オグリの子 阿部夏丸

競馬

少年が主人公の小説3編。競馬に関係するのは表題作の「オグリの子」のみだが、3編とも、悩みながらも、非常に素直な子供達が登場する、小学校の読書感想文の議題になりそうな作品。オグリの名に釣られて久々にこういう本を読めて心が洗われたような気がする。

表題作「オグリの子」は、笠松に住む少年3人の友情や心情を描いた作品。
笠松だけに競馬が身近にあり、そこにオグリキャップ産駒でアンカツが乗る「オグリの子」がからんでいく。少年だけに純粋に競馬を予想し、馬を応援しているので気持ちいい。

もちろん登場する「オグリの子」は架空の存在であるが、なにより実在のレース名とアンカツが出てくるので競馬ファンとしても嬉しい。
主題はあくまで子供達の心の動きであって競馬はおまけであるが、笠松の子供達はかれらのように競馬とともに元気に育ってほしいな、とおっさんとして願ってしまうのであります。

オグリの子 (講談社文庫)
勝つぞ、絶対に勝つぞ。勝って、あいつはダービーに出るんだ。優等生のユウ、悪ガキのナオト、そして落ちこぼれのコージ。3人が憧れつづけてきた馬が今日、走る。ひなびた競馬場から中央デビューを果たすべく、メインレースに挑む。伝説の名馬の子に託した子...

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