競馬記者藤森氏が取材する体をとる競馬小説。とはいえ、藤森氏以外の登場人物は基本的に実名(なお、西島氏が実名かは私には分からない。ちなみに、このトラブルの件、アンカツさんのWikipediaはもちろんのこと、トミシノポルンガのWikipediaにも載ってないですね)。
基本的には天才騎手アンカツがライデンリーダーでオークスに挑むまでを書いている。出版にあたって事実関係をアンカツに確認してもらったとのことなので、基本的にはノンフィクションなのだと思う。
とはいえ、この本の意義はもう一人の天才、アンカツがこの人こそが天才だとした坂本敏美騎手について書いたこと。
引用されている講演原稿がフィクションなのかノンフィクションなのかは分からないが、おそらくノンフィクションなのではなかろうか。これを本のかたちで残したこと、さらに坂本氏の空白の3年間のことまでも書いたことに、この本の意義があると思う。
主人公の安藤勝己騎手の本ではなく、坂本敏美騎手の本としての「天才騎手」だと、自分は受け止めた。

天才騎手 (双葉文庫 か 21-1)
天才騎手 (双葉文庫 か 21-1)


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