての九州地方の存在を知り,「綾競馬」という場所は自分にとってある種「行かねばらならない場所」でありました。本当は前年(2012年)に行きたかったのですが,2013年は開催日である文化の日の日取りの関係でここが3連休になることが分かっていたので,前年からこの3連休に綾競馬を訪問することが決まっていたのでした。
 ちなみに,宮崎県は自分がまだ訪れたことのない県であり,旅行中にカウントしたところ,残す県は秋田山形宮城富山茨城+宮崎で間違いなさそうです。ちなみに,茨城県にはこのあと仕事で結城市を訪れるというアクシデント?があったのですが,所詮仕事での訪問なのでカウントしないことにします。

 そんな宮崎県。せっかく3連休に行くのですから,綿密なスケジュールを組まなければなりません。宮崎といえばとりあえず思いつくのは綾競馬&綾城なのはいいとして,100名城に入っているのは南の飫肥城。日南方向というと,ほかに在来馬である御崎馬がいたり,鹿児島方向に向かうと吉永ファームがあったりします。逆に北方を見ると,城としては都於郡城・佐土原城が著名であり,さらに進めばかの有名な高千穂峡が待ち構えております。う〜ん,2日目に綾競馬にいってる場合じゃないんじゃないかという雰囲気も漂ってくるな……。

 いろいろ思案した結果,1日目は飫肥城まわりを,2日目は綾町をそれぞれバスで攻めて,3日目は時間的に効率よくするためにレンタカーで都於郡城・佐土原城を攻めて空港で車を返すのがよかろう,ということになりました。そんなわけで,今回は珍しくANAパックでの旅行です。


 さて。無事宮崎空港に着きました。どことなくただよう南国の香り。そして,空港からの出口にある口蹄疫予防のためのシートが都会人にとっては他人事であった口蹄疫問題を現実味を持って感じさせます。
 さて。飫肥へはバスで向かいます。ホームページを見る限り,飫肥への切符を買うよりも1日券を買った方が圧倒的にお得なようで,本当にそれで合ってるのか不安だったので窓口で確認したところ,やはりそれで間違っていないとのこと。てなわけで,1日券を購入してバスを待ちます。バスまで若干時間があったので,宮崎ラーメンを食しにいったところ今度は時間が危うくなり,ラーメンを少し残す羽目になってしまいました。すいません……。

防疫シート 1日券
サイズが大きいので
持ち運びに不便です
あわてて食べたラーメン

 さて,このまま飫肥まで直行してもよかったのですが,せっかくなので途中にある鵜戸神宮に寄ります。途中には鵜戸神宮の他に青島神社もあり,時間的に両方はお参り出来なさそうなのでより宮崎市内から遠くて再訪が難しそうな鵜戸神宮を選択しました。結果的にこれは大正解だったのですが,それはまた後の話。
 飫肥へのバスは途中からひたすら海岸沿いを走ります。途中,鬼の洗濯板らしき景色が見えました。てっきり青島神社付近でしか見られないのかと思ってたので,これはいい意味で誤算でした。

正面の景色 鬼の洗濯板 最後に「m(_ _)m」がついているのが斬新

 そんなこんなで,バスは10分以上遅れて鵜戸神宮に到着。遅れるのはいいんですが,もともとバスの本数が少なく,次のバスまで約50分しかないなかで鵜戸神宮を参拝せにゃならんのでこちらとしては若干あせりました。
 そして,びっくりしたのが参拝ルート。登ってる!
 事前勉強によれば,ここ鵜戸神宮は貫前神社と並び日本三大下り宮の1つに数えられております。下り宮っていうんだから当然下って参拝するはずなのに……およよ。(但し,思い起こしてみれば,貫前神社も最初は登りがあったんだよな。車に乗ってたからそこをすっ飛ばしただけで)
 そして,さらに参拝者を惑わせるのが,参拝ルートが二手に分かれていることです。どうも,片方は天皇陛下も歩かれた本参道コース。もう片方はおそらく新しい参道。お馬鹿NPがこういうときに採る選択肢は昔から決まっており,可処分時間を全く考えずに旧道を進みます。

