予想屋 大泉実成・田中良成

競艇

1995年~1997年の『ギャンぶる大帝』の連載に加筆修正したもの。
公営4競技の予想屋(佐賀のみ「通信社」)を取材した作品。取材者の都合か予算の都合か、比較的関東圏が多い。

自分は競馬から公営競技に入ったので、競艇や競輪を覚えるにあたって、予想屋さんが話すことは多いに参考にさせていただいた。喋る人喋らない人、大レースの日になると張り切る人と色々いるけれど、やっぱりある程度話をしてくれると初心者としてはありがたい。

どういう経緯で予想屋になったのか、聞きたくても聞けない話が並んでいる。また、皆が気になる外れた場合のこともしっかり取材されている。ギャンブル雑誌の連載とは思えないクオリティで、さすが実績のある大泉実成氏の作品(読後に実績を知った)。

欲を排除し的中に徹するため自分の予想で車券を買わない川口の赤シャツさん、「予想屋は的中屋じゃない」とする戸田の黄金さん、上山で予想屋を立ち上げた毎日ヒントさん、大井オートで弟子入りしたのち借金のかたに別の予想屋に売られた船橋のミスター船橋さん、ご自身も旅打ちをする前橋のキャプテンさんなど、とにかくみなさん個性があふれて凄い。

90年代はまだ競馬は大ブームで、公営ギャンブルは不況に強いと言われていた。その後、北関東競馬も上山も船橋オートも廃止された。予想屋の方々は廃止にどう向き合ったのかも気になった。
予想屋はJRAにいないこともあってアングラな雰囲気があるし、取っつきづらい(原因は本人よりも周りにいる常連にあることが多い)し、なかなか近づけない人も多いと思うが、こういう本を読むと予想屋の予想を聞いてみたくなるだろうな。

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