 この本参道,徒歩15分との触れ込みでしたが,そんな長時間歩いたかな,という感じでたいしてきつい道ではありませんでした。ただ,階段に手摺りがないので大変な人には大変な道だろうな。あと,道中「累代別当宮司の墓地」がありました。このあたり,神仏習合期に神の国宮崎がどういう雰囲気だったのか個人的には大変興味深いところではありますが,とりあえず分かったのは「今となってはそこそこ大事にはされているが,神社的にはそれ以上でもそれ以下でもない」ということでした。個人的には,別当のお墓よりも箱ワナを見られたので嬉しかったのでした(←都会っ子)。

バス降り場から見下ろす
この景色を見せられて,
なぜこの先登りが待っていると
思うでしょうか!?
境内図 八丁坂への案内 由緒書 なかなか見かけない,
ご老人夫婦の道祖神
別当墓地への案内
参道鳥居 こんな階段
若干ボロがきていますが,そんなにきついわけでもない
分岐点 左右の燈籠
右側の燈籠は
きれいに原型を留めていました
初代別当の墓への道
時間を考えてここはスルー
陽明門開闢の師 山門が不自然にきれいですが
←を見るにできたばかりと
推測されます
奈良県の方が建立されており
鵜戸神宮と累代別当との
関係がちょっと気になります
荒廃しているようにしかみえないんですが…
累代別当の墓 箱ワナ
普通に子供が遊んで引っかかりそうだな
最後の下り 両脇には仁王護国寺の
支院があったとのこと

 さて,そんなわけで,新参道と合流して鵜戸神宮が近づいてまいります。合流後は一気に参拝客の数が増えます。みんな旧道使わないんだなー。

 神宮への道は,まあこういっちゃなんですが,普通のちょっと大きめな神社です。右手に海が見えるのが気持ちいいですが,まあそれだけ。
 それよりも気になるのが左側に現われる砂岩?の姿。これ,人工的に作ったわけじゃないんですよね?なんで岩がこんな姿になるんでしょうか。自然って凄い。凄すぎる。


神門

楼門

神社に似合わない風貌
  
紙開発燈籠。結局紙の生産は成功したんでしょうか?

この岩肌が素晴らしい

復旧事業
 
伊東祐久寄進の燈籠
保存状態がいいですね

 さて,進んでいくと,いよいよ本殿が近づいて参ります。まずは神橋を渡り,階段を下りていくことになります。ああ,これが下り宮の由来か。
 そして,階段を下りて,左側を見ると……あぁ〜。正直,言葉では言い表せない,なんとも素晴らしい,なんとも厳かな,なんともいえない空気が流れる場所がありました。あとで写真を見返してみても,全然伝わってこない,現地に行かないと全く分からない空気感がそこにはありました。ここに参拝する前にも当然いくつかの旅行記は見てきていたのですが,それを見ていてもまさかこんなものが現われるとは想像していませんでした。いやはや,素晴らしい。素晴らしいなんて言葉で表すのが申し訳ないほどに素晴らしい。

 本当はこの素晴らしい空間をゆっくり見ていたかったのですが,いかんせんバスの時間が迫っておりますので,案内に沿って内部を一周。お乳岩がどれなのかはよく分かりませんでした。また,写真がブレブレなのは正直ゆっくりと何枚も写真を撮り直す時間的余裕が無かったためです。でもそんなものどうでもよかった。それくらい,写真じゃ伝わってこない不思議な空間でした(向いにある売店が若干この空気を害してましたが,でも騒がしくなかったのでよかった)。

 なお,社殿の向かい,海沿いでは運玉投げが行われておりました。まあ時間が無いのでこういうのはスルーします。それにしてもこの砂岩が浸食されている様は美しいな。


 で,時間がやばくなってきたので慌ただしく,とはいえ走るのも気が引ける場所なので早歩きで退散。
 最後はダッシュで新参道のトンネルを走りました。

お乳アメ湯について 稲荷社方向はこれ以上進まず 鵜戸の古狛犬

 ここの名物はお乳飴のようで,バスを待っている間に買って職場に持っていきましたが,不評でした。歯に強くくっつくので,食べにくいんだよな。現地に行ってるとそのテンションでなんとかできるんだけど。
 と,バスを待っていたことを先出ししましたが,結局バスは定刻から10分以上遅れて,つまり自分が着いたときと同じくらい遅れて到着。まあ,間に合ったのでよかったよかった。
 そんなわけで,飫肥城へと向かうのであります。

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